25 / 51
25 気の合う2人?
しおりを挟む
*2人が去った後の執務室*
*リュウ視点*
「まさか……ブルーナが魔力持ちだったとは…」
「イーレンは魔力持ちが少ない上、トップがアレになってから、更に傲慢になっているからなぁ…。」
ブルーナ第二王女が家族から虐げられていた理由は、王族でありながら魔力を持っていなかったから。
イーレンの魔力持ちは、魔力持ちだから─と言うだけで何かと優遇されるから、更に上に─と言う向上心などが全くない。しかも、その魔力を平民の為に使う事は殆どない。
そもそも、それさえもおかしい─と気付かない国なのだから、困ったものだ。
「あ、いや……魔力無しだからと言う考え事態を改めなければ、この国は一生変わらないままですね。」
ー王太子が、まだマトモで良かったー
「そうだな。先ずは、イーレンの魔道士達の鼻をへし折ってから、魔力持ちの貴族達のプライドを軽く傷付ける辺りからか?」
「リュウ……言い方……おかしいからね?」
「ふふっ───こう言う時だけ、私とリュウは気が合うわね。」
確かに、こう言う時だけは、ミヤ様とは気が合う。まぁ、今回に限っては、ハルも俺に突っ込むだけで止める事はしない。母親とは凄いな─と思う。我が子が危険に晒されたと言う事だけではなく、同じ魔法使いとして、ニコルがした事が赦せないんだろう。しかも、その第二王女が、まさかのセオの想い人ときたら…
「セオは、あのエディオルの子供だからな。ブルーナ様の事は、セオに任せておけば…大丈夫だろう。殿下は…それで良いのか?」
「これから先、ブルーナがどうしたいのかは、まだ聞いてませんが、ブルーナがそれを望むなら、私は喜んで送り出すだけです。ブルーナが自分で選んで幸せになってくれれば…。」
「セオなら、絶対ブルーナ王女を守るだろうけど…ある意味、大変そうよね?」と、ミヤ様が笑顔でポツリと呟くと、ハルは顔を赤くして笑っている。どうやら、エディオルは………相変わらずなようだ。
「それじゃあ、セオ達は置いといて、第一王女と聖女をどうするか─だが……イーレン王太子としては、あの2人をどうしたい?あ、そうそう。聖女に関しては、最終的には…これもハルが片付けられるから、“召喚してしまって申し訳無い”とか、思わなくても大丈夫だから。」
「はい?すみませんが……ちょっと意味が………」
召喚で一番ネックになるのが、こちら側が勝手に呼び出したが為に、その人物の人生を狂わせてしまった事への罪悪感だ。しかも、聖女となれば、こちら側が平穏を得る為にそれなりの危険に晒す事になるのだから、その聖女が問題を起こしたとしても、罰する事に躊躇いが出るのは当たり前の事だ。ただ、ハルが居れば、それは簡単に解決できる。
「それは、後々、直ぐに分かるわ。聖女に関しては、私が彼女を直接見て話してから、イーレンが彼女をどうすのかを決めて欲しいのだけど…。」
「はい。それで構いません。その方が、私も助かりますから。」
柔軟な考えの王太子で助かる。ただ…この王太子も、ただ人が好いと言う訳ではない。ニコニコと人好きのする笑顔でありながら、実の父親である国王を……アッサリ切り捨てたのだ。絶妙なタイミングで。辺境地で療養扱いになっているが──毎日少しずつ服毒させられて寝たきりとなっている。時間の問題だろう。ブルーナ様の前でだけは、本当に“良いお兄ちゃん”でしかないけど。
ーまぁ、それは俺には関係無いし、セオが幸せになってハルが喜ぶなら、それこそ全く問題無いー
「第一王女はどうする?」
「ニコルの扱いは、正直、悩んでいます。魔法使いである限り……リュウ殿やハル殿が居なくなれば、私にはどうする事もできませんから。“王籍から抜く”ぐらいしか………」
「分かった。それじゃあ、第一王女が改心するなら善し、それが無理そうなら、これも魔法使いのハルに一任って事で!」
アレが改心するなんて事は…微塵も無いだろう。
「愉しみね?」
「愉しみだな?」
「………」
ハルは苦笑しているが…やっぱり、こう言う時はミヤ様とは気が合うな。
*その頃の、セオドアとブルーナ*
*セオドア視点*
「翠……」
「っ!?」
執務室を出て、改めて翠の手を握って歩きだし、王太子宮内の庭園へとやって来た。勿論、2人きりではなく、少し離れた所にブルーナ第二王女の護衛兼侍女が控えている。見てみぬふりをしていて、声もハッキリと聞き取れないような絶妙な位置に立っている。
その事を確認した後、また翠の両頬に手を当てて、俺と視線を合わせるように顔を持ち上げる。
翠色の綺麗な瞳に、俺が映り込んでいる。
また、この瞳に俺が映る日がくるとは思わなかった。また、触れられるとも思わなかった。
「あ、“ブルーナ”と呼んだ方が良いんだろうか?」
「あの…2人だけの時だけでも良いから……“翠”と呼んで欲しい。」
目を逸らす事なく答える翠。真っ直ぐに俺を見つめる翠が、愛おしいと思う。
「翠───」
キスをしたい──のは、流石に我慢した。我慢して…ギュウッと抱きしめると、翠も少し遠慮がちに抱き返してくれて、更に愛おしさが増したのは……きっと気のせいではないだろう。
❋エールを頂き、ありがとうございます❋
⁽⁽(੭ •̀ω•́ )੭*⁾⁾
*リュウ視点*
「まさか……ブルーナが魔力持ちだったとは…」
「イーレンは魔力持ちが少ない上、トップがアレになってから、更に傲慢になっているからなぁ…。」
