36 / 51
36 閑話ーシルヴィー
しおりを挟む
15年と言う月日は、魔獣にとってはほんの一握りの時間で、大した事はない─と思っていた。
『ダルい…………』
15年ぶりに還って来たイーレン。これで、ようやく本当の意味で翠─ブルーナを護ってやれると思っていた。それが───
体内の魔力の流れが悪い上、体に上手く馴染みきれず、本来の力の半分も取り戻せない状態が続いている。おまけに、ここイーレンは、もともとの魔素も少ない為、その魔素を取り込んでもあまり変化を感じる事ができなかった。その為、できるだけ早く魔力を回復させる為に、魔力や体力をあまり使う事のないように、寝て過ごすようにしている。
ここには、日本とは違ってブルーナを虐げる者達が居る。特に、ニコルが一番の問題だ。大した魔法使いではないが、今の俺の力では、そのニコルからもブルーナを護れないだろう。だから、1日でも早く、ニコルがブルーナに手を出す前に、魔力を回復させなければ─と。
******
その日の朝、全身がゾワゾワとした感覚に襲われて目が覚めた。
『?』
恐怖を感じるような、安心するような…何とも言い難い感覚だ。それでも、危険を感じるようなものではなかった為、ベッドには居なかったブルーナを、そのままその部屋の中で、帰って来るのを待つ事にした。
そして、油断した結果──
「あら、ハティと言っても大した事ないのね?」
『グゥ─────ッ』
ブルーナがセオと一緒に部屋から出て行った後、部屋に残って寝ていた俺は、ニコルに“従の枷”を嵌められてしまった。
ーこんな……低レベルの魔法使いにやられるとは…ー
「やっぱり、私って凄い魔法使いなのね!ふふっ。ハティを従えさせる事ができるんですもの…きっと、これでお兄様も、私とセオドア様の婚姻を認めてくれるわ!でも…その前に………」
ニコルが、ニヤリと口を歪ませて笑う。
「飼い犬に手を噛まれたりしたら……あの子はどんな顔をするかしら?ふふっ。楽しみだわ!」
ー俺が……ブルーナを?ー
俺がブルーナに噛み付くなど…有り得ない。とことん……抗ってやる………。
******
「───シルヴィ、そこのお子様と……ブルーナをサクッとやりなさい。」
『───っ!!』
部屋で何とか枷が外せないかもがいていると、ニコルに名を呼ばれてニコルの元へと転移してやって来れば、ブルーナと誰かをヤれ─と命令された。だが、それは何とか踏みとどまった。何故踏みとどまれたのか。それは、この部屋に、とんでもない何かがあったからだ。その何かのお陰で、ある意味体が動き難くなっていたのだ。
『あなたは、自分の意思でニコル王女に従っているの?それとも…その枷のせい?』と、どこからともなく聞こえてくる声に、俺は直ぐさま返答した。
俺はブルーナをずっと護って来た。
15年、共に異世界に行っていたから、魔力が馴染まず、ニコル程度の魔法使いに枷を嵌められ操られているだけだと。
ブルーナには、手を出したくないと。
『─分かった』
その声の主が誰だかは分からない。ただ、その声はとても安心できるものだった。
「何をしているの?シルヴィ!私─ニコルの言う事に、今すぐ従いなさい!」
『─っ!!』
その言葉に、今度は素早く反応してしまい、後ろ足を勢いよく蹴り出し目の前に居る者達へと飛び掛かってしまった。
ーくっそ───!ー
「──ネージュ!」
それと同時に誰かが何かを叫ぶと、俺の目の前に淡い水色と白色の光が溢れ出し、そこから1匹の魔獣が現れた。
それは、俺よりも一回りくらい大きい魔獣─フェンリルだった。
ーヤバい。このフェンリルは……ヤバい!ー
チョコン─と、そこに座っているだけなのに、その体から発せられている殺気が半端無い。それだけで俺の体は痛みに襲われている。あの朝感じだモノは、このフェンリルだったかもしれない。
「シルヴィ!何をしているの!?早く、その犬を始末して、あの子をやってしまいなさい!」
『──誰が誰に……何をするのだ?』
ニコルの言葉に反応したのは、目の前のフェンリルだ。
『ハティと……名ばかりの魔法使い如きが……我と、我が主に手を出すのか?身の程知らずが────』
ブワッ──と、その犬から一気に魔力が溢れたかと思うと、そのフェンリルはどんどん大きくなり、2m以上の大きさになった。
ー駄目だ─あまりにも…格が違い過ぎるー
『あぁ、だが、感謝もしてやろう。我がまた、この地に戻って来るとは思わなかったが……色々とケリをつけるのには、良かったかもしれぬ故な。』
ニタリ─と嗤うフェンリル。
「ネージュ、落ち着いて?そのシルヴィと言う子は、ニコル王女に“従の枷”を嵌められているだけで、その子は本来、ブルーナ王女を護っている魔獣だから、その子は傷付けたりしては駄目よ?」
『“ブルーナ王女”?では、コレが、小さき騎士の彼女の魔獣か?』
「そう。だから、この子は、今必死にニコル王女からの従に抗ってるの。」
そこでようやく、誰か分からなかった声の主の存在が目に入った。
それは、とても小さな可愛らしい女の子─いや、女性だった────が………
ーヤバい……このフェンリルどころじゃない。一番ヤバいのは…彼女だ!ー
朝に感じだ恐怖感のようなモノは、彼女の存在からだ。意識を保つだけでも、正直、今の俺には辛いものがあった。そこを何とか必死で耐えていると、フェンリルがあっと言う間に俺に嵌められていた“従の枷”を解除し、俺はそのまま意識を失った。
******
「うーん…やっぱり、まだ魔力が馴染んでない感じだね。大丈夫?」
『少し体がダルい感じです。なかなか魔力が馴染まくて……』
「うん。15年だからね……」
『体力や魔力を使わないようにして寝る事にして、少しでも早く馴染ませようとはしていますが、なかなか思う様には回復していないんです。』
「うんうん。それだともっと時間が掛かると思うよ?もともと、イーレンには魔素が少ないみたいだし…。」
『──ですよね……一番良いのは、誰かに俺の体内に魔力を流してもらって、本来の魔力の流れを元に戻す事なんですけど……』
「うん。だね。」
『ただ、本来の俺のレベルに合うような魔獣や人間が、イーレンには居ないので………』
「うん。シルヴィが良いなら、してあげるよ?」
『──え?』
「してみる?」
いとも簡単にサラッと言うのは、見た目小動物のハル様だ。
リュウと言う魔法使いも、ニコルがゴミと思える程の魔力持ちだが、ハル様はまた更に別格だ。しかし、それとはまた真反対で、その魔力自体はとても温かで優しいものだ。ただ、本能が恐怖を感じてしまい、自然と背筋が伸びて、言葉も丁寧になってしまっている。
そんな俺の様子を、これまた別格なフェンリルが、何とも愉快そうに見ている。
“借りてきた猫”─状態である。
そんなハル様の魔力を引き継いでいるのが
セオドア=カルザイン
確かに、セオの魔力も心地良い。
『…………』
ーセオとなら、名を交わせるだろうか?ー
セオと名を交わせれば、ブルーナをずっと護って行く事もできる。“一石二鳥”とか言うやつだ。俺の魔力が回復したら、ハル様に相談してみよう。
『ダルい…………』
15年ぶりに還って来たイーレン。これで、ようやく本当の意味で翠─ブルーナを護ってやれると思っていた。それが───
体内の魔力の流れが悪い上、体に上手く馴染みきれず、本来の力の半分も取り戻せない状態が続いている。おまけに、ここイーレンは、もともとの魔素も少ない為、その魔素を取り込んでもあまり変化を感じる事ができなかった。その為、できるだけ早く魔力を回復させる為に、魔力や体力をあまり使う事のないように、寝て過ごすようにしている。
ここには、日本とは違ってブルーナを虐げる者達が居る。特に、ニコルが一番の問題だ。大した魔法使いではないが、今の俺の力では、そのニコルからもブルーナを護れないだろう。だから、1日でも早く、ニコルがブルーナに手を出す前に、魔力を回復させなければ─と。
******
その日の朝、全身がゾワゾワとした感覚に襲われて目が覚めた。
『?』
恐怖を感じるような、安心するような…何とも言い難い感覚だ。それでも、危険を感じるようなものではなかった為、ベッドには居なかったブルーナを、そのままその部屋の中で、帰って来るのを待つ事にした。
そして、油断した結果──
「あら、ハティと言っても大した事ないのね?」
『グゥ─────ッ』
ブルーナがセオと一緒に部屋から出て行った後、部屋に残って寝ていた俺は、ニコルに“従の枷”を嵌められてしまった。
ーこんな……低レベルの魔法使いにやられるとは…ー
「やっぱり、私って凄い魔法使いなのね!ふふっ。ハティを従えさせる事ができるんですもの…きっと、これでお兄様も、私とセオドア様の婚姻を認めてくれるわ!でも…その前に………」
ニコルが、ニヤリと口を歪ませて笑う。
「飼い犬に手を噛まれたりしたら……あの子はどんな顔をするかしら?ふふっ。楽しみだわ!」
ー俺が……ブルーナを?ー
俺がブルーナに噛み付くなど…有り得ない。とことん……抗ってやる………。
******
「───シルヴィ、そこのお子様と……ブルーナをサクッとやりなさい。」
『───っ!!』
部屋で何とか枷が外せないかもがいていると、ニコルに名を呼ばれてニコルの元へと転移してやって来れば、ブルーナと誰かをヤれ─と命令された。だが、それは何とか踏みとどまった。何故踏みとどまれたのか。それは、この部屋に、とんでもない何かがあったからだ。その何かのお陰で、ある意味体が動き難くなっていたのだ。
『あなたは、自分の意思でニコル王女に従っているの?それとも…その枷のせい?』と、どこからともなく聞こえてくる声に、俺は直ぐさま返答した。
俺はブルーナをずっと護って来た。
15年、共に異世界に行っていたから、魔力が馴染まず、ニコル程度の魔法使いに枷を嵌められ操られているだけだと。
ブルーナには、手を出したくないと。
『─分かった』
その声の主が誰だかは分からない。ただ、その声はとても安心できるものだった。
「何をしているの?シルヴィ!私─ニコルの言う事に、今すぐ従いなさい!」
『─っ!!』
その言葉に、今度は素早く反応してしまい、後ろ足を勢いよく蹴り出し目の前に居る者達へと飛び掛かってしまった。
ーくっそ───!ー
「──ネージュ!」
それと同時に誰かが何かを叫ぶと、俺の目の前に淡い水色と白色の光が溢れ出し、そこから1匹の魔獣が現れた。
それは、俺よりも一回りくらい大きい魔獣─フェンリルだった。
ーヤバい。このフェンリルは……ヤバい!ー
チョコン─と、そこに座っているだけなのに、その体から発せられている殺気が半端無い。それだけで俺の体は痛みに襲われている。あの朝感じだモノは、このフェンリルだったかもしれない。
「シルヴィ!何をしているの!?早く、その犬を始末して、あの子をやってしまいなさい!」
『──誰が誰に……何をするのだ?』
ニコルの言葉に反応したのは、目の前のフェンリルだ。
『ハティと……名ばかりの魔法使い如きが……我と、我が主に手を出すのか?身の程知らずが────』
ブワッ──と、その犬から一気に魔力が溢れたかと思うと、そのフェンリルはどんどん大きくなり、2m以上の大きさになった。
ー駄目だ─あまりにも…格が違い過ぎるー
『あぁ、だが、感謝もしてやろう。我がまた、この地に戻って来るとは思わなかったが……色々とケリをつけるのには、良かったかもしれぬ故な。』
ニタリ─と嗤うフェンリル。
「ネージュ、落ち着いて?そのシルヴィと言う子は、ニコル王女に“従の枷”を嵌められているだけで、その子は本来、ブルーナ王女を護っている魔獣だから、その子は傷付けたりしては駄目よ?」
『“ブルーナ王女”?では、コレが、小さき騎士の彼女の魔獣か?』
「そう。だから、この子は、今必死にニコル王女からの従に抗ってるの。」
そこでようやく、誰か分からなかった声の主の存在が目に入った。
それは、とても小さな可愛らしい女の子─いや、女性だった────が………
ーヤバい……このフェンリルどころじゃない。一番ヤバいのは…彼女だ!ー
朝に感じだ恐怖感のようなモノは、彼女の存在からだ。意識を保つだけでも、正直、今の俺には辛いものがあった。そこを何とか必死で耐えていると、フェンリルがあっと言う間に俺に嵌められていた“従の枷”を解除し、俺はそのまま意識を失った。
******
「うーん…やっぱり、まだ魔力が馴染んでない感じだね。大丈夫?」
『少し体がダルい感じです。なかなか魔力が馴染まくて……』
「うん。15年だからね……」
『体力や魔力を使わないようにして寝る事にして、少しでも早く馴染ませようとはしていますが、なかなか思う様には回復していないんです。』
「うんうん。それだともっと時間が掛かると思うよ?もともと、イーレンには魔素が少ないみたいだし…。」
『──ですよね……一番良いのは、誰かに俺の体内に魔力を流してもらって、本来の魔力の流れを元に戻す事なんですけど……』
「うん。だね。」
『ただ、本来の俺のレベルに合うような魔獣や人間が、イーレンには居ないので………』
「うん。シルヴィが良いなら、してあげるよ?」
『──え?』
「してみる?」
いとも簡単にサラッと言うのは、見た目小動物のハル様だ。
リュウと言う魔法使いも、ニコルがゴミと思える程の魔力持ちだが、ハル様はまた更に別格だ。しかし、それとはまた真反対で、その魔力自体はとても温かで優しいものだ。ただ、本能が恐怖を感じてしまい、自然と背筋が伸びて、言葉も丁寧になってしまっている。
そんな俺の様子を、これまた別格なフェンリルが、何とも愉快そうに見ている。
“借りてきた猫”─状態である。
そんなハル様の魔力を引き継いでいるのが
セオドア=カルザイン
確かに、セオの魔力も心地良い。
『…………』
ーセオとなら、名を交わせるだろうか?ー
セオと名を交わせれば、ブルーナをずっと護って行く事もできる。“一石二鳥”とか言うやつだ。俺の魔力が回復したら、ハル様に相談してみよう。
122
あなたにおすすめの小説
ブスすぎて嫁の貰い手がないから閨勤侍女になれと言われたので縁を切ります、完全に!完全縁切りの先にあったのは孤独ではなくて…
ハートリオ
恋愛
ルフスは結婚が決まった従姉の閨勤侍女になるよう父親に命令されたのをきっかけに父に無視され冷遇されて来た日々を終わらせようとブラコン父と完全に縁を切る決意する。
一方、従姉の結婚相手はアルゲンテウス辺境伯とのことだが、実は手違いがあって辺境伯が結婚したいのはルフス。
そんなこんなの異世界ファンタジーラブです。
読んでいただけると嬉しいです。
聖女の力を妹に奪われ魔獣の森に捨てられたけど、何故か懐いてきた白狼(実は呪われた皇帝陛下)のブラッシング係に任命されました
AK
恋愛
