32 / 126
31.押しに弱いロクサーナは初めての共闘にチャレンジ
しおりを挟む
「いや~、学園に行かずに済むだけで、こ~んなに清々しい気持ちになれるなんてね~! ハッピー・ニュー・イヤー!! ひやっほうぅぅ」
「魔獣の血だらけで言うセリフじゃない気がするけど⋯⋯学園ってそんなに大変だったんだ」
「レオンさん、ノリ悪すぎだよぉ⋯⋯」
年が変わり登りはじめた太陽に向けて叫んでいたロクサーナが、地面に倒れ伏した。
「ヤバい⋯⋯ここ、血だらけだった。なんか背中がネチョネチョする」
「大丈夫、さっきとほとんど変わってない⋯⋯あ、びっちょりの血の上に草と土がついてるからかなり変わった」
学園から逃げ出して、王国の魔の森の近くに宿をとったロクサーナは髪を茶色に染め、冒険者証にある名前ジルとして活動をはじめた。因みにジルは僕っ子。
冒険者ギルドでは⋯⋯。
お決まりの『チビが偉そうに』の洗礼を受けて、再起不能なまで叩き潰した。
(訓練場でやったからノーカンだね)
宿に帰る途中の『金持ってんだろ~、貸してくれるよな~』のおじちゃん達は、半死半生の目に合わせて自警団に引き渡した。
(殺してないし、ポーション売ってあげたからノーカンだよ)
森の中で『ここは俺様の縄張りだ、その獲物寄越しやがれ!』のおねだりには、怒りまくっている別の大型の魔物をプレゼントして帰った。
(縄張りあるなんて知らなかったし~、頑張ってやっつければいいからノーカンなのだ)
半月もしないうちに『あいつはヤバい』と言われはじめて、悠々冒険者ライフができるようになった。
レオンと会ったのはジルがギルドで依頼の報告をする為に列に並んでいた時。
『おま、お前⋯⋯あの時のチビじゃねえか! こいつは俺たちにオーガをけしかけたんだ!』
目の前で『縄張りおじさん』が震えながらジルを指差しているが、人殺しだと叫びながら残念なシミを股間に作っている姿に哀愁が漂う。
『でもさ、後からやってきて僕が殺ったオーガを寄越せとか、ここは俺たちの縄張りだとか言うから、別のオーガを連れてきてあげたんだよ? しかも僕がやったのより大きくて立派な角の奴を選んであげたのに、文句を言われてもな~』
『煩い煩い煩ーい! あんなの殺れるわけねえだろ!? オーガの変異種だぞ、んなの死ぬわ!』
『生きてんじゃん⋯⋯そいつ、次の日殺っといたから大丈夫! もう会わないよ』
『嘘だ、こんなチビが変異種のオーガをひとりで殺れるわけがねえ』
『こないだギルドに持ち込まれたの見たよな』
『おお、すんげえ迫力だったよな』
結局『縄張りおじさん』はそのまま逃げ出した。
『今のって⋯⋯ねえ、このギルドって大丈夫なの?』
『大丈夫ですよ、ジルさんに関わりさえしなければ平穏無事な冒険者として生きていけますからね』
半月前まではここも長閑だったと遠い目をしたギルドの受付嬢が、返事をした後に目を輝かせた。
『あら! 見たことのないイケメ⋯⋯冒険者さんだわ。ここは初めてですよね』
髪の乱れを整えながら質問をし、ポケットから出した手鏡をチラッと見て、目の前の冒険者に笑顔を送る凄技を披露したベテラン受付嬢。
『う、うん。今朝着いたばかりなんだけど、しばらくこの辺りで活動しようかと思ってるんだ』
カウンターから身を乗り出した受付嬢の圧に、顔を引き攣らせて一歩後ろに下がった冒険者が答えた。
(あの圧に一歩後退で持ち堪えた。結構やるな)
感心していたジルはその冒険者と目が合ったが、特に気にする事もなく依頼の達成報告を済ませた。
『裏の解体場でいい?』
『今日も大量なんですか』
『いや、たまたま近くにオウルベアとキメラがいたから』
今日の獲物はトレント。火が苦手なトレントだが森の中に出るので攻撃がしにくい。オウルベアは帰り際に遭遇したのでついでに討伐してきた。
(この辺りって妙に変異種とキメラが多いよな~)
解体の依頼をしてギルドを出るとさっきのイケメンが追いかけてきた。
『ねえ、少し話せるかな? 来たばかりでこの辺りのことが分かんなくて困ってるんだ』
『僕もきたばっかりで、何も知らないから』
さっさと歩き出したジルの横を勝手に歩く冒険者は、何故か楽しそうに話しかけてくる。
『あっ、俺の名前はレオン。よろしく』
『⋯⋯』
『変異種のオーガなんて凄いね。やっぱり春のスタンピード狙い?』
『⋯⋯(しつこいなぁ)』
『この国のスタンピードって他とは変わってるからさあ、気になるんだよね~』
『⋯⋯』
『ジルの宿はどこ? 俺は⋯⋯』
『煩い! 着いてくるな』
『え~! あったばかりだけどさ、パーティー組まない? 多分ランクはAだろ? 俺もだからちょうどいいと思うんだ』
『良くない、僕は誰ともパーティーは組まないって決めてるから』
魔法は最少限で一般の冒険者らしい戦いを心がけてはいるが、他の冒険者達と一緒に行動するのは色々と都合が悪い。
(魔法もだしスタンピードの原因調査もだし。身バレしたら大変だもん)
ジルベルト司祭の名前からつけた冒険者名と僕っ子キャラ、無愛想な人嫌いで通している。
『じゃあ、何回かお試ししてくれないかな。それでダメなら諦めるからさ。ねっ、ねっ』
レオンのしつこさに根を上げたジルは小さく頷いた。
『助けないし、共闘もしないからね(こういうノー天気なタイプって、すぐに調子に乗るから苦手)』
『了解! わあ、すっごい楽しみになってきた。いつ行く? 明日? 明後日?』
『明日はキラービーの蜂蜜をやる予定。足を引っ張ったらアラクネの餌にするから』
『う、うん。この森ってアラクネも⋯⋯いるよな、そりゃ』
『当然(変異種で喋るし泣くし⋯⋯将来の仲間候補だし)』
いまだにアラクネの勧誘を諦めていないジルがふふっと笑った。
(こいつがいる間は、ミュウ達と普通に話せないのがちょっと残念)
翌朝、ギルド前で合流したジルとレオンは早速森に向かった。腰に剣を差したジルはもちろん手ぶらで、レオンは剣以外にリュックを、背負っている。
『アイテムポーチ⋯⋯便利だよね~』
『それが狙いなら今のうちに諦めた方がいいよ。レオンじゃ、僕には勝てないから』
『うん、それは間違いないと思う。俺は火属性で魔力も結構ある方だから、剣に火を纏わせて戦うことが多い。
で、割と人の魔力を感知できるんだけどジルのはキャパオーバーで感知できないって言うか、魔力量が多すぎてちょっと見ただけだと魔力なしに見える。
それと、人の物を狙うのは好きじゃないから安心してね』
『私の戦い方は色々。ほっといてくれたらいいから』
『でも、キラービーだろ? どうやるのかだけ決めといた方が良くない?」
『⋯⋯どうしたい?』
『俺一人なら火で燃やすけど、効率が悪いんだよね。蜂蜜なら巣ごと持って帰れれば高値で売れるしさ。だから滅多に依頼を受けないんだけど、やるなら長期戦だね』
『薬を使って眠らせる。で、落ちてるのをまとめて燃やせばすぐ』
『地図を確認したら結構森の奥だったから、日帰り無理そうだよね』
『うん(今日は転移できないもんな~)』
目的地に着いたのはお昼過ぎ。
『この季節なのによく見つけられるね。まあ、討伐依頼が出てる方がおかしいんだけどね』
冬眠するキラービーの討伐がこの時期に出る事はほとんどない。
『金持ちがどうしても採れたての蜂蜜が欲しいってゴリ押ししてきたんだって』
『馬鹿じゃん』
『クソだよ、さてやりますか』
「魔獣の血だらけで言うセリフじゃない気がするけど⋯⋯学園ってそんなに大変だったんだ」
「レオンさん、ノリ悪すぎだよぉ⋯⋯」
年が変わり登りはじめた太陽に向けて叫んでいたロクサーナが、地面に倒れ伏した。
