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24.クラーケンよりクマが怖い
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出航すると決めてから4時間後。空がかすかにオレンジ色に染まりはじめた頃に出航することになった。
「夕焼けで誤魔化せるかもだしね」
「暗い海でクラーケンは勘弁しろよ」
明るい空の下では魔法が見つかりやすい。ロクサーナは夜が更けてからにしたいと言ったがウルサ達に断られ、ある程度明るさの残る時間にさせられた。
『海を甘くみんなよ、この辺りは夜になると潮の流れが変わる場所が増える』
『真夜中はイカ釣りの船がではじめるから、その中間がいいと思うの。凪になるしね~』
『かか、過信は禁物』
海風が鎮まりはじめた中、ウルサの指示で船が走りはじめた。
「北に見える島の右方向によろ~」
ロクサーナの索敵には中程度の大きさのクラーケンが見えている。
【あのくらいが一番美味しいよね】
「絶対に無理すんなよ。クラーケンを諦めても全員で生きて帰るからな」
「大丈夫だよ、しつこいなぁ。肝のちっちゃい奴はあっちもちっちゃいってガンツが言ってた」
「ガンツ⋯⋯エロジジイが余計な事を!」
「将来の男選びの為に覚えとけって」
出航前に髭を剃って髪を切ってきたウルサは、物言いの割に楽しそうな声で注意ばかりしている。
「ご機嫌治ったんだね」
「人の顔を見た途端、どなたですかとか言いやがるからだろうが」
「首から上が別人だったんだもん。取り外して付け替えてくるなんて聞いてない」
港を離れた船は小島の近くを通り過ぎていく。波も小さく穏やかすぎるほどの海が、緑から濃い青に変わっていくのを船縁から覗き込むと、途端にウルサの小言が飛んできた。
「落ちるぞ」
「大丈夫、そん時は浮遊魔法で飛ぶから」
「飛べるのに船がいるのか?」
「できれば人に見られたくないからね」
船が近くにあればクラーケンとのバトルに気付いた人がいても『船が襲われてる』と思うだけ。
この世界の人達は魔物に襲われている人がいても、助けに行こうとは思わない。
「みんな生命が大事だからな。しっかし、風がないのによく走るな」
帆をたたみオールで漕いでいるが、それほど力がいらないのが不思議だとウルサ達は首を捻っている。
(ウルウルのお陰だね)
風魔法が得意なウルウルが船の後押しをしてくれているせいで、滑るように走る船が目的地に近付いてきた。
「少し左⋯⋯そう、そのくらい。あと1分くらいで停められる?」
「おう、マジで出てくんのかよ」
船の腹にあたる潮がチャプンチャプンと立てる音だけが聞こえ、ロクサーナが立ち上がった。
「船には結界を張っとくから波が出ても慌てないで、あとは⋯⋯船がひっくり返ったら適当に泳いでてね~」
空に飛び上がったロクサーナが船から離れる。ウルサ達の目から米粒くらいの大きさになった時、海に向けて大きな何かがいくつも打ち込まれた。
「石⋯⋯氷か?」
巨大な水飛沫が上がり船が大きく揺れる。
「ねえ、チビちゃん大丈夫なの!?」
「分からんけど大丈夫って言ってた」
少し間を空けて打ち込まれる固まりと水飛沫。空振りかとウルサ達が思った時、今までで一番大きく船が揺れた。
「来たぞ!! 落とされるなよ!」
「マジだったなんて、信じらんない!」
海面から突き出した触腕が空に向かって伸び、ヌルヌルの頭が海面から出てきた。
氷の塊が落ちる度にクラーケンが暴れ潮を吹き、巨大な目がギロギロと動いてロクサーナの姿を探している。
「よっしゃあ、ちっこすぎて見つけられねえんだ!」
「頑張れ、チビちゃん」
