モブで薬師な魔法使いと、氷の騎士の物語

みん

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第三章ーリスと氷の騎士ー

結婚式①

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今日は、いつもよりも早い時間に目が覚めた。

窓を開けると、爽やかな風が流れ込み私の髪がフワリとなびく。
空が薄っすらと白んでいる。

『主、もう起きたのか?』

久し振りに、一緒に寝ていたネージュが私の足元に擦り寄って来た。

「おはよう。ごめんね、起こしちゃった?」

『いや。久し振りに主と一緒だった故、グッスリ眠れた。』

本当に嬉しそうに尻尾をフリフリして、私に顔をスリスリとして来る。

「ネージュ!やっぱり可愛い!!」

その場にしゃがんで、思う存分ネージュを撫で回した。






今日は、結婚式当日─である。







結婚式前日に、私は辺境地のパルヴァン邸へとやって来た。

「ハル、お帰り。」

と、ゼンさんお父さんが笑顔で出迎えてくれた。

「ただいま…です。お父さん。」

そんなやり取りが少し恥ずかしくて、「へへっ」と、照れ笑いしてしまうと「くぅっ─」と、お父さんは呻きながら手で顔を覆った。

「おとう─」

「はい、ハルは何も気にしなくて良いからね?さぁ、こっちにおいで。と一緒に、お茶でもしてくれるかな?」

お父さんに声を掛けようとすると、ロンさんお兄さんが私に声を掛けて来た。

「はい!勿論喜んで!」

それから、お兄さんとクロエさんお姉さんとお茶をしていると、いつものゼンさん?に復活したお父さんもやって来て、その日のお昼過ぎ迄4人で楽しい時間を過ごした。






*昨日(結婚式前日)の夜*

「ハル、少し…時間をもらっても良いか?」

と、お父さんがホットミルクを持って来た。

「はい。」

お父さんは、そのホットミルクを私が座っている目の前に置き、そのままテーブルを挟んだ向かい側の椅子に座った。

「いよいよ明日だな。」

「はい。この1年はあっと言う間でした。」

「そうだな…本当に…早かったな…エディオルめ…」

「ん?すみません、最後は何て?」

“早かったな”の後、声が小さ過ぎて何を言ったのか聞こえなかった。

「いや、何でもない。」

お父さんは、一瞬苦虫を噛み潰したような顔をしたが、すぐに優しい顔に戻った。

「あれから、蒼の邸の使用人達は大丈夫か?皆辞めずに、魔法での契約を済ませたと聞いたが…」

「はい、皆、残ってくれたので、良かったと思ってます。まぁ…凄く驚かれましたけど。」


『『『えっ!?小動物ヨロシクなのに魔法使い!?』』』


小動物なのに─は関係無いと思うけど、カルザイン側の人達は数日の間はざわついていた。その上、パルヴァン側が何やら私の武勇伝?的な話をしたらしく、最近では、何故かキラキラとした視線を向けられたりもする。

ーいやいや、私、攻撃魔法は一切使えませんからね!?ー

「兎に角、受け入れてくれて良かったです。」

「そうか。」

そう言って、目を細めて微笑むお父さん。その笑顔を見ると、いつも心が温かくなる。

「娘になってからそんなに時間は経っていないが…やはり、嫁に行くとなると、寂しいものがあるなぁ。」

ふぅ─と、軽く息を吐く。

「血は繋がっていないが、結婚してしまっても、ハルが俺の娘には変わりないからな。パルヴァンここには、いつでもハルの居場所があるから。それと──幸せになれ。」

「…はい。ありがとうございます…お父さん。」

「うん。それじゃあ…明日は朝が早いだろうし…俺はこれで…。ハル、おやすみ。」

「はい、おやすみなさい。」

お父さんはスッと立ち上がり、私の頭をポンポンと優しく叩いてから部屋から出て行った。















*結婚式当日*



当日の朝から色々と大変だった。いつもは一人で入るお風呂に、リディさんがやって来て「これでもか!」と言う位に体中を洗われた。そして、お風呂から出ると、これまたルナさんに「これでもか!」と言う位マッサージをされた。いや、これは気持ちが良くて…うとうととしてしまったけど。

それが終わると、軽目の朝食を食べてからお化粧、髪のセットとウェディングドレスの着付けが始まった。
髪の毛は結婚式に向けて伸ばしていたので、今日は両サイドから編み込まれてスッキリとアップにされた。そして、その髪に青色のかすみ草が散りばめられた。

「慣れていないから、少し緩めにしておきますね。」

と、ルナさんにニッコリ微笑まれて、初めて装着したコルセットは──これで緩め??お腹と背中がくっついていませんか!?─と訊きたくなった…けど…

「これで、いつもよりも姿勢が綺麗に見えるんです。本当は、もっとキツくするんですけどね?」

と笑顔で言われたら…それ以上は何も言えませんでした。

ー貴族令嬢様達って…大変ですねー

そうして着たウェディングドレス。確かに、コルセット無しで試着した時よりも、目線が気持ち高くなり、姿勢もいつもより綺麗に見えた。

「では、最後にベールを。」

サエラさんが作ってくれたベールを頭に乗せられる。

「…ハル様…本当に…綺麗です…」

支度が済んて、全身の最終チェックを終えると、ルナさんとリディさんや、手伝ってくれた侍女の人達がズラリと整列する。

「ハル様、本日、この日を共に迎えられた事、本当に嬉しく思います。本日は、おめでとうございます。そして、これからも末永く宜しくお願い致します。」

皆が一斉に頭を下げる。

「はい。こちらこそ…これからも宜しくお願いします。」

うるっ─と来たけど我慢です!折角のお化粧が駄目になっちゃいますからね!

「では…参りましょう。」

ルナさんがそう言うと、私にスッと手を差し出して来た。私は、そのルナさんの手を取って部屋を後にした。






いよいよ、結婚式を行う庭園に向かいます。










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