「ヤバい⋯⋯ここ、血だらけだった。なんか背中がネチョネチョする」
「大丈夫、さっきとほとんど変わってない⋯⋯あ、びっちょりの血の上に草と土がついてるからかなり変わった」
学園から逃げ出して、王国の魔の森の近くに宿をとったロクサーナは髪を茶色に染め、冒険者証にある名前ジルとして活動をはじめた。因みにジルは僕っ子。
冒険者ギルドでは⋯⋯。
お決まりの『チビが偉そうに』の洗礼を受けて、再起不能なまで叩き潰した。
(訓練場でやったからノーカンだね)
宿に帰る途中の『金持ってんだろ~、貸してくれるよな~』のおじちゃん達は、半死半生の目に合わせて自警団に引き渡した。
(殺してないし、ポーション売ってあげたからノーカンだよ)
森の中で『ここは俺様の縄張りだ、その獲物寄越しやがれ!』のおねだりには、怒りまくっている別の大型の魔物をプレゼントして帰った。
(縄張りあるなんて知らなかったし~、頑張ってやっつければいいからノーカンなのだ)
半月もしないうちに『あいつはヤバい』と言われはじめて、悠々冒険者ライフができるようになった。
レオンと会ったのはジルがギルドで依頼の報告をする為に列に並んでいた時。
『おま、お前⋯⋯あの時のチビじゃねえか! こいつは俺たちにオーガをけしかけたんだ!』
目の前で『縄張りおじさん』が震えながらジルを指差しているが、人殺しだと叫びながら残念なシミを股間に作っている姿に哀愁が漂う。
『でもさ、後からやってきて僕が殺ったオーガを寄越せとか、ここは俺たちの縄張りだとか言うから、別のオーガを連れてきてあげたんだよ? しかも僕がやったのより大きくて立派な角の奴を選んであげたのに、文句を言われてもな~』
『煩い煩い煩ーい! あんなの殺れるわけねえだろ!? オーガの変異種だぞ、んなの死ぬわ!』
『生きてんじゃん⋯⋯そいつ、次の日殺っといたから大丈夫! もう会わないよ』
『嘘だ、こんなチビが変異種のオーガをひとりで殺れるわけがねえ』
『こないだギルドに持ち込まれたの見たよな』
『おお、すんげえ迫力だったよな』
結局『縄張りおじさん』はそのまま逃げ出した。
『今のって⋯⋯ねえ、このギルドって大丈夫なの?』
『大丈夫ですよ、ジルさんに関わりさえしなければ平穏無事な冒険者として生きていけますからね』
半月前まではここも長閑だったと遠い目をしたギルドの受付嬢が、返事をした後に目を輝かせた。
『あら! 見たことのないイケメ⋯⋯冒険者さんだわ。ここは初めてですよね』
髪の乱れを整えながら質問をし、ポケットから出した手鏡をチラッと見て、目の前の冒険者に笑顔を送る凄技を披露したベテラン受付嬢。
『う、うん。今朝着いたばかりなんだけど、しばらくこの辺りで活動しようかと思ってるんだ』
カウンターから身を乗り出した受付嬢の圧に、顔を引き攣らせて一歩後ろに下がった冒険者が答えた。
(あの圧に一歩後退で持ち堪えた。結構やるな)
感心していたジルはその冒険者と目が合ったが、特に気にする事もなく依頼の達成報告を済ませた。
『裏の解体場でいい?』
『今日も大量なんですか』
『いや、たまたま近くにオウルベアとキメラがいたから』
今日の獲物はトレント。火が苦手なトレントだが森の中に出るので攻撃がしにくい。オウルベアは帰り際に遭遇したのでついでに討伐してきた。
(この辺りって妙に変異種とキメラが多いよな~)
解体の依頼をしてギルドを出るとさっきのイケメンが追いかけてきた。
『ねえ、少し話せるかな? 来たばかりでこの辺りのことが分かんなくて困ってるんだ』
『僕もきたばっかりで、何も知らないから』
さっさと歩き出したジルの横を勝手に歩く冒険者は、何故か楽しそうに話しかけてくる。
『あっ、俺の名前はレオン。よろしく』
『⋯⋯』
