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47 それぞれの処遇
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「ハル、おかえり。」
「お父さん!?」
転移先で出迎えてくれたのは、ゼンさんだった。
「まだイーレンでする事があるからって……」
「うん。イーレンでする事があるのは本当だから、また明日にはイーレンに行くが、今日は、久し振りにパルヴァンでハルを出迎えようと思ってな。」
「ありがとう!えっと……ただいま!」
ハルさんは嬉しそうにゼンさんにギュッと抱きついて、ゼンさんも嬉しそうにハルさんの背中をポンポンと叩いている。そんな2人を、冷たい微笑みで見ているのはエディオルさん。
ーエディオルさんって、本当にブレないよねー
まだ2人に会ってから数日しか経ってないけど、いかにエディオルさんがハルさんを好きなのかがよく分かる。ハルさんもエディオルさんが好きなんだろうけど……セオ君の言う通り、エディオルさんのハルさんへの愛は……重過ぎるよね………。溺愛って、見てるのは楽しいけど、自分が───となると……うん。セオ君なら…その辺は分かっているから、大丈夫…だよね?
******
私が転移してやって来たのは、ウォーランド王国の辺境地であるパルヴァンと言う所だった。
ハルさんの第二の故郷だそうで、先代のパルヴァン辺境伯とゼンさんが主従関係にあり、今は、現パルヴァン辺境伯と、ゼンさんの息子─ハルさんの兄が主従関係にあるそうだ。
私は、この世界ではマトモな教育を受けていない上、15年間日本で過ごして、この世界に還って来て間もない為、この世界の事を学ぶ為に、暫くの間パルヴァンで過ごす事になった。
ちなみに、エディオルさんが貰って来た1週間のお休みは、セオ君にも適用されたようだ。
「私から陛下と第一騎士団長に言っておくわ」と言って、ミヤ様は転移魔法陣で、ウォーランド王国の王都にある王城へと帰って行った。
「色々あって、疲れたでしょう?今日は、ゆっくりして、また、明日にでもこれから必要な物の買い物とかお話をしようね。」
とハルさんが言った後、「ハルも疲れただろう?」と、エディオルさんがハルさんをお姫様抱っこして……何処かへ行ってしまった。
「それ、余計に疲れるパターンでは?」とは訊けなかった。仲が良いとは、良いことだ──と思う事にします。
そんな訳で、私は今、パルヴァン邸の庭のガゼボで、セオ君と2人でお茶をしている。そこで、今朝、セオ君達が、お兄様から聞いた話を更に教えてくれた。
ニコルの脱走を手助けした貴族は、魔力封じの枷を着けた上、爵位を取り上げ一族諸共平民へ下らせるそうだ。軽い処罰では?と思われがちだが、平民の中には、魔力持ちの貴族を嫌う過激派の住まう土地がある。その貴族はその土地に住まいを充てられたらしい。きっと……過酷な生活が待っているだろう。
他の魔力持ち主義者だった貴族達へも、何らかの処罰が与えられるらしい。
魔道士達は、ニコルへの盲目的な崇拝心?が綺麗にされたせいか、以前のような驕った考えも行動を取る事が無くなり、そのイーレンの魔道士レベルを上げる為に、リュウさんが暫くの間、魔道士達に訓練をつけるそうだ。
「一番大変なのは……イーレンの騎士団だな」
