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結婚後のそれぞれ①
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*メルヴィル&ティアリーナ*
『メルヴィルに色の指摘をしなかったのも、色違いで選ばれた事をティアリーナ嬢に伝えた事も、そんな理由で結婚させる事も───貴方達2人への罰よ。今迄、無条件で信じ合って来た2人なのだから、こんな事位で信頼関係が壊れる事はないでしょう?お似合いの2人だと思っているわ。』
「ティアリーナ嬢は……私に嘘をついていたのか?フェリを蹴落として、自分が選ばれる為に…。」
王妃から、ティアリーナ嬢との結婚を決められた翌日の朝、城に泊まっているティアリーナ嬢の部屋へとやって来た。
「君は…フェリの噂に対して、私には“そんな事はない”と…庇っていただろう?それも……私への好感度を……上げる為だったのか?」
そう問い詰めれば、ティアリーナ嬢は「ごめんなさい」と、ポロポロと涙を流し出した。
ーコレも、演技のうちか?ー
そう思うも、ティアリーナ嬢だけが責められる事ではないなと、口を噤んだ後、息を吐いて気持ちを落ち着かせる。
“今更なんです”
そう。フェリの言う通り、今更なんだ。ティアリーナ嬢の嘘を信じ、何も動かなかったのは私。
フェリの為にと頑張っていたのも、独りよがりなだけだった。
フェリの瞳の色さえ……知らなかったのだ。
「──ティアラの宝石の色は、ティアリーナ嬢の青色だ。昨日のパーティーに居た者達からしたら、何の問題もなく、私がティアリーナ嬢を選んだと言う事になっているだろう。王妃が決めた事だ。覆る事は無い。なら─これからは、私とティアリーナの2人で……頑張っていくしかない。」
そう。王妃が決めた事は、決して覆る事は無い。どれだけ嫌だと喚こうとも。私が、フェリをこの手に入れる事も──ないのだ。
泣いているティアリーナの手をそっと握り締め、笑顔を向けると、ティアリーナの頬がほんのりと赤くなる。
以前の私なら、可愛いな─と思えたのかもしれないが、今となっては、これも演技か?と思ってしまう。
“無条件で信じ合って来た2人”
ーとは、何て脆い───無意味な関係だったんだろうかー
それから1年後に結婚。
王太子でも王子でもなくなり、グレイソン公爵家に婿入りをする。そして、全ての行いを知っているグレイソン公爵の指示で、結婚式自体もささやかに行われた。
「メルヴィル殿は、領主の後継ぎとしては…問題無さそうですな。」
と、義父となったグレイソン公爵になんとか認めてもらえたのは、婿入りしてから5年程経った頃だった。
その頃、風の便りで、隣国カルディーナに居るフェリには、既に2人の子が居て、幸せに暮らしていると耳にした。そのフェリの横には───
「どうかしましたか?ヴィル?」
ティアリーナに名を呼ばれてハッとする。
「いや──何でもない。」
それからまた、私は手元の資料に目をやる。
私の横には、妻となったティアリーナが居る。彼女は、昔のように、いつも私に微笑んでくれる。
なのに、私は……どうしてもその笑顔や気持ちに応える事ができずに居る。きっと、コレは、フェリが私に抱いていた気持ちと同じモノだろう。
自分の行いが、自分に返って来ているのだ。
本当に、あの頃の自分は馬鹿だったな─と、今ならハッキリと分かるのに。
もう、フェリに謝る事も、許しを得る事もないのだ。
それから5年後、メルヴィルがグレイソン公爵を引継ぎ、ティアリーナと共に領地運営に力を入れ、衰える事なく領主としての務めを全うしたが、2人の間に子が生まれる事はなかった。
*ブリジット&アナベル*
