14 / 62
警告?
しおりを挟む
「今日も異常無し─と。」
あの異変があった日以降、2~3日置きにパルヴァンの森の確認をしている。
フェンリルのネージュでさえ、見えなくて分からなかったモノが、どうして私にだけ見えたのか─
「魔法使い…だからかなぁ?なら、リュウが居たら、リュウも…見えたのかなぁ?」
目の前にある大樹に視線を向ける。
今日も特に問題は無かったから、今ではその大樹の根元でネージュとネロが昼寝をしている。
起こさないように、軽くネージュとネロをヨシヨシと撫でた後、ソッと大樹に手をあてる。
───気を付けて───────
「え?」
何かが聞こえた後、頭の中に一気に何かの映像が流れ込んで来た。
「───っ!?」
『何をしている!?殺すなと言っただろう!!』
その騎士のような服を着た男性が、色違いの騎士のような服を着た男性の胸ぐらを掴んで怒っている。
その2人の映像も、少し霞んでいる。それから生い茂った木々の葉が映る。
そこから暗転して、黒い髪の女の子が一人立っていた。そこへ、白色の犬が近付いて行き、その女の子がその犬を撫でると、その犬は嬉しそうに尻尾をユラユラさせた。
ー私と…ネージュ?ー
───あなたには…悪い事をした───
───我が…レフコースの為に───
───お願い、気を付けて───
最後に、もう一度、最初に現れた男性が映る。やっぱり少し霞んでいて顔がいまいちよく分からない。
分からないけど、その男の人の瞳は──
あのモヤと同じ赤い色をしていた。
「??」
それは、ほんの一瞬の出来事だったようで、今でもネージュとネロがスピスピと昼寝をしている。
『我』と言った。
ネージュの口調は、かつての主─パルヴァンの巫女の口調と同じだと言っていた。
「パルヴァンの…巫女…さま?」
勿論、その問に答えてくれる声は無く、ただただ優しい風が流れて行くだけだった。
「ハル、私もパルヴァンの森に行く事になったわ。」
ミヤさんが勤めている修道院にポーションを卸しに来て、帰ろうとしたところでミヤさんにお茶に誘われ、そこでミヤさんが聖女としてパルヴァンの森を見に行く事になったと聞かされた。
「穢れが出てないって事なんだけど、念の為に浄化をしておこう─って事になったのよ。私も、暫くは大掛かりな浄化はしてなかったから、肩慣らしを兼ねて丁度良いかなと思ってね。」
ーパルヴァンの森の浄化を…肩慣らしって…ミヤさんしか言えないよね?流石はチートな聖女ですねー
「もしかして、魔法使いの同行込みですか?」
「そう。護衛としてはパルヴァンの騎士で問題無いけど、魔法使いであるハルと、ネージュの同行をお願いしたいのよ。大丈夫かしら?」
「はい、それは勿論大丈夫です。」
「良かったわ。それじゃあ、また詳しい事はエディオルさんに伝えておくわね。」
「はい。」
ーまた、ミヤさんが浄化をするところが見れるのかぁー
以前、隣国で浄化をするミヤさんを見たけど…本当に圧巻だった。チートな魔法使いの私なんて、ちっぽけな存在に感じる程の圧倒的な存在感。金色に輝くミヤさんは、本当に綺麗だった。きっと、ミヤさんが浄化をすれば、また暫くの間はパルヴァンの森も落ち着くだろう。
『聖女が浄化を?ならば、安心だな。』
「だね。それでね、その時に私とネージュも同行して欲しいって言われたの。ネージュも一緒に行ってくれる?」
『勿論。我も一緒に行く。』
嬉しそうに目を細めて尻尾をフリフリするネージュを、また遠慮無くワシャワシャと撫で回した。
そうして、ミヤさんから話を聞いてから3日後─
「一週間後に、ミヤ様と一緒にパルヴァンの森に行って欲しいそうだ。」
「一週間後ですね。分かりました。」
夕食後、ディの部屋でお茶を飲みながら話を聞いた。
「ハルが魔法使いとして同行するから、今回の事は非公式なものになる。だから、ミヤ様の護衛も王都からではなく、パルヴァンの騎士─おそらく、ティモス殿やゼン殿が付くことになると思う。それで……俺は一緒には行けないんだ…。」
今回の浄化は、危険は無いだろうとは言え、場所が王都から離れた辺境地で行われる為、王太子であるランバルトが同行する事はできない。勿論、その王太子の近衛であるディも。
「心配しなくても大丈夫ですよ。ミヤさんの浄化は問題無く終わるだろうし、パルヴァンの騎士様達も居ますからね。私だって、防御に関してはチートなので!」
と、ディを安心させるように言い切る。
「はぁ───ドヤ顔のコトネが可愛い…。」
と言いながら、私の背中からギュウッと力を入れて抱きしめて来るディの腕を、ペシペシと叩く。
「やっぱり、ディの私に対する可愛いのハードル、低過ぎるからね?」
「コトネ限定だからな?兎に角…何も無いと思うが、十分に気を付けるようにな。」
「分かりました。」
そう言ってニコリと微笑むと、ディもニコリと微笑んで、軽く触れるだけのキスをした。
あの異変があった日以降、2~3日置きにパルヴァンの森の確認をしている。
フェンリルのネージュでさえ、見えなくて分からなかったモノが、どうして私にだけ見えたのか─
「魔法使い…だからかなぁ?なら、リュウが居たら、リュウも…見えたのかなぁ?」
目の前にある大樹に視線を向ける。
今日も特に問題は無かったから、今ではその大樹の根元でネージュとネロが昼寝をしている。
起こさないように、軽くネージュとネロをヨシヨシと撫でた後、ソッと大樹に手をあてる。
───気を付けて───────
「え?」
何かが聞こえた後、頭の中に一気に何かの映像が流れ込んで来た。
「───っ!?」
『何をしている!?殺すなと言っただろう!!』
その騎士のような服を着た男性が、色違いの騎士のような服を着た男性の胸ぐらを掴んで怒っている。
その2人の映像も、少し霞んでいる。それから生い茂った木々の葉が映る。
そこから暗転して、黒い髪の女の子が一人立っていた。そこへ、白色の犬が近付いて行き、その女の子がその犬を撫でると、その犬は嬉しそうに尻尾をユラユラさせた。
ー私と…ネージュ?ー
───あなたには…悪い事をした───
───我が…レフコースの為に───
───お願い、気を付けて───
最後に、もう一度、最初に現れた男性が映る。やっぱり少し霞んでいて顔がいまいちよく分からない。
分からないけど、その男の人の瞳は──
あのモヤと同じ赤い色をしていた。
「??」
それは、ほんの一瞬の出来事だったようで、今でもネージュとネロがスピスピと昼寝をしている。
『我』と言った。
ネージュの口調は、かつての主─パルヴァンの巫女の口調と同じだと言っていた。
「パルヴァンの…巫女…さま?」
勿論、その問に答えてくれる声は無く、ただただ優しい風が流れて行くだけだった。
「ハル、私もパルヴァンの森に行く事になったわ。」
ミヤさんが勤めている修道院にポーションを卸しに来て、帰ろうとしたところでミヤさんにお茶に誘われ、そこでミヤさんが聖女としてパルヴァンの森を見に行く事になったと聞かされた。
「穢れが出てないって事なんだけど、念の為に浄化をしておこう─って事になったのよ。私も、暫くは大掛かりな浄化はしてなかったから、肩慣らしを兼ねて丁度良いかなと思ってね。」
ーパルヴァンの森の浄化を…肩慣らしって…ミヤさんしか言えないよね?流石はチートな聖女ですねー
「もしかして、魔法使いの同行込みですか?」
「そう。護衛としてはパルヴァンの騎士で問題無いけど、魔法使いであるハルと、ネージュの同行をお願いしたいのよ。大丈夫かしら?」
「はい、それは勿論大丈夫です。」
「良かったわ。それじゃあ、また詳しい事はエディオルさんに伝えておくわね。」
「はい。」
ーまた、ミヤさんが浄化をするところが見れるのかぁー
以前、隣国で浄化をするミヤさんを見たけど…本当に圧巻だった。チートな魔法使いの私なんて、ちっぽけな存在に感じる程の圧倒的な存在感。金色に輝くミヤさんは、本当に綺麗だった。きっと、ミヤさんが浄化をすれば、また暫くの間はパルヴァンの森も落ち着くだろう。
『聖女が浄化を?ならば、安心だな。』
「だね。それでね、その時に私とネージュも同行して欲しいって言われたの。ネージュも一緒に行ってくれる?」
『勿論。我も一緒に行く。』
嬉しそうに目を細めて尻尾をフリフリするネージュを、また遠慮無くワシャワシャと撫で回した。
そうして、ミヤさんから話を聞いてから3日後─
「一週間後に、ミヤ様と一緒にパルヴァンの森に行って欲しいそうだ。」
「一週間後ですね。分かりました。」
夕食後、ディの部屋でお茶を飲みながら話を聞いた。
「ハルが魔法使いとして同行するから、今回の事は非公式なものになる。だから、ミヤ様の護衛も王都からではなく、パルヴァンの騎士─おそらく、ティモス殿やゼン殿が付くことになると思う。それで……俺は一緒には行けないんだ…。」
今回の浄化は、危険は無いだろうとは言え、場所が王都から離れた辺境地で行われる為、王太子であるランバルトが同行する事はできない。勿論、その王太子の近衛であるディも。
「心配しなくても大丈夫ですよ。ミヤさんの浄化は問題無く終わるだろうし、パルヴァンの騎士様達も居ますからね。私だって、防御に関してはチートなので!」
と、ディを安心させるように言い切る。
「はぁ───ドヤ顔のコトネが可愛い…。」
と言いながら、私の背中からギュウッと力を入れて抱きしめて来るディの腕を、ペシペシと叩く。
「やっぱり、ディの私に対する可愛いのハードル、低過ぎるからね?」
「コトネ限定だからな?兎に角…何も無いと思うが、十分に気を付けるようにな。」
「分かりました。」
そう言ってニコリと微笑むと、ディもニコリと微笑んで、軽く触れるだけのキスをした。
88
あなたにおすすめの小説
わたしを嫌う妹の企みで追放されそうになりました。だけど、保護してくれた公爵様から溺愛されて、すごく幸せです。
バナナマヨネーズ
恋愛
山田華火は、妹と共に異世界に召喚されたが、妹の浅はかな企みの所為で追放されそうになる。
そんな華火を救ったのは、若くしてシグルド公爵となったウェインだった。
ウェインに保護された華火だったが、この世界の言葉を一切理解できないでいた。
言葉が分からない華火と、華火に一目で心を奪われたウェインのじりじりするほどゆっくりと進む関係性に、二人の周囲の人間はやきもきするばかり。
この物語は、理不尽に異世界に召喚された少女とその少女を保護した青年の呆れるくらいゆっくりと進む恋の物語である。
3/4 タイトルを変更しました。
旧タイトル「どうして異世界に召喚されたのかがわかりません。だけど、わたしを保護してくれたイケメンが超過保護っぽいことはわかります。」
3/10 翻訳版を公開しました。本編では異世界語で進んでいた会話を日本語表記にしています。なお、翻訳箇所がない話数には、タイトルに 〃 をつけてますので、本編既読の場合は飛ばしてもらって大丈夫です
※小説家になろう様にも掲載しています。
男装獣師と妖獣ノエル ~騎士団で紅一点!? 幼馴染の副隊長が過保護です~
百門一新
恋愛
幼い頃に両親を失ったラビィは、男装の獣師だ。実は、動物と話せる能力を持っている。この能力と、他の人間には見えない『黒大狼のノエル』という友達がいることは秘密だ。
放っておかないしむしろ意識してもらいたいのに幼馴染枠、の彼女を守りたいし溺愛したい副団長のセドリックに頼まれて、彼の想いに気付かないまま、ラビは渋々「少年」として獣師の仕事で騎士団に協力することに。そうしたところ『依頼』は予想外な存在に結び付き――えっ、ノエルは妖獣と呼ばれるモノだった!?
大切にしたすぎてどう手を出していいか分からない幼馴染の副団長とチビ獣師のラブ。
※「小説家になろう」「ベリーズカフェ」「ノベマ」「カクヨム」にも掲載しています。
氷狼陛下のお茶会と溺愛は比例しない!フェンリル様と会話できるようになったらオプションがついてました!
屋月 トム伽
恋愛
ディティーリア国の末王女のフィリ―ネは、社交なども出させてもらえず、王宮の離れで軟禁同様にひっそりと育っていた。そして、18歳になると大国フェンヴィルム国の陛下に嫁ぐことになった。
どこにいても変わらない。それどころかやっと外に出られるのだと思い、フェンヴィルム国の陛下フェリクスのもとへと行くと、彼はフィリ―ネを「よく来てくれた」と迎え入れてくれた。
そんなフィリ―ネに、フェリクスは毎日一緒にお茶をして欲しいと頼んでくる。
そんなある日フェリクスの幻獣フェンリルに出会う。話相手のいないフィリ―ネはフェンリルと話がしたくて「心を通わせたい」とフェンリルに願う。
望んだとおりフェンリルと言葉が通じるようになったが、フェンリルの幻獣士フェリクスにまで異変が起きてしまい……お互いの心の声が聞こえるようになってしまった。
心の声が聞こえるのは、フェンリル様だけで十分なのですが!
※あらすじは時々書き直します!
【完結】偽物聖女は冷血騎士団長様と白い結婚をしたはずでした。
雨宮羽那
恋愛
聖女補佐官であるレティノアは、補佐官であるにも関わらず、祈りをささげる日々を送っていた。
というのも、本来聖女であるはずの妹が、役目を放棄して遊び歩いていたからだ。
そんなある日、妹が「真実の愛に気づいたの」と言って恋人と駆け落ちしてしまう。
残されたのは、聖女の役目と――王命によって決められた聖騎士団長様との婚姻!?
