巻き込まれ召喚のモブの私だけが還れなかった件について

みん

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第二章ー浄化の旅と帰還ー

帰城②

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*本日、2話目です*












パルヴァン辺境地を出て6日。いよいよ、明日には王都入りをして、そのまま城まで真っ直ぐ帰る予定である。




「王都を出てから2年か…本当に色々あったけど、あっと言う間だったね。」

しみじみとミヤさんが呟く。

「あ…2年…経ってるって事は…皆2年分成長してるんですよね?」

今更ながらに気が付いた。
私達4人は見た目が変わらない。同行メンバーも比較的成長期が終わっただろう大人?な人が殆どなので、この人達もあまり見た目が変わっていない…と思う。

でも、王太子様やベラトリス様はどうだろうか?ベラトリス様なんて、もっと美女化してるかもしれないなぁ…なんて、思ったりしていました。










見慣れていた筈のお城を目にした時

ー帰って来たなぁー

と、実感した瞬間でした。

騎馬隊を先頭に止まる事なく城門を潜り抜け、ゆっくりと進んで行く。暫く進んだ後、緩やかにスピードが落ちて行き、そのまま静かに止まった。外が少しざわめいた後、馬車の扉がゆっくりと開かれ、そこに立って居たのは…

王太子殿下であるランバルト=ウォーランド様…だよね??

はい。更に美男子…美青年へと変化…バージョンアップしていました。

『あ、、ゲーム終盤時の王太子だ!』

と、お姉さん達は違う意味でテンションが上がっていました。

ーここでも靡かないとは…流石です!ー

スッと差し出された手に、一番始めにミヤさんが王太子様の手を取り馬車から降りて行った。次いで、同行メンバーだったダルシニアン様が差し出した手をショウさんが、カルザイン様が差し出した手をフジさんが受け取り、馬車から降りて行った。

私ですか?私は聖女様と同じ馬車に乗って居るとは言え、モブですからね?エスコートしてくれる人は居ませんよ?居なくても馬車から降りられるし、エスコート役なんて要らない。

でも、お姉さん達に続いてすぐに降りるのも注目を浴びるので、いつも少し時間を空けてから降りる様にしている。御者をしている騎士様もそれを理解してくれている様で、いつも嫌な顔をする事もなく暫くはその場で待機してくれている。有難い事です。

さて、そろそろ降りようかな…と思ったら

「ハル殿、疲れてない?」

と言いながら、オーブリー様がひょこっと馬車の扉の外から顔を覗かせて来た。

「あ、オーブリー様。お疲れ様です。私は乗って座ってただけなので…疲れてませんよ?」

「そう?それなら良かった。」

と言いながら、フワリと優しく笑うと

「どうぞ…」

と言って手を差し出された。

「ん?」

と、その差し出された手を見詰めながら、思わず首を傾げてしまった。

「ははっ…まさか、そんな反応をされるとは…。本当に…ハル殿はカワ…面白いよね?」

「ん?面白い??」

「ハル殿、お手をどうぞ?」

「あー…」

ーエスコートか!ー

「す…すみません!」

慌ててオーブリー様の手を取る。

「慌てなくても大丈夫だから。」

ーやっぱり、イケメンさんは、モブにも優しいようですー

私は、この時初めてエスコートされながら馬車から降りた。










そんな私とオーブリー様の様子を、先に降りてお城の入り口で立ち止まり、私を待っていたお姉さん達が…

『え?何?あの騎士、ハルに気があるの?』

『ある…でしょ…あのハルちゃんを見る目…溶けてるよ?』

『ハルは…全く気付いてないけどね。ハルらしいけど。』

『あの騎士のハルを見る目だけは誉めてあげても良いわね……ね…』

と、王太子様をチラリと見ながら、3人は日本語で話していた。





「本当に、ハルちゃんの笑顔って可愛いよね。」

「だね。最初の頃は心配だったけど…これなら、大丈夫なんじゃないかな?」


「…っ…」

その言葉に、誰かが小さく息を飲んだのだが、それに3人が気付く事はなかった。











「ハル様、お帰りなさいませ。」

私の部屋で、私を出迎えてくれたのはサエラさんだった。

「サエラさん!ただいま帰って来ました!」

懐かしい、優しい顔をしたサエラさんを見て、思わずギュッと抱きついてしまった。

「あらあら、ハル様はお元気そうですね?長旅でしたが、お疲れではありませんか?」

「ふふっ。サエラさんの顔を見たら、疲れも飛んで行きました!」

「ありがとうございます。そう言って頂けると、嬉しい限りです。ですが、体を休める為にも、お風呂の準備ができておりますので、入って来て下さい。」

「はーい。」

やっぱり、サエラさんの顔を見ると落ち着くなぁ…そう思いながら、お風呂場へと向かった。


その日はお姉さん達も各々の部屋で食事をとり、早目の時間に眠りに就いた。

サエラさん曰く、明日から3日程は休養を兼ねてのんびり過ごし、その3日目の夜に聖女様と騎士様達の労いを兼ねた夜会が開かれるとの事だった。同じ薬師のミリリーナさんとロイドさんはパートナーと一緒に参加するそうだが、私は参加しない。

ーモブはモブらしく最後までモブで居ます!ー

あ、でも最後だし…夜会に出てる物と同じ料理を用意してもらう事位は…お願いしても良いかなぁ?うん、明日、サエラさんに訊いてみよう。

お姉さん達だけではなく、私も花より団子状態であっと言う間に夢の世界へ旅立った。

    
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