終焉列島:ゾンビに沈む国

ねむたん

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翌朝、山の澄んだ空気の中、俺たちはいつも通りダムの管理を手伝い、村との物々交換に向かった。最近は少しずつ村人たちとの関係も深まり、お互いの生活を支え合うようになっていた。

村の広場では、数人が焚き火を囲みながら話し込んでいた。佐川が村長と話している間、俺たちは村人たちと雑談しながら、食材を交換していく。

「最近、流れ者の噂がまた広がってるねぇ」

野菜を分けてくれた農家の爺さんが、低い声で呟いた。

「流れ者?」俺が聞き返すと、村の女衆がため息混じりに答える。

「……町のほうから逃げてきた連中さ。まぁ、それだけならいいんだけど、中には悪さするやつもいるって話だよ」

「悪さ?」

「ゾンビを音や光で誘導して、村を襲わせてるって話だねぇ。うちの村じゃないけど、隣の集落でそれをやられて、大変だったってさ」

俺たちは顔を見合わせる。

「わざとゾンビを誘導するって、どういうことだよ?」安田が眉をひそめる。

「略奪が目的さ。混乱の中で、食料や物資を奪っていくんだと。悪どいにもほどがあるね」

斉藤が腕を組みながら冷静に言う。「つまり、ここも狙われる可能性があるってことだな」

「そういうこった。まだこっちの村には来ちゃいないが、もし来たら厄介なことになるよ」

村長と話し終えた佐川が俺たちの元へ戻ってくる。「そっちでも話を聞いたか?」

「ああ……流れ者ってやつの話です」

佐川はゆっくりと頷いた。「村長も警戒しとる。幸い、村の連中はまとまりがあるが、そういう連中が本気で襲ってきたら、簡単には防ぎきれねぇかもしれん」

「ゾンビを引き連れて襲ってくるなんて、普通の賊よりタチが悪いですよね」藤木が渋い顔をする。

「何か対策を考えたほうがいいな……」

俺たちはその場で作戦を考え始めた。

「待ち伏せして、流れ者を狙うのがいいんじゃねぇか?」高橋が腕を組みながら提案する。

「流れ者がゾンビを誘導するのに使ってるのは、たぶん音と光だろ?」斉藤が続ける。「つまり、それを逆手に取れば、やつらをゾンビまみれにすることもできる」

「ほう……どうやって?」田辺さんが興味深そうに尋ねる。

「防犯ブザーやLEDライトを流れ者の服や荷物に仕掛けるんだよ」安田がニヤリと笑う。「そうすりゃ、奴らはゾンビを引き寄せる装置になって逃げ場を失うってわけ」

「なるほどねぇ……それなら、こっちが直接戦うリスクも少ないね」田辺さんは満足そうに頷く。「それに、防犯ブザーなら私が持ってるよ」

「マジっすか?」

「何年か前に都会で買ったやつさ。使う機会なんてなかったけど、こんなことに役立つとは思わなかったよ」

「LEDライトなら、ダムの備品があるな」佐川が静かに言う。「非常用のやつだが、明るさは十分だ」

「よし、じゃあそれを使って作戦決行だな」

俺たちは流れ者を待ち伏せし、音と光を利用して奴らをゾンビまみれにする作戦を立てた。

「問題は、どうやって奴らにブザーやライトを仕掛けるかだな……」

「忍び寄って、こっそりつけるしかねぇな」

「できるか?」

「やるしかねぇだろ」

俺たちは各々武器を確認し、準備を整えた。作戦の成否が、村の今後を左右するかもしれない。

「やるからには、しっかり決めようぜ」

「おう」

こうして、流れ者への奇襲作戦が始まる。
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