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第一章ー最初の1年ー
閑話ーランバルト王太子ー
しおりを挟む*本日、2話目の投稿です*
「何だろう…聖女様達は…逞し過ぎないか?」
私は、このウォーランド王国の王太子、ランバルト。自分の執務室で書類を仕上げながらつい言葉が溢れた。
どうやら、召喚された聖女様達の訓練が異様な程のスピードで進んでいるらしい。召喚された時もそうだったが、あの3人には恐怖心が全く無い。
過去の文献によると、異世界から召喚された聖女様は、皆一様に驚きと共に恐怖心でいっぱいになり、暫くは心の静養が必要だとあった。その為に、聖女に寄り添う者を宛がうのが良いと…。勿論、前例に倣い、召喚時に王太子を含め、側近のイリス=ハンフォルト、魔導師のクレイル=ダルシニアン、専属近衛のエディオル=カルザインを連れて居たのだが…。
「必要あったのか?」
最初から聖女様3人はしっかりしていた。巻き込まれただけの彼女の事も、キッチリ交渉して来たのだ。後から知ったが、聖女様3人は、元の世界では自立した立場の職に就いて居たと。
私は密かに、意思をハッキリ持った目をしたミヤ様に惹かれた。過去には、幾度も王子と聖女が結ばれたとあった為、私ももしかしたら…と思ったが…。
「いや、絶対に無いな…。」
ミヤ様が私に靡かないどころか…ハル殿の一件で信頼さえ失っただろう。ハル殿には謝罪を受け取ってもらえたが、そのハル殿ともあれ以来会ってもいない。ベラとは、よくお茶をしているようだが。
まぁ、彼女に関しては聖女では無い為、会う用事も必要も無いから仕方無い。
エディオルに至っては、思い切り避けられているそうだが…。
あのエディオルが避けられてるとか…面白いな。あぁ、面白いなんて言うと、またベラに怒られそうだ。
エディオルもイリスもクレイルも、私の側近であり眉目秀麗。おまけに婚約者も居ない。ご令嬢方からの人気は凄まじい。寄って来る令嬢は居ても、避ける令嬢なんて居ないのだ。まぁ、避けられる理由が(人の事は言えないが)エディオル本人の自業自得なところと、ハル殿の男性恐怖症のせいなのだから、これも仕方無い。
それに、彼女達は浄化を終えれば元の世界に還るのだろう。
ーこの世界にはずっと居るつもりはない。絶対に元の世界に還るー
と言う意思が全面に溢れ出ているのだ。
「はぁー…どこで間違えたかなぁ?」
それでも、少しでもミヤ様の側にと思ったが…王太子であるが為に旅の同行も許されなかった。
旅が終われば、最後に労いと送別を兼ねた夜会が開かれる。せめてその時、ミヤ様をエスコートできたらなぁ…と考えて…
ー夢は夢のまま終わらせておこうー
そう思い直し、また書類に目を通し始めた。
*はい、実は、王太子のフラグは立っていた!と言うお話でした。ベラトリス王女の考察通り、ミヤは完全スルーだけど(笑)。これで、第一章は終わりです。明日からは、第二章になります。ありがとうございました*
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