(自称)我儘令嬢の奮闘、後、それは誤算です!

みん

文字の大きさ
22 / 75

進級

しおりを挟む
新学期を迎え、私は2年生に。姉達は最終学年である4年生になった。
姉とアンカーソン様は、この1年で更に仲を深めたようで、いつ見ても2人笑顔で向き合っている。

ー相変わらず、私に対しては厳しいけどー

この1年で分かった事と言えば──

食事を介して、色々と狙われる事が多いと言う事。その狙いが、明らかに王太子殿下である事が多い。ただ、それらは毒とまではいかず、“口にしたらお腹壊すかな?”程度のモノだ。それに、薬品等を使って─と言うよりは、食材を(悪い意味で)活かしたモノが殆どだ。

私に視える悪いモノも、よく視るとそれぞれに色が微妙に違う事にも気付いた。色が濃くなればなる程、その毒性が強くなる。食材が腐ってる?みたいな時は、薄い緑色だった。薬品等を使った毒になると、本当に黒い。あまりに黒過ぎた時には本当に驚いた。それは……リンディからもらった、リンディが学校の実習で作ったとか言うクッキーだった。勿論『ありがとう。寮に帰ったら食べるわ』と言って持って帰り、そのままゴミ箱へシュートして、翌日は元気だったけど学校は休んだ。

「エヴィが、休んでるって聞いて心配で……」

と、目を潤ませてはいるが口元がニヤけているリンディが、その日の放課後に寮の私の部屋へとやって来た。これが癒しを施す光の魔力持ちとは……神様?女神様?は、色々と間違ってない?と訊きたくなってしまう。

そのリンディが帰った後、ルイーズとメリッサもお見舞いに来てくれた。それも、体調が悪い私でも食べれそうな物を─と、何種類かのスープを持って来てくれたのだ。嬉しくて有り難い気持ちの反面、申し訳無い気持ちにもなってしまい、心の中でソッと謝った。

そのルイーズとメリッサが帰った後には、姉も来てくれた。姉は、私が好きなフルーツの桃を持って来てくれた。

「この寮は女性専用で、男性は家族や婚約者でない限りは入って来れないでしょう?それで、これを、アシェルハイド様から預って来たの」

と、殿下から赤色のカーネーションが一輪。

ーそう言えば、私、花を貰うのって…初めてだー

「キレイ………」

暫く眺めた後、「さぁ、萎れてしまう前に、お水に挿しましょうね」と、ライラが一輪挿し用のガラスの花瓶に飾ってくれた。




翌日、登校すると、リンディがギョッとしたような目で私を見た後、サッと表情を綻ばせ「元気になって良かったわ」と、駆け寄って来た。

ーあぁ、本来なら、1日では治らないようなモノを仕込んでいたのねー

何日か寝込むと思っていた私が、1日も経たずに学校に来たら、そりゃあ驚くよね?

「あ、エヴィ、元気になったのね?良かったわ」
「エヴィ、おはよう。一緒に教室に行こうか」
「メリッサ、ルイーズ、おはよう。えっと……リンディ、私は行くわね」

腕に抱きついていた、リンディの腕をやんわりと外して、私はメリッサとルイーズの元へと駆け寄った。


「彼女の行動……流石よね?見事に“姉を心配してました。元気になって良かったわ”って、思ってるアピールは成功したんじゃない?」

「メリッサ、ハッキリ言い過ぎじゃないか?ふふっ─」

「ルイーズだって、そう見えたから笑ってるんでしょう?」

「ふっ─確かに……成功かもね?」

と、3人で笑いながら教室へと入って行った。





その日の放課後は、生徒会の集まりがあった。

「───エヴィ嬢…………元気になって……良かった」

「えっと………ありがとう……ございます?」

疑問形になってしまったのは仕方無いと思います。

授業が早目に終わり、そのまま生徒会室へとやって来た。まだ誰も居ないだろう─と思っていたけど、アンカーソン様が居た。アンカーソン様居た。

私が休んでいた事は、姉から聞いたのだろう。一応、回復して良かった─と言ってもらえたけど、たっぷりとあった間が、アンカーソン様と私の距離を表しているようで、素直にお礼が……言えなかった。

まぁ、アンカーソン様にしたら、“自分の婚約者に我儘を言って困らせている魔力無しの妹”だもんね。しかも、アンカーソン様は、結構……いや、大分、姉の事が好きだから、尚更腹が立ってるんだろうと思う。“恋は盲目”と言うらしいけど、姉を大事にしてくれるなら、嫌われていても良いか─と思っている。仲良くできれば、本当はその方が姉も安心するとは思うけど…。

何となく気不味い?雰囲気になり掛けた時、姉と共に王太子殿下と他の生徒会の役員達が部屋へと入って来た。


“イズライン=アラバスティア”
私と同じ2年生で、第二王子。

“ロドヴィック=オルテウルス”
第一騎士団長である、オルテウルス伯爵の次男で、王太子殿下の側近の1人。

“ミリウス=ヨルンハイド”
魔道士副団長であるヨルンハイド侯爵の次男で、彼もまた、王太子殿下の側近の1人だ。

“ニア=ウォルター”
ウォルター伯爵の嫡子であり、姉の友達の令嬢。

これが、今年の生徒役員の顔ぶれである。

しおりを挟む
感想 188

あなたにおすすめの小説

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……

buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。 みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

【完結】さようなら。毒親と毒姉に利用され、虐げられる人生はもう御免です 〜復讐として隣国の王家に嫁いだら、婚約者に溺愛されました〜

ゆうき
恋愛
父の一夜の過ちによって生を受け、聖女の力を持って生まれてしまったことで、姉に聖女の力を持って生まれてくることを望んでいた家族に虐げられて生きてきた王女セリアは、隣国との戦争を再び引き起こした大罪人として、処刑されてしまった。 しかし、それは現実で起こったことではなく、聖女の力による予知の力で見た、自分の破滅の未来だった。 生まれて初めてみた、自分の予知。しかも、予知を見てしまうと、もうその人の不幸は、内容が変えられても、不幸が起こることは変えられない。 それでも、このまま何もしなければ、身に覚えのないことで処刑されてしまう。日頃から、戦争で亡くなった母の元に早く行きたいと思っていたセリアだが、いざ破滅の未来を見たら、そんなのはまっぴら御免だと強く感じた。 幼い頃は、白馬に乗った王子様が助けに来てくれると夢見ていたが、未来は自分で勝ち取るものだと考えたセリアは、一つの疑問を口にする。 「……そもそも、どうして私がこんな仕打ちを受けなくちゃいけないの?」 初めて前向きになったセリアに浮かんだのは、疑問と――恨み。その瞬間、セリアは心に誓った。自分を虐げてきた家族と、母を奪った戦争の元凶である、隣国に復讐をしようと。 そんな彼女にとある情報が舞い込む。長年戦争をしていた隣国の王家が、友好の証として、王子の婚約者を探していると。 これは復讐に使えると思ったセリアは、その婚約者に立候補しようとするが……この時のセリアはまだ知らない。復讐をしようとしている隣国の王子が、運命の相手だということを。そして、彼に溺愛される未来が待っていることも。 これは、復讐を決意した一人の少女が、復讐と運命の相手との出会いを経て、幸せに至るまでの物語。 ☆既に全話執筆、予約投稿済みです☆

わたしを嫌う妹の企みで追放されそうになりました。だけど、保護してくれた公爵様から溺愛されて、すごく幸せです。

バナナマヨネーズ
恋愛
山田華火は、妹と共に異世界に召喚されたが、妹の浅はかな企みの所為で追放されそうになる。 そんな華火を救ったのは、若くしてシグルド公爵となったウェインだった。 ウェインに保護された華火だったが、この世界の言葉を一切理解できないでいた。 言葉が分からない華火と、華火に一目で心を奪われたウェインのじりじりするほどゆっくりと進む関係性に、二人の周囲の人間はやきもきするばかり。 この物語は、理不尽に異世界に召喚された少女とその少女を保護した青年の呆れるくらいゆっくりと進む恋の物語である。 3/4 タイトルを変更しました。 旧タイトル「どうして異世界に召喚されたのかがわかりません。だけど、わたしを保護してくれたイケメンが超過保護っぽいことはわかります。」 3/10 翻訳版を公開しました。本編では異世界語で進んでいた会話を日本語表記にしています。なお、翻訳箇所がない話数には、タイトルに 〃 をつけてますので、本編既読の場合は飛ばしてもらって大丈夫です ※小説家になろう様にも掲載しています。

愛し子は自由のために、愛され妹の嘘を放置する

紅子
恋愛
あなたは私の連理の枝。今世こそは比翼の鳥となりましょう。 私は、女神様のお願いで、愛し子として転生した。でも、そのことを誰にも告げる気はない。可愛らしくも美しい双子の妹の影で、いない子と扱われても特別な何かにはならない。私を愛してくれる人とこの世界でささやかな幸せを築ければそれで満足だ。 その希望を打ち砕くことが起こるとき、私は全力でそれに抗うだろう。 完結済み。毎日00:00に更新予定です。 R15は、念のため。 自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)

絶望?いえいえ、余裕です! 10年にも及ぶ婚約を解消されても化物令嬢はモフモフに夢中ですので

ハートリオ
恋愛
伯爵令嬢ステラは6才の時に隣国の公爵令息ディングに見初められて婚約し、10才から婚約者ディングの公爵邸の別邸で暮らしていた。 しかし、ステラを呼び寄せてすぐにディングは婚約を後悔し、ステラを放置する事となる。 異様な姿で異臭を放つ『化物令嬢』となったステラを嫌った為だ。 異国の公爵邸の別邸で一人放置される事となった10才の少女ステラだが。 公爵邸別邸は森の中にあり、その森には白いモフモフがいたので。 『ツン』だけど優しい白クマさんがいたので耐えられた。 更にある事件をきっかけに自分を取り戻した後は、ディングの執事カロンと共に公爵家の仕事をこなすなどして暮らして来た。 だがステラが16才、王立高等学校卒業一ヶ月前にとうとう婚約解消され、ステラは公爵邸を出て行く。 ステラを厄介払い出来たはずの公爵令息ディングはなぜかモヤモヤする。 モヤモヤの理由が分からないまま、ステラが出て行った後の公爵邸では次々と不具合が起こり始めて―― 奇跡的に出会い、優しい時を過ごして愛を育んだ一人と一頭(?)の愛の物語です。 異世界、魔法のある世界です。 色々ゆるゆるです。

皇子の婚約者になりたくないので天の声に従いました

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
幼い頃から天の声が聞こえるシラク公爵の娘であるミレーヌ。 この天の声にはいろいろと助けられていた。父親の命を救ってくれたのもこの天の声。 そして、進学に向けて騎士科か魔導科を選択しなければならなくなったとき、助言をしてくれたのも天の声。 ミレーヌはこの天の声に従い、騎士科を選ぶことにした。 なぜなら、魔導科を選ぶと、皇子の婚約者という立派な役割がもれなくついてきてしまうからだ。 ※完結しました。新年早々、クスっとしていただけたら幸いです。軽くお読みください。

【本編完結】王子の寝た子を起こしたら、夢見る少女では居られなくなりました!

こさか りね
恋愛
私、フェアリエル・クリーヴランドは、ひょんな事から前世を思い出した。 そして、気付いたのだ。婚約者が私の事を良く思っていないという事に・・・。 婚約者の態度は前世を思い出した私には、とても耐え難いものだった。 ・・・だったら、婚約解消すれば良くない? それに、前世の私の夢は『のんびりと田舎暮らしがしたい!』と常々思っていたのだ。 結婚しないで済むのなら、それに越したことはない。 「ウィルフォード様、覚悟する事ね!婚約やめます。って言わせてみせるわ!!」 これは、婚約解消をする為に奮闘する少女と、本当は好きなのに、好きと気付いていない王子との攻防戦だ。 そして、覚醒した王子によって、嫌でも成長しなくてはいけなくなるヒロインのコメディ要素強めな恋愛サクセスストーリーが始まる。 ※序盤は恋愛要素が少なめです。王子が覚醒してからになりますので、気長にお読みいただければ嬉しいです。 ※本編完結しました。 ※後日談を更新中です。

病めるときも健やかなるときも、お前だけは絶対許さないからなマジで

あだち
恋愛
ペルラ伯爵家の跡取り娘・フェリータの婚約者が、王女様に横取りされた。どうやら、伯爵家の天敵たるカヴァリエリ家の当主にして王女の側近・ロレンツィオが、裏で糸を引いたという。 怒り狂うフェリータは、大事な婚約者を取り返したい一心で、祝祭の日に捨て身の行動に出た。 ……それが結果的に、にっくきロレンツィオ本人と結婚することに結びつくとも知らず。 *** 『……いやホントに許せん。今更言えるか、実は前から好きだったなんて』  

処理中です...