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13 勉強
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この邸で保護されてから1週間。分かった事は──
ここは“オールステニア王国”と言って、王様が君臨する国。人間や獣人が居る。この国には居ないけど、竜人も居る。魔法が使える人達が居る。その魔法の中に体を綺麗にする魔法があるそうで、私が寝ていたりしてお風呂に入れなかった時、その魔法を掛けてくれていたらしい。
ー汚かったり、臭くなくて良かったー
私はと言うと、1週間ゆっくりしてご飯も食べる事ができたお陰で元気になり、今日からは少しずつ体を動かす事になった。母子家庭で育った私は、体力には自信があった。そんな私でも、1週間閉じ込められて1週間寝込むと、少し歩くだけでも息切れしてしまう程体力が低下していた。
「疲れたでしょう?部屋まで送るわ」
「わあっ!リオナさん!?」
疲れて休んでいると、不意に抱き上げられた。私をお姫様抱っこしているのは、ライオン族のリオナさん。女性です。
「歩け──アルク!ダイジョブ!オモイ!」
「ん?凄いわね。もう単語をいくつか覚えたのね。マシロは軽過ぎるから大丈夫よ」
正直、いくつかの単語は覚えたけど、ヒアリングはまだまだだから、リオナさんが何を言っているのか理解はできないけど、下ろしてくれる事は無いと言う事だけは分かった。
「アリガト……」
お礼を言うと、リオナさんは優しく笑ってくれた。
「マシロ、本当に元気になったようで良かった」
部屋に戻ると、リオナさんの旦那さんのルパートさんが居た。彼は、あの時、ライオンのリオナさんが咥えていたリスだった。
『急いでいる時は、お互い獣化して、ライオンがリスを咥えて走るの』
ライオンがリスを捕食してるかと思った──
とは言えなかった(言ったところで通じないけど)。
「ところで、マシロは今何歳なんだ?」
「………22歳だそうよ」
有り難い事に、世界は違えど数字は全く同じだった。
「22!?」
ーえ?そんなにも驚く事?ー
年相応、至って普通だと思う。もしかしたら、日本人は幼く見えると言われていたから、この世界の人達からもそう見えるのかもしれない。
ちなみに、リオナさんは29歳でルパートさんは32歳なんだそうだ。2人の方が、年齢よりも若く見える。
オールステニア王国を含め、殆どの国で18歳で成人扱いとなるそうで、私も何処の国の者かは分からないけど成人扱いされる事になった。頑張れば、この国でも働いて生きていけるかもしれない。
「モット……ガンバル!」
高校受験、大学受験を乗り越えたのだから、もう一度“異世界受験”だと思えば乗り越えられそうな気がする。それに、これは新たな言語の勉強だと思えば良い。
*リオナ視点*
マシロについて、色々調べているけど、今のところ何処の国の者かは分かっていない。今回のオークションの資料の確認もしたけど、マシロについては予想外の商品で、他の商品の移送中に偶然森で見付けて、珍しい黒色の髪と瞳だったから捕らえたとあった。捕らえた者も、どうしてあんな森に1人で居たのか分からないとの事だった。既に処分された後だったけど、服装もこの国や周辺の国とは違うかったそうだ。
だから、地図をマシロに見せて確認しようとしたけど、地図を見たマシロは顔を真っ青にして気を失ってしまった。
そして、言葉の勉強がしたいと言い出したマシロ。その時に確認すると、語学が駄目なだけで、数字は読めるし計算も完璧にできた。
それから1週間しか経っていないのに、聞き取りはまだまだだけど、片言ではあるが少しずつ話せるようになっている。世話役に付けたリタも、マシロは飲み込みが早いと驚いていた。マシロ自身は、楽しそうにしているから一安心だ。
ただ───
「マシロを含めた数人は、暗い所が駄目みたい」
「ずっと薄暗い所に閉じ込められて、虐げられていたんだろう?トラウマにもなるだろう」
「そうね……」
マシロはまだマシな方で、暗くなるとパニックになって泣き叫ぶ子が居る。
商品となった者達の体には、殴られた痕があった。唯一の救いと言えば、性的暴行がなかった事だ。それに関しては、一切許さなかったそうだ。
「そうそう、ルパートから見たマシロはどんな感じ?」
「“どんな?”か………よく分からないけど、少し緊張する感じがあるかな?色が黒だからか?」
黒色──
竜人にとっての黒は最強を表す。獣人からしても、黒色は普通とは少し違う様に感じる事があるから、マシロに対しても少し緊張してしまうのかもしれない。マシロは竜人でも獣人でもなく人間で、魔力も無い。言葉も通じないから、私達が護ってあげなければならない対象だ。
「兎に角、マシロには頑張って言葉を覚えてもらって、それからどうするか考えないとね」
それからはまた、リタにマシロを頼んで、私とルパートは部屋を後にした。
ここは“オールステニア王国”と言って、王様が君臨する国。人間や獣人が居る。この国には居ないけど、竜人も居る。魔法が使える人達が居る。その魔法の中に体を綺麗にする魔法があるそうで、私が寝ていたりしてお風呂に入れなかった時、その魔法を掛けてくれていたらしい。
ー汚かったり、臭くなくて良かったー
私はと言うと、1週間ゆっくりしてご飯も食べる事ができたお陰で元気になり、今日からは少しずつ体を動かす事になった。母子家庭で育った私は、体力には自信があった。そんな私でも、1週間閉じ込められて1週間寝込むと、少し歩くだけでも息切れしてしまう程体力が低下していた。
「疲れたでしょう?部屋まで送るわ」
「わあっ!リオナさん!?」
疲れて休んでいると、不意に抱き上げられた。私をお姫様抱っこしているのは、ライオン族のリオナさん。女性です。
「歩け──アルク!ダイジョブ!オモイ!」
「ん?凄いわね。もう単語をいくつか覚えたのね。マシロは軽過ぎるから大丈夫よ」
正直、いくつかの単語は覚えたけど、ヒアリングはまだまだだから、リオナさんが何を言っているのか理解はできないけど、下ろしてくれる事は無いと言う事だけは分かった。
「アリガト……」
お礼を言うと、リオナさんは優しく笑ってくれた。
「マシロ、本当に元気になったようで良かった」
部屋に戻ると、リオナさんの旦那さんのルパートさんが居た。彼は、あの時、ライオンのリオナさんが咥えていたリスだった。
『急いでいる時は、お互い獣化して、ライオンがリスを咥えて走るの』
ライオンがリスを捕食してるかと思った──
とは言えなかった(言ったところで通じないけど)。
「ところで、マシロは今何歳なんだ?」
「………22歳だそうよ」
有り難い事に、世界は違えど数字は全く同じだった。
「22!?」
ーえ?そんなにも驚く事?ー
年相応、至って普通だと思う。もしかしたら、日本人は幼く見えると言われていたから、この世界の人達からもそう見えるのかもしれない。
ちなみに、リオナさんは29歳でルパートさんは32歳なんだそうだ。2人の方が、年齢よりも若く見える。
オールステニア王国を含め、殆どの国で18歳で成人扱いとなるそうで、私も何処の国の者かは分からないけど成人扱いされる事になった。頑張れば、この国でも働いて生きていけるかもしれない。
「モット……ガンバル!」
高校受験、大学受験を乗り越えたのだから、もう一度“異世界受験”だと思えば乗り越えられそうな気がする。それに、これは新たな言語の勉強だと思えば良い。
*リオナ視点*
マシロについて、色々調べているけど、今のところ何処の国の者かは分かっていない。今回のオークションの資料の確認もしたけど、マシロについては予想外の商品で、他の商品の移送中に偶然森で見付けて、珍しい黒色の髪と瞳だったから捕らえたとあった。捕らえた者も、どうしてあんな森に1人で居たのか分からないとの事だった。既に処分された後だったけど、服装もこの国や周辺の国とは違うかったそうだ。
だから、地図をマシロに見せて確認しようとしたけど、地図を見たマシロは顔を真っ青にして気を失ってしまった。
そして、言葉の勉強がしたいと言い出したマシロ。その時に確認すると、語学が駄目なだけで、数字は読めるし計算も完璧にできた。
それから1週間しか経っていないのに、聞き取りはまだまだだけど、片言ではあるが少しずつ話せるようになっている。世話役に付けたリタも、マシロは飲み込みが早いと驚いていた。マシロ自身は、楽しそうにしているから一安心だ。
ただ───
「マシロを含めた数人は、暗い所が駄目みたい」
「ずっと薄暗い所に閉じ込められて、虐げられていたんだろう?トラウマにもなるだろう」
「そうね……」
マシロはまだマシな方で、暗くなるとパニックになって泣き叫ぶ子が居る。
商品となった者達の体には、殴られた痕があった。唯一の救いと言えば、性的暴行がなかった事だ。それに関しては、一切許さなかったそうだ。
「そうそう、ルパートから見たマシロはどんな感じ?」
「“どんな?”か………よく分からないけど、少し緊張する感じがあるかな?色が黒だからか?」
黒色──
竜人にとっての黒は最強を表す。獣人からしても、黒色は普通とは少し違う様に感じる事があるから、マシロに対しても少し緊張してしまうのかもしれない。マシロは竜人でも獣人でもなく人間で、魔力も無い。言葉も通じないから、私達が護ってあげなければならない対象だ。
「兎に角、マシロには頑張って言葉を覚えてもらって、それからどうするか考えないとね」
それからはまた、リタにマシロを頼んで、私とルパートは部屋を後にした。
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