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第三章ー学園生活ー
お誘い
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「魔具は問題無いですね。モンテルアーノ様と、ナディアさんは、大丈夫ですか?」
「はい。全く問題無いです。」
今日は、週半ばの魔具のメンテナンスの日。今日も4人で図書館の地下フロアに来ている。
「聖女は、モンテルアーノ様に魔法を発動させたんですよね?なら、その痕跡は辿れなかったのですか?」
「残念ながら、痕跡は辿れなかった。何度辿っても、途中でプツリ─と途切れてしまっていたんだ。」
魔法は、100年前から随分と発展している。その分、魔法に関した犯罪も増えた事もあり、より一層魔法の研究なども進んでいる。
魔力は一人一人性質が異なり、全く同じと言う魔力は無い。双子だとしても。
誰かが魔法を使えば、その魔法─魔力は暫くの間その場に残ってしまう。その残った魔力から、魔法を使った者を辿る事ができるのだ。
勿論、誰でもできるワケではなく、それなりの魔力を持っている事が最低条件で、更に特別な訓練を受けなければいけない。誰でもできるモノではないのだ。
「辿れなかった─となると……その聖女は結構な魔力持ちと言う事ですか?」
痕跡を辿る者より、辿られる者の方が上なら、痕跡を辿る事ができなかったりする。
「そう言う事になるな。本当に厄介な事になった。城付きの者に辿らせて駄目だったなら……彼女が禁忌の魔法を使っているとしても、証拠を押さえる事ができず、また被害者が出る可能性もある。」
そう。今の段階では、十中八九、彼女は何らかの魔法を使っているのに、証拠が無いから彼女に対しては何もできない─手を出せない状況なのだ。
「次にまた機会があれば、私が辿りましょうか?」
サラッと言うのはダレルさん。
「え!ダレルさん、できるんですか!?」
ーえ!?やっぱり、ダレルさんって凄過ぎない!?何で、こんな凄い人が田舎の市役所に閉じこもってるの!?ー
「それは、こちらからお願いしようかと思っていたんだ。それと、可能であれば、1ヶ月ではなく、このまま続けて学園の講師もお願いしたいのだが……」
「それも構いませんよ。聖女より上なのが私なら、ルシエント様より私の方が対処しやすいし……安心でしょうから。」
このままダレルさんが──
私からもお願いしようと思っていた事だったから、ダレルさんが引き受けてくれた事は正直に嬉しい。
ールシエント様は、シェイラにやられたからなぁ…ー
しかも、今はリゼットとラブラブ中……浮かれているだろうルシエント様は、きっと隙だらけに違いない。勿論、そんな隙だらけのルシエント様を、リゼットが放っておく事はない。なら、きっと、リゼットからも『講師復帰はしない方が良いんじゃない?』と言われているんじゃないだろうか?いや、絶対言われてるだろう。そんな想像しかできない。
「それじゃあ、オスニエルにも学園の方にも私から連絡して、手続きもしておくよ。ダレル殿、ありがとう。」
取り敢えず、これで安心要素が増えて良かった。
******
それは、帰り間際の事だった。
「あ、すっかり忘れてたわ。モンテルアーノ様、ダレル様、ナディアさん。今週末のメンテナンスなんですけど、王城ではなく、我が家─スペイシー家に来ていただけませんか?」
“スペイシー侯爵邸”
「どうかしたのか?」
突然のアデル様のお誘いに、モンテルアーノ様がどうしたのか?と訊くと、いざと言う時の為の魔具がいくつかある為、必要な物があるなら見て欲しい─との事だった。
「──それなら……お言葉に甘えて、お願いしようかな……ナディアも、大丈夫かな?」
ダレルさんが、私を心配そうに見ているのは、私の顔が…強張っているから──だろうか?
「だっ………大丈夫です!侯爵邸だからと緊張している訳ではないので!!」
「そんな事で緊張しているのか?やっぱりナディアは可愛いな。」
ーえ?可愛い要素、ありました?ー
「侯爵邸でソレなら、公爵邸なら、どうなるんだろうな?」
くくっ──と笑うモンテルアーノ様は…憎らしいけど、その笑っている目は優しくて……強張っている私に気を遣ってくれたんだろう事が分かる。
「喜んでアデル様のお屋敷には行きますけど、そんな簡単に、公爵邸には行きませんよ?」
「うんうん。ナディアはそうじゃないとな。」
「あらあら。更に仲が良くなったのですね?」
「そうですね。“真実”になるのも……早いかもしれませんね。」
モンテルアーノ様と私のやり取りを、アデル様とダレルさんは微笑ましい顔で見ていた。
そんなやり取りがあった学園最終日の朝、やっぱり、馬車に乗り込むと、そこにはいつもより少し大き目の荷物が置かれていた。
「…………」
勿論、視線を向けたモニクさんはただただ微笑んでいるだけだ。そこに拒否権は無い。相手は侯爵だ。
王城に行くよりもハードルが高い─なんて事も言えない。
「───行って来ます。」
そう言うと、モニクさんは「行ってらっしゃいませ」と言って、馬車の扉を閉めた。
今世で初めて───泊りがけでスペイシー侯爵邸に行く事になりました。
❋エールを頂き、ありがとうございます❋
♡*:.。.٩(๑>ω<๑)۶ .。.:*♡
「はい。全く問題無いです。」
今日は、週半ばの魔具のメンテナンスの日。今日も4人で図書館の地下フロアに来ている。
「聖女は、モンテルアーノ様に魔法を発動させたんですよね?なら、その痕跡は辿れなかったのですか?」
「残念ながら、痕跡は辿れなかった。何度辿っても、途中でプツリ─と途切れてしまっていたんだ。」
魔法は、100年前から随分と発展している。その分、魔法に関した犯罪も増えた事もあり、より一層魔法の研究なども進んでいる。
魔力は一人一人性質が異なり、全く同じと言う魔力は無い。双子だとしても。
誰かが魔法を使えば、その魔法─魔力は暫くの間その場に残ってしまう。その残った魔力から、魔法を使った者を辿る事ができるのだ。
勿論、誰でもできるワケではなく、それなりの魔力を持っている事が最低条件で、更に特別な訓練を受けなければいけない。誰でもできるモノではないのだ。
「辿れなかった─となると……その聖女は結構な魔力持ちと言う事ですか?」
痕跡を辿る者より、辿られる者の方が上なら、痕跡を辿る事ができなかったりする。
「そう言う事になるな。本当に厄介な事になった。城付きの者に辿らせて駄目だったなら……彼女が禁忌の魔法を使っているとしても、証拠を押さえる事ができず、また被害者が出る可能性もある。」
そう。今の段階では、十中八九、彼女は何らかの魔法を使っているのに、証拠が無いから彼女に対しては何もできない─手を出せない状況なのだ。
「次にまた機会があれば、私が辿りましょうか?」
サラッと言うのはダレルさん。
「え!ダレルさん、できるんですか!?」
ーえ!?やっぱり、ダレルさんって凄過ぎない!?何で、こんな凄い人が田舎の市役所に閉じこもってるの!?ー
「それは、こちらからお願いしようかと思っていたんだ。それと、可能であれば、1ヶ月ではなく、このまま続けて学園の講師もお願いしたいのだが……」
「それも構いませんよ。聖女より上なのが私なら、ルシエント様より私の方が対処しやすいし……安心でしょうから。」
このままダレルさんが──
私からもお願いしようと思っていた事だったから、ダレルさんが引き受けてくれた事は正直に嬉しい。
ールシエント様は、シェイラにやられたからなぁ…ー
しかも、今はリゼットとラブラブ中……浮かれているだろうルシエント様は、きっと隙だらけに違いない。勿論、そんな隙だらけのルシエント様を、リゼットが放っておく事はない。なら、きっと、リゼットからも『講師復帰はしない方が良いんじゃない?』と言われているんじゃないだろうか?いや、絶対言われてるだろう。そんな想像しかできない。
「それじゃあ、オスニエルにも学園の方にも私から連絡して、手続きもしておくよ。ダレル殿、ありがとう。」
取り敢えず、これで安心要素が増えて良かった。
******
それは、帰り間際の事だった。
「あ、すっかり忘れてたわ。モンテルアーノ様、ダレル様、ナディアさん。今週末のメンテナンスなんですけど、王城ではなく、我が家─スペイシー家に来ていただけませんか?」
“スペイシー侯爵邸”
「どうかしたのか?」
突然のアデル様のお誘いに、モンテルアーノ様がどうしたのか?と訊くと、いざと言う時の為の魔具がいくつかある為、必要な物があるなら見て欲しい─との事だった。
「──それなら……お言葉に甘えて、お願いしようかな……ナディアも、大丈夫かな?」
ダレルさんが、私を心配そうに見ているのは、私の顔が…強張っているから──だろうか?
「だっ………大丈夫です!侯爵邸だからと緊張している訳ではないので!!」
「そんな事で緊張しているのか?やっぱりナディアは可愛いな。」
ーえ?可愛い要素、ありました?ー
「侯爵邸でソレなら、公爵邸なら、どうなるんだろうな?」
くくっ──と笑うモンテルアーノ様は…憎らしいけど、その笑っている目は優しくて……強張っている私に気を遣ってくれたんだろう事が分かる。
「喜んでアデル様のお屋敷には行きますけど、そんな簡単に、公爵邸には行きませんよ?」
「うんうん。ナディアはそうじゃないとな。」
「あらあら。更に仲が良くなったのですね?」
「そうですね。“真実”になるのも……早いかもしれませんね。」
モンテルアーノ様と私のやり取りを、アデル様とダレルさんは微笑ましい顔で見ていた。
そんなやり取りがあった学園最終日の朝、やっぱり、馬車に乗り込むと、そこにはいつもより少し大き目の荷物が置かれていた。
「…………」
勿論、視線を向けたモニクさんはただただ微笑んでいるだけだ。そこに拒否権は無い。相手は侯爵だ。
王城に行くよりもハードルが高い─なんて事も言えない。
「───行って来ます。」
そう言うと、モニクさんは「行ってらっしゃいませ」と言って、馬車の扉を閉めた。
今世で初めて───泊りがけでスペイシー侯爵邸に行く事になりました。
❋エールを頂き、ありがとうございます❋
♡*:.。.٩(๑>ω<๑)۶ .。.:*♡
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