【三章完結しました】チートは無いけどAIがある!社畜OLの異世界立身出世録

星 見人

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第6話 【都市営業前にゴブリン部隊を仲間にせよ!異世界リクルート作戦】

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 「ねぇ?リリィ、都市への営業ツアーに行く前に、どうしても人手が欲しいんだけど」

『はい。ミサト。現状、村の労働力は飽和状態です。新たな“リソース”を確保する必要がありますね』

「うんうん。つまり、求人活動ってわけねぇ~」

 だが、この異世界で人材募集をかけても、すぐに応募が来るわけがない。
 
 そんな時、村人からこんな情報が入った。
「最近、山にゴブリンの群れが出て、畑を荒らしてるらしいんだ」
「えっ?ゴブリン……?あのゴブリン??やっぱいるんだ…?」

 普通なら討伐対象だろう。
 だが、ミサトの頭にはすでに“別の選択肢”が浮かんでいた。
『はい。ミサト。交渉によるリクルート作戦。ミサトなら実行可能です』
「えっ?、マジ? よし、ブラック労働?に苦しむゴブリンたちを、“社畜式ホワイト環境”で引き抜くぞ!」

◇◇◇

 山の奥、、
 案内役のエルナと共に、ゴブリンの棲家を目指すミサト。
 途中、リリィのスキャンで群れの規模を確認。

『はい。ミサト。約10体のゴブリン。戦闘行動は非積極的。
 現状“生活のために盗みに出ている”だけのようです』
「つまり、こっちから手を出さなければ話ができるってことね…。て言うか、、言葉通じるかな??」

 やがて、開けた場所にゴブリンたちが現れた。

「うわぁっ!人間だぁ!どうする、ボス!?」
「おいおい、待て待て、争う気は無さそうだぞ……、、話を聞こうじゃないか」

 その中で一匹、妙に落ち着いた雰囲気のゴブリンが前に出た。
 彼こそ、後に“現場主任”と呼ばれる男、、
 ゴブリンのリーダー・ゴブ次郎である。

「俺はゴブ次郎。お嬢さん、人間がこんなとこに来て何の用だ?」
「私、桜井ミサト。村の“雇用担当”やってます。ゴブ次郎さん、あなた達、働き場所に困ってるんでしょ?」
「……まぁな。こっちは食うために畑を荒らしてるが、本当はこんなことしたくねぇさ。だが、生きるためには仕方ねぇ」

『はい。ミサト。今です。“労働環境改善”を提示してください』
「あの~?だったら、ウチで働きませんか?給料は麦と食事、休憩時間もシフト制、屋根のある宿舎も提供しますよ」

 ゴブリンたちがザワつく。

「ほ、ほんとか!?」
「もちろん。ただし、こっちの“ルール”は守ってもらうけど。サボり厳禁、安全第一、連絡、報告、相談の“三原則”は徹底してもらうよ」

「三原則……?」
「“報•連•相”ってやつね!」
「“悪?即?斬”??」
「“報!連!相”!!」

 ミサトの熱弁に、ゴブ次郎は腕を組んで考え込む。

「……オレたち、今までボロ雑巾みたいに生きていくのが当たり前だった。
 だが、お嬢さんの話、嘘はなさそうだな」

「私の元で、“ちゃんとした生き方、働き方”を覚えようよ」

 しばしの沈黙の後、、、

「わかった!お前さんとこで俺たちを働かせてくれ!」
 ゴブ次郎の一声に、ゴブリンたちが一斉にガッツポーズした。

◇◇◇

 村に戻ると、村人たちは最初ビビり倒した。

「うわっ!姉ちゃんがゴブリン連れて帰ってきたぞー!」
「ミサトさん、正気ですかー!?」

 だが、ミサトは自信満々だった。

「村のみんな落ち着いて。彼らは今日からウチの“新人さん”です。特に力仕事と警備はお任せ!
 村長、労働力問題、一気に解決しますよ!」

「お、おう……なんか…すごいことになってきたわい……」

『はい。ミサト。これで労働力不足は解決です。ミサトの“人材活用力”が異世界でも通用しました。人材不足ミッション完了ですね』

「ふふん、ブラックな職場で真面目に勤めてきた私に、人材マネジメントで勝てる奴はいないよ!」

 こうして、ミサト直属の“ゴブリン部隊”が結成された。

◇◇◇
 
 村長にお願いして村の空き家を“ゴブリン宿舎”として準備した翌日、、

 ミサトの“新人研修”が始まった。

「よーしゴブ次郎たち!今日は“人間社会で働くための基礎講座”やるよ!」

「おう!なんでも来いや!」
「まずは“手を洗う”!」
「んっ???」

 ゴブリンたちはキョトンとした顔で顔を見合わせる。

「パン作りとかご飯食べる前に、手を洗うの!汚いままだと、お腹壊すから!」
「あははっ!バカ言ってら!ゴブたちは腹壊したことねぇよ!」
「いや、壊してるのに気づいてないだけだよ!」

 村の井戸の前で、ゴブリンたちがゴシゴシ手を洗うが、、

「ボス~!手がなくなっちまう!皮が剥けるぅぅぅ!」
「洗剤はそんなに付けません!こらっ!そこ!泡まみれで格闘するな!」
 ミサトのツッコミが飛ぶ。

「次、トイレの使い方!村のトイレで用を足す!」
「トイレって、あの……人間が入ってる四角い小屋か?」
「そう!……って、なんで全員で一緒に入ろうとしてんの!?」
「だって、チームワークを大事にしろって言っただろ?」
「そこは個人プレーでお願いします!!」

トイレの前で押し合いへし合いするゴブリンたちを引き剥がすミサト。
 エルナが遠くから苦笑いしている。

「最後、ご飯は手づかみ禁止!箸を使う!!」

「えええええええ!!」
 ゴブリンたちが悲鳴を上げる。

「ゴブたちは生まれてこの方、手で食ってきたのにぃぃぃ!」
「だから箸の練習をする!いいね、“クロス持ち”禁止だよ!」

 最初は箸をボキボキに折るゴブリン続出だったが、ゴブ次郎が覚えると、他のゴブリンたちも“体育会系”ノリで一気に覚えていった。

「ボス、ミサトさぁぁぁん!こうか!?」

「そう!それそれ!!それで“持ち上げる”!……ゴブ次郎、めっちゃ箸使い上手いじゃん!でも…その指…曲がっちゃいけない方向じゃない??」

「うへへ……これがリーダーの意地だ!」

◇◇◇

 その夜、、
 ゴブリンたちは“手を洗い”“トイレを使い”“箸でご飯を食べる”ようになっていた。

『はい。ミサト。人材教育プログラムミッション、完了しました。驚異的な吸収力です』
「さすが元ブラック労働者……教えた分だけ結果を出すのは得意だよね」

 村人たちも彼らの変化に驚いていた。

「ゴブリンが……箸を使ってる……!」
「しかも“ごちそうさま”って言ってるぅぅ……!」

「よしっ、次は“接客マナー講座”だね!」
『はい。ミサト。異世界社畜教育、進行中です』

 こうして、ミサトはゴブリンたちを“立派な社畜”へと鍛え上げていくのであった。

 こうしてゴブ次郎たちは村の空き家に住み込み、さっそくパン作りの手ごね班、荷運び、畑仕事、警備に大活躍し始める。

「うぉぉぉ!こんなに働きやすい現場は初めてだぁ!」
「昼に休憩があるって最高だー!」

 彼らの一生懸命な姿に、村人たちも次第に警戒心を解いていった。
 
 次なる舞台は都市、、
 ミサトは、村の特産品を武器に“異世界営業ツアー”へと乗り出す!


          続
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