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25.やってきました、風邪の季節
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「紅葉のシーズンが終わり、落ち葉を吹き散らす風の冷たさに物悲しい気分になってしまう。そんな情緒も理解するロクサーナ・バーラム15歳でっす」
【ロクサーナ、通常営業じゃん】
【この間も~、アラクネ虐めしてたし~】
「虐めじゃないもん! 変異種だったんだもん。あの子が出す糸が欲しかったんだもん」
魔の森の奥で見つけた大型のアラクネから魔糸をゲットするべく、ちょっと攻撃しては逃げるを繰り返し、吐き出す魔糸を回収。これを延々と続けていると⋯⋯なんとビックリ。アラクネが泣き出した。
『もう嫌ぁぁ、もう無理ぃぃ。もう魔糸出ないからぁぁ! ゆるじでぇぇ』
【虐めだね。ゴリッゴリに心を削られてた】
【間違いないねえ。げっそり~になってたもん】
「反省しま~す。でもねでもね、銀色だけど光に当たると虹色に光る冬用のコートができそうなんだよ。できたらお礼に行こうと思⋯⋯」
【行くなー!】
【行っちゃダメよお】
「はい、そっとしときます」
コートの出来上がりをワクワクしながら待つご機嫌なロクサーナだが、冷たい風と共に体調を崩す者が増え、学園でも欠席者が目立ってきた。そんな中、益々お一人様への道を爆走中のロクサーナ。
チェンバー先生はポーション作りで見る影もなく痩せ細り、手伝わないロクサーナに恨みがましい目を向けている。
(タダでは働きませんからね~。しかも、ちょこっと咳が出ただけの、お貴族様用のポーションなんてお断りしま~す)
【セシルとサブリナも捨てちゃえば?】
【そだよぉ、ピッピ、プリプリだよ~】
(うーん、楽しそうだから良いんじゃないかな)
休む生徒が増えはじめるとサブリナやセシルは、座学の授業も別の生徒達と行動するようになった。
『お友達がお休みだからって⋯⋯』
『ぼっちになったら可哀想だからさ⋯⋯』
サブリナ達はこの国で生きていくと決め、新しい友達を優先しているのだと思う。
(家族も幼い頃からの友人もいない国で生きていくなら、自分の居場所を作ろうとするのはごく自然な事だからね)
そのくせ宿題や課題を押し付け、ノートをちゃっかりと奪っていく。
(そこだけはなんだかなぁ⋯⋯)
そんな状況にも関わらず『聖女がいるんだから俺は大丈夫!』と言っていたポンコツ王子御一行は、見事風邪菌をゲットして熱を出し月曜日から学園を休んでいる。
「土日に一泊で別荘に行ってらしたんですって」
「まさか、この季節に温泉!?」
初級ポーションが効かなかったのか⋯⋯火曜日の夜、食堂でお喋りを楽しんでいた『自称聖女』レベッカに王宮から迎えが来た。
「レベッカ様、至急王宮へお越しくださるようにと、王妃様より申しつかって参りました」
「えっ! も、もしかして⋯⋯アーノルド様の風邪ですか!? そ、それは⋯⋯暖かくしてお休みすれば⋯⋯多分、治ると思⋯⋯や、やります! 勿論!! 直ぐに支度しますぅぅ」
迎えに来た近衛兵の冷ややかな視線で立ち上がったレベッカは、貴族の嗜みも忘れて食堂から飛び出して行った。
清浄な生命の水を噴霧し、傷口の殺菌消毒と再生の促進を促す効果があるヒールミストしか使えないレベッカ。しかも、魔力のコントロールが下手くそな彼女のヒールミストはかなりショボい。
食事の続きをはじめたロクサーナの所にサブリナとセシルが慌てて駆け寄ってきた。
「ねえ、大丈夫なのかしら? 詠唱だって『清らかなるものよ、生命の水よ。穢れを洗い流し癒しを与えよ。ヒールミスト』なのよ。
ヒールミストでは熱は下がらないし、風邪菌にも効かないのに」
「これをきっかけに、『ホントは聖女じゃありません』って正直に言えばいいじゃん。素直に嘘を認めたら私が助けるからさ」
ヒールが使えるロクサーナやセシルに頼れば、自分が聖女ではない事が間違いなくバレてしまうレベッカは、絶対に頼れないだろう。
「で、でも⋯⋯王族を謀ったのよ! 今まで黙ってたんだもの、連座で処罰されてしまうかもしれないわ」
【面白そうだからぁ、見てくる~】
(いってらっしゃ~い)
楽しそうなピッピを送り出したロクサーナは、セシル達と別れて部屋に戻る事にした。
部屋に戻り翌日の授業の準備を終わらせたロクサーナが『暇だから魔獣討伐に行こうかなぁ』と準備をはじめたところで、ピッピが部屋に飛び込んできた。
【たっだっいま~、面白かったよ~】
ピッピの話によると⋯⋯。
ポンコツ王子はかなりの重症らしく、赤い顔で荒い息を吐いていたという。目を吊り上げた王妃や使用人達の前で、何度もビールミストを唱えたが効くはずもなく、レベッカは真っ青な顔で震えるばかり。
【詠唱も違っててぇ、ダメダメなの~】
『き、清らかなる生命の水よ。穢れを洗い流し⋯⋯えーっと、癒しを。ヒールミスト』
「マジかぁ⋯⋯そこまでとは。緊張してたとかかな?」
全く変化のない王子の前で王妃に詰め寄られ、しどろもどろで言い訳を繰り返したレベッカは逃げ出したと言う。
「ちょっとヤバいかもね」
翌日の水曜日、噂の上級ポーションをチェンバー先生から強奪しようとしたが、既に実験で使った後だと言われたレベッカは、図書室に向かうロクサーナを追いかけてきた。
「ロクサーナ! 上級ポーションを作んなさい!」
「聖王国経由で依頼があれば作るけど? 自己紹介で『聖女ですぅ』って言ってた人がいたから、その人に頼んだらどうかな?」
「なっ! あんた、それでも聖王国の聖⋯⋯魔法士なの!?」
「うーん、どうだろう。聖王国に問い合わせてみたら?」
そして、木曜日⋯⋯案の定と言うべきか、授業を終えて寮に帰って来たロクサーナは、ベッドのシーツが乱れているのに気がついた。
すぐに記録の魔導具を確認すると、メイドを連れて部屋中を探し回り、クローゼットの奥で見つけた小箱の中身を確認し、嬉しそうに持ち出すレベッカが鮮明に映っていた。
レベッカが持ち出したのは、聖女に任命された時に聖王から直々に贈られたブローチで、聖女の力を高める付与がされ使用者登録もされている。因みに魔法士は杖を贈られる。
スピネルは努力と向上、ターコイズは成功と繁栄、バイカラートルマリンは平和や安定、プレナイトは忍耐力と根気等々。
ただ⋯⋯聖王から下賜された本物は『期間限定だからいらないで~す』とロクサーナが投げ出したので、ジルベルト司祭が保管している。
つまり、レベッカが喜び勇んで盗んでいったのは、『代わりに持ってて、お願いだから。ねっ、マジでお願い!』とジルベルト司祭に無理やり渡されたガラス玉でできた偽物。
「レベッカに関わるのめんどくさいなぁ」
気の弱い寮監とリトルレベッカな寮長では、報告しても意味がないだろう。下手に騒ぐと何を言われるか⋯⋯考えただけでため息が出る。
【ジルベルトのプレゼントだよ?】
「うっ! やっぱ、取り戻そう」
「先ずは寮監に報告するべきだよね」
部屋を出たロクサーナは1階の入り口にある受付に向かった。
「すみませーん」
「あら、バーラムさん。どうされましたか?」
「今日、学園から帰って来たら部屋が荒らされてたので報告に来ました」
「まあ! 大変だわ、すぐに事務長に連絡しなくては。多分騎士団が来てくださると思うから」
慌てふためいて事務所に向かった寮監の後ろ姿を見ながら、ロクサーナは溜め息を吐いた。
(騎士団ねぇ、あの騎士団だよね)
部屋でうろうろするわけにもいかず、受付で待っていると事務長を連れた寮監が戻って来た。
「お待たせしました。騎士団には連絡済みですからまもなく来ると思います。詳しい事情は彼らが来てからにしましょう」
談話室で待機することになり、寮監がお茶を淹れながら愚痴をこぼした。
「今まで一度もこんなことはなかったのに」
「学園の警備は厳重ですし、寮の入り口には生徒や使用人しか入れないよう、魔導具を設置していますから⋯⋯嘘だったり勘違いだったりしたら大変なことになります」
カップ越しにチラチラと詮索するような目を向けてくる(目が細すぎて分からないけど、多分見てる気がする)事務長は、ロクサーナの事を嘘吐きで被害者のふりをしている面倒な生徒だと思っているよう。
「クローゼットの中に貴重品を入れる鍵付きの箱を入れておいたのですが、鍵が壊されていて⋯⋯聖王様から下賜されたブローチがなくなっていたので間違いありません」
「へ? そ、そのような大切なものを!? なんでそんなものを持って来たんですか!! 目立ちたいのかも知れませんがね、いい迷惑ですよ!」
真っ赤な顔で腰を浮かせた事務長がテーブルを叩くと、カップがカチャカチャと危険な音を立てた。
