巻き込まれ召喚のモブの私だけが還れなかった件について

みん

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第六章ー帰還ー

最強アイテム

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最後になるかもしれない一週間は、4人全員が揃う日はなかったけど、その日その日で美樹さんと買い物に行ったり、千尋さんと晩ご飯を食べたり、咲さんと料理を作り合ったりと、私が悩んだり考え過ぎるような時間ができない程、楽しい日々を過ごした。

ーきっと、お姉さん達が気を遣ってくれてるんだろうなー

本当に、私は幸せ者だと思う。両親は居ないけど、その代わりに、私を優しくて見守ってくれる人や、助けてくれる人達がいっぱいいるのだ。この事を、忘れてた訳じゃないけど…。
あっちに戻れたら…私ももっと大切に、自分にも自信を持って進んでいこう─。








そして、あっと言う間に美樹さんと約束した土曜日がやって来た─。













「場所は…この辺で良いでしょ?」


と、やって来たのは、私が通っていた大学敷地内にある新校舎の裏庭。私達が召喚された場所に近い方が良いのでは?と千尋さんが言い出し、急遽、校舎内は人目もあり、無理だと言う事で、人目の殆どない校舎の裏庭に来たのだ。

「それで、2人とも、お願いした物は持って来た?」

「持って来たけど、何に使うの?」

と、美樹さんに言われて、咲さんと千尋さんが手に持っていたのは、私が魔法を重ね掛けして作ったブレスレットだった。

「あ、そのブレスレット、まだ持っていてくれてたんですね?」

「当たり前じゃない!琴音が作ってくれた、大切な物なんだから!」

「そうそう。それに、コレには命を助けてもらったしね?」

ーあ─、ソレ、レフコースのの時ですよね…敢えて言わないけどー

「えっと、それで、このブレスレットがどうしたんですか?」

と、皆で美樹さんを見る。

「このブレスレットに、琴ちゃんが“防御”と、“目眩まし”の魔法を重ね掛けしたでしょ?それって、結構─ううん、かなりの魔力量が使われてるのよ。しかも、その魔力が、この世界で今でも保たれてるの。」

「え?今も?」

え?でも、私、今は魔法使いじゃないし、自分に全く魔力の流れを感じない。勿論、あれも“ただのポーチ”のままだ。

「実は…私ね、この前会社の非常階段の一番上から転げ落ちたのよ…」

「「「えっ!?それ、大丈夫だったの(だったんですか)!?」」」

「そうなの…大丈夫だったの…無傷だったの。打ち身どころか、痛みも無くて…その日はそのまま定時まで働けたのよ。」

「「「……」」」

「その日の前日に、このブレスレットを付けて彼氏とデートしてね?外した後、化粧ポーチに入れてたんだけど、そのまま片付けるのを忘れて、次の日の出勤の時に持って行っちゃってたのよ。で、社内食堂でランチを食べた後、その化粧ポーチを持ってトイレに行こうと思って、エレベーターを待たずに階段を使ったら…転げ落ちたのよ。でも、無傷。そう言う事でしょ?」

「やっぱり…琴音はチートだったんだね…」

ーうん。私、チートでしたー

「だからね?そんな凄過ぎるブレスレットが、ここに三つもあるのよ?きっと、魔力量も半端無いと思わない?」

「「「─あっ!!」」」

と、咲さんと千尋さんと私が声を上げると、美樹さんはニコリと笑った。





それから、向こうに戻れたとして、何処に飛ぶのか、どんな状況か分からないから、念には念を─と言う事で、手軽に食べれる物などの買い物をした後、あっちの世界でも目立たない服や靴を買って着替えて、ランチをいつもより多めに食べてお腹を満たした。

そして、再び新校舎裏の裏庭にに戻って来た。



「えっと…戻れるかどうか分かりませんけど、この二週間、ありがとうございました。お姉さん達にまた会えて、色んな所に行って色んな物食べれて…楽しかったです。」

「私も、琴音にまた会えて嬉しかった。向こうに戻れたら…あまり無理はしないようにね?」

ー咲さんー

「琴音、向こうに戻れたら…ちょっと辛いかもしれないけど、相手が大切な人な程、ちゃんと向き合ってから前に進むようにね?」

ー千尋さんー

「琴ちゃん、今回、琴ちゃんがこっちに還って来たのは…間違いではなかったと思う。きっと、これは琴ちゃんにとって─私達にとっても必要な事だったんだよ。琴ちゃんにまた会えた事で、私達は何の憂いも無く前に進む事が出来るから─。」

ー美樹さんー

─そうだ、咲さんだけじゃない。美樹さんも、千尋さんも、一緒に還って来れなかった私の事を気にしてなかった筈がないんだ。でも、これからは違う。ここに還って来れたけど、今度は私の意思であっちの世界に戻るんだ。

「琴音─」
「琴音─」
「琴ちゃん─」

お姉さん達に、ギュウッと抱き締められる。

「向こうの世界でも元気でね?」

「琴音はチートだから…また何かあったら…還っておいで?ここには…いつでも琴音の居場所があるからね?」

「琴ちゃん、エディオルさんには─少し、も必要だからね?」

「ふふっ…はい。元気に頑張って、何かあったらチートを発揮してみます。エディオル様には…何とか頑張って仕返ししてみますね?」

ーチートだったとしても、もう一度できるのかどうかは分からない。エディオル様に仕返し…は、更に無理だよね?ー



お姉さん達が私から離れる。



そして、私は三つのブレスレットを自分の左手首に通した。









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