17 / 62
最後に…
しおりを挟む
「ネージュ!」
サリス(もう呼び捨てでいいよね!!)が魔法陣を展開させると、真っ赤な光がネージュを捕えて包み込み、その光が無くなった時には、ネージュの4本の足と首に、枷の様なモノが嵌められていた。
「はっ!フェンリルも大した事なかったな?お前には、国に還ったら、国の再興や領地拡大の為にしっかり働いてもらうからな。それと──」
サリスは、私へと視線を向ける。
「契約を結んでいるお前─巫女にも一緒に来てもらう。」
「私は、巫女の血なんて、引き継いでなんていない。」
確かに、日本に還れずパルヴァンに飛ばされた時は、巫女の魔力が流れていると言われたけど、レフコースと一度繋がりを断った時に、その魔力も失ったはず。
「巫女の血が、お前に反応していると言う事は、そう言い事なんだよ。巫女とフェンリル以外には用は無い─この森も…要らない。」
サリスが手を翳すと、その手から一気に赤色のモヤが広がった。
「好きにはさせないわよ!」
ミヤさんがそう叫んだと同時に、私の背後から金色の光りが溢れ出し、赤色のモヤを飲み込む様に進んで行く。
それは、圧倒的な強さであり、とても綺麗で──
『主ーっ!!!!』
「えっ!?」
一瞬の気の緩みだった。
カシャンッ────
ヒュッと息を呑む
冷たい感覚が背中から這い上がる
「あれ?ひょっとして…お前も結構な魔力持ちだったのか?」
「───っ」
「「「ハル(様)!!」」」
ティモスさんとルナさんとリディさんとミヤさんの、少し焦ったような声が聞こえる。それと同時に、赤色のモヤと金色の光りが霧散した。
「魔力封じの枷、もう一つ持っておいて良かったよ。」
ー苦しいー
身体がカタカタと震える。
「そろそろ、ここから離れるか。フェンリル、お前の力で…この森を焼き払え!」
『──グゥ────ッ』
足に着けられた枷に魔術が仕組まれているのか、ネージュの意志とは反して、ネージュが森を攻撃する為に動き出す。
「ネージュ!」
ーどうしたら良い!?どうしたらネージュを止められる!?ー
──我の血を………大樹にっ─────
ー動け!ー
今のサリスは、ネージュとミヤさんに意識が向いている。大丈夫。やれる。
グッと力を入れて立ち上がり、サリスの左手に握られているソレを奪い取り──
「何をっ!?」
ソレを思い切りの力で大樹に投げつけると、パリンッと瓶が割れて、赤い液体─巫女様の血─が大樹に飛び散る。
「くそっ──お前っ!!」
サリスが怒り、私の腕を捻り上げ──
『お前の好きにはさせぬ───』
大樹から溢れ出した光りがネージュを包み込み───
そのままネージュを飲み込んだ───
『レフコースは…我が…守る。それしか………』
ーあぁ、これで、ネージュは大丈夫だー
こうしている間も、どんどん魔力が失われて行くのが分かる。
ー落ち着いてー
私には、リュウからもらった魔石がある。それを展開させればここから逃げられるけど…問題は…この転移魔法はおそらく、一人だけしか転移できない。チラリとミヤさん達の方へと視線を向けると、顔色を悪くしたリュウを庇いながら、男達と対峙していた。
転移をするには、必ず魔法陣の中に居なければならない。少しでも魔法陣から外れると転移できないのだ。
ー大丈夫、私なら…できるー
サリスに捻り上げられている手とは反対の手で、震える手でそっとピアスを外す。
「ちっ─お前、何をするつもりだ!?ソレを寄越せ!」
「─っ!嫌──っ!!」
取られないように抵抗すると、奪い取ろうとしたサリスの手とぶつかり、そのピアスが私の後方へと弾き飛んで行く。
それを、私はゆっくりと落ち着いて目で追う。
ー大丈夫。私ならできるー
細く細く、そのピアスに少しずつサリスに気付かれないように私の魔力を流し込む。
そのまま、そのピアスがミヤさん達の頭上まで来た時に、一気に私の魔力を流し込んで魔法陣を展開させた。
「なっ!?」
ミヤさん達の足元に魔法陣が現れ、黒と淡い水色の光がミヤさん達を包み込む。
「ハル!?」
焦っているのは───ミヤさんだ。
リュウの魔力だけでは一人しか転移できないけど、私の魔力を更に込めれば、ティモスさんもルナさんもリディさんもリュウも…王城迄飛ばせる。
本当は、グレン様の所でも良いんだけど──
ミヤさんを、どうしても王太子様の所に…還してあげたいから。
ミヤさんには、王太子様と幸せになって欲しいから。
後は、張られている結界を、転移と同時に壊す事。
ーできる。大丈夫ー
「ハル!ハル!」
必死に私を呼ぶミヤさんを、ティモスさんが必死に抑えている。
ーティモスさん、ありがとうございますー
更に魔力を流して魔法陣を展開させて、私がミヤさんに笑顔を向けると同時に、ミヤさん達の姿が───そこから消えた。
ーどうか…無事に…王城──王太子様の所に…還れますようにー
ーできる事なら…ディに…最後に…ディに会いたかったー
サリス(もう呼び捨てでいいよね!!)が魔法陣を展開させると、真っ赤な光がネージュを捕えて包み込み、その光が無くなった時には、ネージュの4本の足と首に、枷の様なモノが嵌められていた。
「はっ!フェンリルも大した事なかったな?お前には、国に還ったら、国の再興や領地拡大の為にしっかり働いてもらうからな。それと──」
サリスは、私へと視線を向ける。
「契約を結んでいるお前─巫女にも一緒に来てもらう。」
「私は、巫女の血なんて、引き継いでなんていない。」
確かに、日本に還れずパルヴァンに飛ばされた時は、巫女の魔力が流れていると言われたけど、レフコースと一度繋がりを断った時に、その魔力も失ったはず。
「巫女の血が、お前に反応していると言う事は、そう言い事なんだよ。巫女とフェンリル以外には用は無い─この森も…要らない。」
サリスが手を翳すと、その手から一気に赤色のモヤが広がった。
「好きにはさせないわよ!」
ミヤさんがそう叫んだと同時に、私の背後から金色の光りが溢れ出し、赤色のモヤを飲み込む様に進んで行く。
それは、圧倒的な強さであり、とても綺麗で──
『主ーっ!!!!』
「えっ!?」
一瞬の気の緩みだった。
カシャンッ────
ヒュッと息を呑む
冷たい感覚が背中から這い上がる
「あれ?ひょっとして…お前も結構な魔力持ちだったのか?」
「───っ」
「「「ハル(様)!!」」」
ティモスさんとルナさんとリディさんとミヤさんの、少し焦ったような声が聞こえる。それと同時に、赤色のモヤと金色の光りが霧散した。
「魔力封じの枷、もう一つ持っておいて良かったよ。」
ー苦しいー
身体がカタカタと震える。
「そろそろ、ここから離れるか。フェンリル、お前の力で…この森を焼き払え!」
『──グゥ────ッ』
足に着けられた枷に魔術が仕組まれているのか、ネージュの意志とは反して、ネージュが森を攻撃する為に動き出す。
「ネージュ!」
ーどうしたら良い!?どうしたらネージュを止められる!?ー
──我の血を………大樹にっ─────
ー動け!ー
今のサリスは、ネージュとミヤさんに意識が向いている。大丈夫。やれる。
グッと力を入れて立ち上がり、サリスの左手に握られているソレを奪い取り──
「何をっ!?」
ソレを思い切りの力で大樹に投げつけると、パリンッと瓶が割れて、赤い液体─巫女様の血─が大樹に飛び散る。
「くそっ──お前っ!!」
サリスが怒り、私の腕を捻り上げ──
『お前の好きにはさせぬ───』
大樹から溢れ出した光りがネージュを包み込み───
そのままネージュを飲み込んだ───
『レフコースは…我が…守る。それしか………』
ーあぁ、これで、ネージュは大丈夫だー
こうしている間も、どんどん魔力が失われて行くのが分かる。
ー落ち着いてー
私には、リュウからもらった魔石がある。それを展開させればここから逃げられるけど…問題は…この転移魔法はおそらく、一人だけしか転移できない。チラリとミヤさん達の方へと視線を向けると、顔色を悪くしたリュウを庇いながら、男達と対峙していた。
転移をするには、必ず魔法陣の中に居なければならない。少しでも魔法陣から外れると転移できないのだ。
ー大丈夫、私なら…できるー
サリスに捻り上げられている手とは反対の手で、震える手でそっとピアスを外す。
「ちっ─お前、何をするつもりだ!?ソレを寄越せ!」
「─っ!嫌──っ!!」
取られないように抵抗すると、奪い取ろうとしたサリスの手とぶつかり、そのピアスが私の後方へと弾き飛んで行く。
それを、私はゆっくりと落ち着いて目で追う。
ー大丈夫。私ならできるー
細く細く、そのピアスに少しずつサリスに気付かれないように私の魔力を流し込む。
そのまま、そのピアスがミヤさん達の頭上まで来た時に、一気に私の魔力を流し込んで魔法陣を展開させた。
「なっ!?」
ミヤさん達の足元に魔法陣が現れ、黒と淡い水色の光がミヤさん達を包み込む。
「ハル!?」
焦っているのは───ミヤさんだ。
リュウの魔力だけでは一人しか転移できないけど、私の魔力を更に込めれば、ティモスさんもルナさんもリディさんもリュウも…王城迄飛ばせる。
本当は、グレン様の所でも良いんだけど──
ミヤさんを、どうしても王太子様の所に…還してあげたいから。
ミヤさんには、王太子様と幸せになって欲しいから。
後は、張られている結界を、転移と同時に壊す事。
ーできる。大丈夫ー
「ハル!ハル!」
必死に私を呼ぶミヤさんを、ティモスさんが必死に抑えている。
ーティモスさん、ありがとうございますー
更に魔力を流して魔法陣を展開させて、私がミヤさんに笑顔を向けると同時に、ミヤさん達の姿が───そこから消えた。
ーどうか…無事に…王城──王太子様の所に…還れますようにー
ーできる事なら…ディに…最後に…ディに会いたかったー
77
あなたにおすすめの小説
わたしを嫌う妹の企みで追放されそうになりました。だけど、保護してくれた公爵様から溺愛されて、すごく幸せです。
バナナマヨネーズ
恋愛
山田華火は、妹と共に異世界に召喚されたが、妹の浅はかな企みの所為で追放されそうになる。
そんな華火を救ったのは、若くしてシグルド公爵となったウェインだった。
ウェインに保護された華火だったが、この世界の言葉を一切理解できないでいた。
言葉が分からない華火と、華火に一目で心を奪われたウェインのじりじりするほどゆっくりと進む関係性に、二人の周囲の人間はやきもきするばかり。
この物語は、理不尽に異世界に召喚された少女とその少女を保護した青年の呆れるくらいゆっくりと進む恋の物語である。
3/4 タイトルを変更しました。
旧タイトル「どうして異世界に召喚されたのかがわかりません。だけど、わたしを保護してくれたイケメンが超過保護っぽいことはわかります。」
3/10 翻訳版を公開しました。本編では異世界語で進んでいた会話を日本語表記にしています。なお、翻訳箇所がない話数には、タイトルに 〃 をつけてますので、本編既読の場合は飛ばしてもらって大丈夫です
※小説家になろう様にも掲載しています。
男装獣師と妖獣ノエル ~騎士団で紅一点!? 幼馴染の副隊長が過保護です~
百門一新
恋愛
幼い頃に両親を失ったラビィは、男装の獣師だ。実は、動物と話せる能力を持っている。この能力と、他の人間には見えない『黒大狼のノエル』という友達がいることは秘密だ。
放っておかないしむしろ意識してもらいたいのに幼馴染枠、の彼女を守りたいし溺愛したい副団長のセドリックに頼まれて、彼の想いに気付かないまま、ラビは渋々「少年」として獣師の仕事で騎士団に協力することに。そうしたところ『依頼』は予想外な存在に結び付き――えっ、ノエルは妖獣と呼ばれるモノだった!?
大切にしたすぎてどう手を出していいか分からない幼馴染の副団長とチビ獣師のラブ。
※「小説家になろう」「ベリーズカフェ」「ノベマ」「カクヨム」にも掲載しています。
氷狼陛下のお茶会と溺愛は比例しない!フェンリル様と会話できるようになったらオプションがついてました!
屋月 トム伽
恋愛
ディティーリア国の末王女のフィリ―ネは、社交なども出させてもらえず、王宮の離れで軟禁同様にひっそりと育っていた。そして、18歳になると大国フェンヴィルム国の陛下に嫁ぐことになった。
どこにいても変わらない。それどころかやっと外に出られるのだと思い、フェンヴィルム国の陛下フェリクスのもとへと行くと、彼はフィリ―ネを「よく来てくれた」と迎え入れてくれた。
そんなフィリ―ネに、フェリクスは毎日一緒にお茶をして欲しいと頼んでくる。
そんなある日フェリクスの幻獣フェンリルに出会う。話相手のいないフィリ―ネはフェンリルと話がしたくて「心を通わせたい」とフェンリルに願う。
望んだとおりフェンリルと言葉が通じるようになったが、フェンリルの幻獣士フェリクスにまで異変が起きてしまい……お互いの心の声が聞こえるようになってしまった。
心の声が聞こえるのは、フェンリル様だけで十分なのですが!
※あらすじは時々書き直します!
【完結】偽物聖女は冷血騎士団長様と白い結婚をしたはずでした。
雨宮羽那
恋愛
聖女補佐官であるレティノアは、補佐官であるにも関わらず、祈りをささげる日々を送っていた。
というのも、本来聖女であるはずの妹が、役目を放棄して遊び歩いていたからだ。
そんなある日、妹が「真実の愛に気づいたの」と言って恋人と駆け落ちしてしまう。
残されたのは、聖女の役目と――王命によって決められた聖騎士団長様との婚姻!?
レティノアは、妹の代わりとして聖女の立場と聖騎士団長との結婚を押し付けられることに。
相手のクラウスは、「血も涙もない冷血な悪魔」と噂される聖騎士団長。クラウスから「俺はあなたに触れるつもりはない」と言い放たれたレティノアは、「これは白い結婚なのだ」と理解する。
しかし、クラウスの態度は噂とは異なり、レティノアを愛しているようにしか思えなくて……?
これは、今まで妹の代わりの「偽物」として扱われてきた令嬢が「本物」として幸せをつかむ物語。
◇◇◇◇
お気に入り登録、♡、感想などいただければ、作者が大変喜びます!
モチベになるので良ければ応援していただければ嬉しいです♪
※いつも通りざまぁ要素は中盤以降。
※完結まで執筆済み
※表紙はAIイラストです
※アルファポリス先行投稿(他投稿サイトにも掲載予定です)
喪女なのに狼さんたちに溺愛されています
和泉
恋愛
もふもふの狼がイケメンなんて反則です!
聖女召喚の儀で異世界に呼ばれたのはOL・大学生・高校生の3人。
ズボンを履いていた大学生のヒナは男だと勘違いされ、説明もないまま城を追い出された。
森で怪我をした子供の狼と出会ったヒナは狼族の国へ。私は喪女なのに狼族の王太子、No.1ホストのような武官、真面目な文官が近づいてくるのはなぜ?
ヒナとつがいになりたい狼達の恋愛の行方は?聖女の力で国同士の争いは無くすことができるのか。
若い頃に婚約破棄されたけど、不惑の年になってようやく幸せになれそうです。
長岡更紗
恋愛
侯爵令嬢だったユリアーナは、第一王子のディートフリートと十歳で婚約した。
仲睦まじく過ごしていたある日、父親の死をきっかけにどん底まで落ちたユリアーナは婚約破棄されてしまう。
愛し合う二人は、離れ離れとなってしまったのだった。
ディートフリートを待ち続けるユリアーナ。
ユリアーナを迎えに行こうと奮闘するディートフリート。
二人に巻き込まれてしまった、男装の王弟。
時に笑い、時に泣き、諦めそうになり、奮闘し……
全ては、愛する人と幸せになるために。
他サイトと重複投稿しています。
全面改稿して投稿中です。
【完結】異世界転移したら騎士団長と相思相愛になりました〜私の恋を父と兄が邪魔してくる〜
伽羅
恋愛
愛莉鈴(アリス)は幼馴染の健斗に片想いをしている。
ある朝、通学中の事故で道が塞がれた。
健斗はサボる口実が出来たと言って愛莉鈴を先に行かせる。
事故車で塞がれた道を電柱と塀の隙間から抜けようとすると妙な違和感が…。
気付いたら、まったく別の世界に佇んでいた。
そんな愛莉鈴を救ってくれた騎士団長を徐々に好きになっていくが、彼には想い人がいた。
やがて愛莉鈴には重大な秘密が判明して…。
【完結】たれ耳うさぎの伯爵令嬢は、王宮魔術師様のお気に入り
楠結衣
恋愛
華やかな卒業パーティーのホール、一人ため息を飲み込むソフィア。
たれ耳うさぎ獣人であり、伯爵家令嬢のソフィアは、学園の噂に悩まされていた。
婚約者のアレックスは、聖女と呼ばれる美少女と婚約をするという。そんな中、見せつけるように、揃いの色のドレスを身につけた聖女がアレックスにエスコートされてやってくる。
しかし、ソフィアがアレックスに対して不満を言うことはなかった。
なぜなら、アレックスが聖女と結婚を誓う魔術を使っているのを偶然見てしまったから。
せめて、婚約破棄される瞬間は、アレックスのお気に入りだったたれ耳が、可愛く見えるように願うソフィア。
「ソフィーの耳は、ふわふわで気持ちいいね」
「ソフィーはどれだけ僕を夢中にさせたいのかな……」
かつて掛けられた甘い言葉の数々が、ソフィアの胸を締め付ける。
執着していたアレックスの真意とは?ソフィアの初恋の行方は?!
見た目に自信のない伯爵令嬢と、伯爵令嬢のたれ耳をこよなく愛する見た目は余裕のある大人、中身はちょっぴり変態な先生兼、王宮魔術師の溺愛ハッピーエンドストーリーです。
*全16話+番外編の予定です
*あまあです(ざまあはありません)
*2023.2.9ホットランキング4位 ありがとうございます♪
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる