巻き込まれではなかった、その先で…

みん

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13 ニコル王女のやらかし①

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『そんなで煩い魔法使いね。もし私が次期国王となれば、お前なんて排除してあげるから!』

非公式の場ではあったが、その言葉にはリュウさんだけではなく、その時に被害を一番受けた国─ウォーランドの国王も怒りを露わにした。

「ウォーランド…王国………」

それは、この大陸一の大国だ。
私が生まれる前に、歴代最高の聖女様達のお陰で穢れが無くなり魔物や魔獣が減り、国内が安定した事を切っ掛けに、更に大きく発展していると言われている。特に、ウォーランド産のポーションはとても質が良くて効果も高い為、外交の取引で扱われたりもしている。レベルの高い物は勿論高値が付くが、普通のレベルの物だとそんなに高くもないから、平民でも手が出るぐらいらしい。

それは、イーレンウチとは大違いだった。

確かに、魔法使いであるお姉様の作るポーションはレベルが高く、効能も良い。ただ、本当に高値な物である為、平民が手にする事は……無理だと思う。ある意味、貴族の為だけのポーションだ。

兎に角、隣国の魔法使いリュウと、ウォーランド王国から「次期国王が第一王女となれば、これからの国交は考えさせてもらう」と言われたそうだ。

私が知っている限りでは、既に立太子したお兄様─ヒューゴが次期国王になる──と言われているが、魔力量が多く強い第一王女─ニコルの方が相応しいと、第一王女を支持する貴族も居る。父であるイーレン国王は魔力持ちが第一主義者故に、お兄様が立太子していてもどうなるか分からない─と言われていた。

でも、大国であるウォーランド王国と、隣国の魔法使いがお兄様の後ろ盾になってくれたと言う事は…

「それなら、お兄様が次期国王と言う立場が確立されたのでは?」
「そうだね─と言いたいところだけど、これがまた……ニコルがんだ…」

ーこれ以上のがあるのか?ー

5年程前から、イーレンでは魔獣の出現率が上がって来たと言う事で、魔獣討伐をしつつ、魔道士達が浄化をする事になったのだが、我が国には魔道士はほんの一握りの数しかおらず、浄化が間に合わない。そこで、リュウさんが、隣国の魔道士を派遣してくれる事になり、更に、ウォーランド王国も派遣してくれる事になったそうだ。
そこで、魔道士のトップとしてお姉様が対応する事になり………。

「その時は、流石に父上や宰相から釘を刺されていたから、ニコルもおとなしくしていたんだけどね。」

勿論、リュウさんには敵わないからと言う理由が一番にあっただろうけど、1年掛けて行った浄化が無事に終わり、お礼を兼ねての夜会が行われる事になり、そこに、ウォーランド王国から王太子が参加する事になったそうだ。

リオン=ウォーランド

母親である王妃様が、聖女様だった筈。双子の妹が、隣国の王太子妃……だったかな?

「ニコルがな、そのウォーランド王国の王太子─リオン殿下の側近の1人に一目惚れしたんだ。」
「………」

ー嫌な予感しかしないー

「父上も……な……ニコルの望み通りにウォーランド王国王太子に、その側近を“ニコルの婿に”─と親書を送ったんだ。」

ーいやホント…バ───頭、緩くない?ー

一度やらかしている王女を、誰が欲しがると思うのか。寧ろ、“反省の色無し”と見られるだけじゃないだろうか?喩え、お姉様が稀な魔法使いだと知ったとしても……断られるに違いない。

「勿論、キッパリ断られた。」

それでも、懲りる事なく父が幾度か親書を送り、そのうちお姉様までもが本人宛に手紙を送るようになり……

「今現在、我が国の国王は……隣国との辺境地にあるイーレンウチの領で……している────事になっている。リュウ殿の監視の元で。」

ーそれは、もう、お兄様が実権を握った─と言う事ではないのだろうか?ー

だけど、簡単にはいかないようで──

「貴族主義な考えの者からすれば、魔力を重視する者がまだ多く存在するからね。未だに、魔道士のトップであるニコルを支持する貴族も少なくはないんだ。」

きっと、それだけじゃない。誰がどう見てもお兄様の方が国王としての気質がある。お姉様を支持する者達は…お姉様を使としているだけだろう。

「ニコルが王位に就き、尚且つ、そのウォーランド王国王太子の側近がニコルの王配になれば、ウォーランド王国との繋がりが強固なものとなる─と、思う者が増えたんだ…。」

ーこの国、大丈夫?ー

ここイーレン国内の一部の貴族の後押しを受けたお姉様は、父が居なくなった後も、お兄様が咎めるのも聞かず、その側近にアピールをしまくり──

ある事件が起きた。

数ヶ月前、ウォーランド王国と隣国とイーレンの3ヶ国で、1週間の魔道士と騎士の合同訓練が行われ、その最終日には隣国の王城で慰労会が執り行われたそうなのだが───

そこで、ウォーランド王国の王太子と、その側近が───




媚薬を盛られたのだ──────











❋エールを頂き、ありがとうございます❋
ଘ(੭*ˊᵕˋ)੭* ੈ♡‧₊˚



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