54 / 84
54
しおりを挟む
「縄を両端から引いてゾンビを転ばせるってのは?」
俺が提案すると、藤木が頷く。「それなら安全だな。ゾンビは視界が悪いし、足元をすくわれることには弱い」
「どこでやる?」
「旅館の前は平坦だから、少し坂道になってる場所の方がいいな」
「そうなると、あの山道の入り口あたりか……」
斉藤が地図を見ながら考える。「うまく誘導すれば、坂の傾斜で勝手に転がるかもしれない」
「ちょうどその先、崖になってるしな」
「よし、決まりだな」
俺たちは旅館の物置を探し、使えそうな道具を漁った。すると、奥から長い麻縄が見つかった。
「おっ、これ使えそうじゃね?」
「充分な長さあるな。二人で持って、ゾンビが来たら引っ掛ける感じでやるか」
「よし、やるか」
そう言って、みんなで準備を進めていた時、安田が物置の奥から何かを見つけた。
「……おい、これなんだ?」
「ん?」
安田が指差した先には、大きなプラスチック製の道具が置かれていた。
「これ……ママさんダンプじゃね?」
「ママさんダンプ?」
俺は目を丸くする。「関東にもあるのか?」
「いや、珍しいな。でも、ここは山だし、冬は雪が降るんだろ? 旅館で使ってたんじゃないか?」
「なるほど……」
「これさ、ゾンビを押して崖まで運ぶのに使えない?」
「おお、それいいな!」
「ゾンビに直接ぶつかるのは危険だけど、押し続ければ崖まで持っていけるだろ」
「よし、これも作戦に組み込もう」
俺たちはママさんダンプと縄を持って、ゾンビの誘導ポイントへ向かった。
まずは縄を準備し、ゾンビをうまく転ばせる作戦を実行。転倒したやつをママさんダンプで押し、崖の方へ誘導していく。
俺たちは呼吸を整え、それぞれの持ち場についた。
「さあ、ゾンビ退治、開始だ!」
昼間のうちに、できるだけ片付けてしまわなければならない。
俺たちは山道の入り口に縄を張り、ゾンビを転ばせる準備を整えた。高橋と藤木が両端を持ち、俺と斉藤、安田はゾンビを誘導する役だ。そして、転倒したゾンビをママさんダンプで押して崖まで持っていく。
「よし、準備完了だな」
藤木が縄をしっかり握りながら言う。
「おばちゃんには“戦闘には出るな”って言ったけど、俺らもなるべく接触しないように気をつけろよ」
「わかってる。安全第一だ」
「じゃあ、ゾンビを誘導するぞ」
俺たちは旅館の敷地にうろついているゾンビたちに向かって、大声を上げたり、木の枝を投げたりして注意を引いた。
「おーい! こっちだぞ!」
「来い来い!」
ゾンビたちは反応し、ゆらゆらとした足取りでこちらへ向かってくる。
「いいぞ、そのまま!」
俺たちはゆっくりと山道の方へ後退し、ゾンビを誘導した。
「そろそろ縄のポイントだ……準備しろ!」
俺と安田がゾンビを先導し、縄の前で横に避けると、ゾンビはそのまま突っ込んできた。
「せーの!」
藤木と高橋がタイミングよく縄を引く。
「うおっ!?」
ゾンビがつまずき、勢いよく前のめりに転倒した。
「よし、成功!」
「次、ママさんダンプ行くぞ!」
安田と斉藤がママさんダンプを構え、倒れたゾンビに向かって押し出した。
「いっけぇぇぇ!!」
「うおおお!!」
ゾンビは抵抗するも、雪かき用に設計された頑丈なダンプの力で、ズズズッと地面を滑るように押されていく。
「もう少しだ! 崖の手前で止めるなよ!」
「分かってる!」
最後に思い切り押し出すと、ゾンビはバランスを崩し、そのまま崖の下へと落ちていった。
ドサッ……ゴロゴロゴロ……
谷底に消えたゾンビを見下ろし、俺たちは息をついた。
「……うまくいったな」
「これは使えるぞ!」
「よし、次のゾンビもこの方法で処理しよう」
俺たちはこの作戦を繰り返し、旅館の周囲をうろついていたゾンビたちを一体ずつ確実に処理していった。
「ふぅ……ひとまず、これで旅館周辺は少し安全になったな」
高橋が額の汗を拭う。
「田辺さんに夕飯作りを頼んでおいてよかったな」
「そうだな。腹減ったし、そろそろ戻ろうぜ」
俺たちは、崖の下を一度確認し、ゾンビが完全に行動不能になっているのを確かめてから旅館へ戻ることにした。
「おーい! みんな、戻ったよ!」
玄関の戸を開けると、旅館の中には美味しそうな匂いが充満していた。
「お、ちょうどいいタイミングだよ!」
田辺さんが腕を組んでニヤリと笑う。「あんたたち、いい運動しただろうし、たっぷり食べな!」
俺たちは笑顔でうなずき、久しぶりに“安心して食べられる夕飯”を楽しむことにした。
俺が提案すると、藤木が頷く。「それなら安全だな。ゾンビは視界が悪いし、足元をすくわれることには弱い」
「どこでやる?」
「旅館の前は平坦だから、少し坂道になってる場所の方がいいな」
「そうなると、あの山道の入り口あたりか……」
斉藤が地図を見ながら考える。「うまく誘導すれば、坂の傾斜で勝手に転がるかもしれない」
「ちょうどその先、崖になってるしな」
「よし、決まりだな」
俺たちは旅館の物置を探し、使えそうな道具を漁った。すると、奥から長い麻縄が見つかった。
「おっ、これ使えそうじゃね?」
「充分な長さあるな。二人で持って、ゾンビが来たら引っ掛ける感じでやるか」
「よし、やるか」
そう言って、みんなで準備を進めていた時、安田が物置の奥から何かを見つけた。
「……おい、これなんだ?」
「ん?」
安田が指差した先には、大きなプラスチック製の道具が置かれていた。
「これ……ママさんダンプじゃね?」
「ママさんダンプ?」
俺は目を丸くする。「関東にもあるのか?」
「いや、珍しいな。でも、ここは山だし、冬は雪が降るんだろ? 旅館で使ってたんじゃないか?」
「なるほど……」
「これさ、ゾンビを押して崖まで運ぶのに使えない?」
「おお、それいいな!」
「ゾンビに直接ぶつかるのは危険だけど、押し続ければ崖まで持っていけるだろ」
「よし、これも作戦に組み込もう」
俺たちはママさんダンプと縄を持って、ゾンビの誘導ポイントへ向かった。
まずは縄を準備し、ゾンビをうまく転ばせる作戦を実行。転倒したやつをママさんダンプで押し、崖の方へ誘導していく。
俺たちは呼吸を整え、それぞれの持ち場についた。
「さあ、ゾンビ退治、開始だ!」
昼間のうちに、できるだけ片付けてしまわなければならない。
俺たちは山道の入り口に縄を張り、ゾンビを転ばせる準備を整えた。高橋と藤木が両端を持ち、俺と斉藤、安田はゾンビを誘導する役だ。そして、転倒したゾンビをママさんダンプで押して崖まで持っていく。
「よし、準備完了だな」
藤木が縄をしっかり握りながら言う。
「おばちゃんには“戦闘には出るな”って言ったけど、俺らもなるべく接触しないように気をつけろよ」
「わかってる。安全第一だ」
「じゃあ、ゾンビを誘導するぞ」
俺たちは旅館の敷地にうろついているゾンビたちに向かって、大声を上げたり、木の枝を投げたりして注意を引いた。
「おーい! こっちだぞ!」
「来い来い!」
ゾンビたちは反応し、ゆらゆらとした足取りでこちらへ向かってくる。
「いいぞ、そのまま!」
俺たちはゆっくりと山道の方へ後退し、ゾンビを誘導した。
「そろそろ縄のポイントだ……準備しろ!」
俺と安田がゾンビを先導し、縄の前で横に避けると、ゾンビはそのまま突っ込んできた。
「せーの!」
藤木と高橋がタイミングよく縄を引く。
「うおっ!?」
ゾンビがつまずき、勢いよく前のめりに転倒した。
「よし、成功!」
「次、ママさんダンプ行くぞ!」
安田と斉藤がママさんダンプを構え、倒れたゾンビに向かって押し出した。
「いっけぇぇぇ!!」
「うおおお!!」
ゾンビは抵抗するも、雪かき用に設計された頑丈なダンプの力で、ズズズッと地面を滑るように押されていく。
「もう少しだ! 崖の手前で止めるなよ!」
「分かってる!」
最後に思い切り押し出すと、ゾンビはバランスを崩し、そのまま崖の下へと落ちていった。
ドサッ……ゴロゴロゴロ……
谷底に消えたゾンビを見下ろし、俺たちは息をついた。
「……うまくいったな」
「これは使えるぞ!」
「よし、次のゾンビもこの方法で処理しよう」
俺たちはこの作戦を繰り返し、旅館の周囲をうろついていたゾンビたちを一体ずつ確実に処理していった。
「ふぅ……ひとまず、これで旅館周辺は少し安全になったな」
高橋が額の汗を拭う。
「田辺さんに夕飯作りを頼んでおいてよかったな」
「そうだな。腹減ったし、そろそろ戻ろうぜ」
俺たちは、崖の下を一度確認し、ゾンビが完全に行動不能になっているのを確かめてから旅館へ戻ることにした。
「おーい! みんな、戻ったよ!」
玄関の戸を開けると、旅館の中には美味しそうな匂いが充満していた。
「お、ちょうどいいタイミングだよ!」
田辺さんが腕を組んでニヤリと笑う。「あんたたち、いい運動しただろうし、たっぷり食べな!」
俺たちは笑顔でうなずき、久しぶりに“安心して食べられる夕飯”を楽しむことにした。
10
あなたにおすすめの小説
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
If太平洋戦争 日本が懸命な判断をしていたら
みにみ
歴史・時代
もし、あの戦争で日本が異なる選択をしていたら?
国力の差を直視し、無謀な拡大を避け、戦略と外交で活路を開く。
真珠湾、ミッドウェー、ガダルカナル…分水嶺で下された「if」の決断。
破滅回避し、国家存続をかけたもう一つの終戦を描く架空戦記。
現在1945年中盤まで執筆
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
百の話を語り終えたなら
コテット
ホラー
「百の怪談を語り終えると、なにが起こるか——ご存じですか?」
これは、ある町に住む“記録係”が集め続けた百の怪談をめぐる物語。
誰もが語りたがらない話。語った者が姿を消した話。語られていないはずの話。
日常の隙間に、確かに存在した恐怖が静かに記録されていく。
そして百話目の夜、最後の“語り手”の正体が暴かれるとき——
あなたは、もう後戻りできない。
■1話完結の百物語形式
■じわじわ滲む怪異と、ラストで背筋が凍るオチ
■後半から“語られていない怪談”が増えはじめる違和感
最後の一話を読んだとき、
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる