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7.ジルベルト司祭の悲鳴が聞こえる
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サブリナの部屋に行く前にセシルんとこのお部屋拝見。
広さはロクサーナの部屋の1.5倍くらい。内装は新しくしてあったようで、壁や床に傷や汚れは見当たらない。
シンプルなアイアンベッドと勉強机。ひとりがけのソファとコーヒーテーブル。チェストはないがクローゼットがかなり広い。
「シンプルで使いやすそう」
「確かに。ロクサーナの部屋の広さをみた後だと、文句は言えなくなっちゃったよ」
サブリナの部屋は予想を裏切る種類の豪華さだった。
大半が白とピンクと金でできた部屋。
白地に金の花模様が描かれたド派手な⋯⋯ゴージャスな壁紙。ベビーピンクのレースと金糸で裾模様が織り込まれたピンクのカーテン。タッセルは勿論ピンクと金の縁取り。
張り替えたばかりに見える床は艶々のライトブラウン。
白いドレッサーには金色の模様が縁取られている。精巧な彫りが見事な白地のソファとセットのコーヒーテーブル。勉強机は扉を倒すと扉部分がデスクに早変わりするビューローで、見事な彫刻が彫り込まれている。本棚とチェストはお揃いのよう。
アンティーク調の装飾が施された木製のプリンセスベッドには、羽毛布団と大量のクッション。
「このソファもテーブルも、新品だよね。ふわふわのクッションが利いたソファはお昼寝にちょうど良さそう。うん」
「⋯⋯ベッドに天蓋が付いてなくて良かったね」
セシルとロクサーナの慰めに近い褒め言葉に、サブリナが苦笑いを浮かべた。
「まあ、レベッカ用の部屋よりはマシかもだけど⋯⋯長い時間ここにいたら目が痛くなりそうだわ」
レベッカ用の部屋はコレと同じ雰囲気で、基本色が白と濃い青と金だそう。
お茶とお菓子を並べてソファに沈み込⋯⋯座る。
「なるべく早めに観葉植物を置くつもりなの。そうすればもう少しマシになるはずでしょ?」
「かなり良くなるんじゃない? ちょっと盛りすぎなだけで、使ってる品は良いものばかりだし。あのライティングビューローとか、うちの商会で見たことあるもん」
見るもの全てを金勘定するセシル、恐るべし。
「クッションカバーを変えるだけでも、雰囲気変わるんじゃないかな」
「⋯⋯これってさ、王妃様の趣味かなあ。ロクサーナはどう思う?」
「セシルと同意見。物選びとかは分かんないけど、イメージとかは王妃様が出してそうな気がする」
謁見の間で見た王妃の真っ赤なドレスと、盛大に盛った宝石の山を思い出した。
「魔法士の依頼料が払えない極貧国だよね⋯⋯」
「「うん」」
「後でジルベルト司祭にご報告する事が山積みかもね」
夕食が終わり後は寝るだけ⋯⋯。ロクサーナはジルベルト司祭が持つ⋯⋯無理やり持たせたとも言うが⋯⋯魔導具の通信鏡で連絡を入れることにした。
(さ~て、盛りだくさんの報告だけど、ジルベルト司祭の精神は持つかな~)
通信鏡の画面に映ったジルベルト司祭はまだ司祭服を着ており、背景には執務室に掛かった風景画が見える。
(流石、聖王国一の仕事中毒って言われるジルベルト司祭! まだ執務室にいるんだ)
「こんばんは~、今夜のロクサーナ通信で~す!」
「今日はテンション高いね。良いことでもあったのかな?」
「馬車に揺られずに済むのは嬉しいですね! で、今日一日の報告ですけど⋯⋯」
穏やかにはじまった通信だが、ロクサーナの話が進むのに合わせて、ジルベルト司祭の眉間に縦皺が入っていく。
「来る時に通り過ぎた町や村は報告通りって言っていいと思うけど、王都はそれなりに活気があったし。
王宮やら学園なんて超金かかってますし~。国王一家も大臣やら貴族やらも、キラッキラの宝石やら流行りのジュストコールやドレスやらで、凄かったですよ~」
「ぐぐっ⋯⋯」
「って感じですけど!? 極貧国に無料で魔法士を派遣してるのって、いつからでしたっけねえ」
「となると⋯⋯アリエスと愉快な仲間達だけじゃなく、ガーラント司教もってことかしら!?」
(ジルベルト司祭がオネエ言葉になってる⋯⋯まあ、怒るよね)
「証拠集めよろしく。きっちり落とし前つけさせてやるわ」
「りょうか~い。それとさ、魔法士として全員を利用しまくる気満々でさぁ。暫く仕事でこき使って能力とかチェックしたら、婚約者を一人選んで、残りはそのまま魔法士として使うつもりかも。既に仕事のスケジュール立ててるって言ってたし」
「はあ? そんな契約してないわよ!?」
「全部王国に決定権があるみたいに上から目線だったから、聖王国から連絡が来ない限りやらないって突っぱねときましたから。ちゃーんと仕事してくださいね。
私はタダ働きなんてしないし、サブリナとセシルにもさせないから。レベッカは知らんけど」
「勿論よ、絶対に仕事なんて受けなくていいから!」
「留学にかかる費用を王国が払うのに仕事しないのかって怒鳴ってたな。払うつもりならついでにもぎ取るのもありかも」
「記録、残しといて。全部ぜーんぶ残しといて! ケツの毛までむしってやるから!」
「記録した魔導具は定期的に送るけど、コピーしとく。手間賃含めて全部請求するからね」
「了解」
「レベッカだけど、寮の部屋が気に入らないって癇癪起こした。んで、王女用の部屋に入ったから。出る時は内装やら設備の一新が必要だと思う。あのくっさーい香水が染み付いてるかもだし、侯爵家に連絡しといて」
「早すぎる⋯⋯着いたその日に騒ぎを起こすなんて」
「え? 王国に着くまでの間に私達が被った被害も聞く? 精神的・物理的被害に対しての慰謝料請求するからね」
「うっ! マジで?」
「契約時にお世話を任されたのはサブリナとセシルだけ。契約書、読み直してね~」
「そ、そうだったあぁぁ」
★★ ★★
少し日を遡り、ロクサーナ達が聖王国を出発した直後⋯⋯。
教会の談話室にナディア・オニールが駆け込んできた。
「アリエス、大変よ!」
のんびりお茶をしていたアリエス・ジェファーソンとオレリア・ブームが顔を上げた。
「相変わらず騒がしいわねぇ。そんなに大声出さないで!」
「あのチビがダンゼリアム王国に行ったって、さっき神官たちが話してたの!」
「はぁ? バカなこと言わないで。スタンピードや海獣が出る季節はまだ先じゃない」
「そうよぉ、何かあったんならうちらに真っ先に連絡が来るはずだし~」
「婚約者がどうのとか言ってて、サブリナとセシル以外に、レベッカ・マックバーンが急に参加したって」
アリエス達3人はダンゼリアム王国方面担当。
王国から聖王国に依頼が来ると、担当のガーラント司教からアリエスに連絡が来る。
アリエス達がリーダーとして魔法士達を率いて王国へ行くが、王宮へ参内するのも王国の担当者と打ち合わせをするのも、全てアリエス達3人が行なっている。魔法士達は被害地区へ直行し、依頼を終わらせて直帰する。
ダンゼリアム王国の実情を知っているのは、アリエス達3人とガーラント司教だけ。
「あのガキが!? ヤバいよ、ヤバいじゃない! なんでそんなことになってるのよ。ガーラント司教のとこに行くわよ」
アリエス達3人とガーラント司教はダンゼリアム国王と結託して、割引した依頼料を懐に入れてきた。
聖王国とダンゼリアム王国の間にある国、風光明媚な観光地で有名なハプスシード公国には、アリエスとガーラント司教の『愛の巣』も購入済みで、引退後の計画も進んでいた。
賭け事と年下の愛人に金がかかるナディアと、武器や毒薬などのコレクターのオレリアは人体実験する為の費用が欠かせない。
3ババと司教の終わりに向けてカウントダウンがはじまった。
広さはロクサーナの部屋の1.5倍くらい。内装は新しくしてあったようで、壁や床に傷や汚れは見当たらない。
シンプルなアイアンベッドと勉強机。ひとりがけのソファとコーヒーテーブル。チェストはないがクローゼットがかなり広い。
「シンプルで使いやすそう」
「確かに。ロクサーナの部屋の広さをみた後だと、文句は言えなくなっちゃったよ」
サブリナの部屋は予想を裏切る種類の豪華さだった。
大半が白とピンクと金でできた部屋。
白地に金の花模様が描かれたド派手な⋯⋯ゴージャスな壁紙。ベビーピンクのレースと金糸で裾模様が織り込まれたピンクのカーテン。タッセルは勿論ピンクと金の縁取り。
張り替えたばかりに見える床は艶々のライトブラウン。
白いドレッサーには金色の模様が縁取られている。精巧な彫りが見事な白地のソファとセットのコーヒーテーブル。勉強机は扉を倒すと扉部分がデスクに早変わりするビューローで、見事な彫刻が彫り込まれている。本棚とチェストはお揃いのよう。
アンティーク調の装飾が施された木製のプリンセスベッドには、羽毛布団と大量のクッション。
「このソファもテーブルも、新品だよね。ふわふわのクッションが利いたソファはお昼寝にちょうど良さそう。うん」
「⋯⋯ベッドに天蓋が付いてなくて良かったね」
セシルとロクサーナの慰めに近い褒め言葉に、サブリナが苦笑いを浮かべた。
「まあ、レベッカ用の部屋よりはマシかもだけど⋯⋯長い時間ここにいたら目が痛くなりそうだわ」
レベッカ用の部屋はコレと同じ雰囲気で、基本色が白と濃い青と金だそう。
お茶とお菓子を並べてソファに沈み込⋯⋯座る。
「なるべく早めに観葉植物を置くつもりなの。そうすればもう少しマシになるはずでしょ?」
「かなり良くなるんじゃない? ちょっと盛りすぎなだけで、使ってる品は良いものばかりだし。あのライティングビューローとか、うちの商会で見たことあるもん」
見るもの全てを金勘定するセシル、恐るべし。
「クッションカバーを変えるだけでも、雰囲気変わるんじゃないかな」
「⋯⋯これってさ、王妃様の趣味かなあ。ロクサーナはどう思う?」
「セシルと同意見。物選びとかは分かんないけど、イメージとかは王妃様が出してそうな気がする」
謁見の間で見た王妃の真っ赤なドレスと、盛大に盛った宝石の山を思い出した。
「魔法士の依頼料が払えない極貧国だよね⋯⋯」
「「うん」」
「後でジルベルト司祭にご報告する事が山積みかもね」
夕食が終わり後は寝るだけ⋯⋯。ロクサーナはジルベルト司祭が持つ⋯⋯無理やり持たせたとも言うが⋯⋯魔導具の通信鏡で連絡を入れることにした。
(さ~て、盛りだくさんの報告だけど、ジルベルト司祭の精神は持つかな~)
通信鏡の画面に映ったジルベルト司祭はまだ司祭服を着ており、背景には執務室に掛かった風景画が見える。
(流石、聖王国一の仕事中毒って言われるジルベルト司祭! まだ執務室にいるんだ)
「こんばんは~、今夜のロクサーナ通信で~す!」
「今日はテンション高いね。良いことでもあったのかな?」
「馬車に揺られずに済むのは嬉しいですね! で、今日一日の報告ですけど⋯⋯」
穏やかにはじまった通信だが、ロクサーナの話が進むのに合わせて、ジルベルト司祭の眉間に縦皺が入っていく。
「来る時に通り過ぎた町や村は報告通りって言っていいと思うけど、王都はそれなりに活気があったし。
王宮やら学園なんて超金かかってますし~。国王一家も大臣やら貴族やらも、キラッキラの宝石やら流行りのジュストコールやドレスやらで、凄かったですよ~」
「ぐぐっ⋯⋯」
「って感じですけど!? 極貧国に無料で魔法士を派遣してるのって、いつからでしたっけねえ」
「となると⋯⋯アリエスと愉快な仲間達だけじゃなく、ガーラント司教もってことかしら!?」
(ジルベルト司祭がオネエ言葉になってる⋯⋯まあ、怒るよね)
「証拠集めよろしく。きっちり落とし前つけさせてやるわ」
「りょうか~い。それとさ、魔法士として全員を利用しまくる気満々でさぁ。暫く仕事でこき使って能力とかチェックしたら、婚約者を一人選んで、残りはそのまま魔法士として使うつもりかも。既に仕事のスケジュール立ててるって言ってたし」
「はあ? そんな契約してないわよ!?」
「全部王国に決定権があるみたいに上から目線だったから、聖王国から連絡が来ない限りやらないって突っぱねときましたから。ちゃーんと仕事してくださいね。
私はタダ働きなんてしないし、サブリナとセシルにもさせないから。レベッカは知らんけど」
「勿論よ、絶対に仕事なんて受けなくていいから!」
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「早すぎる⋯⋯着いたその日に騒ぎを起こすなんて」
「え? 王国に着くまでの間に私達が被った被害も聞く? 精神的・物理的被害に対しての慰謝料請求するからね」
「うっ! マジで?」
「契約時にお世話を任されたのはサブリナとセシルだけ。契約書、読み直してね~」
「そ、そうだったあぁぁ」
★★ ★★
少し日を遡り、ロクサーナ達が聖王国を出発した直後⋯⋯。
教会の談話室にナディア・オニールが駆け込んできた。
「アリエス、大変よ!」
のんびりお茶をしていたアリエス・ジェファーソンとオレリア・ブームが顔を上げた。
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「あのチビがダンゼリアム王国に行ったって、さっき神官たちが話してたの!」
「はぁ? バカなこと言わないで。スタンピードや海獣が出る季節はまだ先じゃない」
「そうよぉ、何かあったんならうちらに真っ先に連絡が来るはずだし~」
「婚約者がどうのとか言ってて、サブリナとセシル以外に、レベッカ・マックバーンが急に参加したって」
アリエス達3人はダンゼリアム王国方面担当。
王国から聖王国に依頼が来ると、担当のガーラント司教からアリエスに連絡が来る。
アリエス達がリーダーとして魔法士達を率いて王国へ行くが、王宮へ参内するのも王国の担当者と打ち合わせをするのも、全てアリエス達3人が行なっている。魔法士達は被害地区へ直行し、依頼を終わらせて直帰する。
ダンゼリアム王国の実情を知っているのは、アリエス達3人とガーラント司教だけ。
「あのガキが!? ヤバいよ、ヤバいじゃない! なんでそんなことになってるのよ。ガーラント司教のとこに行くわよ」
アリエス達3人とガーラント司教はダンゼリアム国王と結託して、割引した依頼料を懐に入れてきた。
聖王国とダンゼリアム王国の間にある国、風光明媚な観光地で有名なハプスシード公国には、アリエスとガーラント司教の『愛の巣』も購入済みで、引退後の計画も進んでいた。
賭け事と年下の愛人に金がかかるナディアと、武器や毒薬などのコレクターのオレリアは人体実験する為の費用が欠かせない。
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