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12月10日 再発
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「…いたたぁ…びっくりしたなぁ、もう」
羅樹はクッションを拾って布団の上に置く。私はどうして投げたのかを説明するのも恥ずかしくて、クッションを抱きしめてそっぽを向いた。羅樹が首を傾げて顔を覗いてくるので、それに合わせてもっと外を向く。何度か逃げるように首を動かしていくと、これ以上は曲がらないと首が悲鳴を上げ始めた。首が痛くなって来たところで顔を戻すと、至近距離で視線がぶつかった。
「あ、やっとこっち見た」
ふっと微笑む羅樹の顔。羅樹しか見えないような近さでそんな表情をされたら、好きな人にそんなことをされたら。びっくりしすぎて固まっていたら、羅樹が元の姿勢に戻ってくれた。少し残念なような、もう少し長かったら手が出ていたような、そんな複雑な気分だった。
なんだか、また熱が上がって来たような気がする。グラッと視界が揺れて、前かがみに倒れこむ私。それを羅樹が支えてくれた。
「わっ、と…夕音?大丈夫?」
「…ん…」
治りきってもいないのに動いたり無理をしたからか、冷や汗が背中を伝い、息が荒くなる。
「まっ、待ってて…ほら、お母さん呼んでくるから…」
お母さんは買い物に行っていていないと言ったのは羅樹だと言うのに、何を言っているのだろう、羅樹は。戸惑った様子で私を寝かせ、立ち上がろうとするので私は羅樹の服の裾を引っ張った。驚いて振り返る羅樹の顔が、ぼんやりしてよく見えない。何だかふわふわした感覚に包まれて、視界も定まらなくて、ただ手の中に何かを掴んでいる感触があるだけだった。
「えっと、夕音?」
「…だ…」
「え?」
「行っちゃ、やだ…」
涙が頬を伝う。自分が口を開いた感覚も、ピリピリとした感覚が伝わってくるだけで声になっている気もしなかった。漠然とした不安が私を襲う。冷たい雫が布団に落ちる音が耳元で聞こえる。
「…うん、行かない。行かないから、ほら、ゆっくりお休み…」
羅樹は私の側で膝立ちをして、優しく涙を拭ってくれた。温かいその温度に、私は自然と落ち着いていく。親が子を寝かしつけるように、優しく頭を撫でられた。次第に私は微睡んでいき、気が付けば眠りについていた。ここ最近見ていた悪夢のようなものは、見ないで済むような気がした。
すやすやと寝息を立て始めた後、側にあったタオルで優しく夕音の瞳と頬を拭う羅樹。私に布団をしっかりと掛け直し、掴まれていた手をゆっくりと離す。代わりに手を繋いで側にいることにした。
その顔がほんのり赤く染まっていたことは、誰も知らない。
羅樹はクッションを拾って布団の上に置く。私はどうして投げたのかを説明するのも恥ずかしくて、クッションを抱きしめてそっぽを向いた。羅樹が首を傾げて顔を覗いてくるので、それに合わせてもっと外を向く。何度か逃げるように首を動かしていくと、これ以上は曲がらないと首が悲鳴を上げ始めた。首が痛くなって来たところで顔を戻すと、至近距離で視線がぶつかった。
「あ、やっとこっち見た」
ふっと微笑む羅樹の顔。羅樹しか見えないような近さでそんな表情をされたら、好きな人にそんなことをされたら。びっくりしすぎて固まっていたら、羅樹が元の姿勢に戻ってくれた。少し残念なような、もう少し長かったら手が出ていたような、そんな複雑な気分だった。
なんだか、また熱が上がって来たような気がする。グラッと視界が揺れて、前かがみに倒れこむ私。それを羅樹が支えてくれた。
「わっ、と…夕音?大丈夫?」
「…ん…」
治りきってもいないのに動いたり無理をしたからか、冷や汗が背中を伝い、息が荒くなる。
「まっ、待ってて…ほら、お母さん呼んでくるから…」
お母さんは買い物に行っていていないと言ったのは羅樹だと言うのに、何を言っているのだろう、羅樹は。戸惑った様子で私を寝かせ、立ち上がろうとするので私は羅樹の服の裾を引っ張った。驚いて振り返る羅樹の顔が、ぼんやりしてよく見えない。何だかふわふわした感覚に包まれて、視界も定まらなくて、ただ手の中に何かを掴んでいる感触があるだけだった。
「えっと、夕音?」
「…だ…」
「え?」
「行っちゃ、やだ…」
涙が頬を伝う。自分が口を開いた感覚も、ピリピリとした感覚が伝わってくるだけで声になっている気もしなかった。漠然とした不安が私を襲う。冷たい雫が布団に落ちる音が耳元で聞こえる。
「…うん、行かない。行かないから、ほら、ゆっくりお休み…」
羅樹は私の側で膝立ちをして、優しく涙を拭ってくれた。温かいその温度に、私は自然と落ち着いていく。親が子を寝かしつけるように、優しく頭を撫でられた。次第に私は微睡んでいき、気が付けば眠りについていた。ここ最近見ていた悪夢のようなものは、見ないで済むような気がした。
すやすやと寝息を立て始めた後、側にあったタオルで優しく夕音の瞳と頬を拭う羅樹。私に布団をしっかりと掛け直し、掴まれていた手をゆっくりと離す。代わりに手を繋いで側にいることにした。
その顔がほんのり赤く染まっていたことは、誰も知らない。
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