『変異種のオーガなんて凄いね。やっぱり春のスタンピード狙い?』
『⋯⋯(しつこいなぁ)』
『この国のスタンピードって他とは変わってるからさあ、気になるんだよね~』
『⋯⋯』
『ジルの宿はどこ? 俺は⋯⋯』
『煩い! 着いてくるな』
『え~! あったばかりだけどさ、パーティー組まない? 多分ランクはAだろ? 俺もだからちょうどいいと思うんだ』
『良くない、僕は誰ともパーティーは組まないって決めてるから』
魔法は最少限で一般の冒険者らしい戦いを心がけてはいるが、他の冒険者達と一緒に行動するのは色々と都合が悪い。
(魔法もだしスタンピードの原因調査もだし。身バレしたら大変だもん)
ジルベルト司祭の名前からつけた冒険者名と僕っ子キャラ、無愛想な人嫌いで通している。
『じゃあ、何回かお試ししてくれないかな。それでダメなら諦めるからさ。ねっ、ねっ』
レオンのしつこさに根を上げたジルは小さく頷いた。
『助けないし、共闘もしないからね(こういうノー天気なタイプって、すぐに調子に乗るから苦手)』
『了解! わあ、すっごい楽しみになってきた。いつ行く? 明日? 明後日?』
『明日はキラービーの蜂蜜をやる予定。足を引っ張ったらアラクネの餌にするから』
『う、うん。この森ってアラクネも⋯⋯いるよな、そりゃ』
『当然(変異種で喋るし泣くし⋯⋯将来の仲間候補だし)』
いまだにアラクネの勧誘を諦めていないジルがふふっと笑った。
(こいつがいる間は、ミュウ達と普通に話せないのがちょっと残念)
翌朝、ギルド前で合流したジルとレオンは早速森に向かった。腰に剣を差したジルはもちろん手ぶらで、レオンは剣以外にリュックを、背負っている。
『アイテムポーチ⋯⋯便利だよね~』
『それが狙いなら今のうちに諦めた方がいいよ。レオンじゃ、僕には勝てないから』
『うん、それは間違いないと思う。俺は火属性で魔力も結構ある方だから、剣に火を纏わせて戦うことが多い。
で、割と人の魔力を感知できるんだけどジルのはキャパオーバーで感知できないって言うか、魔力量が多すぎてちょっと見ただけだと魔力なしに見える。
それと、人の物を狙うのは好きじゃないから安心してね』
『私の戦い方は色々。ほっといてくれたらいいから』
『でも、キラービーだろ? どうやるのかだけ決めといた方が良くない?」
『⋯⋯どうしたい?』
『俺一人なら火で燃やすけど、効率が悪いんだよね。蜂蜜なら巣ごと持って帰れれば高値で売れるしさ。だから滅多に依頼を受けないんだけど、やるなら長期戦だね』
『薬を使って眠らせる。で、落ちてるのをまとめて燃やせばすぐ』
『地図を確認したら結構森の奥だったから、日帰り無理そうだよね』
『うん(今日は転移できないもんな~)』
目的地に着いたのはお昼過ぎ。
『この季節なのによく見つけられるね。まあ、討伐依頼が出てる方がおかしいんだけどね』
冬眠するキラービーの討伐がこの時期に出る事はほとんどない。
『金持ちがどうしても採れたての蜂蜜が欲しいってゴリ押ししてきたんだって』
『馬鹿じゃん』
『クソだよ、さてやりますか』
135
あなたにおすすめの小説
奪われる人生とはお別れします 婚約破棄の後は幸せな日々が待っていました
水空 葵
恋愛
婚約者だった王太子殿下は、最近聖女様にかかりっきりで私には見向きもしない。
それなのに妃教育と称して仕事を押し付けてくる。
しまいには建国パーティーの時に婚約解消を突き付けられてしまった。
王太子殿下、それから私の両親。今まで尽くしてきたのに、裏切るなんて許せません。
でも、これ以上奪われるのは嫌なので、さっさとお別れしましょう。
◇2024/2/5 HOTランキング1位に掲載されました。
◇第17回 恋愛小説大賞で6位&奨励賞を頂きました。
◇レジーナブックスより書籍発売中です!
本当にありがとうございます!
妹に全てを奪われた令嬢は第二の人生を満喫することにしました。
バナナマヨネーズ
恋愛
四大公爵家の一つ。アックァーノ公爵家に生まれたイシュミールは双子の妹であるイシュタルに慕われていたが、何故か両親と使用人たちに冷遇されていた。
瓜二つである妹のイシュタルは、それに比べて大切にされていた。
そんなある日、イシュミールは第三王子との婚約が決まった。
その時から、イシュミールの人生は最高の瞬間を経て、最悪な結末へと緩やかに向かうことになった。
そして……。
本編全79話
番外編全34話
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
聖女は記憶と共に姿を消した~婚約破棄を告げられた時、王国の運命が決まった~
キョウキョウ
恋愛
ある日、婚約相手のエリック王子から呼び出された聖女ノエラ。
パーティーが行われている会場の中央、貴族たちが注目する場所に立たされたノエラは、エリック王子から突然、婚約を破棄されてしまう。
最近、冷たい態度が続いていたとはいえ、公の場での宣言にノエラは言葉を失った。
さらにエリック王子は、ノエラが聖女には相応しくないと告げた後、一緒に居た美しい女神官エリーゼを真の聖女にすると宣言してしまう。彼女こそが本当の聖女であると言って、ノエラのことを偽物扱いする。
その瞬間、ノエラの心に浮かんだのは、万が一の時のために準備していた計画だった。
王国から、聖女ノエラに関する記憶を全て消し去るという計画を、今こそ実行に移す時だと決意した。
こうして聖女ノエラは人々の記憶から消え去り、ただのノエラとして新たな一歩を踏み出すのだった。
※過去に使用した設定や展開などを再利用しています。
※カクヨムにも掲載中です。
辺境は独自路線で進みます! ~見下され搾取され続けるのは御免なので~
紫月 由良
恋愛
辺境に領地を持つマリエ・オリオール伯爵令嬢は、貴族学院の食堂で婚約者であるジョルジュ・ミラボーから婚約破棄をつきつけられた。二人の仲は険悪で修復不可能だったこともあり、マリエは快諾すると学院を早退して婚約者の家に向かい、その日のうちに婚約が破棄された。辺境=田舎者という風潮によって居心地が悪くなっていたため、これを機に学院を退学して領地に引き籠ることにした。
魔法契約によりオリオール伯爵家やフォートレル辺境伯家は国から離反できないが、関わり合いを最低限にして独自路線を歩むことに――。
※小説家になろう、カクヨムにも投稿しています
二度目の人生は離脱を目指します
橋本彩里(Ayari)
恋愛
エレナは一度死に戻り、二度目の人生を生きることになった。
一度目は親友のマリアンヌにあらゆるものを奪われ、はめられた人生。
今回は関わらずにいこうと、マリアンヌとの初めての顔合わせで倒れたのを機に病弱と偽り王都から身を遠ざけることにする。
人生二度目だから自身が快適に過ごすために、マリアンヌと距離を取りながらあちこちに顔を出していたら、なぜかマリアンヌの取り巻き男性、死に戻り前は髪色で呼んでいた五人、特に黒いのがしつこっ、……男たちが懐いてきて。
一度目の人生は何が起っていたのか。
今度こそ平穏にいきたいエレナだがいつの間にか渦中に巻き込まれ――。
婚約辞退いたします。だってこの国、沈みますもの
鍛高譚
恋愛
「婚約はお断りいたします――この国は近い将来、崩壊しますので」
そう言い放ったのは、社交界でも目立たない子爵令嬢、マリン・アクアリウム。
ある日、とある舞踏会に突如現れた王太子ガイア殿下。
誰もが驚く中、なんと彼はマリンに婚約を申し出る。
周囲は騒然。「子爵令嬢が王太子妃!?」「断る理由などないはず!」
――だが、彼女は断った。「この国は、もうすぐ滅びます」――と。
そんな不吉な言葉を口にしたことで、彼女は“狂言癖のある嘘つき令嬢”と噂され、
家族にさえ見放され、ついには国外追放の身に。
だが、彼女の予言は本物だった――
数年後、王国に未曾有の大災厄が迫る。
国土が崩れ、海に沈む都市。人々が絶望する中、思い出されるのは、
あの舞踏会でただひとり“滅び”を告げた少女の名。
「彼女なら、この国を救えるかもしれない……」
皮肉にも“追放令嬢”マリンは、再び王都に呼び戻され、
滅びゆく国で最後の希望として担ぎ上げられる。
信じてもらえなかった過去。
それでも人々の命を守ろうと奔走するマリン。
そして、王子ガイアが差し伸べた、あの日と変わらぬ手。
――たとえ国が滅んでも、あなたとともに歩んでいきたい。
【完結】さようなら。毒親と毒姉に利用され、虐げられる人生はもう御免です 〜復讐として隣国の王家に嫁いだら、婚約者に溺愛されました〜
ゆうき
恋愛
父の一夜の過ちによって生を受け、聖女の力を持って生まれてしまったことで、姉に聖女の力を持って生まれてくることを望んでいた家族に虐げられて生きてきた王女セリアは、隣国との戦争を再び引き起こした大罪人として、処刑されてしまった。
しかし、それは現実で起こったことではなく、聖女の力による予知の力で見た、自分の破滅の未来だった。
生まれて初めてみた、自分の予知。しかも、予知を見てしまうと、もうその人の不幸は、内容が変えられても、不幸が起こることは変えられない。
それでも、このまま何もしなければ、身に覚えのないことで処刑されてしまう。日頃から、戦争で亡くなった母の元に早く行きたいと思っていたセリアだが、いざ破滅の未来を見たら、そんなのはまっぴら御免だと強く感じた。
幼い頃は、白馬に乗った王子様が助けに来てくれると夢見ていたが、未来は自分で勝ち取るものだと考えたセリアは、一つの疑問を口にする。
「……そもそも、どうして私がこんな仕打ちを受けなくちゃいけないの?」
初めて前向きになったセリアに浮かんだのは、疑問と――恨み。その瞬間、セリアは心に誓った。自分を虐げてきた家族と、母を奪った戦争の元凶である、隣国に復讐をしようと。
そんな彼女にとある情報が舞い込む。長年戦争をしていた隣国の王家が、友好の証として、王子の婚約者を探していると。
これは復讐に使えると思ったセリアは、その婚約者に立候補しようとするが……この時のセリアはまだ知らない。復讐をしようとしている隣国の王子が、運命の相手だということを。そして、彼に溺愛される未来が待っていることも。
これは、復讐を決意した一人の少女が、復讐と運命の相手との出会いを経て、幸せに至るまでの物語。
☆既に全話執筆、予約投稿済みです☆
【完結】聖女召喚に巻き込まれたバリキャリですが、追い出されそうになったのでお金と魔獣をもらって出て行きます!
チャらら森山
恋愛
二十七歳バリバリキャリアウーマンの鎌本博美(かまもとひろみ)が、交差点で後ろから背中を押された。死んだと思った博美だが、突如、異世界へ召喚される。召喚された博美が発した言葉を誤解したハロルド王子の前に、もうひとりの女性が現れた。博美の方が、聖女召喚に巻き込まれた一般人だと決めつけ、追い出されそうになる。しかし、バリキャリの博美は、そのまま追い出されることを拒否し、彼らに慰謝料を要求する。
お金を受け取るまで、博美は屋敷で暮らすことになり、数々の騒動に巻き込まれながら地下で暮らす魔獣と交流を深めていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる