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1月30日 おやつの時間
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文房具屋を出て、また店の間を歩き回る。しばらくすると甘い香りが漂って来た。どうやらフードコートに着いたらしい。出来立ての焼き菓子の香りがする。きょろきょろと辺りを見回すと、クレープ屋が視界に入った。
「美味しそう…!」
ディスプレイに目を奪われていると、羅樹がくすくすと笑う。
「食べる?」
「食べる!」
まんまと香りにつられてしまった。口の中はもう想像したクレープの味でいっぱいである。迷った末に、苺にチョコソースが掛かった生クリームたっぷりのクレープを選んだ。羅樹はキャラメルソースとアーモンドの掛かったバナナホイップを頼んでいた。クレープを受け取ると、近くの席に座る。出来立てのほかほか生地を一口。もちもちのクレープ生地と甘さ控えめの生クリーム。甘酸っぱい苺は苦くも甘いチョコレートとマッチして、口の中でチョコフォンデュを作り出す。生地が出来立てのお陰か、早く食べなければ生クリームが溶けてしまいそうだ。
「美味しい~!」
自然と顔が緩む。歩き回った疲労には甘い物がよく効く。舌の上で蕩けるクリームやチョコレートが程良く美味しさを引き立て、苺の酸味で目が覚める。じゅわっと喉の奥に広がる甘酸っぱい果汁がとても美味しい。もちろん生地もそれだけで食べられる程に美味しい。バターの効いた幸せの味。食感も柔らか過ぎず硬過ぎず、簡単に一口分に切れるのに弾力があってもちもちしている。
「美味しいね。一口いる?」
「いいの?」
私は完全にクレープしか見えておらず、羅樹に差し出されたそれを一口齧る。キャラメルソースに包まれたバナナが、いつもより甘く感じる。時折食感に緩急を付けてくれるのはアーモンドだろう。パリッとした食感と、生地のもちっとした食感が対照的で満足感を与えてくれる。
「こっちも美味しい~!私のもいる?」
そう言って差し出すと、羅樹は少しだけ頬を赤く染めて私のクレープを齧った。その時に私はやっと気付いた。これは間接的に、唇が触れる行為だと。
「あ、本当だ。こっちも美味し…夕音?」
急に黙ってしまった私を見て、羅樹はきょとんと首を傾げる。遅れてやって来た恥ずかしさを堪えるように、続きを食べ始める。それでも1度気付いてしまったらもういつも通りになんて戻れなくて。顔を真っ赤に染め上げたまま黙々と食べ始めた。羅樹は何となく察したのか気を遣ってくれたのか、笑顔のまま食べ終える。何とか乗り切った、とクレープの包み紙を丸めて立ち上がると、羅樹が「待って」と制止の声を上げた。振り向くと、羅樹の手が私の頬を滑った。
「付いてたよ」
そう言って、生クリームの付いた親指を自分の舌先で拭う羅樹。
私はそこでキャパオーバーを迎えた。
「美味しそう…!」
ディスプレイに目を奪われていると、羅樹がくすくすと笑う。
「食べる?」
「食べる!」
まんまと香りにつられてしまった。口の中はもう想像したクレープの味でいっぱいである。迷った末に、苺にチョコソースが掛かった生クリームたっぷりのクレープを選んだ。羅樹はキャラメルソースとアーモンドの掛かったバナナホイップを頼んでいた。クレープを受け取ると、近くの席に座る。出来立てのほかほか生地を一口。もちもちのクレープ生地と甘さ控えめの生クリーム。甘酸っぱい苺は苦くも甘いチョコレートとマッチして、口の中でチョコフォンデュを作り出す。生地が出来立てのお陰か、早く食べなければ生クリームが溶けてしまいそうだ。
「美味しい~!」
自然と顔が緩む。歩き回った疲労には甘い物がよく効く。舌の上で蕩けるクリームやチョコレートが程良く美味しさを引き立て、苺の酸味で目が覚める。じゅわっと喉の奥に広がる甘酸っぱい果汁がとても美味しい。もちろん生地もそれだけで食べられる程に美味しい。バターの効いた幸せの味。食感も柔らか過ぎず硬過ぎず、簡単に一口分に切れるのに弾力があってもちもちしている。
「美味しいね。一口いる?」
「いいの?」
私は完全にクレープしか見えておらず、羅樹に差し出されたそれを一口齧る。キャラメルソースに包まれたバナナが、いつもより甘く感じる。時折食感に緩急を付けてくれるのはアーモンドだろう。パリッとした食感と、生地のもちっとした食感が対照的で満足感を与えてくれる。
「こっちも美味しい~!私のもいる?」
そう言って差し出すと、羅樹は少しだけ頬を赤く染めて私のクレープを齧った。その時に私はやっと気付いた。これは間接的に、唇が触れる行為だと。
「あ、本当だ。こっちも美味し…夕音?」
急に黙ってしまった私を見て、羅樹はきょとんと首を傾げる。遅れてやって来た恥ずかしさを堪えるように、続きを食べ始める。それでも1度気付いてしまったらもういつも通りになんて戻れなくて。顔を真っ赤に染め上げたまま黙々と食べ始めた。羅樹は何となく察したのか気を遣ってくれたのか、笑顔のまま食べ終える。何とか乗り切った、とクレープの包み紙を丸めて立ち上がると、羅樹が「待って」と制止の声を上げた。振り向くと、羅樹の手が私の頬を滑った。
「付いてたよ」
そう言って、生クリームの付いた親指を自分の舌先で拭う羅樹。
私はそこでキャパオーバーを迎えた。
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