モブで薬師な魔法使いと、氷の騎士の物語

みん

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第二章ー同棲ー

感謝の日に

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「ハル、俺は別に怒ってる訳じゃないから。ただ─ハルの誕生日を祝いたかっただけなんだ。」



私の誕生日なんて…祝わないで──



私を…置いていかないで──



私は…独りぼっちになった──



暗闇にポツンと立っている。そこから動けなくなっている。

「──独りぼっちは…嫌だなぁ…」

と呟くと、フワリと温かい何かに包まれたのと同時に、あの大好きな香りがした。










「────ん─」

ゆっくりと目を開けると

「目が…覚めたか?」

「─────ん?」

「まだ起きるには、少し早い時間だけど…どうする?」

「ん???」

ーあれ?ー

「はぁ────寝惚けてるコトネが…可愛い過ぎて辛いな……」

エディオルさんが何かを呟いた後、私に軽くキスをする。

「──っ!?」

その瞬間、一気に目が覚めて思考回路も働き出し、昨日の出来事が一気に甦った。

「─っっ!!」

同時に、一気に顔が赤くなったのが分かった。

「ハル─コトネ、少し落ち着こうか。」

「──はい………。」








どうやら、私はまた、エディオルさんに抱っこされたまま…寝落ちしてしまったらしい。

「ひょっとして…ディの体には、眠りの魔法でも掛けられてるの??」

「それは──無いな。」

「え?私…また…声に出してましたか?」

ギョッとしてエディオルさんを見れば、少し困った様な顔したエディオルさんが居た。

「コトネが…嫌がるならしないけど…来年は、コトネの誕生日を…祝いたい。皆でとか、パーティーをしたりしなくても良いから。コトネが生まれて来てくれた事を…祝いたい。」

「………」

「嫌…か?」

「…ディ……」

「ん?」

目の前には、ただただ、優しく微笑むエディオルさんが居る。

「私の誕生日を祝ってから、お祖母ちゃんの所に行く─って…。それで、お父さんとお母さんが…事故に遇ったんです。私の誕生日なんか…祝ったばっかりに。あの日が、私の誕生日じゃなかったら、死んでなかったって…。」

グッと手に力を入れる。

「また、私の誕生日を祝って、誰かに何かあったら─って…。」

「コトネ」

エディオルさんは、私の名前を呼んで、その腕の中に閉じ込める。

「コトネのご両親は、コトネの事が好きだから─生まれて来てくれた事が嬉しいから祝ってくれていたんだと思う。コトネの事が大切で大好きだったんだろう。事故に遇った事は…残念だったけど、それは、コトネのせいじゃないし、最後に…ちゃんとコトネの誕生日を祝えて…良かったんじゃないかな。」

「……」

「コトネ?俺は…コトネが生まれて来てくれた事を嬉しく思っているし、コトネを生んで育ててくれたご両親に…感謝している。あぁ、そうだ。コトネが嫌と言うなら…誕生日お祝いではなくて─“親に感謝をする日”にするか?」

「感謝?」

「そう。自分を生んで育ててくれてありがとう─と、ご両親に伝えるんだ。」

「ディ……」

「直接、感謝の気持ちを伝えられない事は残念だけど…俺も、ハルのご両親に感謝したいな。」

「──っ…ディ──」

ギュッとエディオルさんに抱き付く。

「コトネ、いっぱい…泣いて良いから。我慢しなくて良いから。」

エディオルさんが、私の背中を優しく撫でながら、もう片方の腕で私をギュッと抱き締めてくれる。

そうすると、私の大好きで…ドキドキするけど安心もする香りに包まれて、そのまま、で涙を流した。








「うぅ───毎回すみません。」

はい、今回も沢山泣いて、エディオルさんの服を濡らしてしまいました。

「ディの体には、安眠と安心の魔法が掛けられてるんだ。」

「──コトネ?」

「ふぁいっ!?」

何故か、背中がゾクリとする、いつもより少しトーンの低い声で名前を呼ばれて、片手を私の頬にあて、エディオルさんと顔を向き合うようにして固定された。

「昨日、ここで、俺に何をされたか…覚えてないのか?」

「─っ!?なっ…何をって……っ!?」

ーわ…忘れられる訳ないよね!?ー

と声には出せず、口だけをパクパクさせる。

「それで…安心してて良いのか?」

「う…うぇ!?」

エディオルさんが、私の唇を指でゆっくりと触れてくる。

「俺は……いつだって………」

エディオルさんの顔が、少しずつ近付いて来て──



『『主!』』


「ひゃいっっっ!!!!」
「──っ!?」

ネージュとノアに、同時に呼び掛けられた。











「ネージュ!目が覚めたんだね!えっと…体調は…どうかな?」

ノアの小屋へと向かうと、馬の姿に戻ったノアと、犬サイズになったネージュが居た。見た感じでは、ネージュは落ち着いているようだ。

『主、我を…我を助けてくれて…ありがとう。』

嬉しそうに笑いながら、ネージュが、しゃがんでいる私の顔にスリスリと顔を擦り付けて来た。

「はぅ─っ。ネージュが可愛いっ。お母さんネージュが可愛いっ!!──はっ!モフモフは…我慢するね!」

と、モフモフは止めて、ネージュの頭をワシャワシャと撫で回した。







「ノア…助かったよ…」

『?』

片手で顔を覆って、反省気味の主─エディオルにお礼?を言われ、意味が分からないノアは、主の顔を不思議そうに見つめながら首を傾げた。



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