ブルーナ第二王女が家族から虐げられていた理由は、王族でありながら魔力を持っていなかったから。
イーレンの魔力持ちは、魔力持ちだから─と言うだけで何かと優遇されるから、更に上に─と言う向上心などが全くない。しかも、その魔力を平民の為に使う事は殆どない。
そもそも、それさえもおかしい─と気付かない国なのだから、困ったものだ。
「あ、いや……魔力無しだからと言う考え事態を改めなければ、この国は一生変わらないままですね。」
ー王太子が、まだマトモで良かったー
「そうだな。先ずは、イーレンの魔道士達の鼻をへし折ってから、魔力持ちの貴族達のプライドを軽く傷付ける辺りからか?」
「リュウ……言い方……おかしいからね?」
「ふふっ───こう言う時だけ、私とリュウは気が合うわね。」
確かに、こう言う時だけは、ミヤ様とは気が合う。まぁ、今回に限っては、ハルも俺に突っ込むだけで止める事はしない。母親とは凄いな─と思う。我が子が危険に晒されたと言う事だけではなく、同じ魔法使いとして、ニコルがした事が赦せないんだろう。しかも、その第二王女が、まさかのセオの想い人ときたら…
「セオは、あのエディオルの子供だからな。ブルーナ様の事は、セオに任せておけば…大丈夫だろう。殿下は…それで良いのか?」
「これから先、ブルーナがどうしたいのかは、まだ聞いてませんが、ブルーナがそれを望むなら、私は喜んで送り出すだけです。ブルーナが自分で選んで幸せになってくれれば…。」
「セオなら、絶対ブルーナ王女を守るだろうけど…ある意味、大変そうよね?」と、ミヤ様が笑顔でポツリと呟くと、ハルは顔を赤くして笑っている。どうやら、エディオルは………相変わらずなようだ。
「それじゃあ、セオ達は置いといて、第一王女と聖女をどうするか─だが……イーレン王太子としては、あの2人をどうしたい?あ、そうそう。聖女に関しては、最終的には…これもハルが片付けられるから、“召喚してしまって申し訳無い”とか、思わなくても大丈夫だから。」
「はい?すみませんが……ちょっと意味が………」
召喚で一番ネックになるのが、こちら側が勝手に呼び出したが為に、その人物の人生を狂わせてしまった事への罪悪感だ。しかも、聖女となれば、こちら側が平穏を得る為にそれなりの危険に晒す事になるのだから、その聖女が問題を起こしたとしても、罰する事に躊躇いが出るのは当たり前の事だ。ただ、ハルが居れば、それは簡単に解決できる。
「それは、後々、直ぐに分かるわ。聖女に関しては、私が彼女を直接見て話してから、イーレンが彼女をどうすのかを決めて欲しいのだけど…。」
「はい。それで構いません。その方が、私も助かりますから。」
柔軟な考えの王太子で助かる。ただ…この王太子も、ただ人が好いと言う訳ではない。ニコニコと人好きのする笑顔でありながら、実の父親である国王を……アッサリ切り捨てたのだ。絶妙なタイミングで。辺境地で療養扱いになっているが──毎日少しずつ服毒させられて寝たきりとなっている。時間の問題だろう。ブルーナ様の前でだけは、本当に“良いお兄ちゃん”でしかないけど。
ーまぁ、それは俺には関係無いし、セオが幸せになってハルが喜ぶなら、それこそ全く問題無いー
「第一王女はどうする?」
「ニコルの扱いは、正直、悩んでいます。魔法使いである限り……リュウ殿やハル殿が居なくなれば、私にはどうする事もできませんから。“王籍から抜く”ぐらいしか………」
「分かった。それじゃあ、第一王女が改心するなら善し、それが無理そうなら、これも魔法使いのハルに一任って事で!」
アレが改心するなんて事は…微塵も無いだろう。
「愉しみね?」
「愉しみだな?」
「………」
ハルは苦笑しているが…やっぱり、こう言う時はミヤ様とは気が合うな。
*その頃の、セオドアとブルーナ*
*セオドア視点*
「翠……」
「っ!?」
執務室を出て、改めて翠の手を握って歩きだし、王太子宮内の庭園へとやって来た。勿論、2人きりではなく、少し離れた所にブルーナ第二王女の護衛兼侍女が控えている。見てみぬふりをしていて、声もハッキリと聞き取れないような絶妙な位置に立っている。
その事を確認した後、また翠の両頬に手を当てて、俺と視線を合わせるように顔を持ち上げる。
翠色の綺麗な瞳に、俺が映り込んでいる。
また、この瞳に俺が映る日がくるとは思わなかった。また、触れられるとも思わなかった。
「あ、“ブルーナ”と呼んだ方が良いんだろうか?」
「あの…2人だけの時だけでも良いから……“翠”と呼んで欲しい。」
目を逸らす事なく答える翠。真っ直ぐに俺を見つめる翠が、愛おしいと思う。
「翠───」
キスをしたい──のは、流石に我慢した。我慢して…ギュウッと抱きしめると、翠も少し遠慮がちに抱き返してくれて、更に愛おしさが増したのは……きっと気のせいではないだろう。
❋エールを頂き、ありがとうございます❋
⁽⁽(੭ •̀ω•́ )੭*⁾⁾
129
あなたにおすすめの小説
ブスすぎて嫁の貰い手がないから閨勤侍女になれと言われたので縁を切ります、完全に!完全縁切りの先にあったのは孤独ではなくて…
ハートリオ
恋愛
ルフスは結婚が決まった従姉の閨勤侍女になるよう父親に命令されたのをきっかけに父に無視され冷遇されて来た日々を終わらせようとブラコン父と完全に縁を切る決意する。