イーレンの騎士団も、お父様が即位して以降軍事に充てられていた国費が減らされ、まともに機能していなかったようで、訓練らしい訓練もされておらず、このままでは魔獣にも対応できない─と言う事で、ゼンさんが暫くの間、騎士団に訓練をつける事になったそうで……。
“イーレンでする事がある”とは、訓練の事だったようだ。何でも、リュウさんの居る隣国の騎士団もゼンさんが鍛え直したそうで、今では隣国の騎士達にとってゼンさんは、憧れの武人であり……恐怖の対象でもあるらしい。
ー何となく、分かる気がするー
兎に角、イーレンは、魔道士も騎士も他国に比べるとかなりレベルが低いようだから、リュウさんとゼンさんの訓練で、少しでも良くなれば良いな─と思う。
*イーレン王国にて*
「本当に、そんな温い処罰で良いのか?王太子で次期国王のアンタを狙ったのに。」
私─イーレン王国王太子ヒューゴの命を狙っていたのは、我が国の創立からあった侯爵家だった。領地が比較的魔素の多い土地だからか、国内では魔力の強い魔力持ちの多い一族だった。その為か、魔力持ち主義の思考が一際目立つ貴族でもあった。しかも、ニコル付きの侍女フライヤ=ヨルンの父、ヨルン子爵は、その侯爵の弟でもあった。何とも忌々しい一族だ。
「温くはありませんよ。あの者に与えた住まいがある領地は、私の父が、自分に反抗した者達を集めて監視していた領なんですよ。」
反抗した者達──
魔力持ちの貴族から奴隷のように扱われて反抗した平民。穢れを浄化して欲しいと国に嘆願書を提出した平民。その穢れが浄化されず魔獣が現れ、その魔獣に家族を殺された平民。魔力持ちで容姿が綺麗だからと、娘を無理矢理連れ去られた平民。
平民だから……魔力持ちではないから……と、その侯爵を筆頭に父と共にそれらの願いや訴えを一顧だにせず、更にその者達を反逆者として辺境地へと追いやり、過酷な重労働を課していたのだ。
そんな辺境地に、魔力封じの枷を着けた上で、元侯爵の一族をまるまる放り込んだのだ。温い処罰ではないだろう。
『あの一族と国王との交換で、王族への怨みは終りにしてもらえないだろうか?勿論、ここでのこれからの生活も、私が国王になれば、私直々に改善して行くと約束する。』
その条件で、彼等は直ぐに受け入れたのだ。
ある意味、魔力持ちの貴族達への見せしめにもなるだろう。
これで、もうブルーナに害を及ぼす者も居ないだろう。
「なるほど……それはそれは……良い捌け口を提供できたな……」
ーやっぱり、こいつもかなりの腹黒だったなー
と、リュウは心の中で呟いた。
❋エールを頂き、ありがとうございます❋
(◍˃ ᵕ ˂◍)੭
「お父さん!?」
転移先で出迎えてくれたのは、ゼンさんだった。
「まだイーレンでする事があるからって……」
「うん。イーレンでする事があるのは本当だから、また明日にはイーレンに行くが、今日は、久し振りにパルヴァンでハルを出迎えようと思ってな。」
「ありがとう!えっと……ただいま!」
ハルさんは嬉しそうにゼンさんにギュッと抱きついて、ゼンさんも嬉しそうにハルさんの背中をポンポンと叩いている。そんな2人を、冷たい微笑みで見ているのはエディオルさん。
ーエディオルさんって、本当にブレないよねー
まだ2人に会ってから数日しか経ってないけど、いかにエディオルさんがハルさんを好きなのかがよく分かる。ハルさんもエディオルさんが好きなんだろうけど……セオ君の言う通り、エディオルさんのハルさんへの愛は……重過ぎるよね………。溺愛って、見てるのは楽しいけど、自分が───となると……うん。セオ君なら…その辺は分かっているから、大丈夫…だよね?
******
私が転移してやって来たのは、ウォーランド王国の辺境地であるパルヴァンと言う所だった。
ハルさんの第二の故郷だそうで、先代のパルヴァン辺境伯とゼンさんが主従関係にあり、今は、現パルヴァン辺境伯と、ゼンさんの息子─ハルさんの兄が主従関係にあるそうだ。
私は、この世界ではマトモな教育を受けていない上、15年間日本で過ごして、この世界に還って来て間もない為、この世界の事を学ぶ為に、暫くの間パルヴァンで過ごす事になった。
ちなみに、エディオルさんが貰って来た1週間のお休みは、セオ君にも適用されたようだ。
「私から陛下と第一騎士団長に言っておくわ」と言って、ミヤ様は転移魔法陣で、ウォーランド王国の王都にある王城へと帰って行った。
「色々あって、疲れたでしょう?今日は、ゆっくりして、また、明日にでもこれから必要な物の買い物とかお話をしようね。」
とハルさんが言った後、「ハルも疲れただろう?」と、エディオルさんがハルさんをお姫様抱っこして……何処かへ行ってしまった。
「それ、余計に疲れるパターンでは?」とは訊けなかった。仲が良いとは、良いことだ──と思う事にします。
そんな訳で、私は今、パルヴァン邸の庭のガゼボで、セオ君と2人でお茶をしている。そこで、今朝、セオ君達が、お兄様から聞いた話を更に教えてくれた。
ニコルの脱走を手助けした貴族は、魔力封じの枷を着けた上、爵位を取り上げ一族諸共平民へ下らせるそうだ。軽い処罰では?と思われがちだが、平民の中には、魔力持ちの貴族を嫌う過激派の住まう土地がある。その貴族はその土地に住まいを充てられたらしい。きっと……過酷な生活が待っているだろう。
他の魔力持ち主義者だった貴族達へも、何らかの処罰が与えられるらしい。
魔道士達は、ニコルへの盲目的な崇拝心?が綺麗にされたせいか、以前のような驕った考えも行動を取る事が無くなり、そのイーレンの魔道士レベルを上げる為に、リュウさんが暫くの間、魔道士達に訓練をつけるそうだ。
「一番大変なのは……イーレンの騎士団だな」
イーレンの騎士団も、お父様が即位して以降軍事に充てられていた国費が減らされ、まともに機能していなかったようで、訓練らしい訓練もされておらず、このままでは魔獣にも対応できない─と言う事で、ゼンさんが暫くの間、騎士団に訓練をつける事になったそうで……。
“イーレンでする事がある”とは、訓練の事だったようだ。何でも、リュウさんの居る隣国の騎士団もゼンさんが鍛え直したそうで、今では隣国の騎士達にとってゼンさんは、憧れの武人であり……恐怖の対象でもあるらしい。
ー何となく、分かる気がするー
兎に角、イーレンは、魔道士も騎士も他国に比べるとかなりレベルが低いようだから、リュウさんとゼンさんの訓練で、少しでも良くなれば良いな─と思う。
*イーレン王国にて*
「本当に、そんな温い処罰で良いのか?王太子で次期国王のアンタを狙ったのに。」
私─イーレン王国王太子ヒューゴの命を狙っていたのは、我が国の創立からあった侯爵家だった。領地が比較的魔素の多い土地だからか、国内では魔力の強い魔力持ちの多い一族だった。その為か、魔力持ち主義の思考が一際目立つ貴族でもあった。しかも、ニコル付きの侍女フライヤ=ヨルンの父、ヨルン子爵は、その侯爵の弟でもあった。何とも忌々しい一族だ。
「温くはありませんよ。あの者に与えた住まいがある領地は、私の父が、自分に反抗した者達を集めて監視していた領なんですよ。」
反抗した者達──
魔力持ちの貴族から奴隷のように扱われて反抗した平民。穢れを浄化して欲しいと国に嘆願書を提出した平民。その穢れが浄化されず魔獣が現れ、その魔獣に家族を殺された平民。魔力持ちで容姿が綺麗だからと、娘を無理矢理連れ去られた平民。
平民だから……魔力持ちではないから……と、その侯爵を筆頭に父と共にそれらの願いや訴えを一顧だにせず、更にその者達を反逆者として辺境地へと追いやり、過酷な重労働を課していたのだ。
そんな辺境地に、魔力封じの枷を着けた上で、元侯爵の一族をまるまる放り込んだのだ。温い処罰ではないだろう。
『あの一族と国王との交換で、王族への怨みは終りにしてもらえないだろうか?勿論、ここでのこれからの生活も、私が国王になれば、私直々に改善して行くと約束する。』
その条件で、彼等は直ぐに受け入れたのだ。
ある意味、魔力持ちの貴族達への見せしめにもなるだろう。
これで、もうブルーナに害を及ぼす者も居ないだろう。
「なるほど……それはそれは……良い捌け口を提供できたな……」
ーやっぱり、こいつもかなりの腹黒だったなー
と、リュウは心の中で呟いた。
❋エールを頂き、ありがとうございます❋
(◍˃ ᵕ ˂◍)੭
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