57 / 126
52.来たよ〜、やっと来たよ〜
しおりを挟む
「6月になり16歳になったロクサーナ・バーラムです! ホントなら期間限定聖女もお役御免で、なんちゃんて男爵令嬢の肩書きも海の藻屑と消えているはずでしたが、来月末まで延長を強請られて頷いた、押しに弱くて哀れなロクサーナ16歳です。
ダンゼリアム王国の北の森で⋯⋯凶悪な魔物と戯れては血みどろになる毎日を、ドワーフ作でキレッキレの剣で楽しく過ごしていましたが、今日は最後の仕事⋯⋯リューズベイのシーサペントとの交流にやって来ました~。
えーっと、キルケー? メインディッシュはゆっくりと⋯⋯が信条ですからね。ぐふふふふ」
【ねえ、それやめようよ~。時々おかしな語り口になってさぁ⋯⋯誰に話してるのか分かんなくて怖いんだけど?】
「いいの、これをやると気合が入るんだもん。『よっしゃあ』って感じでさ」
【ピッピ、慣れたからもう平気~】
【僕も⋯⋯なんか笑えるし】
【モグッ、モモゥ】
【ぁ⋯⋯そ⋯⋯ぉ⋯⋯】
(あれ? ひとり増えた⋯⋯どの子だろう。島の外だと感度が悪いんだよね~)
「さあ! リューズベイでウルサさん達、動物チームに会いにいっくぞぉぉ」
久しぶりに会うウルサは、大型の熊に似た脳筋。領主に騙されて船を壊されて、飲んだくれていたおっぱいフェチ(飲み仲間談)のおじさん。今は船主として張り切って海に出ている⋯⋯はず。
カーニスは、ガタイのいい力持ち。メンバーの中ではお父さんみたいな立ち位置で、ウルサにコンコンと説教をかましてくれる。
シーミアは、オネエ言葉のスレンダーな青年? 風を読むのが得意な頭脳派で、悩みは日焼けと潮風で枝毛ができる事。
アンセルは、ちょっと吃ってしまうのが悩みの無口なお兄ちゃんタイプ。気配り上手だけど、意外にも口の前に手が出る。
4人の名前を並べると昔の言語で⋯⋯熊と犬・猿・雉になる。どこかで聞いたお供を連れた桃太⋯⋯熊です。
リューズベイの手前まで転移したロクサーナは、歩いて町に入り脇目もふらず港へ歩いて行った。
「この時間なら、もう船は戻ってると思うんだ」
【懐かしいね~、クラーケン以来だもん】
「クラ、クラーケン⋯⋯上位精霊⋯⋯美味しい精霊」
目が虚になっていくロクサーナは、クラーケンがかなりのトラウマになっているらしい。
【美味しいは正義だよ~】
「だ、だよね。美味しいは正義、お金も正義⋯⋯人は悪」
初夏の夕暮れはまだ大勢の人が行き交い、買い物帰りの客や漁を終えた人達で賑わっている。
「この匂い⋯⋯帆立とサザエ? お腹が空いてくる~」
【海老も~】
【ピッピはタイやスズキが好きよ~】
「あら、私はピッピが好きよ~」
【きゃあ~、ピッピ幸せ~】
陽気のせいかリューズベイに着いたせいか⋯⋯妙にテンションの高いロクサーナ達が港に着いた。
「むむむ、旧ロクサーナ・コレクションのキャラベル船はどこぞ? 今では希少価値の高~い初期のキャラベル船の目を奪うほど美しいフォルム⋯⋯あっ、いたぁぁ」
【はじめから分かってたのにね~】
(ピッピがミュウみたいなコメントを⋯⋯ここはほら、情緒とか万感の思いとかさ)
【モ、モグッ?】
前回来た時にちょこっと修理した桟橋に、ドドーンと停泊している船の上で、熊の魔獣ウルサがお猿のシーミアと掴み合いの喧嘩をしていた。
(なんで、喧嘩? 体格差ありすぎで、シーミアさんが死んじゃう⋯⋯あ、吹っ飛んだ⋯⋯⋯⋯ウルサが)
意外な結末に驚きつつ船に近付くと、アンセルは座り込んでせっせと網を修理し、カーニスはノックダウンしたウルサに水を掛けていた。
(ウルサの扱いって⋯⋯あんな感じなんだ。ぷぷっ、なんか妙に納得できる)
「だから言ったじゃねえか! このクソ脳筋野郎が!」
「すまん、でもよお⋯⋯」
「でもじゃねえんだよ! 明日からどうすんだ!? また飲んだくれてねえちゃんのケツでも追っかけ回すのかよ!」
のっそりと立ち上がった雉のアンセルがシーミアの肩を叩いて宥め、ウルサを助け起こし、嘴でつつ⋯⋯頭突きをかました。
「あがっ!」
「落ち着け! 喧嘩してもどうにもなんねえ⋯⋯こいつがバカなのは昔からじゃねえか」
何気にディスりながらウルサにゲシゲシと蹴りを入れる犬のカーニス。
「やっほ~、その熊さん⋯⋯回復する?」
桟橋に立ってウルサを指差したロクサーナをカーニス達が見上げた。
「「「ロ、ロクサーナァァ!」」」
桟橋に飛び上がったシーミアに抱きつかれ、息が止まったロクサーナが背中を必死でタップ。
「よ、良かった~。生きてたのね、本物よね、全部パーツは揃ってるのね⋯⋯縮んだ? 前よりちっこくなったのかしら⋯⋯ああもう、心配してたのよぉぉ」
「元気⋯⋯今死にかけたけどね。んで、縮んでなーい! 1センチ大きくなったはず。んで、何があったの?」
プンプンするロクサーナの頭を撫でまくっていたシーミアが、事の次第を話してくれた。
シーサーペント襲撃の季節が近付き、観光客を受け入れる準備をする者や避難準備をしはじめる者がではじめた。
『仕入れを増やして⋯⋯』
『聖女様パワーで宿が予約で満杯だと』
『今年の領主は超張り切ってるからよお』
『なら、また船が壊されそうだな⋯⋯先に逃げとくか』
売り上げに期待する者と船ごと避難しようとする者に分かれて、町中が異様な雰囲気に包まれ⋯⋯。
「そしたら、あのバカがさあ『領主に直談判してくるって言い出したのよ~。止めてもぜんっぜん聞かなくてさぁ。で、返り討ちにあっちゃったってわけ」
聖王国の魔法士にはシーサーペントを討伐してもらうべきだと言い出したウルサ。
『追い払うんじゃなくて、討伐するべきだって誰かが言うべきだったんだ!』
『それをアンタが言ったって、あのデブが聞くわけないじゃん』
『あんなちっこいロクサーナひとりに任せて、のほほんと待っているのは間違ってる。俺達の船と生活は俺達の手でなんとかするべきなんだ。
ただ、あんなでけえ海獣には太刀打ちできねえからよお⋯⋯』
「でね、ホントに領主に言いに行っちゃったの~。脳みそはかっる~いくせに、無駄に行動力があるからさあ。
おっさんになっても猪突猛進で⋯⋯ホント困っちゃうわ」
はあ~と溜息をついたシーミアは、儚げな姫君のようで超絶色っぽい。なんならロクサーナが膝をついて、花束を差し出しそうになるくらい。
(さっきの男らしい啖呵と右ストレートが嘘みたい。カッコよかった~)
「聖女様が来てから前よりもっと、もおーっと調子に乗ってるデブが漁師の話なんて聞くわけないっつうの。
いい年してさ、それくらい分かってくれなきゃ困っちゃうわ~」
目を覚まして、のそのそと座り込んだウルサは後頭部から血を流し、全員の注目を浴びている事に気付いているのかいないのか⋯⋯正座して頭を船底にぶち当てた。
「すまん⋯⋯全部俺のせいだ。なんとかするから、少しだけ待っててくれ」
土下座したままのウルサが沈黙に耐えられなくなり、チラチラと周りを見回し⋯⋯。
「チビのロクサーナじゃねえかぁぁ! 生きてたんだぁぁ、よっしゃあ」
「どんだけ生存を危ぶまれてたの? それよりも⋯⋯わざわざ『チビ』をつける必要ある!?」
ウルサの傷を回復しようとして、伸ばしていた人差し指から強烈な水流が飛び出した。
ザバーン⋯⋯ブクブク⋯⋯。
「⋯⋯塩水って傷に悪いんだっけ? ねえねえ、ウルサさんが言ってた『なんとかする』ってなんの事?」
「あ~、ロクサーナは気にしなくっていいのよお。大人はね、自分のケツは自分で拭かなきゃいけないの」
ダンゼリアム王国の北の森で⋯⋯凶悪な魔物と戯れては血みどろになる毎日を、ドワーフ作でキレッキレの剣で楽しく過ごしていましたが、今日は最後の仕事⋯⋯リューズベイのシーサペントとの交流にやって来ました~。
えーっと、キルケー? メインディッシュはゆっくりと⋯⋯が信条ですからね。ぐふふふふ」
【ねえ、それやめようよ~。時々おかしな語り口になってさぁ⋯⋯誰に話してるのか分かんなくて怖いんだけど?】
「いいの、これをやると気合が入るんだもん。『よっしゃあ』って感じでさ」
【ピッピ、慣れたからもう平気~】
【僕も⋯⋯なんか笑えるし】
【モグッ、モモゥ】
【ぁ⋯⋯そ⋯⋯ぉ⋯⋯】
(あれ? ひとり増えた⋯⋯どの子だろう。島の外だと感度が悪いんだよね~)
「さあ! リューズベイでウルサさん達、動物チームに会いにいっくぞぉぉ」
久しぶりに会うウルサは、大型の熊に似た脳筋。領主に騙されて船を壊されて、飲んだくれていたおっぱいフェチ(飲み仲間談)のおじさん。今は船主として張り切って海に出ている⋯⋯はず。
カーニスは、ガタイのいい力持ち。メンバーの中ではお父さんみたいな立ち位置で、ウルサにコンコンと説教をかましてくれる。
シーミアは、オネエ言葉のスレンダーな青年? 風を読むのが得意な頭脳派で、悩みは日焼けと潮風で枝毛ができる事。
アンセルは、ちょっと吃ってしまうのが悩みの無口なお兄ちゃんタイプ。気配り上手だけど、意外にも口の前に手が出る。
4人の名前を並べると昔の言語で⋯⋯熊と犬・猿・雉になる。どこかで聞いたお供を連れた桃太⋯⋯熊です。
リューズベイの手前まで転移したロクサーナは、歩いて町に入り脇目もふらず港へ歩いて行った。
「この時間なら、もう船は戻ってると思うんだ」
【懐かしいね~、クラーケン以来だもん】
「クラ、クラーケン⋯⋯上位精霊⋯⋯美味しい精霊」
目が虚になっていくロクサーナは、クラーケンがかなりのトラウマになっているらしい。
【美味しいは正義だよ~】
「だ、だよね。美味しいは正義、お金も正義⋯⋯人は悪」
初夏の夕暮れはまだ大勢の人が行き交い、買い物帰りの客や漁を終えた人達で賑わっている。
「この匂い⋯⋯帆立とサザエ? お腹が空いてくる~」
【海老も~】
【ピッピはタイやスズキが好きよ~】
「あら、私はピッピが好きよ~」
【きゃあ~、ピッピ幸せ~】
陽気のせいかリューズベイに着いたせいか⋯⋯妙にテンションの高いロクサーナ達が港に着いた。
「むむむ、旧ロクサーナ・コレクションのキャラベル船はどこぞ? 今では希少価値の高~い初期のキャラベル船の目を奪うほど美しいフォルム⋯⋯あっ、いたぁぁ」
【はじめから分かってたのにね~】
(ピッピがミュウみたいなコメントを⋯⋯ここはほら、情緒とか万感の思いとかさ)
【モ、モグッ?】
前回来た時にちょこっと修理した桟橋に、ドドーンと停泊している船の上で、熊の魔獣ウルサがお猿のシーミアと掴み合いの喧嘩をしていた。
(なんで、喧嘩? 体格差ありすぎで、シーミアさんが死んじゃう⋯⋯あ、吹っ飛んだ⋯⋯⋯⋯ウルサが)
意外な結末に驚きつつ船に近付くと、アンセルは座り込んでせっせと網を修理し、カーニスはノックダウンしたウルサに水を掛けていた。
(ウルサの扱いって⋯⋯あんな感じなんだ。ぷぷっ、なんか妙に納得できる)
「だから言ったじゃねえか! このクソ脳筋野郎が!」
「すまん、でもよお⋯⋯」
「でもじゃねえんだよ! 明日からどうすんだ!? また飲んだくれてねえちゃんのケツでも追っかけ回すのかよ!」
のっそりと立ち上がった雉のアンセルがシーミアの肩を叩いて宥め、ウルサを助け起こし、嘴でつつ⋯⋯頭突きをかました。
「あがっ!」
「落ち着け! 喧嘩してもどうにもなんねえ⋯⋯こいつがバカなのは昔からじゃねえか」
何気にディスりながらウルサにゲシゲシと蹴りを入れる犬のカーニス。
「やっほ~、その熊さん⋯⋯回復する?」
桟橋に立ってウルサを指差したロクサーナをカーニス達が見上げた。
「「「ロ、ロクサーナァァ!」」」
桟橋に飛び上がったシーミアに抱きつかれ、息が止まったロクサーナが背中を必死でタップ。
「よ、良かった~。生きてたのね、本物よね、全部パーツは揃ってるのね⋯⋯縮んだ? 前よりちっこくなったのかしら⋯⋯ああもう、心配してたのよぉぉ」
「元気⋯⋯今死にかけたけどね。んで、縮んでなーい! 1センチ大きくなったはず。んで、何があったの?」
プンプンするロクサーナの頭を撫でまくっていたシーミアが、事の次第を話してくれた。
シーサーペント襲撃の季節が近付き、観光客を受け入れる準備をする者や避難準備をしはじめる者がではじめた。
『仕入れを増やして⋯⋯』
『聖女様パワーで宿が予約で満杯だと』
『今年の領主は超張り切ってるからよお』
『なら、また船が壊されそうだな⋯⋯先に逃げとくか』
売り上げに期待する者と船ごと避難しようとする者に分かれて、町中が異様な雰囲気に包まれ⋯⋯。
「そしたら、あのバカがさあ『領主に直談判してくるって言い出したのよ~。止めてもぜんっぜん聞かなくてさぁ。で、返り討ちにあっちゃったってわけ」
聖王国の魔法士にはシーサーペントを討伐してもらうべきだと言い出したウルサ。
『追い払うんじゃなくて、討伐するべきだって誰かが言うべきだったんだ!』
『それをアンタが言ったって、あのデブが聞くわけないじゃん』
『あんなちっこいロクサーナひとりに任せて、のほほんと待っているのは間違ってる。俺達の船と生活は俺達の手でなんとかするべきなんだ。
ただ、あんなでけえ海獣には太刀打ちできねえからよお⋯⋯』
「でね、ホントに領主に言いに行っちゃったの~。脳みそはかっる~いくせに、無駄に行動力があるからさあ。
おっさんになっても猪突猛進で⋯⋯ホント困っちゃうわ」
はあ~と溜息をついたシーミアは、儚げな姫君のようで超絶色っぽい。なんならロクサーナが膝をついて、花束を差し出しそうになるくらい。
(さっきの男らしい啖呵と右ストレートが嘘みたい。カッコよかった~)
「聖女様が来てから前よりもっと、もおーっと調子に乗ってるデブが漁師の話なんて聞くわけないっつうの。
いい年してさ、それくらい分かってくれなきゃ困っちゃうわ~」
目を覚まして、のそのそと座り込んだウルサは後頭部から血を流し、全員の注目を浴びている事に気付いているのかいないのか⋯⋯正座して頭を船底にぶち当てた。
「すまん⋯⋯全部俺のせいだ。なんとかするから、少しだけ待っててくれ」
土下座したままのウルサが沈黙に耐えられなくなり、チラチラと周りを見回し⋯⋯。
「チビのロクサーナじゃねえかぁぁ! 生きてたんだぁぁ、よっしゃあ」
「どんだけ生存を危ぶまれてたの? それよりも⋯⋯わざわざ『チビ』をつける必要ある!?」
ウルサの傷を回復しようとして、伸ばしていた人差し指から強烈な水流が飛び出した。
ザバーン⋯⋯ブクブク⋯⋯。
「⋯⋯塩水って傷に悪いんだっけ? ねえねえ、ウルサさんが言ってた『なんとかする』ってなんの事?」
「あ~、ロクサーナは気にしなくっていいのよお。大人はね、自分のケツは自分で拭かなきゃいけないの」
102
あなたにおすすめの小説
奪われる人生とはお別れします 婚約破棄の後は幸せな日々が待っていました
水空 葵
恋愛
婚約者だった王太子殿下は、最近聖女様にかかりっきりで私には見向きもしない。
それなのに妃教育と称して仕事を押し付けてくる。
しまいには建国パーティーの時に婚約解消を突き付けられてしまった。
王太子殿下、それから私の両親。今まで尽くしてきたのに、裏切るなんて許せません。
でも、これ以上奪われるのは嫌なので、さっさとお別れしましょう。
◇2024/2/5 HOTランキング1位に掲載されました。
◇第17回 恋愛小説大賞で6位&奨励賞を頂きました。
◇レジーナブックスより書籍発売中です!
本当にありがとうございます!
妹に全てを奪われた令嬢は第二の人生を満喫することにしました。
バナナマヨネーズ
恋愛
四大公爵家の一つ。アックァーノ公爵家に生まれたイシュミールは双子の妹であるイシュタルに慕われていたが、何故か両親と使用人たちに冷遇されていた。
瓜二つである妹のイシュタルは、それに比べて大切にされていた。
そんなある日、イシュミールは第三王子との婚約が決まった。
その時から、イシュミールの人生は最高の瞬間を経て、最悪な結末へと緩やかに向かうことになった。
そして……。
本編全79話
番外編全34話
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
聖女は記憶と共に姿を消した~婚約破棄を告げられた時、王国の運命が決まった~
キョウキョウ
恋愛
ある日、婚約相手のエリック王子から呼び出された聖女ノエラ。
パーティーが行われている会場の中央、貴族たちが注目する場所に立たされたノエラは、エリック王子から突然、婚約を破棄されてしまう。
最近、冷たい態度が続いていたとはいえ、公の場での宣言にノエラは言葉を失った。
さらにエリック王子は、ノエラが聖女には相応しくないと告げた後、一緒に居た美しい女神官エリーゼを真の聖女にすると宣言してしまう。彼女こそが本当の聖女であると言って、ノエラのことを偽物扱いする。
その瞬間、ノエラの心に浮かんだのは、万が一の時のために準備していた計画だった。
王国から、聖女ノエラに関する記憶を全て消し去るという計画を、今こそ実行に移す時だと決意した。
こうして聖女ノエラは人々の記憶から消え去り、ただのノエラとして新たな一歩を踏み出すのだった。
※過去に使用した設定や展開などを再利用しています。
※カクヨムにも掲載中です。
辺境は独自路線で進みます! ~見下され搾取され続けるのは御免なので~
紫月 由良
恋愛
辺境に領地を持つマリエ・オリオール伯爵令嬢は、貴族学院の食堂で婚約者であるジョルジュ・ミラボーから婚約破棄をつきつけられた。二人の仲は険悪で修復不可能だったこともあり、マリエは快諾すると学院を早退して婚約者の家に向かい、その日のうちに婚約が破棄された。辺境=田舎者という風潮によって居心地が悪くなっていたため、これを機に学院を退学して領地に引き籠ることにした。
魔法契約によりオリオール伯爵家やフォートレル辺境伯家は国から離反できないが、関わり合いを最低限にして独自路線を歩むことに――。
※小説家になろう、カクヨムにも投稿しています
二度目の人生は離脱を目指します
橋本彩里(Ayari)
恋愛
エレナは一度死に戻り、二度目の人生を生きることになった。
一度目は親友のマリアンヌにあらゆるものを奪われ、はめられた人生。
今回は関わらずにいこうと、マリアンヌとの初めての顔合わせで倒れたのを機に病弱と偽り王都から身を遠ざけることにする。
人生二度目だから自身が快適に過ごすために、マリアンヌと距離を取りながらあちこちに顔を出していたら、なぜかマリアンヌの取り巻き男性、死に戻り前は髪色で呼んでいた五人、特に黒いのがしつこっ、……男たちが懐いてきて。
一度目の人生は何が起っていたのか。
今度こそ平穏にいきたいエレナだがいつの間にか渦中に巻き込まれ――。
婚約辞退いたします。だってこの国、沈みますもの
鍛高譚
恋愛
「婚約はお断りいたします――この国は近い将来、崩壊しますので」
そう言い放ったのは、社交界でも目立たない子爵令嬢、マリン・アクアリウム。
ある日、とある舞踏会に突如現れた王太子ガイア殿下。
誰もが驚く中、なんと彼はマリンに婚約を申し出る。
周囲は騒然。「子爵令嬢が王太子妃!?」「断る理由などないはず!」
――だが、彼女は断った。「この国は、もうすぐ滅びます」――と。
そんな不吉な言葉を口にしたことで、彼女は“狂言癖のある嘘つき令嬢”と噂され、
家族にさえ見放され、ついには国外追放の身に。
だが、彼女の予言は本物だった――
数年後、王国に未曾有の大災厄が迫る。
国土が崩れ、海に沈む都市。人々が絶望する中、思い出されるのは、
あの舞踏会でただひとり“滅び”を告げた少女の名。
「彼女なら、この国を救えるかもしれない……」
皮肉にも“追放令嬢”マリンは、再び王都に呼び戻され、
滅びゆく国で最後の希望として担ぎ上げられる。
信じてもらえなかった過去。
それでも人々の命を守ろうと奔走するマリン。
そして、王子ガイアが差し伸べた、あの日と変わらぬ手。
――たとえ国が滅んでも、あなたとともに歩んでいきたい。
【完結】さようなら。毒親と毒姉に利用され、虐げられる人生はもう御免です 〜復讐として隣国の王家に嫁いだら、婚約者に溺愛されました〜
ゆうき
恋愛
父の一夜の過ちによって生を受け、聖女の力を持って生まれてしまったことで、姉に聖女の力を持って生まれてくることを望んでいた家族に虐げられて生きてきた王女セリアは、隣国との戦争を再び引き起こした大罪人として、処刑されてしまった。
しかし、それは現実で起こったことではなく、聖女の力による予知の力で見た、自分の破滅の未来だった。
生まれて初めてみた、自分の予知。しかも、予知を見てしまうと、もうその人の不幸は、内容が変えられても、不幸が起こることは変えられない。
それでも、このまま何もしなければ、身に覚えのないことで処刑されてしまう。日頃から、戦争で亡くなった母の元に早く行きたいと思っていたセリアだが、いざ破滅の未来を見たら、そんなのはまっぴら御免だと強く感じた。
幼い頃は、白馬に乗った王子様が助けに来てくれると夢見ていたが、未来は自分で勝ち取るものだと考えたセリアは、一つの疑問を口にする。
「……そもそも、どうして私がこんな仕打ちを受けなくちゃいけないの?」
初めて前向きになったセリアに浮かんだのは、疑問と――恨み。その瞬間、セリアは心に誓った。自分を虐げてきた家族と、母を奪った戦争の元凶である、隣国に復讐をしようと。
そんな彼女にとある情報が舞い込む。長年戦争をしていた隣国の王家が、友好の証として、王子の婚約者を探していると。
これは復讐に使えると思ったセリアは、その婚約者に立候補しようとするが……この時のセリアはまだ知らない。復讐をしようとしている隣国の王子が、運命の相手だということを。そして、彼に溺愛される未来が待っていることも。
これは、復讐を決意した一人の少女が、復讐と運命の相手との出会いを経て、幸せに至るまでの物語。
☆既に全話執筆、予約投稿済みです☆
【完結】聖女召喚に巻き込まれたバリキャリですが、追い出されそうになったのでお金と魔獣をもらって出て行きます!
チャらら森山
恋愛
二十七歳バリバリキャリアウーマンの鎌本博美(かまもとひろみ)が、交差点で後ろから背中を押された。死んだと思った博美だが、突如、異世界へ召喚される。召喚された博美が発した言葉を誤解したハロルド王子の前に、もうひとりの女性が現れた。博美の方が、聖女召喚に巻き込まれた一般人だと決めつけ、追い出されそうになる。しかし、バリキャリの博美は、そのまま追い出されることを拒否し、彼らに慰謝料を要求する。
お金を受け取るまで、博美は屋敷で暮らすことになり、数々の騒動に巻き込まれながら地下で暮らす魔獣と交流を深めていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる