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第一章ー最初の1年ー
ブレないお姉さん達
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*本日も、2話投稿予定です*
*4人でゲームの話しをする時は、意識して日本語で話していると言う設定です*
巻き込まれ召喚にあってから8ヶ月が経った。
「浄化の旅に出るのが、1ヶ月後と決まったわ!」
その日の訓練が終わったお姉さん達が、私の部屋に来て教えてくれた。
お姉さん達の異様な程の頑張りで、聖女としてのレベルが、歴代最高クラスにまでなったらしい。そのお陰で1年も掛からず、召喚されてから9ヶ月で旅に出る事が出来る事になった。
「実はね、召喚されてから1年以内に旅に出れると、攻略対象者の1人、魔導師との恋愛ルートが没になったって事になるのよ!」
お姉さん達は、それはそれは嬉そうに語る。
「訓練に時間が掛かると、その魔導師との個人レッスンとかが始まるのよ。で、そこから愛が芽生えてとか…無いわー。でも、訓練は完璧だし、1ヶ月後には旅に出るから、そのルートは無くなったのよ!!」
ーこの世界って、恋愛ゲームなんだよね?ある意味、召喚ミスなんじゃないだろうか?還りたいから別に良いけどー
「それでね、三週間後に旅の決起集会的な夜会をするんだって。一応、聖女である私達が主役らしいから、それには出なくちゃいけないんだけど、ハルはどうする?」
と、ショウさんに訊かれたけど、勿論私は「出たくない!」と、口を開こうとした時、珍しくサエラさんが話に入って来た。
「お話の途中で失礼する事、お許し下さい。その夜会の件ですが、ベラトリス様からご提案を預かっております。」
「ベラトリス様から?」
「はい。ハル様は、おそらくその夜会にも出るつもりはないでしょう?」
そう。この8ヶ月の間ににも、何度か夜会が開かれ、お姉さん達は勿論、モブである私にも声を掛けられた。勿論、目立ちたくないし、人目…男性が怖いと言う事もあり、全て断っていたのだ。
「そこで、参加する側ではなく、ベラトリス様付きの侍女として参加するのはどうかと…。」
「ベラトリス様の侍女?」
「折角この世界に来たのだから、一度はきらびやかな夜会を体験してみて欲しいと、ベラトリス様は仰っていましたが…本音は、ハル様と夜会を楽しみたいからかと思います。」
ベラトリス様は優しい方だった。あの一件以降、何かと私を気に掛けて下さっている。
『私ね、妹とか弟が欲しかったの!』
と言って、時間がある時はお茶に誘ってくれたりもした。私の作ったブレスレットも喜んでくれて、表立った公務が無い時は常に着けてくれている。そんな優しいベラトリス様の提案…
ーいや、それは、ほぼ“願望”だろうー
と、ハル以外の4人は思った。
「あの…少し考えさせてもらっも良いですか?」
「はい、それは大丈夫です。まだ時間はありますし、侍女としてならドレスは必要ありませんから、ゆっくりと、無理のない様にお考え下さい。」
「ハル、本当に無理しちゃ駄目だからね?」
ショウさんが心配そうに見てくる。
「はい。」
確かに、ラノベを知らないと言っても、夜会がどんなものかは気になるよね。中世のヨーローッパの様なと言われても、それもよく分からない訳で…。
ーうん、少し考えてみようー
今日も、いつも通り。お姉さん達が訓練をしている間、私は図書館に来て勉強をしていた…のだけど、どうやら寝てしまっていたらしい。少し肌寒くなって目が覚めた。
パサッ
「ん?」
自分の肩から何かが落ちる音がして、その方へ視線を向けると、ショールが落ちていた。
ーショール?誰かが、寝てしまった私に掛けてくれたんだろうか?ー
そっと拾い上げると、フワリとシトラス系の爽やかな香りがした。
「このショール、掛けてくれたのはサエラさんですか?」
図書館からの帰りに、迎えに来てくれたサエラさんに尋ねる。
「いえ、私ではありません。」
「そっかー。んー誰だろう?お礼が言いたいし、何より、これを返したいんだけど…誰か分からなくて。」
サエラさんが、私からショールを手に取り広げて見てみる。
「私も、誰か知らないか?と、訊いてみましょう。」
「ありがとう、サエラさん。」
何となく、困った様な顔をしながら笑うサエラさん。申し訳無いけど、誰の物か分かるまで、私が預かっておこう。そう思いながら、部屋に戻った。
「王太子ルートも没にしたわ!」
その日の夜、ミヤさんが嬉しそうに叫びながら私の部屋に入って来た。
勿論、日本語で。
どうやら、今日は旅に出る主だったメンバーが決まったそうだ。この旅に王太子が入っていれば、王太子ルートになるらしいのだが、今回のメンバーには含まれていなかったらしい。
「でも、普通に考えたら、王太子が参加するって有り得ないよね?だって、次期王様だよ?そんな危険な所にはやれないよね!?やっぱり、物語やゲームでは有りだけど、現実となるとねー。」
「後残ってるのは何ルートあるんですか?」
「それがねぇ…基本は後二つなんだけど…多分、私達が知らないだけで、隠しルートと追加ルートがあったと思う…」
どうやら、3人で色々思い出そうと頑張ったらしい。そして、何とか絞り出た記憶が、“隠しルート”と“追加ルート”の存在だったそうだ。各ルートに1人ずつだけ。でも、旅後に還る私達には関係無いんじゃない?となったようだ。