残りの8本の腕が海面でゆらゆらと不気味に蠢めいて水飛沫を上げ続け、触腕がロクサーナを掴み損ねた時、クラーケンの頭に向けて雷撃が放たれた。
船まで聞こえる大きな音が響き渡り、大波で船が転覆しかける。
「持ち堪えろぉぉ! くっそぉ、チビに負けんじゃねえぇぇ!」
【いっただきぃ~、美味し~い】
2回目の雷撃が目の間を直撃した直後、クラーケンの姿がふっと消えた。
「終わったよ~」
ふわふわと飛んで戻って来たロクサーナが巨大な下足の一部を持って船の上に立つと、感極まったウルサにガシッと抱きつかれた。
「うっ、うぐっ、ぐ、ぐるじ⋯⋯」
アンセルがウルサの横腹に飛び蹴りをかまし、背中をバンバン叩いてタップしていたロクサーナをシーミアが助け出した。
「ゲホッゲホッ! ウ、ウルサはクラーケンより怖いよお。殺すなって契約書に入れとけばよかった。シーミアァ、怖かったよお」
ロクサーナは背中をさすってくれていた シーミアにわざとらしくしがみついた。
「うちの熊がごめん。気が高ぶると野生化しちゃうの、ホントごめんね」
「す、すまん⋯⋯つい」
カーニスがウルサの頭を張り飛ばした。
「テメエ! 『つい』で締め殺されたら堪らんだろうが。テメエの馬鹿力は魔物並みだっていつも言ってんじゃねえか」
波が収まり港にポチポチと火が灯っているのが見えた。車座に座るロクサーナ達の真ん中には、宙に浮かんだ網の上で焼かれる採れたてのクラーケンの下足。
水魔法で洗い浄化もかけて、下から火魔法でサッと炙ってパクパクもぐもぐ。
【さいっこう~! ロクサーナ、だあい好き~】
「季節外れの雷だって思ってくれてたら超ラッキーなんだけどなぁ」
「まあ、2発だけだったし。聞かれても知らねえで済ませられるかもな」
【僕も~、おかわりする。あ、それちょうだい】
話の合間にこっそりミュウ達にも焼きたてをサービスするロクサーナと、宙に消える下足に気付かないフリをするウルサ達。
「ねえ、ちょっと思ったんだけど⋯⋯時々聞く『季節外れのなんとか』って魔法だったりするのかしら?」
「う~ん、それはないと思うよ。たまにはあるかもだけど⋯⋯あ、昔ならあったかもね」
今のところ自分以上に魔法を使いこなす魔法士には会った事がないが、昔はそれ以上の魔法士がいたはずだと思っている。
(昔の魔法士⋯⋯今でもミュウ達なら私より凄いしね)
「揺れは凄かったけど結界のお陰で濡れなかったしね」
潮に濡れると肌が荒れると呟くシーミアは長い髪の先の枝毛をチェック中。
「いや、あの⋯⋯揺れるくらいはないとつまんないかなぁって。あはは」
「ん? どういう意味だ? ちゃーんと説明してもらおうかなあ、ええ?」
ウルサ達の目が疑心暗鬼で鋭くなった。
「結界で周りを囲むか、いっその事そのまま浮かすか⋯⋯って、それじゃあ臨場感なくて退屈か⋯⋯ぎゃあ! ごめんなさい」
「はぁ、まあいいじゃねえか。船は無事だしけがもねえ。特等席ですっげえショーを見せてもらったって思やあ」
「カーニスゥ、ありがと~」
「そうよ、2発で仕留めるなんて凄かったもんね! 豆粒よりちっちゃいロクサーナがどうやって戦うのかって、ハラハラドキドキが堪んなかったもん」
「多分知ってると思うけどイカの急所って2箇所だから、そこを狙ったんだよね~。バカバカ攻撃すると捌くの大変じゃん」
イカの急所⋯⋯胴の急所は目の間よりも少し胴側で筒の手前、ゲソ側の急所は丁度目と目の間。
「ピンポイントで狙えば簡単に殺れちゃう。クラーケンってダイオウイカの魔物だもんね」
「「「⋯⋯美味いな(わね)」」」
「次はどうすんだ?」
「う~ん、しばらく先かなぁ。まだ分かんない」
「シーサーペントも殺っちゃうの?」
「殺るのは簡単なんだけどね~。そこはちょっと事情があって⋯⋯すぐ殺るのかもう少し後なのかはまだ言えない。んでも、二度と領主に船は壊させないからね」
シーサーペントの住処は索敵済みだが、いつ殺るのかはジルベルト司祭次第。
(ジルベルト司祭の性格から考えると⋯⋯すぐに殺れと言い出すかもね。毎年討伐依頼があるのに追い払うだけなんて有り得ないっしょ。
アリエス達3人とガーランド司教以外の討伐隊にも疑惑発生だよ)
桟橋でウルサに船、カーニス達3人に報酬を渡したロクサーナは4人と分かれて寮に戻った。
「夕焼けで誤魔化せるかもだしね」
「暗い海でクラーケンは勘弁しろよ」
明るい空の下では魔法が見つかりやすい。ロクサーナは夜が更けてからにしたいと言ったがウルサ達に断られ、ある程度明るさの残る時間にさせられた。
『海を甘くみんなよ、この辺りは夜になると潮の流れが変わる場所が増える』
『真夜中はイカ釣りの船がではじめるから、その中間がいいと思うの。凪になるしね~』
『かか、過信は禁物』
海風が鎮まりはじめた中、ウルサの指示で船が走りはじめた。
「北に見える島の右方向によろ~」
ロクサーナの索敵には中程度の大きさのクラーケンが見えている。
【あのくらいが一番美味しいよね】
「絶対に無理すんなよ。クラーケンを諦めても全員で生きて帰るからな」
「大丈夫だよ、しつこいなぁ。肝のちっちゃい奴はあっちもちっちゃいってガンツが言ってた」
「ガンツ⋯⋯エロジジイが余計な事を!」
「将来の男選びの為に覚えとけって」
出航前に髭を剃って髪を切ってきたウルサは、物言いの割に楽しそうな声で注意ばかりしている。
「ご機嫌治ったんだね」
「人の顔を見た途端、どなたですかとか言いやがるからだろうが」
「首から上が別人だったんだもん。取り外して付け替えてくるなんて聞いてない」
港を離れた船は小島の近くを通り過ぎていく。波も小さく穏やかすぎるほどの海が、緑から濃い青に変わっていくのを船縁から覗き込むと、途端にウルサの小言が飛んできた。
「落ちるぞ」
「大丈夫、そん時は浮遊魔法で飛ぶから」
「飛べるのに船がいるのか?」
「できれば人に見られたくないからね」
船が近くにあればクラーケンとのバトルに気付いた人がいても『船が襲われてる』と思うだけ。
この世界の人達は魔物に襲われている人がいても、助けに行こうとは思わない。
「みんな生命が大事だからな。しっかし、風がないのによく走るな」
帆をたたみオールで漕いでいるが、それほど力がいらないのが不思議だとウルサ達は首を捻っている。
(ウルウルのお陰だね)
風魔法が得意なウルウルが船の後押しをしてくれているせいで、滑るように走る船が目的地に近付いてきた。
「少し左⋯⋯そう、そのくらい。あと1分くらいで停められる?」
「おう、マジで出てくんのかよ」
船の腹にあたる潮がチャプンチャプンと立てる音だけが聞こえ、ロクサーナが立ち上がった。
「船には結界を張っとくから波が出ても慌てないで、あとは⋯⋯船がひっくり返ったら適当に泳いでてね~」
空に飛び上がったロクサーナが船から離れる。ウルサ達の目から米粒くらいの大きさになった時、海に向けて大きな何かがいくつも打ち込まれた。
「石⋯⋯氷か?」
巨大な水飛沫が上がり船が大きく揺れる。
「ねえ、チビちゃん大丈夫なの!?」
「分からんけど大丈夫って言ってた」
少し間を空けて打ち込まれる固まりと水飛沫。空振りかとウルサ達が思った時、今までで一番大きく船が揺れた。
「来たぞ!! 落とされるなよ!」
「マジだったなんて、信じらんない!」
海面から突き出した触腕が空に向かって伸び、ヌルヌルの頭が海面から出てきた。
氷の塊が落ちる度にクラーケンが暴れ潮を吹き、巨大な目がギロギロと動いてロクサーナの姿を探している。
「よっしゃあ、ちっこすぎて見つけられねえんだ!」
「頑張れ、チビちゃん」
残りの8本の腕が海面でゆらゆらと不気味に蠢めいて水飛沫を上げ続け、触腕がロクサーナを掴み損ねた時、クラーケンの頭に向けて雷撃が放たれた。
船まで聞こえる大きな音が響き渡り、大波で船が転覆しかける。
「持ち堪えろぉぉ! くっそぉ、チビに負けんじゃねえぇぇ!」
【いっただきぃ~、美味し~い】
2回目の雷撃が目の間を直撃した直後、クラーケンの姿がふっと消えた。
「終わったよ~」
ふわふわと飛んで戻って来たロクサーナが巨大な下足の一部を持って船の上に立つと、感極まったウルサにガシッと抱きつかれた。
「うっ、うぐっ、ぐ、ぐるじ⋯⋯」
アンセルがウルサの横腹に飛び蹴りをかまし、背中をバンバン叩いてタップしていたロクサーナをシーミアが助け出した。
「ゲホッゲホッ! ウ、ウルサはクラーケンより怖いよお。殺すなって契約書に入れとけばよかった。シーミアァ、怖かったよお」
ロクサーナは背中をさすってくれていた シーミアにわざとらしくしがみついた。
「うちの熊がごめん。気が高ぶると野生化しちゃうの、ホントごめんね」
「す、すまん⋯⋯つい」
カーニスがウルサの頭を張り飛ばした。
「テメエ! 『つい』で締め殺されたら堪らんだろうが。テメエの馬鹿力は魔物並みだっていつも言ってんじゃねえか」
波が収まり港にポチポチと火が灯っているのが見えた。車座に座るロクサーナ達の真ん中には、宙に浮かんだ網の上で焼かれる採れたてのクラーケンの下足。
水魔法で洗い浄化もかけて、下から火魔法でサッと炙ってパクパクもぐもぐ。
【さいっこう~! ロクサーナ、だあい好き~】
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【僕も~、おかわりする。あ、それちょうだい】
話の合間にこっそりミュウ達にも焼きたてをサービスするロクサーナと、宙に消える下足に気付かないフリをするウルサ達。
「ねえ、ちょっと思ったんだけど⋯⋯時々聞く『季節外れのなんとか』って魔法だったりするのかしら?」
「う~ん、それはないと思うよ。たまにはあるかもだけど⋯⋯あ、昔ならあったかもね」
今のところ自分以上に魔法を使いこなす魔法士には会った事がないが、昔はそれ以上の魔法士がいたはずだと思っている。
(昔の魔法士⋯⋯今でもミュウ達なら私より凄いしね)
「揺れは凄かったけど結界のお陰で濡れなかったしね」
潮に濡れると肌が荒れると呟くシーミアは長い髪の先の枝毛をチェック中。
「いや、あの⋯⋯揺れるくらいはないとつまんないかなぁって。あはは」
「ん? どういう意味だ? ちゃーんと説明してもらおうかなあ、ええ?」
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「ピンポイントで狙えば簡単に殺れちゃう。クラーケンってダイオウイカの魔物だもんね」
「「「⋯⋯美味いな(わね)」」」
「次はどうすんだ?」
「う~ん、しばらく先かなぁ。まだ分かんない」
「シーサーペントも殺っちゃうの?」
「殺るのは簡単なんだけどね~。そこはちょっと事情があって⋯⋯すぐ殺るのかもう少し後なのかはまだ言えない。んでも、二度と領主に船は壊させないからね」
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(ジルベルト司祭の性格から考えると⋯⋯すぐに殺れと言い出すかもね。毎年討伐依頼があるのに追い払うだけなんて有り得ないっしょ。
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