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爆ぜた声
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「っっっふ、ざけないでよっっっ!!!」
目一杯の怒りに満ちた声が、キンとするくらいに耳障りな声量で辺りに響き渡った。発した口は虹様のもの。けれどその主はどう考えても虹様ではなくて。虹様の中にいた、私の声だった。
稲荷様がこちらを見て、戸惑いに表情を揺らす。
「いま……今の、声は…」
息が荒くなる。私の意思を察したのか、虹様はふぅと息を吐いた後に気配を一歩後ろへ避けた。同時に私は踏み出して、踏み込んで、稲荷様に掴み掛かる。
「ゆっ…!?」
声の主を確信した稲荷様が、驚愕に目を見開く。私はそんな反応を気に留める間もなく、私と同じように巫女服を着た稲荷様の襟を引っ掴んで、叩きつけるように言葉を叫んだ。
「私が稲荷様を忘れて前に進む!?私の幸せは稲荷様の側では持ち得ない!?冗談じゃない!勝手に決めつけないでよ!!」
襟を掴んだまま胸を叩く。痛みという概念はきっと神様にも通じるだろう。通じてくれなきゃ困る。私はその痛みよりずっとずっと悔しくて、ずっとずっと憤っている。
「どうして皆勝手に決めつけるの!?どうして私の意思は聞いてくれないの!?私はっ、貴方の願いを聞き入れないような、貴方の切望を投げ捨てるようなっ、そんな酷い人だと思われてるの!?」
さっきまで聞こえていた言葉が、頭の中をガンガンと揺らす。紛れもない稲荷様の声だと、そう確信していた。どうして聞こえたのかなんて考えている暇はない。そんな重要なことに思考を割けないほど、私は激しい怒りに苛まれていた。熱い雫が顔を濡らす。
「私は、わたしは…っ、貴方のいない世界で貴方を忘れるような、薄情で恩知らずで馬鹿で、貴方に幸せを願われなければ幸せになれないような、そんな人に見えてるの……ッ!?貴方がいるだけで幸せになれないような、幸薄そうな人に見えるのッ!?」
頭が割れるように痛い。血が沸騰する。目の奥が熱くて堪らない。体の奥で何かが逆巻いている。吐き気がするような憤懣の中で、居場所を求めるようにそれが膨らんでいく。
心臓が、熱い。
「稲荷様も羅樹も、みんなみんな馬鹿じゃないの!?」
堪えきれない声が怒声となって喉を飛び出る。その叫びを皮切りに、私は切れた息を整えるように咳き込んだ。肩を大きく上下させ、稲荷様の上で荒んだ息を吐く。視界がぼやけているが、怒りで血が逆流したせいだろうか。頬が冷たいのは、目の奥が熱いのは。一体、何のせいだろうか。
稲荷様の顔に、雫が落ちる。そうして目をこじ開けてやっと見えた表情は、驚愕と罪悪が混ざったような顔をしていた。
目一杯の怒りに満ちた声が、キンとするくらいに耳障りな声量で辺りに響き渡った。発した口は虹様のもの。けれどその主はどう考えても虹様ではなくて。虹様の中にいた、私の声だった。
稲荷様がこちらを見て、戸惑いに表情を揺らす。
「いま……今の、声は…」
息が荒くなる。私の意思を察したのか、虹様はふぅと息を吐いた後に気配を一歩後ろへ避けた。同時に私は踏み出して、踏み込んで、稲荷様に掴み掛かる。
「ゆっ…!?」
声の主を確信した稲荷様が、驚愕に目を見開く。私はそんな反応を気に留める間もなく、私と同じように巫女服を着た稲荷様の襟を引っ掴んで、叩きつけるように言葉を叫んだ。
「私が稲荷様を忘れて前に進む!?私の幸せは稲荷様の側では持ち得ない!?冗談じゃない!勝手に決めつけないでよ!!」
襟を掴んだまま胸を叩く。痛みという概念はきっと神様にも通じるだろう。通じてくれなきゃ困る。私はその痛みよりずっとずっと悔しくて、ずっとずっと憤っている。
「どうして皆勝手に決めつけるの!?どうして私の意思は聞いてくれないの!?私はっ、貴方の願いを聞き入れないような、貴方の切望を投げ捨てるようなっ、そんな酷い人だと思われてるの!?」
さっきまで聞こえていた言葉が、頭の中をガンガンと揺らす。紛れもない稲荷様の声だと、そう確信していた。どうして聞こえたのかなんて考えている暇はない。そんな重要なことに思考を割けないほど、私は激しい怒りに苛まれていた。熱い雫が顔を濡らす。
「私は、わたしは…っ、貴方のいない世界で貴方を忘れるような、薄情で恩知らずで馬鹿で、貴方に幸せを願われなければ幸せになれないような、そんな人に見えてるの……ッ!?貴方がいるだけで幸せになれないような、幸薄そうな人に見えるのッ!?」
頭が割れるように痛い。血が沸騰する。目の奥が熱くて堪らない。体の奥で何かが逆巻いている。吐き気がするような憤懣の中で、居場所を求めるようにそれが膨らんでいく。
心臓が、熱い。
「稲荷様も羅樹も、みんなみんな馬鹿じゃないの!?」
堪えきれない声が怒声となって喉を飛び出る。その叫びを皮切りに、私は切れた息を整えるように咳き込んだ。肩を大きく上下させ、稲荷様の上で荒んだ息を吐く。視界がぼやけているが、怒りで血が逆流したせいだろうか。頬が冷たいのは、目の奥が熱いのは。一体、何のせいだろうか。
稲荷様の顔に、雫が落ちる。そうして目をこじ開けてやっと見えた表情は、驚愕と罪悪が混ざったような顔をしていた。
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