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24 リスと温かな魔力
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“無効化”の魔力とは───
「文字通り、魔法や魔術を無効にする魔力ですね。」
「それ、かなり……珍しい魔力だな。なるほど…だから、“魔力無し”と判断された訳か……。」
「……………」
魔力の有無を調べるのは、早くて3歳。一般的には5歳の誕生日を迎えてから。その調べ方は、魔道士達が魔術や魔力が込められた水晶玉の様な物を使って調べる。
魔力を調べる物の元が魔力である為、私の持っている“無効化”の魔力が、その魔力を無効にしてしまっていたのだろう─と。無効化してしまい、ソレが“反応しない=魔力無し”と、判断されてしまったのだと。その上、ハッキリ言って、イーレンの魔道士や魔道具は他国に比べてレベルが…かなり低いそうで、検査方法も古いまま行われているそうだ。他国に於いては、“魔力無し”と判断された者は、改めて違う方法で更に調べるようにしているらしく、それによって、やっぱり魔力持ちだった─と判明する事もあるそうだ。
「私に……魔力があった?」
“魔力無し”と言われて……苦しい日々を送っていた。自分は、能無しなんだと。王族のくせに、出来損ないなんだと──
「……苦しみや痛みに耐えていたのは……なんだったんだろう?」
「ブルーナ…………」
ポタポタと、私の手の上に落ちて来るのは涙だ。
ーこの涙の意味は……何だろう?ー
魔力持ちだった事に対しての喜び?
魔力持ちだと分からなかった事への後悔?
魔力持ちだったのに、虐げられていた事への悔しさ?
それら全て?
気持ちが追い付かずに、更に涙が溢れだすと、私の手を包み込んでいた、私よりも一回り小さな手から、温かい何か──魔力がじわじわと流れ込んで来た。
それは、ゆっくり…ゆっくりと私の体に広がっていく。そして、広がっていくにつれて、私の乱れた心も落ち着いていく。
ーこれが…ハルさんの魔力なんだー
同じ魔法使いでも、お姉様の魔力は…ハルさんの魔力とは全く違っていて、ピリピリと肌を刺激するような強いものだった。お兄様の魔力は、それよりも穏やかなものではあるけど、安心するような温かさはない。魔力と言うものは、私にとっては刺激される様なものでしかなかった。
「すみません……」
落ち着いてくると、今度は泣いたり愚痴を言った事が恥ずかしくなって来た。
「謝る事なんて何も無いですよ。寧ろ、もっと愚痴とか文句を言っても良いぐらいですよ?泣く事だって…恥ずかしい事でもないですからね?泣いても良いんです。」
「ハルさん………ありがとう…ございます。」
ハルさんは、その魔力だけではなく、本当に全てが優しいな─と思う。初めて会った筈なのに、手を握られて、声を聞くだけでも安心してしまうのだ。
「セオ、ここでディ──お父様なら……えっと……すっ………好きな人が泣いたらね?その人を…優しく包んでくれたりした─じゃなくて、してくれると思うよ?セオは?ブルーナ─翠ちゃんは、セオにとって大切な人じゃないの?セオは、見てるだけなの?」
何だかよく分からないけど、ハルさん、どもり過ぎじゃない?可愛いけど。しかも、何故か顔が真っ赤で……それも可愛いけど。
言っている内容は、凄く恥ずかしいけど。好きな人の親に言われるなんて……居た堪れない程恥ずかしいけど!!
「──色々突っ込みどころはありますけど…王太子殿下、ここで、翠──ブルーナ殿下をお連れしても良いですか?」
「あぁ、構わないよ。午後からはまた…色々と大変な事になると思う──絶対なるから、それまで、2人でゆっくり話をすると良いよ。ブルーナの事を宜しく頼みます。」
「ありがとうございます。ブルーナ様───」
セオ君はお兄様から許可を得ると、私の名を呼びながら手を差し出して来た。そんな私達を、ここに居る皆がニコニコと笑顔で見ているのが恥ずかしいけど、嬉しくもあり、私はその差し出された手を取って立ち上がった。
「あ、ごめんなさい!その前に…ブルーナ様、セオがブルーナ様に渡したネックレス、今も着けてる?着けてるなら、少しだけ見せてくれますか?」
「はい、勿論着けてます!」
いそいそと外して、そのネックレスをハルさんに渡すと、ハルさんはその青色の石を見た後、何度かスルスルと撫でた。
「ん、大丈夫だね。ブルーナ様、この石には防御の魔法を掛けているので、必ず身に着けておいて下さいね。絶対……第一王女に傷付けられたりなんてさせませんから!」
“えっへん”─みたいな顔をするハルさん。
「可愛いか!」
「翠…………」
小声で悶えるように呟いた私は、セオ君に笑いながら突っ込まれた。そもそも、本当にセオ君のお母さんなんだろうか?セオ君は私と同じ25歳。なら、ハルさんは40歳は超えている……よね?
「ウォーランドの知り合いの魔道士が言っていたけど、魔力が強くて多ければ多い程、年を重ねても見た目があまり変わらないそうなんだ。母は……日本で言うところの“チート”レベルの魔法使いだから……。」
「なるほど……」
それじゃあ、リュウさんも若くは見えるけど、実際の年齢は見た目よりも上なのかもしれない。
「兎に角…庭園にでも行こうか?」
「はい!」
「行ってらっしゃい」
リュウさんにパタパタと手を振られながら見送られ、私とセオ君は庭園へと向かった。
❋エールを頂き、ありがとうございます❋
₍₍ ٩( *ˊᗜˋ*)و ⁾⁾
「文字通り、魔法や魔術を無効にする魔力ですね。」
「それ、かなり……珍しい魔力だな。なるほど…だから、“魔力無し”と判断された訳か……。」
「……………」
魔力の有無を調べるのは、早くて3歳。一般的には5歳の誕生日を迎えてから。その調べ方は、魔道士達が魔術や魔力が込められた水晶玉の様な物を使って調べる。
魔力を調べる物の元が魔力である為、私の持っている“無効化”の魔力が、その魔力を無効にしてしまっていたのだろう─と。無効化してしまい、ソレが“反応しない=魔力無し”と、判断されてしまったのだと。その上、ハッキリ言って、イーレンの魔道士や魔道具は他国に比べてレベルが…かなり低いそうで、検査方法も古いまま行われているそうだ。他国に於いては、“魔力無し”と判断された者は、改めて違う方法で更に調べるようにしているらしく、それによって、やっぱり魔力持ちだった─と判明する事もあるそうだ。
「私に……魔力があった?」
“魔力無し”と言われて……苦しい日々を送っていた。自分は、能無しなんだと。王族のくせに、出来損ないなんだと──
「……苦しみや痛みに耐えていたのは……なんだったんだろう?」
「ブルーナ…………」
ポタポタと、私の手の上に落ちて来るのは涙だ。
ーこの涙の意味は……何だろう?ー
魔力持ちだった事に対しての喜び?
魔力持ちだと分からなかった事への後悔?
魔力持ちだったのに、虐げられていた事への悔しさ?
それら全て?
気持ちが追い付かずに、更に涙が溢れだすと、私の手を包み込んでいた、私よりも一回り小さな手から、温かい何か──魔力がじわじわと流れ込んで来た。
それは、ゆっくり…ゆっくりと私の体に広がっていく。そして、広がっていくにつれて、私の乱れた心も落ち着いていく。
ーこれが…ハルさんの魔力なんだー
同じ魔法使いでも、お姉様の魔力は…ハルさんの魔力とは全く違っていて、ピリピリと肌を刺激するような強いものだった。お兄様の魔力は、それよりも穏やかなものではあるけど、安心するような温かさはない。魔力と言うものは、私にとっては刺激される様なものでしかなかった。
「すみません……」
落ち着いてくると、今度は泣いたり愚痴を言った事が恥ずかしくなって来た。
「謝る事なんて何も無いですよ。寧ろ、もっと愚痴とか文句を言っても良いぐらいですよ?泣く事だって…恥ずかしい事でもないですからね?泣いても良いんです。」
「ハルさん………ありがとう…ございます。」
ハルさんは、その魔力だけではなく、本当に全てが優しいな─と思う。初めて会った筈なのに、手を握られて、声を聞くだけでも安心してしまうのだ。
「セオ、ここでディ──お父様なら……えっと……すっ………好きな人が泣いたらね?その人を…優しく包んでくれたりした─じゃなくて、してくれると思うよ?セオは?ブルーナ─翠ちゃんは、セオにとって大切な人じゃないの?セオは、見てるだけなの?」
何だかよく分からないけど、ハルさん、どもり過ぎじゃない?可愛いけど。しかも、何故か顔が真っ赤で……それも可愛いけど。
言っている内容は、凄く恥ずかしいけど。好きな人の親に言われるなんて……居た堪れない程恥ずかしいけど!!
「──色々突っ込みどころはありますけど…王太子殿下、ここで、翠──ブルーナ殿下をお連れしても良いですか?」
「あぁ、構わないよ。午後からはまた…色々と大変な事になると思う──絶対なるから、それまで、2人でゆっくり話をすると良いよ。ブルーナの事を宜しく頼みます。」
「ありがとうございます。ブルーナ様───」
セオ君はお兄様から許可を得ると、私の名を呼びながら手を差し出して来た。そんな私達を、ここに居る皆がニコニコと笑顔で見ているのが恥ずかしいけど、嬉しくもあり、私はその差し出された手を取って立ち上がった。
「あ、ごめんなさい!その前に…ブルーナ様、セオがブルーナ様に渡したネックレス、今も着けてる?着けてるなら、少しだけ見せてくれますか?」
「はい、勿論着けてます!」
いそいそと外して、そのネックレスをハルさんに渡すと、ハルさんはその青色の石を見た後、何度かスルスルと撫でた。
「ん、大丈夫だね。ブルーナ様、この石には防御の魔法を掛けているので、必ず身に着けておいて下さいね。絶対……第一王女に傷付けられたりなんてさせませんから!」
“えっへん”─みたいな顔をするハルさん。
「可愛いか!」
「翠…………」
小声で悶えるように呟いた私は、セオ君に笑いながら突っ込まれた。そもそも、本当にセオ君のお母さんなんだろうか?セオ君は私と同じ25歳。なら、ハルさんは40歳は超えている……よね?
「ウォーランドの知り合いの魔道士が言っていたけど、魔力が強くて多ければ多い程、年を重ねても見た目があまり変わらないそうなんだ。母は……日本で言うところの“チート”レベルの魔法使いだから……。」
「なるほど……」
それじゃあ、リュウさんも若くは見えるけど、実際の年齢は見た目よりも上なのかもしれない。
「兎に角…庭園にでも行こうか?」
「はい!」
「行ってらっしゃい」
リュウさんにパタパタと手を振られながら見送られ、私とセオ君は庭園へと向かった。
❋エールを頂き、ありがとうございます❋
₍₍ ٩( *ˊᗜˋ*)و ⁾⁾
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