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第六章ー帰還ー
閑話ーレオン=パルヴァンー
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感謝の気持ちを込めて、閑話を投稿しました。良ければ読んで下さい。
勿論、読み飛ばしてもらっても、本編に影響はありません。m(_ _)m*
私はレオン=パルヴァン─パルヴァン辺境伯グレン=パルヴァンの嫡男である。既に、次期パルヴァン辺境伯を継ぐ事が認められ、決まっている。まぁ、まだまだ父上が現役なので、継ぐのはまだまだ先の話である。
父は最強の武人である。勝てるとしたら…ゼンぐらいだろう─いや…ロンも侮れないか─。
父が、このパルヴァンを治めるようになってからは、魔物をあの森から外に出した事が一度も無い。その為、ここの領民は皆、王族よりも父の方を崇拝している。そんな父を私も尊敬している。
そんな父も、フェンリルにやられて生死の境をさまよった時には、もう駄目かと思った。しかし、それを王都から同行していた薬師が助けてくれたと言う。お礼を言いたくても、誰かも分からず、母さえも、誰かとは訊くな─と言う。父にも母にも言われたならば、それ以上の事はできない─と、その時はそれで終わったのだが─。
私には、“可愛いもの”が二つある。
一つ目は勿論、私の可愛い嫁であるカテリーナ。パルヴァンの女騎士として、この邸で見た時に一目惚れをして、押しに押しまくって外堀もガッツリ埋めて手に入れた、可愛い可愛い嫁である。現在妊娠中である。
二つ目は、パルヴァン唯一無二の“リス”である。本人には絶対に言わないが、そのリスも本当に可愛い。
ーカテリーナの次にだけどー
そのカテリーナも、いつもリスを愛でては微笑んでいて、“可愛いリスとそれを愛でる可愛い嫁”と言う、何とも言えないその様子を見ているだけで、いつも私は癒されるのだ。
それに、リスは空気を読むのがうまい。私が少しチクリと言うだけで、すぐに反応して行動をする。たまに、私の言葉でビクッとなるのだが─それがまた可愛いから、いつも、ついついそのリスを揶揄ってしまい、後々カテリーナに注意をされてしまう。まぁ、カテリーナが怒っても怖くないし、寧ろ可愛いから良いけど─。
その可愛いリスが…行方不明になったと、ロンから手紙が届いた時は、パルヴァン領が一気にざわついた。それから、少し遅れてゼンから来た手紙。あの時の父と母の殺気は…本当にヤバかった。
ー王族は、何度同じ事を繰り返すのか─懲りてないよなぁー
それに、あの魔法使いもだ。
ーうちの可愛いリスに…何をしてくれてんだ?ー
そして、ゼンから来た2通目の手紙には─
可愛いリスが、実は魔法使いで、自分の力で元の世界に還った─と書かれていた。
私もカテリーナも、もう、あの可愛いリスには会えないのか─と寂しく思っていたが
「ハル殿の心が壊れる前に、元の世界に戻れたのなら…これは喜ぶ事かも知れないな。」
と、母が困った様に笑いながら言った。
誰も、リスが泣いたところを見た事がない。リスはいつも笑っていた。可愛い可愛いパルヴァン唯一無二のリス。
元の世界に還ったのならば、あの聖女様達に会えるかもしれない。もし会えたなら、聖女様達がリスの心を救ってくれるかもしれない─いや、きっと救ってくれるだろう。
これから、パルヴァンは色んな後始末で忙しくなるだろう。可愛いリスが受けた痛みは、必ず全員に分からせてやる。例外なんて認めない。
ー本当に、楽しみだよなー
と、私だけではなく、父や母は勿論の事、ゼンも思っているだろう。
きっと、それらも自己満足にしかならないだろうけど、リスが受けた痛みを分からせないと、気が済まないのだ。
パルヴァン唯一無二の可愛いリス─
どうか、違う空の下ではあるが、いつも笑って過ごせますように─リスに幸せが訪れますように─
そう願いながら、これからの事を話し合う為に、父の居る執務室へと足を向けた。
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私はレオン=パルヴァン─パルヴァン辺境伯グレン=パルヴァンの嫡男である。既に、次期パルヴァン辺境伯を継ぐ事が認められ、決まっている。まぁ、まだまだ父上が現役なので、継ぐのはまだまだ先の話である。
父は最強の武人である。勝てるとしたら…ゼンぐらいだろう─いや…ロンも侮れないか─。
父が、このパルヴァンを治めるようになってからは、魔物をあの森から外に出した事が一度も無い。その為、ここの領民は皆、王族よりも父の方を崇拝している。そんな父を私も尊敬している。
そんな父も、フェンリルにやられて生死の境をさまよった時には、もう駄目かと思った。しかし、それを王都から同行していた薬師が助けてくれたと言う。お礼を言いたくても、誰かも分からず、母さえも、誰かとは訊くな─と言う。父にも母にも言われたならば、それ以上の事はできない─と、その時はそれで終わったのだが─。
私には、“可愛いもの”が二つある。
一つ目は勿論、私の可愛い嫁であるカテリーナ。パルヴァンの女騎士として、この邸で見た時に一目惚れをして、押しに押しまくって外堀もガッツリ埋めて手に入れた、可愛い可愛い嫁である。現在妊娠中である。
二つ目は、パルヴァン唯一無二の“リス”である。本人には絶対に言わないが、そのリスも本当に可愛い。
ーカテリーナの次にだけどー
そのカテリーナも、いつもリスを愛でては微笑んでいて、“可愛いリスとそれを愛でる可愛い嫁”と言う、何とも言えないその様子を見ているだけで、いつも私は癒されるのだ。
それに、リスは空気を読むのがうまい。私が少しチクリと言うだけで、すぐに反応して行動をする。たまに、私の言葉でビクッとなるのだが─それがまた可愛いから、いつも、ついついそのリスを揶揄ってしまい、後々カテリーナに注意をされてしまう。まぁ、カテリーナが怒っても怖くないし、寧ろ可愛いから良いけど─。
その可愛いリスが…行方不明になったと、ロンから手紙が届いた時は、パルヴァン領が一気にざわついた。それから、少し遅れてゼンから来た手紙。あの時の父と母の殺気は…本当にヤバかった。
ー王族は、何度同じ事を繰り返すのか─懲りてないよなぁー
それに、あの魔法使いもだ。
ーうちの可愛いリスに…何をしてくれてんだ?ー
そして、ゼンから来た2通目の手紙には─
可愛いリスが、実は魔法使いで、自分の力で元の世界に還った─と書かれていた。
私もカテリーナも、もう、あの可愛いリスには会えないのか─と寂しく思っていたが
「ハル殿の心が壊れる前に、元の世界に戻れたのなら…これは喜ぶ事かも知れないな。」
と、母が困った様に笑いながら言った。
誰も、リスが泣いたところを見た事がない。リスはいつも笑っていた。可愛い可愛いパルヴァン唯一無二のリス。
元の世界に還ったのならば、あの聖女様達に会えるかもしれない。もし会えたなら、聖女様達がリスの心を救ってくれるかもしれない─いや、きっと救ってくれるだろう。
これから、パルヴァンは色んな後始末で忙しくなるだろう。可愛いリスが受けた痛みは、必ず全員に分からせてやる。例外なんて認めない。
ー本当に、楽しみだよなー
と、私だけではなく、父や母は勿論の事、ゼンも思っているだろう。
きっと、それらも自己満足にしかならないだろうけど、リスが受けた痛みを分からせないと、気が済まないのだ。
パルヴァン唯一無二の可愛いリス─
どうか、違う空の下ではあるが、いつも笑って過ごせますように─リスに幸せが訪れますように─
そう願いながら、これからの事を話し合う為に、父の居る執務室へと足を向けた。
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