巻き込まれ召喚のモブの私だけが還れなかった件について

みん

文字の大きさ
175 / 203
第七章ー隣国ー

暫しのお別れ

しおりを挟む




「あんたも─チートだったんだな…。」


その一言に全てが詰まってました。

確かに、穢れは酷かった。酷かったけど、ミヤさんがさらに凄かった!さっきの浄化は肩慣らしだったの?と言わんばかりの浄化の威力だった。

金色の光が一段と、眩しい程の輝きだった。一振する毎に穢れが祓われ、チョロチョロいた弱い魔獣はその穢れと共にどんどん霧散していった。ミヤさんの聖女の力は圧倒的だった─。



ー聖女の浄化で魔獣退治…最強では?ー



“ちょっとひく”と言う気持ちが…少し分かったハルです。














ミヤさんの、ミヤさんだけによる浄化(魔獣退治)が終わり、ホッとした時─

「ワームか…」

一際大きな魔物?魔獣?が現れた──のに、何故か…やっぱりティモスさんは何となく嬉しそうだ。

「俺だって、ここまで来たからには─いや、鈍った体を動かしたい!ハル、俺が頼む迄は手出し不要だからな!」

と言って、ティモスさんはワームとやらに向かって行った。

「ティモス殿も…脳筋だったのか?」

と、呆れた顔をしたエディオル様とジンさんがその後を追って行った。

『ふむ。我は、ここで様子をみるか─。』

と、ネージュは私の横でちょこんとお座りをしている。

「いざとなったら援護すれば良いけど…何だろう…色々規格外過ぎて嗤えるな─。」

と、私の後ろ─ミヤさんと並んで立っているリュウが苦笑する。

「規格外なのは認めるけど…あなたは、ゲームに囚われ過ぎたのよ。」

「……」

「この世界が強制力とかで、ゲーム通りにしかならないのなら、私達3人の聖女が皆ハイスペになんてならなかっただろうし、ハルも巻き込まれてなんかいなかったと思うわよ?そもそも、個人の意思何てモノも必要じゃなくなるわよね?でも、この世界の人達は、1人1人意思を持って生きてる。ゲームなんかじゃない。一番の間違いは─あのクズ聖女だった子だろうけどね。あなたには、きちんと責任をとってもらうわよ?」

「分かってるよ。でも─ありがとう。穢れを浄化してくれて…本当にありがとう─。」

「…あなたの為にした訳じゃないからね?何の関係も無いこの国に生きている一般の人達や、隣国のウォーランド王国を守る為だからね。それと、が手を出すのはここまで。後は─次第だから。」


「あぁ…それは勿論分かっている。それに、宮下香は、俺が責任をもって日本に返すから。アレは…ここでは毒にしか…ならないから─。」

ー“毒”正しくそうだなー

努力すれば、ここで幸せになれたかもしれないのに。それでも、こうなったのは、彼女が自分自身で選択した結果だ。

「彼女─宮下香は…こっちの世界で、彼女の時間は進んでいたの?」

「あぁ、進んでいる。だから、日本に返した時はその分時間も進んでいる筈だ。半年…位か?」

半年か─私と違って、義理の親姉妹が居るんだよね?騒動になってないのかなぁ?

「ふふっ─きっと…彼女には…が待ってるわよ?」

?」

「ミヤさん…ひょっとして─」

私が日本で愚痴った後、宮下香を探ったの?

「ふふっ─。」

探ったんだ─。そして、何かあったんだ。ミヤさんの笑顔が眩し過ぎる─。宮下香は、一体日本で何をしたの!?

「え?何?俺にも分かるように─いえ、何でも無いです。」

リュウも、ミヤさんの笑顔を見て理解したようです。

ーこれ以上聞いてはいけないー

と─。







結果、最終的には

「ハル、あまり時間もないから、あの魔物を拘束してくれる?」

とミヤさんに言われて、薔薇の蔦で拘束。そこをエディオル様がキッチリ仕留めた。

ティモスさんには、ジトリとした目で見られたけど。













「聖女様、ありがとうございました。」

ジンさんはミヤさんに頭を下げながらお礼を言った。

「後一ヶ所残ってるけど、私達はウォーランド王国に戻るわ。この国の王次第で私も動くつもりだけど、今の王に私が手を差し伸べる事は─無いから。この意味…分かってもらえるわよね?」

「─分かっています。私も、もう知らないフリや見ないフリも出来ませんから。彼らには─必ず償ってもらいますよ。」

どうやら、ジンさんは決心したようだ。

「なら良かった。その為なら─私の存在を使もらっても良いわよ?」

と、フワリとミヤさんが微笑むと「それは─助かります。」と、ジンさんもフワリと微笑んだ。













「俺は、このままここに残ろうと思う。」

私達は、今のこの国の状況を説明する為に、一度ウォーランド王国に帰る事にしたのだけど、エディオル様は、このままこの国に留まる事にしたようだ。おそらく、これから起こる事等を、ウォーランド王国に報告する為だろう。

エディオル様は、律儀にも私には近寄る事無く、距離を保ったままで私に視線だけを向けている。

ーまた暫くは…離れ離れかー

そう思うと、胸がキュッと痛くなって─「ミヤさん、ごめんなさい!」と、心の中でミヤさんに謝りながら、私からエディオル様に近付いた。

お互い、手が届きそうで届かない距離だ。

「あの─私…待っていても良いですか?あの─エディオル様と色々話したい事があって─だから、待っていて良いですか?」

何とか頑張って尋ねると、「─っ…参ったな…」と呟きながら左手で口元を覆った。

「?」

と、首を傾げてエディオル様の反応を待つ。

「ハル殿ありがとう。俺も…聞いて欲しい話がある。それに─ハル殿が俺を待っていてくれるのは…とても嬉しい─。必ず、ハル殿の元に帰るから…待っていて欲しい。」

久し振りに見た、エディオル様の優しい笑顔に泣きそうになった。でも、では泣かない─と、グッと体に力を入れて耐えた。
そして、そのまま踵を返し、ミヤさん達の居る所に戻ると、ウォーランド王国に帰る為に魔法陣を展開させた。








 
しおりを挟む
感想 152

あなたにおすすめの小説

本物の『神託の花嫁』は妹ではなく私なんですが、興味はないのでバックレさせていただいてもよろしいでしょうか?王太子殿下?

神崎 ルナ
恋愛
このシステバン王国では神託が降りて花嫁が決まることがある。カーラもその例の一人で王太子の神託の花嫁として選ばれたはずだった。「お姉様より私の方がふさわしいわ!!」妹――エリスのひと声がなければ。地味な茶色の髪の姉と輝く金髪と美貌の妹。傍から見ても一目瞭然、とばかりに男爵夫妻は妹エリスを『神託の花嫁のカーラ・マルボーロ男爵令嬢』として差し出すことにした。姉カーラは修道院へ厄介払いされることになる。修道院への馬車が盗賊の襲撃に遭うが、カーラは少しも動じず、盗賊に立ち向かった。カーラは何となく予感していた。いつか、自分がお払い箱にされる日が来るのではないか、と。キツい日課の合間に体も魔術も鍛えていたのだ。盗賊たちは魔術には不慣れなようで、カーラの力でも何とかなった。そこでカーラは木々の奥へ声を掛ける。「いい加減、出て来て下さらない?」その声に応じたのは一人の青年。ジェイドと名乗る彼は旅をしている吟遊詩人らしく、腕っぷしに自信がなかったから隠れていた、と謝罪した。が、カーラは不審に感じた。今使った魔術の範囲内にいたはずなのに、普通に話している? カーラが使ったのは『思っていることとは反対のことを言ってしまう魔術』だった。その魔術に掛かっているのならリュートを持った自分を『吟遊詩人』と正直に言えるはずがなかった。  カーラは思案する。このまま家に戻る訳にはいかない。かといって『神託の花嫁』になるのもごめんである。カーラは以前考えていた通り、この国を出ようと決心する。だが、「女性の一人旅は危ない」とジェイドに同行を申し出られる。   (※注 今回、いつもにもまして時代考証がゆるいですm(__)m ゆるふわでもOKだよ、という方のみお進み下さいm(__)m 

