モブで薬師な魔法使いと、氷の騎士の物語

みん

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第三章ーリスと氷の騎士ー

リュウからの

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*結婚式迄1ヶ月*



今日は、結婚式で着るウェディングドレスの最終確認をする日。

「わぁー…ハル様…とっても綺麗です!」

「ルナさん、ありがとうございます。」

胸元と背中は少し大き目に開いているが、そこにはレースが編み上げられていて露出を抑えるようになっている。胸下でリボンでギュッと締められて、そこから下はストンと落ちている─エンパイアタイプ。スカートの裾は、レースが幾重にも重なっていて、その裾にもかすみ草の花が刺繍されている。

「何処かキツイ所や緩い所はございませんか?」

このウェディングドレスを作ってくれている─ケイトさんに尋ねられた。

「いえ、どこも問題は無いです。」

「では、手直し無しで、このままでいきましょう。それでは…次は…を出してもよろしいでしょうか?」

「──着替えてから…お願いします。」

”とは──








「スケスケだ……」

「スケスケね……」


そう、“アレ”─とは、ナイトドレスの事である。

結婚式当日の夜に着る迄見ない─と言う選択肢もあったけど


ー心構えが必要だ!ー

と思い、今日、ついでに持って来てもらったのだ。ナイトドレスは特注する物ではないので、いくつか持って来てもらい、その中から決める事にした─んだけど…。やっぱり、恋愛結婚だからだろう。持って来てくれた、5着のナイトドレスの全てが…スケスケだった。

ルナさんとリディさんは、キャッキャウフフと楽しそうにナイトドレスを吟味している。その横で、ミヤさんと私は顔が引き攣ったままだ。

「ハル様には、コレが良いと思います!」

と、ルナさんとリディさんが、ドヤ顔で1枚のナイトドレスを手に掲げた。

水色の膝丈迄あるキャミソールタイプのもので、胸元にリボンがある。ただ、それだけのスケスケだ。

「え?コレ、着る意味ある?服としての役割は…放棄してるよね?」

「「それが、ナイトドレスですから!!」」

本当に、ルナさんとリディさんは嬉しそうに楽しそうに笑う。

「ハル…もう、逃げられないから…覚悟を決めるしか…ないわよ。頑張ってね…。」

と、ミヤさんに悟り顔で応援された。




そんなこんなで…ウェディングドレスとナイトドレスも決まり、後は結婚式当日を迎えるだけ─となった、結婚式の2週間前の日。

「今日は、泊りがけでハルを預かるわね。」

と、ミヤさんに拉致られるように、王都のパルヴァン邸へ連れて来られた。エディオルさんも、「行ってらっしやい。」と笑顔で送ってくれた。

そうして、パルヴァン邸へとやって来ると、そこにはリュウが居た。

「あれ?リュウも来てたの?何かあった?」

と、お茶を用意してくれていた席に座りながら尋ねると

「俺からの、結婚のお祝いを持って来た。」

と言いながら、以前、私が魔力を溜め込んだ魔石の玉を、私の目の前に置いた。

「お祝い?」

「そう。ハル、その魔石の玉に触れてみて。」

「?」

何だかよく分からないけど、リュウもミヤさんも何となく嬉しそう?に笑っている。取り敢えず、その魔石にソッと触れてみると、無色透明だった魔石がほんのり光って──


『ハルちゃん、ミヤ、元気?』

と言う声と共に、その魔石の玉の中にフジさんとショウさんの姿が現れた。

「えっ!?」

驚いて、その玉とリュウの顔に交互に視線を動かす。

「それ、記録映像で、手を触れている間見れるんだ。離すとそこで止まる。」

パッと手を話せば、光も消えて、ただの無色透明の玉に戻る。

「え?何で?フジさんとショウさんが?」

「俺、魔法陣を展開させて、日本に行って来たんだ。」

「えっ!?????」

“行って来た”って何!?散歩じゃないんだから、そんなに簡単に言える事じゃないよね?

「この前、ハルに、2つの魔石に魔力を溜めてもらっただろう?実は、あの溜めてもらった魔力を使って往復したんだ。」









❋時は遡って、結婚式の4ヶ月前❋




ハルに、魔石の玉に魔力を溜めてくれ─と頼んだ後、リュウはミヤ様の元へと向かった。



「フジとショウに…会いに行く?」

「あぁ。ハルの結婚のお祝いをもらいにね。」

「……また…危険なお祝いを選んだわね。」

と、ミヤ様は苦笑する。

「本当は、その2人をこっちに連れて来れたら良いんだろうけど、3回目の異世界転移でヤバかったと言っていたから、それは無理だと思って。なら、あっちの世界での“動画”みたいなのが撮れたらな─と思ってさ。あ、コレはハルには内緒でヨロシク。」

「リュウも、ハルには甘いわね。で?魔力はどうするの?流石の魔法使いでも、往復の魔力は無理なんじゃないの?」

「さっき、ハルに魔力をたっぷり溜め込める魔石を渡して来たんだ。今日から1ヶ月、毎日少しずつ溜めてくれと。」

「あぁ…なるほど。なら、魔力の心配は無いわね。でも…その魔石が、ハルの魔力に耐えれるかどうか…じゃないかしら?」

その辺もしっかり計算済みだ。あの魔石はかなりのレア物で、どんな魔力にも耐えられる魔石なのだ。手に入れるのに、本当に苦労した。半年もかかったのだ。

「大丈夫!な筈だ…。」

それでも、チートよろしく!のハルだ…ギリギリかもしれないな。うん。予定よりも少し早目に魔石を回収しよう─と、心に決めた。


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