一方、従姉の結婚相手はアルゲンテウス辺境伯とのことだが、実は手違いがあって辺境伯が結婚したいのはルフス。
そんなこんなの異世界ファンタジーラブです。
読んでいただけると嬉しいです。
聖女の力を妹に奪われ魔獣の森に捨てられたけど、何故か懐いてきた白狼(実は呪われた皇帝陛下)のブラッシング係に任命されました
AK
恋愛
「--リリアナ、貴様との婚約は破棄する! そして妹の功績を盗んだ罪で、この国からの追放を命じる!」
公爵令嬢リリアナは、腹違いの妹・ミナの嘘によって「偽聖女」の汚名を着せられ、婚約者の第二王子からも、実の父からも絶縁されてしまう。 身一つで放り出されたのは、凶暴な魔獣が跋扈する北の禁足地『帰らずの魔の森』。
死を覚悟したリリアナが出会ったのは、伝説の魔獣フェンリル——ではなく、呪いによって巨大な白狼の姿になった隣国の皇帝・アジュラ四世だった!
人間には効果が薄いが、動物に対しては絶大な癒やし効果を発揮するリリアナの「聖女の力」。 彼女が何気なく白狼をブラッシングすると、苦しんでいた皇帝の呪いが解け始め……?
「余の呪いを解くどころか、極上の手触りで撫でてくるとは……。貴様、責任を取って余の専属ブラッシング係になれ」
こうしてリリアナは、冷徹と恐れられる氷の皇帝(中身はツンデレもふもふ)に拾われ、帝国で溺愛されることに。 豪華な離宮で美味しい食事に、最高のもふもふタイム。虐げられていた日々が嘘のような幸せスローライフが始まる。
一方、本物の聖女を追放してしまった祖国では、妹のミナが聖女の力を発揮できず、大地が枯れ、疫病が蔓延し始めていた。 元婚約者や父が慌ててミレイユを連れ戻そうとするが、時すでに遅し。 「私の主人は、この可愛い狼様(皇帝陛下)だけですので」 これは、すべてを奪われた令嬢が、最強のパートナーを得て幸せになり、自分を捨てた者たちを見返す逆転の物語。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
母を亡くした公爵令嬢は、虐げられないが、今日も願いが叶わない
春風由実
恋愛
「何故お前が生きた?」
それは怪我をして長く眠っていたエルリカが、目覚めた直後に父親である公爵から掛けられた言葉だった。
「お前こそが、女神の元に行くべきだった!」
父親から強い口調で詰られたエルリカ。
普通の令嬢は、ここで泣くか、その後立ち直れなくなるという。
けれどエルリカは違った。
「あなたこそ、何をのうのうと元気にしているのですか?」
そうしてこの日父娘は、それぞれに絶縁を宣言した。
以来、母方の祖父母に引き取られ、侯爵領で過ごしてきたエルリカ。
ところが公爵は、いつまでもエルリカを除籍する手続きを実行しなかった。
おかげで名ばかりの公爵令嬢のまま、エルリカが王都へと戻る日がやって来てしまう──。
〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】毒を飲めと言われたので飲みました。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。
国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。
悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。
そんな世界なら滅んでしまえ
キマイラ
恋愛
魔王を倒す勇者パーティーの聖女に選ばれた私は前世の記憶を取り戻した。貞操観念の厳しいこの世界でパーティーの全員と交合せよだなんてありえないことを言われてしまったが絶対お断りである。私が役目をほうきしたくらいで滅ぶ世界なら滅んでしまえばよいのでは?
そんなわけで私は魔王に庇護を求めるべく魔界へと旅立った。
元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜
日々埋没。
ファンタジー
「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」
かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。
その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。
レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。
地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。
「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」
新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。
一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。
やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。
レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる