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「これで分かったか?ニコル。魔力持ちだから偉いのではないんだ。魔力持ちの魔法使いのニコルより、アーニャの方が王族に相応しい能力と実力がある。アーニャは、既に外交に携わっていて、他国との繋がりを強固なものにして友好関係を築いている。次期王妃は……アーニャ以外は有り得ない。」
「なん……で………私は…聖女なのよね?勝手に召喚なんてしておいて……聖女にはなれないとか…挙句……魔力無しの女にも劣るとか………ラノベ定番なら、聖女はヒューゴと結婚でしょう!?」
お兄様の断言に、お姉様ではなく、清水さんが大声で叫んだ。清水さんの言いたい事が、分からない訳じゃない。勝手に召喚されて聖女にされた被害者なのだから。でも、だからと言って、お兄様が婚約者を捨てて清水さんと結婚しなければならない理由にはならない。そんな事が現実に行われたら……きっと、この国は本当に終わってしまう。
「ラノベ定番か……この世界は、ラノベ定番が…全く通じない世界なんだよなぁ……可哀想に……」
リュウさんが遠い目をして呟いたかと思うと、最後には“可哀想に”と言いながら笑っている。
「そこは大丈夫よ。貴方は日本に還れるから。」
「え?日本…還れる?」
「そうよ。選ばせてあげるわ。これから隣国の魔法使いの元で必死に訓練をして聖女になるか、このまま日本に還るか──。聖女も嫌、日本に還るのも嫌と言うなら……2年程は私が面倒を見てあげるから、その間にこの世界の事を学び、自立してこの世界で自分で働きながら生きていく事。勿論、補償として、イーレンからいくらかのお金を受けられるようにはしてもらえるわ。」
「えー…俺が、あの子の面倒を見るのか?ホントに……年寄りになってもこの扱いか……清々しいな!」
どうやら、ミヤ様が告げたその条件はリュウさんも知らなかったようで、げんなりした顔をしている。
日本に還すのは、ハルさんだろう。
そのハルさんは、未だミヤ様の横で空気と化したままだけど。
「平民として…生きていくと言う事?」
「そうよ。貴方が日本に還る事を選ばず、聖女の訓練も受けないと言うのなら、平民として生きていくしかないわ。その平民が嫌なら、日本に還りなさい。」
「勝手に……召喚しておいて……随分と酷い話よね!」
「だから、言ってるでしょう?日本に還れると。異世界で思い通りに行かずに文句を言うのなら還りなさい。それで、キレイサッパリ元通りよ。元通りになれば、文句はないでしょう?今すぐ、ここで、日本に還してあげるわ。」
「それは……吉岡さん…“ブルーナ”でしたっけ?アイツも、一緒に日本に還るって事?」
「貴方も…本当に馬鹿なのね?ブルーナ王女は、このイーレン王国の第二王女なのだから、もう日本には戻らないわ。ブルーナ王女は、こちらの世界で…これからはきっと、幸せになれるでしょうね。」
ふふっ─と、ミヤ様が私と、私の後ろに控えているセオ君に視線を向けて微笑む。その横で、ハルさんもニコニコしているのが……何とも恥ずかしいけど嬉しい。
「ブルーナが……これから幸せになる?それは…それだけは有り得ない。ブルーナは王族でありながら無能で、15年も行方をくらませていたのよ?ブルーナこそ……罪を償うべき者でしょう!」
お姉様がそう叫ぶのと同時に、私に向かって攻撃魔法を放った。
ヤバい!!─とギュッと目を瞑って衝撃に備える──
「───???」
でも、いつまで経っても、その攻撃魔法の衝撃は無く、勿論痛みも全く無い。
「大丈夫。あのお馬鹿レベルの魔法なら、ブルーナ様に掠り傷一つ付く事はないから。」
どうなっているのか?と、ゆるゆると目を開けると、リュウさんが私にコッソリと耳打ちして来た。そう言えば、ハルさんも同じ事を言っていたなぁ─と思い、服の上からネックレスに触れると、何となく、そのネックレスが温かくなっている様な気がした。
「何で!私の魔法が効かないの!?─っ!?」
更に私に魔法を仕掛けようとしたのか、両手を前に出したお姉様は、そのまま動きを止めた。
「お前……本当にいい加減にしろよ?ここは、王太子宮で、しかも、このメンバーの前で攻撃魔法を使って……赦されるとでも思っているのか?」
少し前まで、ミヤ様とのやり取りを愉しそうに見ていたリュウさんが、一瞬にしてピリピリとした空気を纏ってお姉様を見据えている。
「先に言っておく。ウォーランド王国の王太子とその側近に媚薬を盛ったのが、お前─ニコル王女の指示だった事が分かった。その媚薬を作らせたのがニコル王女だと言う事もな。幸い、ウォーランドには優秀過ぎる薬師のお陰で解毒ポーションがあったから、何も無く済んだが………お咎め無しとはいかないから。」
それでもお姉様は、そのまま動きを止めたままだ。
「残念ながら、ニコル王女は馬鹿でも王族は王族だからな…。魔力を8割抑える枷を嵌めて、残りの魔力で国中を巡り“魔力の溜まり”を回収する事。それ以外の時は、魔塔でポーション作りか、市民への奉仕活動。それに、生涯監視付きだ。」
リュウさんが言い終えると、お姉様がその場にドサッと座り込んだ。リュウさんが、お姉様の動きを止めていたのかもしれない。
「私が……枷を着けられて……平民を助ける?」
「もともと、王族とは、弱者を守るべき存在だろう。」
「………有り得ない………シルヴィ!来なさい!」
