【三章完結しました】チートは無いけどAIがある!社畜OLの異世界立身出世録

星 見人

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第7話 【都市営業!ミサト式プレゼンバトル in トーレル商会】

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 ミサトたちが住む村から東へ半日。
 ようやく“都市トーレル”の城門が見えてきた。

「おぉぉぉ……すごいね、、ちゃんと城壁ある!」

『はい。ミサト。都市部には“商業ギルド”と“貴族商会”がひしめき合っています。
 我々の狙いは“トーレル商会”中堅層への売り込みです』

「よしっ!気合入れていくよ!ゴブ次郎!」
「おう!オレたち、新人研修バッチリだからな!」

 ゴブリンたちはピシッと整列し、手には“ふわもち蜂蜜パン”のサンプル箱。
 服装も村人の作業着から、少し綺麗な“作業制服”に揃えられている。

 ……とはいえ、門番に止められるのはお約束だった。
「おい、そこのお嬢さん!その後ろのゴブリンたちはどういう……」
「ウチの社員ですけど!(キリッ)」
「しゃ、社員!?ゴブリンが!?」

 門番たちは目を丸くしたが、、
 ゴブ次郎が完璧な挨拶でフォローする。

「お初にお目にかかります。本日は都市営業に参りました、ゴブ次郎と申します」
「むっ!な、なんだコイツ……ちゃんとしてやがる……!」

「ふふふ、異世界にも“ギャップ萌え”ってあるんだねぇ~」
 ミサトがそんなことを考えて呟くと、周りから、、

「おいおい……なんだ、ゴブリンなんか連れた村人が来やがったぞ」
「商人のフリしてるけど、どうせゴブリンを使った盗賊だろ?」

 城門近くにいた通行人たちが、あからさまに嫌悪の視線を向けてきた。

 エルナが心配そうにミサトの袖を引く。

「ミサトさん、あの人たち、ゴブたちに酷いこと言ってるよ……」
「うん……めんどいから無視しよう。
 ゴブ次郎たちは、ちゃんと働いてる“ウチの社員”だから」

 だが、通行人の一人がゴブ次郎に声をかけた。

「おいっ!ゴブリン、どうせお前ら、また畑でも荒らしに来たんだろ?早く帰れっ!」

 普通ならキレてもおかしくない場面、、
 だが、ゴブ次郎は“にこり”と笑った。

「ははは!オレたちゃ、今は“蜂蜜パンの営業”に来ただけさ。もし、オレたちが荒らすなら畑じゃなく、、
 “市場売上価格”だけにしとくぜ?」

 ジョーク混じりに返すゴブ次郎に、通行人たちは一瞬呆気に取られた。

「……な、なんだコイツ……」

 ミサトは、そんなゴブ次郎の背中を見て、ふっと笑った。

「さっすがウチの現場主任だね~☆メンタルが鉄筋コンクリート並みだねっ!」
『はい。ミサト。差別的な発言を“余裕のジョーク”で受け流す対応、100点満点です』
「でも、ああいうのはムカつくよね!我慢してくれてありがとうね☆ゴブ次郎!」

「へへ……ボス。心配ありがとうよ。けどさ、オレたちが“現場で認められる”のが、あぁ言う奴らには一番の仕返しだろ?こっから頼むぜ!ボス!」

 ゴブ次郎のその一言に、ミサトは確信した。

「うん、絶対に売ってやろう、このパン」
 ミサトたちは堂々と城門をくぐり抜けた。

◇◇◇

 都市の中でも有名な“トーレル商会”本店。
 案内されたのは、少し偉そうな若手商人、、
 カイルという男だった。

「ん~?、まぁ、話は聞いたが……ゴブリン連れて営業に来るなんて、お嬢さん、何かの冗談か?」

「いいえ、うちの“戦力”として連れてきました。うちのゴブ次郎たちは、パン作りから配送、護衛までこなします」
「ゴブリンが戦力ねぇ…? ふ~ん、で、売りたいのは何だ?」

 ミサトはサンプルの“ふわもち蜂蜜パン”を差し出す。

「村で開発した新商品です。柔らかさ、甘さ、日持ち、どれを取っても従来の村パンとは別物です。一口いかがですか?」

 カイルは一口かじり、、眉をぴくりと動かした。

「ほぉ……これは……悪くないな」

『はい。ミサト。営業交渉、第一関門突破です。ここから“卸価格”と“供給体制”を具体的に提示しましょう』
「オッケ!リリィ」

「ちなみに、この品質で週に100個までは即納可能。
初回取引価格は1個10ゴールド(既存村パンの2倍)ただし品質保証付きです」

「あぁっ!10ゴールドだと……ずいぶんと強気だな?」

「えぇ!味で勝負してますから。御社が利益を出せるよう、配送は自社便でやります。護衛もウチの社員で対応します」

「……ゴブリンの社員が護衛……?」
「はははっ!ご心配ならずに!うちのゴブリンは強い上に、ちゃんと“報・連・相”もできますよ?」

 カイルの表情が引きつった。
 ゴブ次郎が一歩前へ出て、完璧な営業スマイルを決める。
「ご安心ください。ワタシたちは報告・連絡・相談、徹底しております」

「うぉぉ……なんだこの異世界感は……ゴブリンが仕事…だと?」
 カイルは完全に面食らっていたが、サンプルパンの味と、ゴブリンたちの“教育された動き”を見て、しぶしぶ頷いた。

「……よし、わかった!試験的に50個、仕入れてやるよ!」
「ありがとうございます。次回納品は、責任を持ってお届けします」

 “初受注”。
 ミサトの目がキラリと光った。

◇◇◇

 帰り道、、
 トーレルの街並みを眺めながら、ミサトは思わずガッツポーズした。

「やったぁぁぁ!!異世界でも営業成績、叩き出してやったぜぇぇぇぇ!!」

『はい。ミサト。初受注ミッション達成、おめでとうございます。次は“リピート獲得”が課題ですね』

「あははっ!わかってるって!納品対応”と“品質維持”で信頼を掴む!でしょ☆」

 隣でゴブ次郎が誇らしげに胸を張る。
「オレたち、ついに“異世界正社員”だな!」
「うん。ありがとうね!でも“次が本番”だから!ブラック企業みたいに“最初だけ褒めて後で地獄”みたいな真似はしないから!」

 こうしてミサトたちは、異世界ビジネスの第一歩を踏み出したのだった。


          続
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