今更ですか?結構です。

みん

文字の大きさ
20 / 55

生徒会室

しおりを挟む

*フェリシティ達が、オルコット邸で話をしている時の生徒会室にて*






*ディラン視点*


「ディラン様が、冬休みの間エルダイン領に居た─と言うのは本当ですの?」

「あぁ、本当ですよ。ずっとエルダインに居ましたよ。」

生徒会室で各々が作業をしている最中に、ティアリーナ様が今思い出した─かの様に私に尋ねた。

ー本当に、計算高いよなぁー

今日は、特に急ぎの作業はなかった為、各々都合の良い時間にやって来て、作業が終わった者は帰る─と言う流れだった為、生徒会室に全員が集まる迄時間が掛かった。その上、来るのが一番遅かったのがメルヴィルだった。
そのメルヴィルが来て全員が揃い、静かに作業をしていたところでの発言だ。メルヴィルには勿論の事、役員全員の耳に入れたかったんだろう。

「滞在中は、フェリシティ様とも交流があったのかしら?」

「─勿論ありましたよ。ね?シリル殿。」

と、私はエルダイン嬢の兄であるシリル殿に話をふる。

「そうですね。私とフェリシティで、ディラン様の観光案内をしましたから、交流はありましたね。」

「そう──シリル様も一緒でしたのね。」

ー笑顔で答えている─つもりだろうけど、思い通りに行かなくて、内心は苛ついているだろうなー

ティアリーナ様は、私とエルダイン嬢の2人だけで行動していた─と思っていたんだろう。今迄のシリル殿の様子をみていれば、シリル殿がエルダイン嬢と行動を共にするなんて事は有り得ない事だ。でも──恐らく、それは違う。シリル殿は──

エルダイン嬢を、メルヴィルの婚約者候補から外したいのだ。エルダイン嬢自身も、候補から外れたがっているから。

何も言わないのだ。

理由なんて分からない。この兄妹が、“実は仲良しでした”なんて事もない。事実、邸内でのエルダイン嬢への冷遇は見て見ぬふりをしている。本当に、このシリル=エルダインは、何を考えているのか全く分からない。

ただ、私にとっても、エルダイン嬢がメルヴィルの婚約者候補から外れてくれるのは──


「ディランは、エルダイン領に興味があったのか?」

と、珍しくメルヴィルが喰いついてきた。

「そうですね。避暑として夏には何度か行った事はあったんですけど、冬は行った事がなかったので。それで、丁度シリル殿がエルダイン領に行くと聞いて、案内を頼んで行ったんです。それで、これまた丁度エルダイン嬢も居たので、一緒に観光案内を頼んだんです。寒かったけど、景色は綺麗だし料理は美味しくて…楽しませてもらいました。」

「───そうか。確かに……エルダイン領の料理は、王都のモノとは味が違うが…美味しいモノが多いな。」

昔を思い出しているのか、何かを懐かしむように呟くメルヴィル。いや、を懐かしんでいるのか?

兎に角、ティアリーナ様の、エルダイン嬢蹴落とし作戦?は上手くいかなかったようだ。

「あ、そう言えば…今日、留学生として来たエスタリオン=チェスターとは、メルヴィルとも知り合いですか?」

どう見ても、彼はエルダイン嬢とオルコット嬢とは仲が良さそうに見えた。

「あぁ─エスタリオンは…幼馴染みだ。」

ーなるほどー

だから、今日のメルヴィルはソワソワしていたのか。
そんなに気になるなら、自分から声を掛ければ良かったのに。きっと、彼はエルダイン嬢に好意を持っている。その彼がどう動くのか。

ーちょっと、調みるかー

そう思いながら、私は作業に取り掛かった。







*ティアリーナ視点*


『そうですね。私とフェリシティで、ディラン様の観光案内をしましたから、交流はありましたね。』

シリルからは、私の予想とは違う言葉が出て来た。
てっきり、ディランはフェリシティと2人きりで行動していたと思っていたのに。


フェリシティ=エルダイン─本当に気に喰わない女だ。メルヴィル様の幼馴染みで、婚約者に一番近いと言われていた。筆頭公爵家の令嬢の私を差し置いて。この数年、王妃教育も殆ど受けていないと聞く。どうして候補から外れない?まぁ、今ではメルヴィル様とは口を聞くどころか、目さえ合わないような仲だ。フェリシティが婚約者になる事はないだろうけど。

それでも、まだまだ

もっと、メルヴィル様のエルダイン嬢に対する嫌悪感を大きくさせたい。確実に、メルヴィル様がフェリシティを婚約者に選ばないように。
私が自由にメルヴィル様に近付けて、自由に動けるのは、この学園生活の間だけ。しかも、私はメルヴィル様とフェリシティよりも1年先に卒業する。だから、その私が卒業する前に、もっとフェリシティを落とさなければ──



『あんなに無表情で居られると、何を話せば良いか分からないし、お茶の味も分からない。』


と言いながらも、未だに少し、メルヴィル様がフェリシティを気にしているのだ。誰も気付いてはいないけど、時々、視線だけでフェリシティを追っている時がある。それがまた、私を苛立たせるのだ。名ばかりの辺境伯に成り下がった、凡庸な娘のくせに。兎に角、全てが気に入らないフェリシティ。


ー新しく来た留学生幼馴染みは、使のかしら?ー


少し、調べさせましょう─そう思いながら、手元にある書類に視線を落とした。















❋少し余裕があったので、本日コッソリと2度目の投稿をしました❋
(๑>؂<๑)۶



しおりを挟む
感想 373

あなたにおすすめの小説

はじめまして、旦那様。離婚はいつになさいます?

あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
「はじめてお目にかかります。……旦那様」 「……あぁ、君がアグリア、か」 「それで……、離縁はいつになさいます?」  領地の未来を守るため、同じく子爵家の次男で軍人のシオンと期間限定の契約婚をした貧乏貴族令嬢アグリア。  両家の顔合わせなし、婚礼なし、一切の付き合いもなし。それどころかシオン本人とすら一度も顔を合わせることなく結婚したアグリアだったが、長らく戦地へと行っていたシオンと初対面することになった。  帰ってきたその日、アグリアは約束通り離縁を申し出たのだが――。  形だけの結婚をしたはずのふたりは、愛で結ばれた本物の夫婦になれるのか。 ★HOTランキング最高2位をいただきました! ありがとうございます! ※書き上げ済みなので完結保証。他サイトでも掲載中です。

【完結】夫は私に精霊の泉に身を投げろと言った

冬馬亮
恋愛
クロイセフ王国の王ジョーセフは、妻である正妃アリアドネに「精霊の泉に身を投げろ」と言った。 「そこまで頑なに無実を主張するのなら、精霊王の裁きに身を委ね、己の無実を証明してみせよ」と。 ※精霊の泉での罪の判定方法は、魔女狩りで行われていた水審『水に沈めて生きていたら魔女として処刑、死んだら普通の人間とみなす』という逸話をモチーフにしています。

【完結】離縁王妃アデリアは故郷で聖姫と崇められています ~冤罪で捨てられた王妃、地元に戻ったら領民に愛され「聖姫」と呼ばれていました~

猫燕
恋愛
「――そなたとの婚姻を破棄する。即刻、王宮を去れ」 王妃としての5年間、私はただ国を支えていただけだった。 王妃アデリアは、側妃ラウラの嘘と王の独断により、「毒を盛った」という冤罪で突然の離縁を言い渡された。「ただちに城を去れ」と宣告されたアデリアは静かに王宮を去り、生まれ故郷・ターヴァへと向かう。 しかし、領地の国境を越えた彼女を待っていたのは、驚くべき光景だった。 迎えに来たのは何百もの領民、兄、彼女の帰還に歓喜する侍女たち。 かつて王宮で軽んじられ続けたアデリアの政策は、故郷では“奇跡”として受け継がれ、領地を繁栄へ導いていたのだ。実際は薬学・医療・農政・内政の天才で、治癒魔法まで操る超有能王妃だった。 故郷の温かさに癒やされ、彼女の有能さが改めて証明されると、その評判は瞬く間に近隣諸国へ広がり── “冷徹の皇帝”と恐れられる隣国の若き皇帝・カリオンが現れる。 皇帝は彼女の才覚と優しさに心を奪われ、「私はあなたを守りたい」と静かに誓う。 冷徹と恐れられる彼が、なぜかターヴァ領に何度も通うようになり――「君の価値を、誰よりも私が知っている」「アデリア・ターヴァ。君の全てを、私のものにしたい」 一方その頃――アデリアを失った王国は急速に荒れ、疫病、飢饉、魔物被害が連鎖し、内政は崩壊。国王はようやく“失ったものの価値”を理解し始めるが、もう遅い。 追放された王妃は、故郷で神と崇められ、最強の溺愛皇帝に娶られる!「あなたが望むなら、帝国も全部君のものだ」――これは、誰からも理解されなかった“本物の聖女”が、 ようやく正当に愛され、報われる物語。 ※「小説家になろう」にも投稿しています

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……

buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。 みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

どうして私にこだわるんですか!?

風見ゆうみ
恋愛
「手柄をたてて君に似合う男になって帰ってくる」そう言って旅立って行った婚約者は三年後、伯爵の爵位をいただくのですが、それと同時に旅先で出会った令嬢との結婚が決まったそうです。 それを知った伯爵令嬢である私、リノア・ブルーミングは悲しい気持ちなんて全くわいてきませんでした。だって、そんな事になるだろうなってわかってましたから! 婚約破棄されて捨てられたという噂が広まり、もう結婚は無理かな、と諦めていたら、なんと辺境伯から結婚の申し出が! その方は冷酷、無口で有名な方。おっとりした私なんて、すぐに捨てられてしまう、そう思ったので、うまーくお断りして田舎でゆっくり過ごそうと思ったら、なぜか結婚のお断りを断られてしまう。 え!? そんな事ってあるんですか? しかもなぜか、元婚約者とその彼女が田舎に引っ越した私を追いかけてきて!? おっとりマイペースなヒロインとヒロインに恋をしている辺境伯とのラブコメです。ざまぁは後半です。 ※独自の世界観ですので、設定はゆるめ、ご都合主義です。

結婚結婚煩いので、愛人持ちの幼馴染と偽装結婚してみた

夏菜しの
恋愛
 幼馴染のルーカスの態度は、年頃になっても相変わらず気安い。  彼のその変わらぬ態度のお陰で、周りから男女の仲だと勘違いされて、公爵令嬢エーデルトラウトの相手はなかなか決まらない。  そんな現状をヤキモキしているというのに、ルーカスの方は素知らぬ顔。  彼は思いのままに平民の娘と恋人関係を持っていた。  いっそそのまま結婚してくれれば、噂は間違いだったと知れるのに、あちらもやっぱり公爵家で、平民との結婚など許さんと反対されていた。  のらりくらりと躱すがもう限界。  いよいよ親が煩くなってきたころ、ルーカスがやってきて『偽装結婚しないか?』と提案された。  彼の愛人を黙認する代わりに、贅沢と自由が得られる。  これで煩く言われないとすると、悪くない提案じゃない?  エーデルトラウトは軽い気持ちでその提案に乗った。

【完結】私を捨てて駆け落ちしたあなたには、こちらからさようならを言いましょう。

やまぐちこはる
恋愛
パルティア・エンダライン侯爵令嬢はある日珍しく婿入り予定の婚約者から届いた手紙を読んで、彼が駆け落ちしたことを知った。相手は同じく侯爵令嬢で、そちらにも王家の血筋の婿入りする婚約者がいたが、貴族派閥を保つ政略結婚だったためにどうやっても婚約を解消できず、愛の逃避行と洒落こんだらしい。 落ち込むパルティアは、しばらく社交から離れたい療養地としても有名な別荘地へ避暑に向かう。静かな湖畔で傷を癒やしたいと、高級ホテルでひっそり寛いでいると同じ頃から同じように、人目を避けてぼんやり湖を眺める美しい青年に気がついた。 毎日涼しい湖畔で本を読みながら、チラリチラリと彼を盗み見ることが日課となったパルティアだが。 様子がおかしい青年に気づく。 ふらりと湖に近づくと、ポチャっと小さな水音を立てて入水し始めたのだ。 ドレスの裾をたくしあげ、パルティアも湖に駆け込んで彼を引き留めた。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 最終話まで予約投稿済です。 次はどんな話を書こうかなと思ったとき、駆け落ちした知人を思い出し、そんな話を書くことに致しました。 ある日突然、紙1枚で消えるのは本当にびっくりするのでやめてくださいという思いを込めて。 楽しんで頂けましたら、きっと彼らも喜ぶことと思います。

全てを捨てて、わたしらしく生きていきます。

彩華(あやはな)
恋愛
3年前にリゼッタお姉様が風邪で死んだ後、お姉様の婚約者であるバルト様と結婚したわたし、サリーナ。バルト様はお姉様の事を愛していたため、わたしに愛情を向けることはなかった。じっと耐えた3年間。でも、人との出会いはわたしを変えていく。自由になるために全てを捨てる覚悟を決め、わたしはわたしらしく生きる事を決意する。

処理中です...