お姉様は下を向いて何かを呟いた後、バッと顔を上げると大声で叫んだ。
❋エールを頂き、ありがとうございます❋
*.*⸜(*ˊᗜˋ*)⸝*.*
「なん……で………私は…聖女なのよね?勝手に召喚なんてしておいて……聖女にはなれないとか…挙句……魔力無しの女にも劣るとか………ラノベ定番なら、聖女はヒューゴと結婚でしょう!?」
お兄様の断言に、お姉様ではなく、清水さんが大声で叫んだ。清水さんの言いたい事が、分からない訳じゃない。勝手に召喚されて聖女にされた被害者なのだから。でも、だからと言って、お兄様が婚約者を捨てて清水さんと結婚しなければならない理由にはならない。そんな事が現実に行われたら……きっと、この国は本当に終わってしまう。
「ラノベ定番か……この世界は、ラノベ定番が…全く通じない世界なんだよなぁ……可哀想に……」
リュウさんが遠い目をして呟いたかと思うと、最後には“可哀想に”と言いながら笑っている。
「そこは大丈夫よ。貴方は日本に還れるから。」
「え?日本…還れる?」
「そうよ。選ばせてあげるわ。これから隣国の魔法使いの元で必死に訓練をして聖女になるか、このまま日本に還るか──。聖女も嫌、日本に還るのも嫌と言うなら……2年程は私が面倒を見てあげるから、その間にこの世界の事を学び、自立してこの世界で自分で働きながら生きていく事。勿論、補償として、イーレンからいくらかのお金を受けられるようにはしてもらえるわ。」
「えー…俺が、あの子の面倒を見るのか?ホントに……年寄りになってもこの扱いか……清々しいな!」
どうやら、ミヤ様が告げたその条件はリュウさんも知らなかったようで、げんなりした顔をしている。
日本に還すのは、ハルさんだろう。
そのハルさんは、未だミヤ様の横で空気と化したままだけど。
「平民として…生きていくと言う事?」
「そうよ。貴方が日本に還る事を選ばず、聖女の訓練も受けないと言うのなら、平民として生きていくしかないわ。その平民が嫌なら、日本に還りなさい。」
「勝手に……召喚しておいて……随分と酷い話よね!」
「だから、言ってるでしょう?日本に還れると。異世界で思い通りに行かずに文句を言うのなら還りなさい。それで、キレイサッパリ元通りよ。元通りになれば、文句はないでしょう?今すぐ、ここで、日本に還してあげるわ。」
「それは……吉岡さん…“ブルーナ”でしたっけ?アイツも、一緒に日本に還るって事?」
「貴方も…本当に馬鹿なのね?ブルーナ王女は、このイーレン王国の第二王女なのだから、もう日本には戻らないわ。ブルーナ王女は、こちらの世界で…これからはきっと、幸せになれるでしょうね。」
ふふっ─と、ミヤ様が私と、私の後ろに控えているセオ君に視線を向けて微笑む。その横で、ハルさんもニコニコしているのが……何とも恥ずかしいけど嬉しい。
「ブルーナが……これから幸せになる?それは…それだけは有り得ない。ブルーナは王族でありながら無能で、15年も行方をくらませていたのよ?ブルーナこそ……罪を償うべき者でしょう!」
お姉様がそう叫ぶのと同時に、私に向かって攻撃魔法を放った。
ヤバい!!─とギュッと目を瞑って衝撃に備える──
「───???」
でも、いつまで経っても、その攻撃魔法の衝撃は無く、勿論痛みも全く無い。
「大丈夫。あのお馬鹿レベルの魔法なら、ブルーナ様に掠り傷一つ付く事はないから。」
どうなっているのか?と、ゆるゆると目を開けると、リュウさんが私にコッソリと耳打ちして来た。そう言えば、ハルさんも同じ事を言っていたなぁ─と思い、服の上からネックレスに触れると、何となく、そのネックレスが温かくなっている様な気がした。
「何で!私の魔法が効かないの!?─っ!?」
更に私に魔法を仕掛けようとしたのか、両手を前に出したお姉様は、そのまま動きを止めた。
「お前……本当にいい加減にしろよ?ここは、王太子宮で、しかも、このメンバーの前で攻撃魔法を使って……赦されるとでも思っているのか?」
少し前まで、ミヤ様とのやり取りを愉しそうに見ていたリュウさんが、一瞬にしてピリピリとした空気を纏ってお姉様を見据えている。
「先に言っておく。ウォーランド王国の王太子とその側近に媚薬を盛ったのが、お前─ニコル王女の指示だった事が分かった。その媚薬を作らせたのがニコル王女だと言う事もな。幸い、ウォーランドには優秀過ぎる薬師のお陰で解毒ポーションがあったから、何も無く済んだが………お咎め無しとはいかないから。」
それでもお姉様は、そのまま動きを止めたままだ。
「残念ながら、ニコル王女は馬鹿でも王族は王族だからな…。魔力を8割抑える枷を嵌めて、残りの魔力で国中を巡り“魔力の溜まり”を回収する事。それ以外の時は、魔塔でポーション作りか、市民への奉仕活動。それに、生涯監視付きだ。」
リュウさんが言い終えると、お姉様がその場にドサッと座り込んだ。リュウさんが、お姉様の動きを止めていたのかもしれない。
「私が……枷を着けられて……平民を助ける?」
「もともと、王族とは、弱者を守るべき存在だろう。」
「………有り得ない………シルヴィ!来なさい!」
お姉様は下を向いて何かを呟いた後、バッと顔を上げると大声で叫んだ。
❋エールを頂き、ありがとうございます❋
*.*⸜(*ˊᗜˋ*)⸝*.*
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