【完結】公爵家の秘密の愛娘 

ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝グラント公爵家は王家に仕える名門の家柄。 過去の事情により、今だに独身の当主ダリウス。国王から懇願され、ようやく伯爵未亡人との婚姻を決める。 そんな時、グラント公爵ダリウスの元へと現れたのは1人の少女アンジェラ。 「パパ……私はあなたの娘です」 名乗り出るアンジェラ。 ◇ アンジェラが現れたことにより、グラント公爵家は一変。伯爵未亡人との再婚もあやふや。しかも、アンジェラが道中に出逢った人物はまさかの王族。 この時からアンジェラの世界も一変。華やかに色付き出す。 初めはよそよそしいグラント公爵ダリウス(パパ)だが、次第に娘アンジェラを気に掛けるように……。 母娘2代のハッピーライフ&淑女達と貴公子達の恋模様💞  🔶設定などは独自の世界観でご都合主義となります。ハピエン💞 🔶稚拙ながらもHOTランキング(最高20位)に入れて頂き(2025.5.9)、ありがとうございます🙇‍♀️

【完結】【番外編追加】お迎えに来てくれた当日にいなくなったお姉様の代わりに嫁ぎます!

まりぃべる
恋愛
私、アリーシャ。 お姉様は、隣国の大国に輿入れ予定でした。 それは、二年前から決まり、準備を着々としてきた。 和平の象徴として、その意味を理解されていたと思っていたのに。 『私、レナードと生活するわ。あとはお願いね!』 そんな置き手紙だけを残して、姉は消えた。 そんな…! ☆★ 書き終わってますので、随時更新していきます。全35話です。 国の名前など、有名な名前(単語)だったと後から気付いたのですが、素敵な響きですのでそのまま使います。現実世界とは全く関係ありません。いつも思いつきで名前を決めてしまいますので…。 読んでいただけたら嬉しいです。

有能女官の赴任先は辺境伯領

たぬきち25番
恋愛
お気に入り1000ありがとうございます!! お礼SS追加決定のため終了取下げいたします。 皆様、お気に入り登録ありがとうございました。 現在、お礼SSの準備中です。少々お待ちください。 辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26) ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。 そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。 そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。   だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。 仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!? そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく…… ※お待たせしました。 ※他サイト様にも掲載中

婚約者に愛する人が出来たので、身を引く事にしました

Blue
恋愛
 幼い頃から家族ぐるみで仲が良かったサーラとトンマーゾ。彼が学園に通うようになってしばらくして、彼から告白されて婚約者になった。サーラも彼を好きだと自覚してからは、穏やかに付き合いを続けていたのだが、そんな幸せは壊れてしまう事になる。

異世界に召喚されたけど、従姉妹に嵌められて即森に捨てられました。

バナナマヨネーズ
恋愛
香澄静弥は、幼馴染で従姉妹の千歌子に嵌められて、異世界召喚されてすぐに魔の森に捨てられてしまった。しかし、静弥は森に捨てられたことを逆に人生をやり直すチャンスだと考え直した。誰も自分を知らない場所で気ままに生きると決めた静弥は、異世界召喚の際に与えられた力をフル活用して異世界生活を楽しみだした。そんなある日のことだ、魔の森に来訪者がやってきた。それから、静弥の異世界ライフはちょっとだけ騒がしくて、楽しいものへと変わっていくのだった。 全123話 ※小説家になろう様にも掲載しています。

婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました

Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。 順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。 特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。 そんなアメリアに対し、オスカーは… とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。

「君以外を愛する気は無い」と婚約者様が溺愛し始めたので、異世界から聖女が来ても大丈夫なようです。

海空里和
恋愛
婚約者のアシュリー第二王子にべた惚れなステラは、彼のために努力を重ね、剣も魔法もトップクラス。彼にも隠すことなく、重い恋心をぶつけてきた。 アシュリーも、そんなステラの愛を静かに受け止めていた。 しかし、この国は20年に一度聖女を召喚し、皇太子と結婚をする。アシュリーは、この国の皇太子。 「たとえ聖女様にだって、アシュリー様は渡さない!」 聖女と勝負してでも彼を渡さないと思う一方、ステラはアシュリーに切り捨てられる覚悟をしていた。そんなステラに、彼が告げたのは意外な言葉で………。 ※本編は全7話で完結します。 ※こんなお話が書いてみたくて、勢いで書き上げたので、設定が緩めです。

処理中です...