「聖王国にはそのように伝えておきましょう。下賜された時、できる限り身近に置くよう申しつかり、その指示を守っていただけだったのですが⋯⋯」
(いつも持っとけとか⋯⋯面倒だよね)
【ロクサーナ、通常営業じゃん】
【この間も~、アラクネ虐めしてたし~】
「虐めじゃないもん! 変異種だったんだもん。あの子が出す糸が欲しかったんだもん」
魔の森の奥で見つけた大型のアラクネから魔糸をゲットするべく、ちょっと攻撃しては逃げるを繰り返し、吐き出す魔糸を回収。これを延々と続けていると⋯⋯なんとビックリ。アラクネが泣き出した。
『もう嫌ぁぁ、もう無理ぃぃ。もう魔糸出ないからぁぁ! ゆるじでぇぇ』
【虐めだね。ゴリッゴリに心を削られてた】
【間違いないねえ。げっそり~になってたもん】
「反省しま~す。でもねでもね、銀色だけど光に当たると虹色に光る冬用のコートができそうなんだよ。できたらお礼に行こうと思⋯⋯」
【行くなー!】
【行っちゃダメよお】
「はい、そっとしときます」
コートの出来上がりをワクワクしながら待つご機嫌なロクサーナだが、冷たい風と共に体調を崩す者が増え、学園でも欠席者が目立ってきた。そんな中、益々お一人様への道を爆走中のロクサーナ。
チェンバー先生はポーション作りで見る影もなく痩せ細り、手伝わないロクサーナに恨みがましい目を向けている。
(タダでは働きませんからね~。しかも、ちょこっと咳が出ただけの、お貴族様用のポーションなんてお断りしま~す)
【セシルとサブリナも捨てちゃえば?】
【そだよぉ、ピッピ、プリプリだよ~】
(うーん、楽しそうだから良いんじゃないかな)
休む生徒が増えはじめるとサブリナやセシルは、座学の授業も別の生徒達と行動するようになった。
『お友達がお休みだからって⋯⋯』
『ぼっちになったら可哀想だからさ⋯⋯』
サブリナ達はこの国で生きていくと決め、新しい友達を優先しているのだと思う。
(家族も幼い頃からの友人もいない国で生きていくなら、自分の居場所を作ろうとするのはごく自然な事だからね)
そのくせ宿題や課題を押し付け、ノートをちゃっかりと奪っていく。
(そこだけはなんだかなぁ⋯⋯)
そんな状況にも関わらず『聖女がいるんだから俺は大丈夫!』と言っていたポンコツ王子御一行は、見事風邪菌をゲットして熱を出し月曜日から学園を休んでいる。
「土日に一泊で別荘に行ってらしたんですって」
「まさか、この季節に温泉!?」
初級ポーションが効かなかったのか⋯⋯火曜日の夜、食堂でお喋りを楽しんでいた『自称聖女』レベッカに王宮から迎えが来た。
「レベッカ様、至急王宮へお越しくださるようにと、王妃様より申しつかって参りました」
「えっ! も、もしかして⋯⋯アーノルド様の風邪ですか!? そ、それは⋯⋯暖かくしてお休みすれば⋯⋯多分、治ると思⋯⋯や、やります! 勿論!! 直ぐに支度しますぅぅ」
迎えに来た近衛兵の冷ややかな視線で立ち上がったレベッカは、貴族の嗜みも忘れて食堂から飛び出して行った。
清浄な生命の水を噴霧し、傷口の殺菌消毒と再生の促進を促す効果があるヒールミストしか使えないレベッカ。しかも、魔力のコントロールが下手くそな彼女のヒールミストはかなりショボい。
食事の続きをはじめたロクサーナの所にサブリナとセシルが慌てて駆け寄ってきた。
「ねえ、大丈夫なのかしら? 詠唱だって『清らかなるものよ、生命の水よ。穢れを洗い流し癒しを与えよ。ヒールミスト』なのよ。
ヒールミストでは熱は下がらないし、風邪菌にも効かないのに」
「これをきっかけに、『ホントは聖女じゃありません』って正直に言えばいいじゃん。素直に嘘を認めたら私が助けるからさ」
ヒールが使えるロクサーナやセシルに頼れば、自分が聖女ではない事が間違いなくバレてしまうレベッカは、絶対に頼れないだろう。
「で、でも⋯⋯王族を謀ったのよ! 今まで黙ってたんだもの、連座で処罰されてしまうかもしれないわ」
【面白そうだからぁ、見てくる~】
(いってらっしゃ~い)
楽しそうなピッピを送り出したロクサーナは、セシル達と別れて部屋に戻る事にした。
部屋に戻り翌日の授業の準備を終わらせたロクサーナが『暇だから魔獣討伐に行こうかなぁ』と準備をはじめたところで、ピッピが部屋に飛び込んできた。
【たっだっいま~、面白かったよ~】
ピッピの話によると⋯⋯。
ポンコツ王子はかなりの重症らしく、赤い顔で荒い息を吐いていたという。目を吊り上げた王妃や使用人達の前で、何度もビールミストを唱えたが効くはずもなく、レベッカは真っ青な顔で震えるばかり。
【詠唱も違っててぇ、ダメダメなの~】
『き、清らかなる生命の水よ。穢れを洗い流し⋯⋯えーっと、癒しを。ヒールミスト』
「マジかぁ⋯⋯そこまでとは。緊張してたとかかな?」
全く変化のない王子の前で王妃に詰め寄られ、しどろもどろで言い訳を繰り返したレベッカは逃げ出したと言う。
「ちょっとヤバいかもね」
翌日の水曜日、噂の上級ポーションをチェンバー先生から強奪しようとしたが、既に実験で使った後だと言われたレベッカは、図書室に向かうロクサーナを追いかけてきた。
「ロクサーナ! 上級ポーションを作んなさい!」
「聖王国経由で依頼があれば作るけど? 自己紹介で『聖女ですぅ』って言ってた人がいたから、その人に頼んだらどうかな?」
「なっ! あんた、それでも聖王国の聖⋯⋯魔法士なの!?」
「うーん、どうだろう。聖王国に問い合わせてみたら?」
そして、木曜日⋯⋯案の定と言うべきか、授業を終えて寮に帰って来たロクサーナは、ベッドのシーツが乱れているのに気がついた。
すぐに記録の魔導具を確認すると、メイドを連れて部屋中を探し回り、クローゼットの奥で見つけた小箱の中身を確認し、嬉しそうに持ち出すレベッカが鮮明に映っていた。
レベッカが持ち出したのは、聖女に任命された時に聖王から直々に贈られたブローチで、聖女の力を高める付与がされ使用者登録もされている。因みに魔法士は杖を贈られる。
スピネルは努力と向上、ターコイズは成功と繁栄、バイカラートルマリンは平和や安定、プレナイトは忍耐力と根気等々。
ただ⋯⋯聖王から下賜された本物は『期間限定だからいらないで~す』とロクサーナが投げ出したので、ジルベルト司祭が保管している。
つまり、レベッカが喜び勇んで盗んでいったのは、『代わりに持ってて、お願いだから。ねっ、マジでお願い!』とジルベルト司祭に無理やり渡されたガラス玉でできた偽物。
「レベッカに関わるのめんどくさいなぁ」
気の弱い寮監とリトルレベッカな寮長では、報告しても意味がないだろう。下手に騒ぐと何を言われるか⋯⋯考えただけでため息が出る。
【ジルベルトのプレゼントだよ?】
「うっ! やっぱ、取り戻そう」
「先ずは寮監に報告するべきだよね」
部屋を出たロクサーナは1階の入り口にある受付に向かった。
「すみませーん」
「あら、バーラムさん。どうされましたか?」
「今日、学園から帰って来たら部屋が荒らされてたので報告に来ました」
「まあ! 大変だわ、すぐに事務長に連絡しなくては。多分騎士団が来てくださると思うから」
慌てふためいて事務所に向かった寮監の後ろ姿を見ながら、ロクサーナは溜め息を吐いた。
(騎士団ねぇ、あの騎士団だよね)
部屋でうろうろするわけにもいかず、受付で待っていると事務長を連れた寮監が戻って来た。
「お待たせしました。騎士団には連絡済みですからまもなく来ると思います。詳しい事情は彼らが来てからにしましょう」
談話室で待機することになり、寮監がお茶を淹れながら愚痴をこぼした。
「今まで一度もこんなことはなかったのに」
「学園の警備は厳重ですし、寮の入り口には生徒や使用人しか入れないよう、魔導具を設置していますから⋯⋯嘘だったり勘違いだったりしたら大変なことになります」
カップ越しにチラチラと詮索するような目を向けてくる(目が細すぎて分からないけど、多分見てる気がする)事務長は、ロクサーナの事を嘘吐きで被害者のふりをしている面倒な生徒だと思っているよう。
「クローゼットの中に貴重品を入れる鍵付きの箱を入れておいたのですが、鍵が壊されていて⋯⋯聖王様から下賜されたブローチがなくなっていたので間違いありません」
「へ? そ、そのような大切なものを!? なんでそんなものを持って来たんですか!! 目立ちたいのかも知れませんがね、いい迷惑ですよ!」
真っ赤な顔で腰を浮かせた事務長がテーブルを叩くと、カップがカチャカチャと危険な音を立てた。
「聖王国にはそのように伝えておきましょう。下賜された時、できる限り身近に置くよう申しつかり、その指示を守っていただけだったのですが⋯⋯」
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