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第三章ーリスと氷の騎士ー
結婚式②
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実は、エディオルさんとはこの一週間、全く会えなかった。
会えなかったのは寂しかったけど、結婚式の為に頑張ってくれてると思うと、自然と心が温かくなった。
一歩一歩、式場となる庭園に近付くにつれて緊張すると共にワクワクする気持ちも湧き上がる。
ー一体、どんな式になっているんだろう?ー
花嫁として良いのか?と思う程、今日の自分の結婚式がどんなモノなのか…全く知らない─知らされていないのだ。ミヤさんは勿論の事、ルナさんとリディさんも知ってるようだけど。
そんな事を考えながらも、ルナさんに手をひかれながら邸内をゆっくりと歩いて行く。そうして、庭園へと続く前室に辿り着く。この前室は、小さなお茶会ができる位の大きさの部屋である。その部屋の奥にある大きな窓を開けると、そこから庭園へと出られるようになっている。
ーこの前室が、花嫁の控室的な所になるのかな?ー
何て思いながら、リディさんが開けてくれた前室の扉の中へと入ると─
「………ゼ…お父…さん?」
そこには、グレイのタキシードの様な服を着たお父さんが居た。お父さんは、一瞬目を大きく見開いた後、その目を細めて柔らかく微笑む。
「ハル…こっちへ。」
と、お父さんが私の方へと手を差し出す。チラリとルナさんを見ると、ルナさんはニコリと笑って頷き私から手を離す。そのまま私はルナさんに促されるように、お父さんの手を取った。
「ハルの世界では、“バージンロード”と呼ばれる路を、父親と歩くのだろう?」
「─あっ!」
私には両親が居なかったし、私も私で結婚なんて有り得ない─と思っていたから、そんな事もスッカリ忘れていた。
「エディオル…殿の所迄、エスコートが出来て…光栄です。」
と、お父さんは軽くウィンクする。
「ふふっ─私も…とっても…嬉しいです。」
2人でクスクスと笑っていると
「さぁ、時間になりました。心の準備は大丈夫ですか?」
と、庭園に続く窓の前に立っていたティモスさんに声を掛けられた。
ーおぅっ…ティモスさん…居たの気付かなかったー
「うん。大丈夫だ!ハルが俺に気付いてない事は分かっていたからな!それで、大丈夫か?」
「ふふっ。はい、大丈夫です。」
「よし!それじゃあ、この扉を開けるからな。ハル、結婚おめでとう!結婚式、楽しんで来い!ゼンさん、ハルを宜しくお願いします。」
お父さんは頷き、ティモスさんはニカッと笑うと、その扉を開けた。
フワリと優しい風が舞う。
その心地良い風を受けながら、お父さんと一緒に庭園へと足を踏み出した。
「「わぁー!きれい!」」
と言う声が耳に飛び込んで来る。
そして、私達が歩いて行く路─バージンロード─の部分の芝生の色が魔法で変えられていた。手前の方は白色で、奥に進むにつれて薄い水色になり、更に奥に進むと青色へとグラデーションになっている。
まるで…少しずつ…エディオルさんの色に染まって行く─みたいな……あれ?意識し過ぎ?いやいや、気にしたら負けだよね!?
なんて、内心でワチャワチャしていたせいで
「…ちっ…独占欲の強い奴め…」
と、横でお父さんが小さく呟いた言葉は、私の耳には入って来なかった。
ベールを被っているせいで、あまり周りの状況が分からないままに、お父さんとゆっくりとバージンロードを歩いて行く。その足元の色が水色から青色に変化した所で、歩みを止める。
そう、そこには…水色の騎士服を着たエディオルさんが居た。
一週間ぶりに見るエディオルさん。たったの一週間だけなのに、何ヶ月も会っていなかったような…すごく久し振りに会えたように、胸がドキドキと高鳴った。
「エディオル…殿。ハルを、頼みます。」
「はい。確かに。」
2人が声を交した後、今度はエディオルさんが私に手を差し出し、私はお父さんに視線を向けて軽く手をギュッと握ってから離し、エディオルさんの手を取った。2人で改めて前を向き、青色になった路を2人で(日本で言うところの)神父さんみたいな人の居る所まで進んで行った。
この国には決められた宗教的なモノがない。結婚するのに立ち会う人も、国から派遣される“見届け人”なのだそうだ。婚姻届にサインをしてもらい、それを国に届け出る。平民ではそれで承認されるが、貴族の場合は、そこから国王陛下に提出され、国王陛下の許可をもってようやく承認された─となる。余程の事が無ければ、却下される事は無いけど。
この世界では、日本の様に新郎新婦で宣誓する事はない。
その見届け人の前には、既に婚姻届の紙が2枚並べられていて、私とエディオルさんがその2枚ともにサインをする。1枚は国が保管管理するモノで、もう1枚は私達が住む区画を管理する市役所?みたいな所で保管管理するそうだ。
2人がサインをし終えると