「ま、ここまでも恋愛の“れ”の字もなかったから、旅の間も大丈夫じゃないかな?」
本当に、お姉さん達はブレないなぁ…と思った。
*4人でゲームの話しをする時は、意識して日本語で話していると言う設定です*
巻き込まれ召喚にあってから8ヶ月が経った。
「浄化の旅に出るのが、1ヶ月後と決まったわ!」
その日の訓練が終わったお姉さん達が、私の部屋に来て教えてくれた。
お姉さん達の異様な程の頑張りで、聖女としてのレベルが、歴代最高クラスにまでなったらしい。そのお陰で1年も掛からず、召喚されてから9ヶ月で旅に出る事が出来る事になった。
「実はね、召喚されてから1年以内に旅に出れると、攻略対象者の1人、魔導師との恋愛ルートが没になったって事になるのよ!」
お姉さん達は、それはそれは嬉そうに語る。
「訓練に時間が掛かると、その魔導師との個人レッスンとかが始まるのよ。で、そこから愛が芽生えてとか…無いわー。でも、訓練は完璧だし、1ヶ月後には旅に出るから、そのルートは無くなったのよ!!」
ーこの世界って、恋愛ゲームなんだよね?ある意味、召喚ミスなんじゃないだろうか?還りたいから別に良いけどー
「それでね、三週間後に旅の決起集会的な夜会をするんだって。一応、聖女である私達が主役らしいから、それには出なくちゃいけないんだけど、ハルはどうする?」
と、ショウさんに訊かれたけど、勿論私は「出たくない!」と、口を開こうとした時、珍しくサエラさんが話に入って来た。
「お話の途中で失礼する事、お許し下さい。その夜会の件ですが、ベラトリス様からご提案を預かっております。」
「ベラトリス様から?」
「はい。ハル様は、おそらくその夜会にも出るつもりはないでしょう?」
そう。この8ヶ月の間ににも、何度か夜会が開かれ、お姉さん達は勿論、モブである私にも声を掛けられた。勿論、目立ちたくないし、人目…男性が怖いと言う事もあり、全て断っていたのだ。
「そこで、参加する側ではなく、ベラトリス様付きの侍女として参加するのはどうかと…。」
「ベラトリス様の侍女?」
「折角この世界に来たのだから、一度はきらびやかな夜会を体験してみて欲しいと、ベラトリス様は仰っていましたが…本音は、ハル様と夜会を楽しみたいからかと思います。」
ベラトリス様は優しい方だった。あの一件以降、何かと私を気に掛けて下さっている。
『私ね、妹とか弟が欲しかったの!』
と言って、時間がある時はお茶に誘ってくれたりもした。私の作ったブレスレットも喜んでくれて、表立った公務が無い時は常に着けてくれている。そんな優しいベラトリス様の提案…
ーいや、それは、ほぼ“願望”だろうー
と、ハル以外の4人は思った。
「あの…少し考えさせてもらっも良いですか?」
「はい、それは大丈夫です。まだ時間はありますし、侍女としてならドレスは必要ありませんから、ゆっくりと、無理のない様にお考え下さい。」
「ハル、本当に無理しちゃ駄目だからね?」
ショウさんが心配そうに見てくる。
「はい。」
確かに、ラノベを知らないと言っても、夜会がどんなものかは気になるよね。中世のヨーローッパの様なと言われても、それもよく分からない訳で…。
ーうん、少し考えてみようー
今日も、いつも通り。お姉さん達が訓練をしている間、私は図書館に来て勉強をしていた…のだけど、どうやら寝てしまっていたらしい。少し肌寒くなって目が覚めた。
パサッ
「ん?」
自分の肩から何かが落ちる音がして、その方へ視線を向けると、ショールが落ちていた。
ーショール?誰かが、寝てしまった私に掛けてくれたんだろうか?ー
そっと拾い上げると、フワリとシトラス系の爽やかな香りがした。
「このショール、掛けてくれたのはサエラさんですか?」
図書館からの帰りに、迎えに来てくれたサエラさんに尋ねる。
「いえ、私ではありません。」
「そっかー。んー誰だろう?お礼が言いたいし、何より、これを返したいんだけど…誰か分からなくて。」
サエラさんが、私からショールを手に取り広げて見てみる。
「私も、誰か知らないか?と、訊いてみましょう。」
「ありがとう、サエラさん。」
何となく、困った様な顔をしながら笑うサエラさん。申し訳無いけど、誰の物か分かるまで、私が預かっておこう。そう思いながら、部屋に戻った。
「王太子ルートも没にしたわ!」
その日の夜、ミヤさんが嬉しそうに叫びながら私の部屋に入って来た。
勿論、日本語で。
どうやら、今日は旅に出る主だったメンバーが決まったそうだ。この旅に王太子が入っていれば、王太子ルートになるらしいのだが、今回のメンバーには含まれていなかったらしい。
「でも、普通に考えたら、王太子が参加するって有り得ないよね?だって、次期王様だよ?そんな危険な所にはやれないよね!?やっぱり、物語やゲームでは有りだけど、現実となるとねー。」
「後残ってるのは何ルートあるんですか?」
「それがねぇ…基本は後二つなんだけど…多分、私達が知らないだけで、隠しルートと追加ルートがあったと思う…」
どうやら、3人で色々思い出そうと頑張ったらしい。そして、何とか絞り出た記憶が、“隠しルート”と“追加ルート”の存在だったそうだ。各ルートに1人ずつだけ。でも、旅後に還る私達には関係無いんじゃない?となったようだ。
「ま、ここまでも恋愛の“れ”の字もなかったから、旅の間も大丈夫じゃないかな?」
本当に、お姉さん達はブレないなぁ…と思った。
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