コールドラン子爵と亡くなった本妻は、ごくごく普通の夫婦だった。
それが、本妻が亡くなった後、気を使う相手が居なくなり、お金に困る事もなかった子爵は、色んな趣味に目覚めてしまったのだった。
そんなコールドラン子爵の元へと、強制的に送り込まれたブリジットとアナベル。
コールドラン子爵は、特に、見目の良い気の強いアナベルを大層気に入ったようで、元より居た4人の愛妾を別邸へと追いやり、アナベルを後妻に据えたそうだ。
そのアナベルは、時々子爵と共に夜会に顔を出す事もあるが、その時に見るアナベルは、相変わらず可愛らしい容姿をしてはいるが、目は虚ろで、夫である子爵を見ているようで見ていない─と言う感じらしい。
ブリジットに至っては──誰もその姿を見た者が居なかった。邸に閉じ込められている。別邸に追いやられている。娼館に売られた。など色んな噂もあったが、結局は分からず仕舞いである。
*エスタリオン*
「───ん……」
俺の腕の中でモゾモゾと動いた後、ふにゃっと笑ってそのまま眠り続けるフェリ。
ー可愛いしかないー
ようやく結婚をして、ようやく本当の意味で俺のモノになったフェリ。どんなに仕事が大変でも、必ず邸に帰って来て、必ずフェリと同じベッドに寝ている。夜遅くなり、先にフェリが寝てしまっていても。ただ一緒に寝ているだけでも癒やされるのだ。
昨日は、久し振り過ぎて無理をさせてしまった。最後は、気を失うようにして寝てしまったフェリ。そんなフェリを抱きしめながら寝て、目が覚めても、フェリはまだ俺の腕の中で寝ている。そんなフェリが本当に可愛くて愛おしくて仕方が無い。
そんな愛おしいフェリの頭に、そっと口付ける。
「フェリ、今更だけど、俺を選んでくれてありがとう。」
そう囁いた後、フェリをギュッと抱きしめ直して、俺ももう一度眠りについた。
❋これにて完結となります。最後迄お付き合いいただき、ありがとうございました。お気に入り登録や、感想もありがとうございました。❋
*.+゚★☆感d(≧▽≦)b謝☆★゚+.*
『メルヴィルに色の指摘をしなかったのも、色違いで選ばれた事をティアリーナ嬢に伝えた事も、そんな理由で結婚させる事も───貴方達2人への罰よ。今迄、無条件で信じ合って来た2人なのだから、こんな事位で信頼関係が壊れる事はないでしょう?お似合いの2人だと思っているわ。』
「ティアリーナ嬢は……私に嘘をついていたのか?フェリを蹴落として、自分が選ばれる為に…。」
王妃から、ティアリーナ嬢との結婚を決められた翌日の朝、城に泊まっているティアリーナ嬢の部屋へとやって来た。
「君は…フェリの噂に対して、私には“そんな事はない”と…庇っていただろう?それも……私への好感度を……上げる為だったのか?」
そう問い詰めれば、ティアリーナ嬢は「ごめんなさい」と、ポロポロと涙を流し出した。
ーコレも、演技のうちか?ー
そう思うも、ティアリーナ嬢だけが責められる事ではないなと、口を噤んだ後、息を吐いて気持ちを落ち着かせる。
“今更なんです”
そう。フェリの言う通り、今更なんだ。ティアリーナ嬢の嘘を信じ、何も動かなかったのは私。
フェリの為にと頑張っていたのも、独りよがりなだけだった。
フェリの瞳の色さえ……知らなかったのだ。
「──ティアラの宝石の色は、ティアリーナ嬢の青色だ。昨日のパーティーに居た者達からしたら、何の問題もなく、私がティアリーナ嬢を選んだと言う事になっているだろう。王妃が決めた事だ。覆る事は無い。なら─これからは、私とティアリーナの2人で……頑張っていくしかない。」
そう。王妃が決めた事は、決して覆る事は無い。どれだけ嫌だと喚こうとも。私が、フェリをこの手に入れる事も──ないのだ。
泣いているティアリーナの手をそっと握り締め、笑顔を向けると、ティアリーナの頬がほんのりと赤くなる。
以前の私なら、可愛いな─と思えたのかもしれないが、今となっては、これも演技か?と思ってしまう。
“無条件で信じ合って来た2人”
ーとは、何て脆い───無意味な関係だったんだろうかー
それから1年後に結婚。
王太子でも王子でもなくなり、グレイソン公爵家に婿入りをする。そして、全ての行いを知っているグレイソン公爵の指示で、結婚式自体もささやかに行われた。
「メルヴィル殿は、領主の後継ぎとしては…問題無さそうですな。」
と、義父となったグレイソン公爵になんとか認めてもらえたのは、婿入りしてから5年程経った頃だった。
その頃、風の便りで、隣国カルディーナに居るフェリには、既に2人の子が居て、幸せに暮らしていると耳にした。そのフェリの横には───
「どうかしましたか?ヴィル?」
ティアリーナに名を呼ばれてハッとする。
「いや──何でもない。」
それからまた、私は手元の資料に目をやる。
私の横には、妻となったティアリーナが居る。彼女は、昔のように、いつも私に微笑んでくれる。
なのに、私は……どうしてもその笑顔や気持ちに応える事ができずに居る。きっと、コレは、フェリが私に抱いていた気持ちと同じモノだろう。
自分の行いが、自分に返って来ているのだ。
本当に、あの頃の自分は馬鹿だったな─と、今ならハッキリと分かるのに。
もう、フェリに謝る事も、許しを得る事もないのだ。
それから5年後、メルヴィルがグレイソン公爵を引継ぎ、ティアリーナと共に領地運営に力を入れ、衰える事なく領主としての務めを全うしたが、2人の間に子が生まれる事はなかった。
*ブリジット&アナベル*
コールドラン子爵と亡くなった本妻は、ごくごく普通の夫婦だった。
それが、本妻が亡くなった後、気を使う相手が居なくなり、お金に困る事もなかった子爵は、色んな趣味に目覚めてしまったのだった。
そんなコールドラン子爵の元へと、強制的に送り込まれたブリジットとアナベル。
コールドラン子爵は、特に、見目の良い気の強いアナベルを大層気に入ったようで、元より居た4人の愛妾を別邸へと追いやり、アナベルを後妻に据えたそうだ。
そのアナベルは、時々子爵と共に夜会に顔を出す事もあるが、その時に見るアナベルは、相変わらず可愛らしい容姿をしてはいるが、目は虚ろで、夫である子爵を見ているようで見ていない─と言う感じらしい。
ブリジットに至っては──誰もその姿を見た者が居なかった。邸に閉じ込められている。別邸に追いやられている。娼館に売られた。など色んな噂もあったが、結局は分からず仕舞いである。
*エスタリオン*
「───ん……」
俺の腕の中でモゾモゾと動いた後、ふにゃっと笑ってそのまま眠り続けるフェリ。
ー可愛いしかないー
ようやく結婚をして、ようやく本当の意味で俺のモノになったフェリ。どんなに仕事が大変でも、必ず邸に帰って来て、必ずフェリと同じベッドに寝ている。夜遅くなり、先にフェリが寝てしまっていても。ただ一緒に寝ているだけでも癒やされるのだ。
昨日は、久し振り過ぎて無理をさせてしまった。最後は、気を失うようにして寝てしまったフェリ。そんなフェリを抱きしめながら寝て、目が覚めても、フェリはまだ俺の腕の中で寝ている。そんなフェリが本当に可愛くて愛おしくて仕方が無い。
そんな愛おしいフェリの頭に、そっと口付ける。
「フェリ、今更だけど、俺を選んでくれてありがとう。」
そう囁いた後、フェリをギュッと抱きしめ直して、俺ももう一度眠りについた。
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