「ここに、お二人が夫婦となった事を宣言致します。」
と、見届け人の人が、声高らかに宣言をした。
会えなかったのは寂しかったけど、結婚式の為に頑張ってくれてると思うと、自然と心が温かくなった。
一歩一歩、式場となる庭園に近付くにつれて緊張すると共にワクワクする気持ちも湧き上がる。
ー一体、どんな式になっているんだろう?ー
花嫁として良いのか?と思う程、今日の自分の結婚式がどんなモノなのか…全く知らない─知らされていないのだ。ミヤさんは勿論の事、ルナさんとリディさんも知ってるようだけど。
そんな事を考えながらも、ルナさんに手をひかれながら邸内をゆっくりと歩いて行く。そうして、庭園へと続く前室に辿り着く。この前室は、小さなお茶会ができる位の大きさの部屋である。その部屋の奥にある大きな窓を開けると、そこから庭園へと出られるようになっている。
ーこの前室が、花嫁の控室的な所になるのかな?ー
何て思いながら、リディさんが開けてくれた前室の扉の中へと入ると─
「………ゼ…お父…さん?」
そこには、グレイのタキシードの様な服を着たお父さんが居た。お父さんは、一瞬目を大きく見開いた後、その目を細めて柔らかく微笑む。
「ハル…こっちへ。」
と、お父さんが私の方へと手を差し出す。チラリとルナさんを見ると、ルナさんはニコリと笑って頷き私から手を離す。そのまま私はルナさんに促されるように、お父さんの手を取った。
「ハルの世界では、“バージンロード”と呼ばれる路を、父親と歩くのだろう?」
「─あっ!」
私には両親が居なかったし、私も私で結婚なんて有り得ない─と思っていたから、そんな事もスッカリ忘れていた。
「エディオル…殿の所迄、エスコートが出来て…光栄です。」
と、お父さんは軽くウィンクする。
「ふふっ─私も…とっても…嬉しいです。」
2人でクスクスと笑っていると
「さぁ、時間になりました。心の準備は大丈夫ですか?」
と、庭園に続く窓の前に立っていたティモスさんに声を掛けられた。
ーおぅっ…ティモスさん…居たの気付かなかったー
「うん。大丈夫だ!ハルが俺に気付いてない事は分かっていたからな!それで、大丈夫か?」
「ふふっ。はい、大丈夫です。」
「よし!それじゃあ、この扉を開けるからな。ハル、結婚おめでとう!結婚式、楽しんで来い!ゼンさん、ハルを宜しくお願いします。」
お父さんは頷き、ティモスさんはニカッと笑うと、その扉を開けた。
フワリと優しい風が舞う。
その心地良い風を受けながら、お父さんと一緒に庭園へと足を踏み出した。
「「わぁー!きれい!」」
と言う声が耳に飛び込んで来る。
そして、私達が歩いて行く路─バージンロード─の部分の芝生の色が魔法で変えられていた。手前の方は白色で、奥に進むにつれて薄い水色になり、更に奥に進むと青色へとグラデーションになっている。
まるで…少しずつ…エディオルさんの色に染まって行く─みたいな……あれ?意識し過ぎ?いやいや、気にしたら負けだよね!?
なんて、内心でワチャワチャしていたせいで
「…ちっ…独占欲の強い奴め…」
と、横でお父さんが小さく呟いた言葉は、私の耳には入って来なかった。
ベールを被っているせいで、あまり周りの状況が分からないままに、お父さんとゆっくりとバージンロードを歩いて行く。その足元の色が水色から青色に変化した所で、歩みを止める。
そう、そこには…水色の騎士服を着たエディオルさんが居た。
一週間ぶりに見るエディオルさん。たったの一週間だけなのに、何ヶ月も会っていなかったような…すごく久し振りに会えたように、胸がドキドキと高鳴った。
「エディオル…殿。ハルを、頼みます。」
「はい。確かに。」
2人が声を交した後、今度はエディオルさんが私に手を差し出し、私はお父さんに視線を向けて軽く手をギュッと握ってから離し、エディオルさんの手を取った。2人で改めて前を向き、青色になった路を2人で(日本で言うところの)神父さんみたいな人の居る所まで進んで行った。
この国には決められた宗教的なモノがない。結婚するのに立ち会う人も、国から派遣される“見届け人”なのだそうだ。婚姻届にサインをしてもらい、それを国に届け出る。平民ではそれで承認されるが、貴族の場合は、そこから国王陛下に提出され、国王陛下の許可をもってようやく承認された─となる。余程の事が無ければ、却下される事は無いけど。
この世界では、日本の様に新郎新婦で宣誓する事はない。
その見届け人の前には、既に婚姻届の紙が2枚並べられていて、私とエディオルさんがその2枚ともにサインをする。1枚は国が保管管理するモノで、もう1枚は私達が住む区画を管理する市役所?みたいな所で保管管理するそうだ。
2人がサインをし終えると
「ここに、お二人が夫婦となった事を宣言致します。」
と、見届け人の人が、声高らかに宣言をした。
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