巻き込まれではなかった、その先で…

みん

文字の大きさ
14 / 51

14 ニコル王女のやらかし②

しおりを挟む
「媚薬って……まさか………」
「私も含めて、リュウ殿もウォーランド側もニコルを真っ先に疑ったけど、ニコルに繋がる証拠は出て来ず、その翌日、その慰労会で臨時に雇われていた使用人の一人が、“私がやりました”と言う遺書と共に変死体で発見されたんだ。」

それも、その使用人は……デライト王国の生き残っていた末裔だったそうだ。リュウさんが一掃したと言っていたが、事件に関わっていない者や“害なし”と判断された者は、そのままその土地で暮らしているらしい。その変死体で発見された者も、そう言う者達の一人だったそうだ。

“同志を殺されて、恨みがあった”

と、遺書にあったそうだ。



「恨みで媚薬─と言うのもおかしい話だけど、何かの毒と間違えただけだと言えばそれまでだし、盛ったとされる者は死んでしまっていて、他に繋がるところも見付からず……媚薬を盛られたけど、直ぐに解毒できて何も起こらなかったから、そのまま捜査は打ち切りになったんだ。」
「媚薬の……解毒??」

ー媚薬に対する解毒ポーションなんて、あっただろうか?ー

媚薬は本当に特殊なモノで、ある意味、何故興奮状態?になるのか、ハッキリした理由が分かっていないとも言われていて、それに対する解毒ポーションを作るのは無理だ─と言われていた筈。

「本当に、ウォーランド王国のポーションのレベルと言うか、薬師の技術のレベルは他を抜きん出ている。」

その場に同行していた薬師の1人が、持っていた解毒ポーションを飲ませると、そのまま落ち着いていき、一晩寝て起きると、すっかり元の状態に戻っていたそうだ。ただ──お兄様はそれ以降の出来事に関しては言葉を濁してハッキリとは教えてくれなかったけど、ウォーランド王国の王族よりも手に負えない?レベルの騒動があったとかなかったとか───

「兎に角、最悪の事にはならず済んだ筈なのに……“私が、これからの貴方の身を護ってあげるわ!”なんて……ニコルが声高々に言い張ってね………」
「えー………」

ー喜劇?笑劇?ー

「その後が………本当に大変だったんだ……詳しくは……言えないけど…………」

どうやら、本当に大変だったようだ。今迄以上に顔色が……青を通り越して白くなり、目が……死んだ魚のようになっている。一体、お姉様が一目惚れしたと言う相手は、どんな人なんだろう?まぁ…ウォーランド王国王太子の側近と言うような人だから、会う事はないだろうけど。

「流石に、ここまで来ると、魔道士としての実力は認めるけど、国王としては駄目だ─勿論、その一目惚れした者を迎えるのも無理だと、今迄ニコルを支持していた貴族達も諦めて──となるところで、ニコルが、私に無断で“聖女召喚の魔法陣”を展開させたんだ。」

“聖女召喚”

これは、いつでも誰でもできる─発動させる事ができるものではない。とてつもない魔力と量が必要となる。その魔法陣を描けても、単独で展開させて発動するのはほぼ不可能と言われている。

「ニコルは魔法使いなだけあって、もともと魔力量が多かったんだが…それにプラス、魔力を溜め込んだ魔石を用意して……それを可能にしたようだ。」

魔力を溜め込んだ魔石。

魔力持ちでなくても、魔力を溜め込んだ魔石があれば、だれでもその分だけ魔力を使う事ができる。魔力持ちが少ないイーレンにとって、魔石は欠かせない物の一つだ。

「そこまでして…どうして聖女召喚を?国内の穢れは、ある程度浄化できたんですよね?それがまた……それ程まで酷い状態に?」

ある程度の浄化なら、魔道士や魔法使いにでもできるが、穢れを完璧に浄化できるのは聖女だけ。その為、穢れが酷くなり過ぎると、聖女を召喚する事になる。召喚されてやって来る聖女は、やって来るまでどこの世界からやって来るかは分からない。過去には、同じ大陸の違う国から。全く違う異世界から。と、様々だ。

「勿論、隣国のリュウ殿達のお陰で、国内の穢れは特に問題ない。ニコルの……自分勝手な理由だ。」




『彼を婿にできないなら、私が嫁に行くわ!』



「「……………」」


ーちょっと意味が分からないー

兎に角、それも駄目だ、無理だ、お前駄目なんだと言ってもお姉様には伝わらず、挙句───

『国として、“魔法使いの私”が居なくなると困るからなのね。』

『ならば、魔法使いわたしの代わりとなる者が居れば問題ないでしょう?』

ーいやいや、問題だらけだよね!?って…まさかー

思わず顔が引き攣り、そのままお兄様と視線を合わせる。

「そう。その通りだ。その為に、ニコルは……聖女を召喚したんだ。」

お兄様も顔を引き攣らせてはいるが、実際、聖女召喚が成功した今、まだ限られた者にしか知られてはいないが、知っている者は喜び受け入れているそうだ。寧ろ、喜ばない理由の方が無いのだから。ある意味、聖女とは魔法使いよりも尊ばれる存在だから。

ただし、今回召喚されてやって来た聖女とは──

「お兄様、今回やって来た聖女様とは……清水しみず渚沙なぎさと……言う名ではありませんか?」
「え?何故……ブルーナが、その名を知っているんだ?」

お兄様は、驚いたように目を大きく見開いた。










❋“置き場”に、シルヴィ視点の話を投稿しました。時間がある時にでも、覗いてみていただければ幸いです❋
(*ᴗˬᴗ)⁾⁾⁾ꕤ


❋エールを頂き、ありがとうございます❋
+゚。*(*´∀`*)*。゚+




しおりを挟む
感想 36

あなたにおすすめの小説

ブスすぎて嫁の貰い手がないから閨勤侍女になれと言われたので縁を切ります、完全に!完全縁切りの先にあったのは孤独ではなくて…

ハートリオ
恋愛
ルフスは結婚が決まった従姉の閨勤侍女になるよう父親に命令されたのをきっかけに父に無視され冷遇されて来た日々を終わらせようとブラコン父と完全に縁を切る決意する。 一方、従姉の結婚相手はアルゲンテウス辺境伯とのことだが、実は手違いがあって辺境伯が結婚したいのはルフス。 そんなこんなの異世界ファンタジーラブです。 読んでいただけると嬉しいです。

聖女の力を妹に奪われ魔獣の森に捨てられたけど、何故か懐いてきた白狼(実は呪われた皇帝陛下)のブラッシング係に任命されました

AK
恋愛
「--リリアナ、貴様との婚約は破棄する! そして妹の功績を盗んだ罪で、この国からの追放を命じる!」 公爵令嬢リリアナは、腹違いの妹・ミナの嘘によって「偽聖女」の汚名を着せられ、婚約者の第二王子からも、実の父からも絶縁されてしまう。 身一つで放り出されたのは、凶暴な魔獣が跋扈する北の禁足地『帰らずの魔の森』。 死を覚悟したリリアナが出会ったのは、伝説の魔獣フェンリル——ではなく、呪いによって巨大な白狼の姿になった隣国の皇帝・アジュラ四世だった! 人間には効果が薄いが、動物に対しては絶大な癒やし効果を発揮するリリアナの「聖女の力」。 彼女が何気なく白狼をブラッシングすると、苦しんでいた皇帝の呪いが解け始め……? 「余の呪いを解くどころか、極上の手触りで撫でてくるとは……。貴様、責任を取って余の専属ブラッシング係になれ」 こうしてリリアナは、冷徹と恐れられる氷の皇帝(中身はツンデレもふもふ)に拾われ、帝国で溺愛されることに。 豪華な離宮で美味しい食事に、最高のもふもふタイム。虐げられていた日々が嘘のような幸せスローライフが始まる。 一方、本物の聖女を追放してしまった祖国では、妹のミナが聖女の力を発揮できず、大地が枯れ、疫病が蔓延し始めていた。 元婚約者や父が慌ててミレイユを連れ戻そうとするが、時すでに遅し。 「私の主人は、この可愛い狼様(皇帝陛下)だけですので」 これは、すべてを奪われた令嬢が、最強のパートナーを得て幸せになり、自分を捨てた者たちを見返す逆転の物語。

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】毒を飲めと言われたので飲みました。

ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。 国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。 悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。

母を亡くした公爵令嬢は、虐げられないが、今日も願いが叶わない

春風由実
恋愛
「何故お前が生きた?」 それは怪我をして長く眠っていたエルリカが、目覚めた直後に父親である公爵から掛けられた言葉だった。 「お前こそが、女神の元に行くべきだった!」 父親から強い口調で詰られたエルリカ。 普通の令嬢は、ここで泣くか、その後立ち直れなくなるという。 けれどエルリカは違った。 「あなたこそ、何をのうのうと元気にしているのですか?」 そうしてこの日父娘は、それぞれに絶縁を宣言した。 以来、母方の祖父母に引き取られ、侯爵領で過ごしてきたエルリカ。 ところが公爵は、いつまでもエルリカを除籍する手続きを実行しなかった。 おかげで名ばかりの公爵令嬢のまま、エルリカが王都へと戻る日がやって来てしまう──。

そんな世界なら滅んでしまえ

キマイラ
恋愛
魔王を倒す勇者パーティーの聖女に選ばれた私は前世の記憶を取り戻した。貞操観念の厳しいこの世界でパーティーの全員と交合せよだなんてありえないことを言われてしまったが絶対お断りである。私が役目をほうきしたくらいで滅ぶ世界なら滅んでしまえばよいのでは? そんなわけで私は魔王に庇護を求めるべく魔界へと旅立った。

元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜

日々埋没。
ファンタジー
​「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」  ​かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。  その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。  ​レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。 ​ 地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。 ​「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」  ​新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。  一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。  ​やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。  レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。

【完結】番としか子供が産まれない世界で

さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。 何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。 そんなニーナが番に出会うまで 4話完結 出会えたところで話は終わってます。

処理中です...