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第四章ー王都ー
黒と浄化
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「……」
結果から言えば、魔法で出した水で淹れた紅茶を飲んでもらったら…黒いの…消えました。自分の目でしっかり確認できました。
「あれ?何だろう…頭が…スッキリする…。」
ハンフォルト様が、手にしたティーカップを見つめたまま呟く。
「イリス…。」
その言葉を受けて、何故かダルシニアン様が眉間に皺を寄せる。
「?えっと…ハンフォルト様は…お疲れ?だったのですか?」
「……いや…疲れと言うか…」
ティーカップを見つめ、そのまま言い淀む。
代わりに口を開いたのは、ダルシニアン様だった。
「薬師としての意見を聞きたいのだけど…話を聞いてもらっても?」
いつもの明るい感じのダルシニアン様ではなく、ピリッと空気が張り詰める雰囲気なので、私も姿勢を正す。
「私で良ければ…。」
ー他言無用でー
と、ダルシニアン様は話し出した。
「…それは…いつからですか?」
「イリスはここ最近だけど、一番酷く症状が出ている者に関しては…2、3ヵ月前からかな…。」
ー2、3ヶ月前…何かあったかなぁ?ー
「パルヴァンでは…そんな症状の人は…居ませんね。」
「そう…か…。」
「因みに、原因と言うか…何かをした後に酷くなるとか…ありますか?」
ハンフォルト様は、考えるように目を瞑る。
「あぁ…関係あるかどうか分かりませんが、私のベラ…私の婚約者であるベラトリス王女と会えない期間が長くなると…頭が重たくなる気がしますね。」
ー“私の”って要る?ー
と、クレイルとティモスとハルは思ったが、ここでは誰も突っ込まなかった。
ーベラトリス様かぁー
ハンフォルト様の基準が、ベラトリス様って事…なのかな?あ、レオン様タイプの人って事かな?
うーん…何だろう…何かが引っ掛かるんだけど…。
ただ一つ確かなのは、浄化すると消える黒いもの。ならば、悪化しないように今みたいに浄化すれば良い。原因追求は、それからでも大丈夫だろう。
「今はもう手持ちがないので無理ですけど、今飲んだ紅茶には…癒し効果のある薬草を入れてまして…。明日パルヴァン邸に戻るので、調合してお渡ししましょうか?」
「本当に?それは助かります。お金も支払いますから。頂けるなら、お願いします。」
「分かりました。また、レオン様かパルヴァン様にお願いして、持って来ますね。」
それから、また暫くの時間、昨日の話をしてから、ダルシニアン様とハンフォルト様は王城へと戻って行った。
頭の中が、霧が掛かったように判断力が鈍くなる
時折、記憶が曖昧な事がある
うーんうーんと唸りながら考えていると
『一番酷い症状が出ているのは、主の魔力が込められた魔石をピアスにしている3人のうちの1人だ。』
「うえっ!?そ…それって─…」
ー王太子様じゃないの─!?ー
あれ?でもおかしくない?あの魔石には、防御の魔法を掛けている。その魔石を身に着けている人に害を成そうとする物全てから、その身を護るように。ならば、王太子様が、あの黒いものに囚われるなんて事にはならない筈。
『勿論そうだ。でも、アレは毎日そのピアスを着けていないのだ。我が地下に居る時に、たまに我の様子を見に来ていたが、着けていない時もあった。あの騎士と魔導師は、毎日着けているな。』
あぁ、そうか。王太子様は公務の関係上外す事があるかもしれない。ベラトリス様がそうだったから。
あ─!ベラトリス様だ!イリス様は、ベラトリス様が身に着けてるブレスレットで間接的に浄化されてるんだ!だから、ベラトリス様と会えない期間が長くなると酷くなるんだ。
「王太子様やその側近の人達に手を出すって…ヤバくないの?誰が何の目的で?ん?ひょっとして…ダルシニアン様とカルザイン様は、毎日着けてるから…黒いのに囚われてなかった?」
『その可能性はあるな。』
えーっと…どうする?王太子様に、ピアスを毎日着けろなんて言えないし…。
「取り敢えず、ハンフォルト様と約束したから、紅茶の葉に浄化の魔法でも掛けておこうかな…。それを多めに作って渡せば…うまくいけば王太子様の口に入るかもしれない…よね。あの黒いのが酷くなると、どうなるんだろう?」
『それは、我にも分からぬ。昔にはなかった魔術だろう。主が気になるなら、我も色々探ってみようか?』
「レフコースに危険がないなら…お願いして良い?」
『分かった。ところで、この3人と…後2人ブレスレットを着けている者達は、主にとっては大切な者達なのか?』
ー大切な者達ー
ブレスレットを着けている2人とは、ベラトリス様とサエラさんの事だろう。勿論、この2人は私にとっては恩人でもあるし、大好きで大切な人だ。
あの3人は…
「大切かと訊かれると…答えに悩むけど、困っているなら助けてあげたいと思う。特に。カルザイン様には助けてもらってばかりだから…。ブレスレットの2人は、私の大好きな人達の事だと思う。会う事があったら、レフコースに必ず紹介するね。」
『それは、楽しみだ。』
レフコースはニッコリ微笑んだ。
結果から言えば、魔法で出した水で淹れた紅茶を飲んでもらったら…黒いの…消えました。自分の目でしっかり確認できました。
「あれ?何だろう…頭が…スッキリする…。」
ハンフォルト様が、手にしたティーカップを見つめたまま呟く。
「イリス…。」
その言葉を受けて、何故かダルシニアン様が眉間に皺を寄せる。
「?えっと…ハンフォルト様は…お疲れ?だったのですか?」
「……いや…疲れと言うか…」
ティーカップを見つめ、そのまま言い淀む。
代わりに口を開いたのは、ダルシニアン様だった。
「薬師としての意見を聞きたいのだけど…話を聞いてもらっても?」
いつもの明るい感じのダルシニアン様ではなく、ピリッと空気が張り詰める雰囲気なので、私も姿勢を正す。
「私で良ければ…。」
ー他言無用でー
と、ダルシニアン様は話し出した。
「…それは…いつからですか?」
「イリスはここ最近だけど、一番酷く症状が出ている者に関しては…2、3ヵ月前からかな…。」
ー2、3ヶ月前…何かあったかなぁ?ー
「パルヴァンでは…そんな症状の人は…居ませんね。」
「そう…か…。」
「因みに、原因と言うか…何かをした後に酷くなるとか…ありますか?」
ハンフォルト様は、考えるように目を瞑る。
「あぁ…関係あるかどうか分かりませんが、私のベラ…私の婚約者であるベラトリス王女と会えない期間が長くなると…頭が重たくなる気がしますね。」
ー“私の”って要る?ー
と、クレイルとティモスとハルは思ったが、ここでは誰も突っ込まなかった。
ーベラトリス様かぁー
ハンフォルト様の基準が、ベラトリス様って事…なのかな?あ、レオン様タイプの人って事かな?
うーん…何だろう…何かが引っ掛かるんだけど…。
ただ一つ確かなのは、浄化すると消える黒いもの。ならば、悪化しないように今みたいに浄化すれば良い。原因追求は、それからでも大丈夫だろう。
「今はもう手持ちがないので無理ですけど、今飲んだ紅茶には…癒し効果のある薬草を入れてまして…。明日パルヴァン邸に戻るので、調合してお渡ししましょうか?」
「本当に?それは助かります。お金も支払いますから。頂けるなら、お願いします。」
「分かりました。また、レオン様かパルヴァン様にお願いして、持って来ますね。」
それから、また暫くの時間、昨日の話をしてから、ダルシニアン様とハンフォルト様は王城へと戻って行った。
頭の中が、霧が掛かったように判断力が鈍くなる
時折、記憶が曖昧な事がある
うーんうーんと唸りながら考えていると
『一番酷い症状が出ているのは、主の魔力が込められた魔石をピアスにしている3人のうちの1人だ。』
「うえっ!?そ…それって─…」
ー王太子様じゃないの─!?ー
あれ?でもおかしくない?あの魔石には、防御の魔法を掛けている。その魔石を身に着けている人に害を成そうとする物全てから、その身を護るように。ならば、王太子様が、あの黒いものに囚われるなんて事にはならない筈。
『勿論そうだ。でも、アレは毎日そのピアスを着けていないのだ。我が地下に居る時に、たまに我の様子を見に来ていたが、着けていない時もあった。あの騎士と魔導師は、毎日着けているな。』
あぁ、そうか。王太子様は公務の関係上外す事があるかもしれない。ベラトリス様がそうだったから。
あ─!ベラトリス様だ!イリス様は、ベラトリス様が身に着けてるブレスレットで間接的に浄化されてるんだ!だから、ベラトリス様と会えない期間が長くなると酷くなるんだ。
「王太子様やその側近の人達に手を出すって…ヤバくないの?誰が何の目的で?ん?ひょっとして…ダルシニアン様とカルザイン様は、毎日着けてるから…黒いのに囚われてなかった?」
『その可能性はあるな。』
えーっと…どうする?王太子様に、ピアスを毎日着けろなんて言えないし…。
「取り敢えず、ハンフォルト様と約束したから、紅茶の葉に浄化の魔法でも掛けておこうかな…。それを多めに作って渡せば…うまくいけば王太子様の口に入るかもしれない…よね。あの黒いのが酷くなると、どうなるんだろう?」
『それは、我にも分からぬ。昔にはなかった魔術だろう。主が気になるなら、我も色々探ってみようか?』
「レフコースに危険がないなら…お願いして良い?」
『分かった。ところで、この3人と…後2人ブレスレットを着けている者達は、主にとっては大切な者達なのか?』
ー大切な者達ー
ブレスレットを着けている2人とは、ベラトリス様とサエラさんの事だろう。勿論、この2人は私にとっては恩人でもあるし、大好きで大切な人だ。
あの3人は…
「大切かと訊かれると…答えに悩むけど、困っているなら助けてあげたいと思う。特に。カルザイン様には助けてもらってばかりだから…。ブレスレットの2人は、私の大好きな人達の事だと思う。会う事があったら、レフコースに必ず紹介するね。」
『それは、楽しみだ。』
レフコースはニッコリ微笑んだ。
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