レティノアは、妹の代わりとして聖女の立場と聖騎士団長との結婚を押し付けられることに。
相手のクラウスは、「血も涙もない冷血な悪魔」と噂される聖騎士団長。クラウスから「俺はあなたに触れるつもりはない」と言い放たれたレティノアは、「これは白い結婚なのだ」と理解する。
しかし、クラウスの態度は噂とは異なり、レティノアを愛しているようにしか思えなくて……?
これは、今まで妹の代わりの「偽物」として扱われてきた令嬢が「本物」として幸せをつかむ物語。
◇◇◇◇
お気に入り登録、♡、感想などいただければ、作者が大変喜びます!
モチベになるので良ければ応援していただければ嬉しいです♪
※いつも通りざまぁ要素は中盤以降。
※完結まで執筆済み
※表紙はAIイラストです
※アルファポリス先行投稿(他投稿サイトにも掲載予定です)
喪女なのに狼さんたちに溺愛されています
和泉
恋愛
もふもふの狼がイケメンなんて反則です!
聖女召喚の儀で異世界に呼ばれたのはOL・大学生・高校生の3人。
ズボンを履いていた大学生のヒナは男だと勘違いされ、説明もないまま城を追い出された。
森で怪我をした子供の狼と出会ったヒナは狼族の国へ。私は喪女なのに狼族の王太子、No.1ホストのような武官、真面目な文官が近づいてくるのはなぜ?
ヒナとつがいになりたい狼達の恋愛の行方は?聖女の力で国同士の争いは無くすことができるのか。
若い頃に婚約破棄されたけど、不惑の年になってようやく幸せになれそうです。
長岡更紗
恋愛
侯爵令嬢だったユリアーナは、第一王子のディートフリートと十歳で婚約した。
仲睦まじく過ごしていたある日、父親の死をきっかけにどん底まで落ちたユリアーナは婚約破棄されてしまう。
愛し合う二人は、離れ離れとなってしまったのだった。
ディートフリートを待ち続けるユリアーナ。
ユリアーナを迎えに行こうと奮闘するディートフリート。
二人に巻き込まれてしまった、男装の王弟。
時に笑い、時に泣き、諦めそうになり、奮闘し……
全ては、愛する人と幸せになるために。
他サイトと重複投稿しています。
全面改稿して投稿中です。
【完結】異世界転移したら騎士団長と相思相愛になりました〜私の恋を父と兄が邪魔してくる〜
伽羅
恋愛
愛莉鈴(アリス)は幼馴染の健斗に片想いをしている。
ある朝、通学中の事故で道が塞がれた。
健斗はサボる口実が出来たと言って愛莉鈴を先に行かせる。
事故車で塞がれた道を電柱と塀の隙間から抜けようとすると妙な違和感が…。
気付いたら、まったく別の世界に佇んでいた。
そんな愛莉鈴を救ってくれた騎士団長を徐々に好きになっていくが、彼には想い人がいた。
やがて愛莉鈴には重大な秘密が判明して…。
【完結】たれ耳うさぎの伯爵令嬢は、王宮魔術師様のお気に入り
楠結衣
恋愛
華やかな卒業パーティーのホール、一人ため息を飲み込むソフィア。
たれ耳うさぎ獣人であり、伯爵家令嬢のソフィアは、学園の噂に悩まされていた。
婚約者のアレックスは、聖女と呼ばれる美少女と婚約をするという。そんな中、見せつけるように、揃いの色のドレスを身につけた聖女がアレックスにエスコートされてやってくる。
しかし、ソフィアがアレックスに対して不満を言うことはなかった。
なぜなら、アレックスが聖女と結婚を誓う魔術を使っているのを偶然見てしまったから。
せめて、婚約破棄される瞬間は、アレックスのお気に入りだったたれ耳が、可愛く見えるように願うソフィア。
「ソフィーの耳は、ふわふわで気持ちいいね」
「ソフィーはどれだけ僕を夢中にさせたいのかな……」
かつて掛けられた甘い言葉の数々が、ソフィアの胸を締め付ける。
執着していたアレックスの真意とは?ソフィアの初恋の行方は?!
見た目に自信のない伯爵令嬢と、伯爵令嬢のたれ耳をこよなく愛する見た目は余裕のある大人、中身はちょっぴり変態な先生兼、王宮魔術師の溺愛ハッピーエンドストーリーです。
*全16話+番外編の予定です
*あまあです(ざまあはありません)
*2023.2.9ホットランキング4位 ありがとうございます♪
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる