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62.キモさが同格の残念な人
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「さて、ここで仕切り直しいたしましょう。ここからは最も重要な事ですので、改めて申し上げます。
聖王国教会、枢機卿イーサン・テムス及び司祭ルイス・ジルベルトの代理、及び留学生代表として参りました、現在聖女筆頭を務めております聖王国大聖女候補、ロクサーナ・バーラムと申します」
ロクサーナの手には聖王国の印が押された委任状が2通、聖女認定証、大聖女昇格推薦状の計4通が雛壇に向けて広げられた。
「聖女筆頭って⋯⋯」
「大聖女候補? 嘘⋯⋯」
その重要性が理解できたのはサブリナとセシルだけ。
聖女筆頭とは、現在在籍している聖女の中で最も実力を認められた者。
最古参は60代とも70代とも言われ、光属性の神級魔法を使える者もいるらしいと言われている聖王国の聖女。その中で、僅か16歳の少女が筆頭になるにはどれほどの力を持っているのか⋯⋯。
大聖女の席は80年以上空席のまま。魔力・使用可能属性・魔法の練度の全てがMAXでなければならないとも言われている大聖女は、このまま伝説になるのではないかと言われている存在。
因みに、女神の愛し子はいまだ存在した記録がない。大聖女の力に加え、神と精霊達から加護を与えられた存在だと言われ、神や精霊と対話し⋯⋯人よりも精霊に近い。
「どうしよう、私さっき⋯⋯ロクサーナのこと冷たいとか」
「わたくしも⋯⋯今まで、課題とか押し付けてたわ。態度が悪いとかって」
「魔法士見習い、レベッカ・マックバーン。身分詐称は、教会規則第26条の違反項目に該当。規定により、全財産は寄付、魔力及び魔法の使用を禁じる印を施した上での破門とする。
以上は、本日付けでの決定となっております」
ぽかんと口を開けたままのレベッカは、意味がわかっていないのかもしれない。
(ええっ! 今のが難しかった? マジか~)
「つぎに、ダンゼリアム王国アーノルド王子殿下とレベッカ・マックバーン侯爵令嬢とのご婚約につきまして⋯⋯聖王国を代表し、心よりお祝い申し上げます。
ダンゼリアム王国の王家とマックバーン侯爵の間には、すでに正式な婚約契約が成立しておられると聞き及んでおります。
規定により⋯⋯婚約契約が成立した日をもって、レベッカ・マックバーンの聖王国教会所属を解任。理由の如何を問わず、再所属を禁じる⋯⋯予定でしたが、すでに破門となっておりますのでこの部分は無用となりました」
「ちょっと待って! 何言ってるのかわか⋯⋯」
「なお、連座となるのはマックバーン侯爵家と三親等まで。同様の措置をとる事をここにご報告致します」
後ろでバタンと音がしたのはマックバーン侯爵だろうか。張り切ってレベッカの婚約発表にきて、教会から破門され帰る家もなくなっていると知れば気絶しても仕方がない。
「えーっと、つまり何が言いたいの? ロクサーナの話はいつも難し過ぎてわかんないのよ! だから、あんたはムカつくの」
「レベッカは『聖女だ』とか『女神の愛し子だ』とかって嘘をついたから、全財産は寄付という名目で没収されて、魔力と魔法を封じられて破門されるって決まったの」
「⋯⋯ちょ、ちょっと言ってみただけなのに、あんたに何の権利があるのよ!」
「さっき言ったじゃない。枢機卿と司祭の代理だって」
「そんな⋯⋯教会って、細かい事を言い過⋯⋯」
「二度と教会には所属できないし、『聖女』とか『女神の愛し子』って言ったら犯罪者になるからね。
それと、家族と親戚もレベッカの罪を一緒に背負うの」
「ま、待って⋯⋯あ、でもいいんだ。アタシはアーノルドと結婚してこの国の王妃になるんだから⋯⋯そうよ、別に教会なんてどうでもいいんだわ! もう、慌てさせないでよ! 全く」
能天気なレベッカの宣言で、口を開けて固まっていたポンコツ達が再起動した。
「せ、聖女じゃない?⋯⋯レベッカは嘘を⋯⋯それならレベッカとなんて婚約しない! 本当の聖女のロクサーナを俺の婚約者にしてやる!」
「もちろん、お断りいたします。意味がわかりませんし、はっきり言って気持ち悪いですね」
「な、なんだと! 不敬罪で首を刎ねてやるぞ! レベッカとの婚約は破棄だ! 俺は今ここでロクサーナとの婚約を宣言す⋯⋯」
「するわけないでしょう! 私はポンコツ王子なんかとは結婚いたしません」
「ポンコツ王子だって」
「ぷっ!」
あちこちから笑い声や嘲笑が聞こえてくる。
「アーノルド、ちょっと何言ってるの! 酷いよ! 約束したじゃん、あたしと結婚して王妃⋯⋯」
「黙れ黙れ黙れぇぇ! 俺には本物の聖女が相応しいんだ! 偽物の貴様など、そばに寄るのも穢らわしい。さっさと目の前から消え失せろ!」
「嘘でしょ! あたしがロクサーナなんかに負けるはずがな⋯⋯きゃあ」
ポンコツに突き飛ばされたレベッカが雛壇から転げ落ち⋯⋯かけて、レオンにしがみついた。
「ううっ! レオ~ン、やっぱりあたしの一番の味方はレオンなんだね⋯⋯レオンが一番好⋯⋯」
しがみついていたレベッカをベリっと引き剥がしたレオンは、アーノルドにレベッカを押しつけて雛壇から下り、ロクサーナの目の前までやってきた。
にっこりとロクサーナに微笑みかけたレオンは、振り返ってキッパリと宣言した。
「アーノルド王子殿下そしてレベッカ、ロクサーナは俺の冒険者仲間なんです。もしかしたら生命の恩人もロクサーナかも。だから、これからもロクサーナは俺と一緒に⋯⋯」
「には行動致しません。レオンとは二度と関わる事はありませんから」
「そんな! だって、俺達はきっと一緒にいる運命なんだって。絶対に間違いないから」
「もしそれが運命だったとしたら⋯⋯ポンコツとの婚約と同じくらい気持ち悪い。ごくごく僅かなカケラも残らないくらい粉々に粉砕するから。人の話を聞かない気障な自己陶酔者なんて寒気がする」
「でも、俺達の運命は繋がってるんだ。だからあの町で出会って⋯⋯」
「感動のお芝居中みたいですけど⋯⋯ウザいので、やめていただけますかしら?
レベッカが聖女だから婚約したいと言ったポンコツと気障野郎のレオンの中身はそっくり。
『聖女の力が欲しいから婚約したい、結婚してやる』
聖女の力を利用したがる輩はすっごく沢山いるけど、その中でもダントツにタチが悪い。気持ち悪いからそばにこないで」
「気持ち悪い⋯⋯ちゃんと話し合おう。俺達なら絶対上手くいくから」
何を言っても聞かず自分の思いを押し付けてくるのはいつものパターン。
(二度と利用させないし、ゴリ押しに負けないから)
「そうねえ、婚約するとしたら条件がひとつ。たとえどんな事が起きようと、魔法もそれ以外の能力も利用させない。それで構わないなら考えてみますが、どうされますか?」
「ば、バカな事を! 力があるのに使わないなんて。俺の役に立てば王妃にしてやると言ってるんだぞ! たかが男爵令嬢には想像もできん名誉ではないか!」
「俺は⋯⋯ロクサーナは優しいから、一緒に依頼を受けたりしてたらきっと助けたくなると思うんだ。だから、できない約束はしないほうがいいよ。
後で辛くなるのはロクサーナだって俺は知ってる。一緒にいたらお互いに助け合うのが一番だし、安心して任せて欲しい」
聖王国教会、枢機卿イーサン・テムス及び司祭ルイス・ジルベルトの代理、及び留学生代表として参りました、現在聖女筆頭を務めております聖王国大聖女候補、ロクサーナ・バーラムと申します」
ロクサーナの手には聖王国の印が押された委任状が2通、聖女認定証、大聖女昇格推薦状の計4通が雛壇に向けて広げられた。
「聖女筆頭って⋯⋯」
「大聖女候補? 嘘⋯⋯」
その重要性が理解できたのはサブリナとセシルだけ。
聖女筆頭とは、現在在籍している聖女の中で最も実力を認められた者。
最古参は60代とも70代とも言われ、光属性の神級魔法を使える者もいるらしいと言われている聖王国の聖女。その中で、僅か16歳の少女が筆頭になるにはどれほどの力を持っているのか⋯⋯。
大聖女の席は80年以上空席のまま。魔力・使用可能属性・魔法の練度の全てがMAXでなければならないとも言われている大聖女は、このまま伝説になるのではないかと言われている存在。
因みに、女神の愛し子はいまだ存在した記録がない。大聖女の力に加え、神と精霊達から加護を与えられた存在だと言われ、神や精霊と対話し⋯⋯人よりも精霊に近い。
「どうしよう、私さっき⋯⋯ロクサーナのこと冷たいとか」
「わたくしも⋯⋯今まで、課題とか押し付けてたわ。態度が悪いとかって」
「魔法士見習い、レベッカ・マックバーン。身分詐称は、教会規則第26条の違反項目に該当。規定により、全財産は寄付、魔力及び魔法の使用を禁じる印を施した上での破門とする。
以上は、本日付けでの決定となっております」
ぽかんと口を開けたままのレベッカは、意味がわかっていないのかもしれない。
(ええっ! 今のが難しかった? マジか~)
「つぎに、ダンゼリアム王国アーノルド王子殿下とレベッカ・マックバーン侯爵令嬢とのご婚約につきまして⋯⋯聖王国を代表し、心よりお祝い申し上げます。
ダンゼリアム王国の王家とマックバーン侯爵の間には、すでに正式な婚約契約が成立しておられると聞き及んでおります。
規定により⋯⋯婚約契約が成立した日をもって、レベッカ・マックバーンの聖王国教会所属を解任。理由の如何を問わず、再所属を禁じる⋯⋯予定でしたが、すでに破門となっておりますのでこの部分は無用となりました」
「ちょっと待って! 何言ってるのかわか⋯⋯」
「なお、連座となるのはマックバーン侯爵家と三親等まで。同様の措置をとる事をここにご報告致します」
後ろでバタンと音がしたのはマックバーン侯爵だろうか。張り切ってレベッカの婚約発表にきて、教会から破門され帰る家もなくなっていると知れば気絶しても仕方がない。
「えーっと、つまり何が言いたいの? ロクサーナの話はいつも難し過ぎてわかんないのよ! だから、あんたはムカつくの」
「レベッカは『聖女だ』とか『女神の愛し子だ』とかって嘘をついたから、全財産は寄付という名目で没収されて、魔力と魔法を封じられて破門されるって決まったの」
「⋯⋯ちょ、ちょっと言ってみただけなのに、あんたに何の権利があるのよ!」
「さっき言ったじゃない。枢機卿と司祭の代理だって」
「そんな⋯⋯教会って、細かい事を言い過⋯⋯」
「二度と教会には所属できないし、『聖女』とか『女神の愛し子』って言ったら犯罪者になるからね。
それと、家族と親戚もレベッカの罪を一緒に背負うの」
「ま、待って⋯⋯あ、でもいいんだ。アタシはアーノルドと結婚してこの国の王妃になるんだから⋯⋯そうよ、別に教会なんてどうでもいいんだわ! もう、慌てさせないでよ! 全く」
能天気なレベッカの宣言で、口を開けて固まっていたポンコツ達が再起動した。
「せ、聖女じゃない?⋯⋯レベッカは嘘を⋯⋯それならレベッカとなんて婚約しない! 本当の聖女のロクサーナを俺の婚約者にしてやる!」
「もちろん、お断りいたします。意味がわかりませんし、はっきり言って気持ち悪いですね」
「な、なんだと! 不敬罪で首を刎ねてやるぞ! レベッカとの婚約は破棄だ! 俺は今ここでロクサーナとの婚約を宣言す⋯⋯」
「するわけないでしょう! 私はポンコツ王子なんかとは結婚いたしません」
「ポンコツ王子だって」
「ぷっ!」
あちこちから笑い声や嘲笑が聞こえてくる。
「アーノルド、ちょっと何言ってるの! 酷いよ! 約束したじゃん、あたしと結婚して王妃⋯⋯」
「黙れ黙れ黙れぇぇ! 俺には本物の聖女が相応しいんだ! 偽物の貴様など、そばに寄るのも穢らわしい。さっさと目の前から消え失せろ!」
「嘘でしょ! あたしがロクサーナなんかに負けるはずがな⋯⋯きゃあ」
ポンコツに突き飛ばされたレベッカが雛壇から転げ落ち⋯⋯かけて、レオンにしがみついた。
「ううっ! レオ~ン、やっぱりあたしの一番の味方はレオンなんだね⋯⋯レオンが一番好⋯⋯」
しがみついていたレベッカをベリっと引き剥がしたレオンは、アーノルドにレベッカを押しつけて雛壇から下り、ロクサーナの目の前までやってきた。
にっこりとロクサーナに微笑みかけたレオンは、振り返ってキッパリと宣言した。
「アーノルド王子殿下そしてレベッカ、ロクサーナは俺の冒険者仲間なんです。もしかしたら生命の恩人もロクサーナかも。だから、これからもロクサーナは俺と一緒に⋯⋯」
「には行動致しません。レオンとは二度と関わる事はありませんから」
「そんな! だって、俺達はきっと一緒にいる運命なんだって。絶対に間違いないから」
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レベッカが聖女だから婚約したいと言ったポンコツと気障野郎のレオンの中身はそっくり。
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「ば、バカな事を! 力があるのに使わないなんて。俺の役に立てば王妃にしてやると言ってるんだぞ! たかが男爵令嬢には想像もできん名誉ではないか!」
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