巻き込まれ召喚のモブの私だけが還れなかった件について

みん

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第四章ー王都ー

稀×稀

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邸に戻ると直ぐにパルヴァン様に、夕食後に話があるから時間が欲しいとお願いをした。その時、レオン様とカテリーナ様とルナさんとリディさんとティモスさんの同席もお願いした。それと、夕食迄は1人にして欲しいと─。





「レフコース、いくつか確認したい事があるんだけど…良いかな?」

『何でも訊いてくれ。』

ちょこんと座って尻尾をフリフリするレフコース。


ー可愛い以外が見付からなくて辛いー


「一番気になってる事なんだけど、私は“巫女”なの?“魔法使い”なの?」

『ん?主は“魔法使い”だ。巫女の魔力を引き継いではいるが、巫女ではない。勿論“聖女”でもない。』

「私の中に、レフコースと巫女様の魔力?が流れてるから、魔法使いになってしまってるって事?」

『いや─。恐らくだが、主がこちらの世界に召喚されて来た時には、もう魔法使いになっていたと思う。聖女達が聖女の力を得たのと同じタイミングで。巫女の魔力をいつ引き継いだかは…寝ていた我にもよくは分からぬが…余程相性が良かったのかも知れぬな。』

ーうーん…やっぱり魔法使いは魔法使いなのかー

『我と名を交わし、お互い魔力も交わしているからと言う名目で、主の魔力が強くても、主が魔法使いだと言う事はある意味隠せられる。因みに、主の作る水には浄化作用があるとは言ったが、主自身が聖女のように、穢れを浄化する事は無理だと思う。飽くまで、穢れを祓えるのは“聖女”だけだ。だから、聖女にされる事もない。』

成る程。魔力が大きくても強くても、フェンリルと名を交わしたからと言えば、誤魔化せると言う事か…。

「主は、パルヴァンの者にも魔法使いと言う事は黙っておくつもりなのか?」

「…そこは…少し悩んでいるの。今回の事で、きっとパルヴァン様達の過保護ぶりが強くなりそうだなと思って。しかも、私はらしいから。」

『リス?』

レフコースが首を傾げる

「パルヴァンって、土地柄上、皆強いの。今日、それを実感したばっかりなんだけどね…。兎に角、私、パルヴァン様達から見たらリス並みの存在らしくて。でも、私が“魔法使い”だと言ったら…少しは安心?してくれるかなぁ?って…。」

レフコースは首を傾げたまま

『それはどうだろうか?主は…攻撃魔法は使えぬだろう?その上の稀な存在の魔法使いならば、更に心配をかけるのではないか?』

「そ…それもそうか…。やっぱり、レフコースのお陰で魔力が強くなったって事にした方が良いかな?」

『今の時代、魔法使いの存在がどう言う扱いをされているか分からぬが、稀な存在である事は変わらぬだろう。我は、そのせいで一度主を失った。もう二度も失うつもりも失わせるつもりもないが…。』

そう言えば─


『この世界での魔法使いって、すっごくレアなのよ!あのね、このゲーム、誰とも恋愛に進まなくてノーマルエンドになると、日本に還れるのよ。でも、魔法使いなんてバレたらどうなるかなんて分からない。だから、ハルが魔法使いって事は、私達4人だけの秘密にしとこう!』

お姉さん達が言ってたっけ。

「うん。取り敢えず、魔法使いって事は…今はまだ黙っておく事にする。じゃあ、次の質問なんだけど、この世界でのレフコース…フェンリルはどんな存在なの?」

私が知っているフェンリルとは、神話に登場する狼。そのフェンリルも、強すぎて拘束されてとか何とかだったような…。

『ランクの高い魔獣だな。我も稀な存在と言われているが、魔法使い程ではないと思う。』

「稀なフェンリルと稀な魔法使いの組み合わせ…」

ーえーそれって、ヤバくないのだろうか?ー

『ふむ。のだと思うが、主は必ず我が守るからな。今度こそは、何があっても…』

「レフコース…」

レフコースは、巫女様を守れなかった事を後悔している。その分、私を必要以上に守ろうとするのかもしれない。でも…

私は、レフコースの側迄行き、そっとレフコースの頭を撫でながら、レフコースと視線を合わせるようにしゃがみこむ。

「レフコース。あなたが私を守りたいように、私もあなたを守りたいと思ってる。私は、レフコースが私の為に傷付いたりするのは…嫌だからね?“命を懸けて”なんて守り方はしないでね?あなたに何かあったら、私はきっと…自分を赦せない。」

レフコースの揺れていた尻尾はピタリと止まり、耳はピンと立ち上がったままで、目は少し大きく見開かれたままで私を見ている。

暫くそのまま見つめあって─
また尻尾が揺れだし、目を嬉しそうに細めると

『分かった。我も、我自身を大切にする。その上で主を守る。ありがとう…主…。』

そう言って、自身の頭をグリグリと私の頬に擦り寄せて来た。


ーウチの子が本当に可愛い過ぎる!ー


そのまま、私は暫くの間、レフコースを好き勝手に撫で回したのは…言うまでもない。









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