「--リリアナ、貴様との婚約は破棄する! そして妹の功績を盗んだ罪で、この国からの追放を命じる!」
公爵令嬢リリアナは、腹違いの妹・ミナの嘘によって「偽聖女」の汚名を着せられ、婚約者の第二王子からも、実の父からも絶縁されてしまう。 身一つで放り出されたのは、凶暴な魔獣が跋扈する北の禁足地『帰らずの魔の森』。
死を覚悟したリリアナが出会ったのは、伝説の魔獣フェンリル——ではなく、呪いによって巨大な白狼の姿になった隣国の皇帝・アジュラ四世だった!
人間には効果が薄いが、動物に対しては絶大な癒やし効果を発揮するリリアナの「聖女の力」。 彼女が何気なく白狼をブラッシングすると、苦しんでいた皇帝の呪いが解け始め……?
「余の呪いを解くどころか、極上の手触りで撫でてくるとは……。貴様、責任を取って余の専属ブラッシング係になれ」
こうしてリリアナは、冷徹と恐れられる氷の皇帝(中身はツンデレもふもふ)に拾われ、帝国で溺愛されることに。 豪華な離宮で美味しい食事に、最高のもふもふタイム。虐げられていた日々が嘘のような幸せスローライフが始まる。
一方、本物の聖女を追放してしまった祖国では、妹のミナが聖女の力を発揮できず、大地が枯れ、疫病が蔓延し始めていた。 元婚約者や父が慌ててミレイユを連れ戻そうとするが、時すでに遅し。 「私の主人は、この可愛い狼様(皇帝陛下)だけですので」 これは、すべてを奪われた令嬢が、最強のパートナーを得て幸せになり、自分を捨てた者たちを見返す逆転の物語。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
母を亡くした公爵令嬢は、虐げられないが、今日も願いが叶わない
春風由実
恋愛
「何故お前が生きた?」
それは怪我をして長く眠っていたエルリカが、目覚めた直後に父親である公爵から掛けられた言葉だった。
「お前こそが、女神の元に行くべきだった!」
父親から強い口調で詰られたエルリカ。
普通の令嬢は、ここで泣くか、その後立ち直れなくなるという。
けれどエルリカは違った。
「あなたこそ、何をのうのうと元気にしているのですか?」
そうしてこの日父娘は、それぞれに絶縁を宣言した。
以来、母方の祖父母に引き取られ、侯爵領で過ごしてきたエルリカ。
ところが公爵は、いつまでもエルリカを除籍する手続きを実行しなかった。
おかげで名ばかりの公爵令嬢のまま、エルリカが王都へと戻る日がやって来てしまう──。
〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】毒を飲めと言われたので飲みました。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。
国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。
悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。
そんな世界なら滅んでしまえ
キマイラ
恋愛
魔王を倒す勇者パーティーの聖女に選ばれた私は前世の記憶を取り戻した。貞操観念の厳しいこの世界でパーティーの全員と交合せよだなんてありえないことを言われてしまったが絶対お断りである。私が役目をほうきしたくらいで滅ぶ世界なら滅んでしまえばよいのでは?
そんなわけで私は魔王に庇護を求めるべく魔界へと旅立った。
元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜
日々埋没。
ファンタジー
「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」
かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。
その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。
レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。
地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。
「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」
新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。
一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。
やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。
レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる