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79.忍び寄る裏切り者の気配
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酒の樽を幾つも空にしたドワーフ達は、歌って踊る陽気なおじさんとおばさんに変身し、お腹がいっぱいになった子供達は『デザートが出るまでにお腹を減らすんだ!』と山に向けて走り出した。
「アンタらぁ! 山に行くならドラ美ちゃんとゴン太君に、土産を持って行きんさいよ」
素直に戻ってきた子供達は、自分の身体より大きな荷物をヒョイと抱えて、再び山へ向かって走って行く。
「おっしゃあ! 一番乗りはライドオンのおねだりできるにするぞお」
「あ、ずるい~! 待てよお」
近頃、ドラゴンパパのゴン太君はドワーフの子供達と仲良くなりすぎて『飛んで遊べるおもちゃ』扱いになっているが、ドラゴンママのドラ美ちゃんは『卵が孵る前から子育ての練習ね』と鷹揚な笑みを浮かべてくれる。
「流石ドワーフ⋯⋯身体強化なしでも余裕だね」
「で、家具がまだ準備できてなくてさ。使ってない家具を貸してくれないかな~?」
「いいよ、何が必要か分かんないから、ここに色々出してみるね」
ジルベルト司祭の次の作戦に気付かないロクサーナは、何も考えずソファを異空間から出しかけた。
「いやいや、ここじゃなくて家の中で出してくれると助かる」
当たり前のように手を繋いで歩き出した2人を、温かい目が追いかけてくる。
1階はキッチンとリビングにバス・トイレ。2階には同じ大きさの部屋が2つ。
異空間から言われるままに出していったのは⋯⋯キッチンテーブルと椅子・ソファとコーヒーテーブル・チェスト・ドレッサー・ベッド・ラグや布団も⋯⋯。
すぐにでも住めそうな居心地のいい部屋が出来上がった。
「カーテンは流石にサイズが合わないから、作らなくちゃだね」
リビングのソファは広げればダブルベッドになり、脚部分を伸ばせばカウチスタイルにもなる優れもの。
「このサイズなら、ミュウやピッピ達が乗ってきても一緒に寝られるね」
「へ?」
暖炉の上に置かれていた包みの中からジルベルト司祭が取り出して、ソファの上に置いたのは見慣れたあの毛布。
「パーティーがはじまる前に持ってきといたんだ。僕はまだ引っ越してこれないから、ロクサーナの家がもう少し形になるまで、この家を使うといい」
「⋯⋯いや、でもそれは申し訳ないと言うか、傷をつけたりとかするかもだし」
まだ骨組みしかないロクサーナの家は、動物や魔物がその気になれば地下室に入り込むなど簡単にできる。
料理をするのは屋外に設置された竈門しかなく、風呂もないので池か魔法のクリーン頼り。
あと数ヶ月すれば冬になる。この辺りは冬でも半袖でも過ごせるほど暖かいが、調べてみると海風はかなり強くなるらしい。
「家はゆっくり作って、ここで海風対策する。はら、前に話してた友達同士の食事をするガゼボの代わりなんだけど、ダメだったかなぁ?」
そう言われると弱いのがロクサーナで、それを知っているジルベルト司祭はここぞとばかりに、自信のなさそうな顔で首を傾げた。
「えっと⋯⋯友達?⋯⋯うん、風の強い日とか雨の日とかに借りるね。ありがとう」
「2階は左のドレッサーを置いた部屋がロクサーナ用で、隣の部屋が俺用ね」
「うん! 自分の部屋かあ、ちょっとワクワクしてきた。私物を少し置いてもいい?」
「もちろんだよ」
島では相変わらず槌の音が鳴り響き、子供達が走り回っている。
「冬の寒さがないのはええねえ。今までは大雪の中の年越しじゃったけん、子供らは退屈して、よう喧嘩しよったもんねえ」
「酒臭い亭主を放り出すのも遠慮せんでええしね~」
相変わらず海に立ち入り禁止中のロクサーナは『島なのに魚を獲りにいけな~い』と叫び、他国の森に侵入して魔物と戯れて、ついでとばかりに薬草をゲットしている。
教会で秘密裏に育てていたシルフィウムとコントライェルバの植え替えも順調に終わった。
『こんなに愛情込めて世話してたのに!? 離れるのか⋯⋯もう、会えねえのか⋯⋯うぐっ! た、耐えられねえ。
なあ、お前の島って移住者募集とかしてねえの? ガキはもうでっかくなったし、嫁ちゃんと2人で引き取ってくれねえか? まだまだ色々教えてやれる事あるし⋯⋯クソな教会なんぞ捨てて、島で嫁ちゃんと毎晩ガッツリしてえ!』
ガンツの場合、最後の辺りが一番の狙いな気がして、奥ちゃんの体力が心配になったロクサーナ。
「それにしても、ガンツが移住したいって言うとは思わなくて⋯⋯驚いたと言うより、ちょっと引いたよ。だって、理由が理由なんだもん」
ロクサーナはジルベルト司祭の家にちょこちょこと出入りして、寝室に私物を置いたりリビングのソファでお泊まりしたり⋯⋯。
キッチンに調理器具や食器が増えはじめ、ジルベルト司祭の休みの日には、2人並んで料理をしている。
「ええ! ジルベルト司祭って辛いの好きだったんだ」
「サーナの舌はお子ちゃまだからな」
「ムキィィィ! なら、これでどうだあぁぁ」
スープの上にどさっと乗せられた香辛料で涙目になったジルベルト司祭の話は、大興奮のアラクネが『その話マジ!? ご、ご祝儀あげるわ! 今夜のオカズ、いただきぃぃ』と大量の魔糸が贈られた。
「えーっと、この大量の魔糸はどうしたのかな? 素直に吐くならお仕置きは一個だけにするけど、新しいお仕置きを思いついてるから、それを追加する?」
オネエ言葉が少し減って『僕』と言わなくなり『俺』に統一されはじめたジルベルト司祭だが、それにあわせて鬼畜さがマシマシになってきた気がする。
お仕置きフェチと『友達だから』でなんでもゴリ押しする癖は変わらない。
春になり⋯⋯島の春は暑い、かなり暑い⋯⋯と言う事で、毎日のように池に飛び込んで遊ぶロクサーナとドワーフの子供達。
これなら、ダンゼリアム王国の海にも暖かな陽射しが差しはじめたはずだと、気合を入れたロクサーナが両頬をパチンと叩いて宣言した。
「と言う事で~、そろそろ作戦会議をはじめるぞお(ジルベルト司祭が来ないうちにね)」
カチッ
【先ずはどこから?】
「やっぱ、この私を島に閉じ込めやがったクソ間抜け神から成敗する。アイツはリューズベイの問題を作った元凶のひとりに違いないと思うから」
ターゲットのグラウコスは⋯⋯弱っていたはずの魚が元気に逃げ出したのを見て、『これが原因かなあ?』と生えてる草を調べもせずにモッシャモッシャと食べて、魚人になったお間抜けな元漁師。
その後、一応海神と呼ばれる存在になりはしたが、力は予言と不死だけと言うヘッポコ神。
「アイツはね、女の敵! ボッコボコにしないと許せん!」
グラウコスは青緑色の長い髪と長い髭、水色の腕と魚の尾を持った姿をしているが、傷ついた身体には貝殻や海藻、岩などが付着した醜い姿をしている。
グラウコスに執着されたスキュラは、大勢の男性が求婚を申し込むほどの美少女だったが、グラウコスの見た目に怯えて逃げ出した。
追いかけるグラウコスと逃げまわるスキュラ⋯⋯そこに出てくるのが魔女のキルケー。
『なあなあ、薬草や呪文の力で恋を成就させてほしいんだけど』
追いかけるのに疲れた執念深いグラウコスは、キルケーに言語道断なおねだりをした。
グラウコスを気に入ったキルケーが嫉妬に狂い、毒薬でスキュラを怪物に変えると、グラウコスはスキュラを放置してトンズラ。その後、恋人をガンガン作って男性もオッケーのオールラウンドプレーヤーになった。
スキュラからしたら『何あいつ、巫山戯んじゃないわよ!』だが、最後はメリケルテスを愛しすぎて海に身を投げた⋯⋯自己陶酔型の変質者。
拳を突き上げたロクサーナの鼻息がどんどん荒くなる。
「て事で、先ずはグラウコスを誘き出して殺りま~す(ジルベルト司祭にバレる前にね)」
「アンタらぁ! 山に行くならドラ美ちゃんとゴン太君に、土産を持って行きんさいよ」
素直に戻ってきた子供達は、自分の身体より大きな荷物をヒョイと抱えて、再び山へ向かって走って行く。
「おっしゃあ! 一番乗りはライドオンのおねだりできるにするぞお」
「あ、ずるい~! 待てよお」
近頃、ドラゴンパパのゴン太君はドワーフの子供達と仲良くなりすぎて『飛んで遊べるおもちゃ』扱いになっているが、ドラゴンママのドラ美ちゃんは『卵が孵る前から子育ての練習ね』と鷹揚な笑みを浮かべてくれる。
「流石ドワーフ⋯⋯身体強化なしでも余裕だね」
「で、家具がまだ準備できてなくてさ。使ってない家具を貸してくれないかな~?」
「いいよ、何が必要か分かんないから、ここに色々出してみるね」
ジルベルト司祭の次の作戦に気付かないロクサーナは、何も考えずソファを異空間から出しかけた。
「いやいや、ここじゃなくて家の中で出してくれると助かる」
当たり前のように手を繋いで歩き出した2人を、温かい目が追いかけてくる。
1階はキッチンとリビングにバス・トイレ。2階には同じ大きさの部屋が2つ。
異空間から言われるままに出していったのは⋯⋯キッチンテーブルと椅子・ソファとコーヒーテーブル・チェスト・ドレッサー・ベッド・ラグや布団も⋯⋯。
すぐにでも住めそうな居心地のいい部屋が出来上がった。
「カーテンは流石にサイズが合わないから、作らなくちゃだね」
リビングのソファは広げればダブルベッドになり、脚部分を伸ばせばカウチスタイルにもなる優れもの。
「このサイズなら、ミュウやピッピ達が乗ってきても一緒に寝られるね」
「へ?」
暖炉の上に置かれていた包みの中からジルベルト司祭が取り出して、ソファの上に置いたのは見慣れたあの毛布。
「パーティーがはじまる前に持ってきといたんだ。僕はまだ引っ越してこれないから、ロクサーナの家がもう少し形になるまで、この家を使うといい」
「⋯⋯いや、でもそれは申し訳ないと言うか、傷をつけたりとかするかもだし」
まだ骨組みしかないロクサーナの家は、動物や魔物がその気になれば地下室に入り込むなど簡単にできる。
料理をするのは屋外に設置された竈門しかなく、風呂もないので池か魔法のクリーン頼り。
あと数ヶ月すれば冬になる。この辺りは冬でも半袖でも過ごせるほど暖かいが、調べてみると海風はかなり強くなるらしい。
「家はゆっくり作って、ここで海風対策する。はら、前に話してた友達同士の食事をするガゼボの代わりなんだけど、ダメだったかなぁ?」
そう言われると弱いのがロクサーナで、それを知っているジルベルト司祭はここぞとばかりに、自信のなさそうな顔で首を傾げた。
「えっと⋯⋯友達?⋯⋯うん、風の強い日とか雨の日とかに借りるね。ありがとう」
「2階は左のドレッサーを置いた部屋がロクサーナ用で、隣の部屋が俺用ね」
「うん! 自分の部屋かあ、ちょっとワクワクしてきた。私物を少し置いてもいい?」
「もちろんだよ」
島では相変わらず槌の音が鳴り響き、子供達が走り回っている。
「冬の寒さがないのはええねえ。今までは大雪の中の年越しじゃったけん、子供らは退屈して、よう喧嘩しよったもんねえ」
「酒臭い亭主を放り出すのも遠慮せんでええしね~」
相変わらず海に立ち入り禁止中のロクサーナは『島なのに魚を獲りにいけな~い』と叫び、他国の森に侵入して魔物と戯れて、ついでとばかりに薬草をゲットしている。
教会で秘密裏に育てていたシルフィウムとコントライェルバの植え替えも順調に終わった。
『こんなに愛情込めて世話してたのに!? 離れるのか⋯⋯もう、会えねえのか⋯⋯うぐっ! た、耐えられねえ。
なあ、お前の島って移住者募集とかしてねえの? ガキはもうでっかくなったし、嫁ちゃんと2人で引き取ってくれねえか? まだまだ色々教えてやれる事あるし⋯⋯クソな教会なんぞ捨てて、島で嫁ちゃんと毎晩ガッツリしてえ!』
ガンツの場合、最後の辺りが一番の狙いな気がして、奥ちゃんの体力が心配になったロクサーナ。
「それにしても、ガンツが移住したいって言うとは思わなくて⋯⋯驚いたと言うより、ちょっと引いたよ。だって、理由が理由なんだもん」
ロクサーナはジルベルト司祭の家にちょこちょこと出入りして、寝室に私物を置いたりリビングのソファでお泊まりしたり⋯⋯。
キッチンに調理器具や食器が増えはじめ、ジルベルト司祭の休みの日には、2人並んで料理をしている。
「ええ! ジルベルト司祭って辛いの好きだったんだ」
「サーナの舌はお子ちゃまだからな」
「ムキィィィ! なら、これでどうだあぁぁ」
スープの上にどさっと乗せられた香辛料で涙目になったジルベルト司祭の話は、大興奮のアラクネが『その話マジ!? ご、ご祝儀あげるわ! 今夜のオカズ、いただきぃぃ』と大量の魔糸が贈られた。
「えーっと、この大量の魔糸はどうしたのかな? 素直に吐くならお仕置きは一個だけにするけど、新しいお仕置きを思いついてるから、それを追加する?」
オネエ言葉が少し減って『僕』と言わなくなり『俺』に統一されはじめたジルベルト司祭だが、それにあわせて鬼畜さがマシマシになってきた気がする。
お仕置きフェチと『友達だから』でなんでもゴリ押しする癖は変わらない。
春になり⋯⋯島の春は暑い、かなり暑い⋯⋯と言う事で、毎日のように池に飛び込んで遊ぶロクサーナとドワーフの子供達。
これなら、ダンゼリアム王国の海にも暖かな陽射しが差しはじめたはずだと、気合を入れたロクサーナが両頬をパチンと叩いて宣言した。
「と言う事で~、そろそろ作戦会議をはじめるぞお(ジルベルト司祭が来ないうちにね)」
カチッ
【先ずはどこから?】
「やっぱ、この私を島に閉じ込めやがったクソ間抜け神から成敗する。アイツはリューズベイの問題を作った元凶のひとりに違いないと思うから」
ターゲットのグラウコスは⋯⋯弱っていたはずの魚が元気に逃げ出したのを見て、『これが原因かなあ?』と生えてる草を調べもせずにモッシャモッシャと食べて、魚人になったお間抜けな元漁師。
その後、一応海神と呼ばれる存在になりはしたが、力は予言と不死だけと言うヘッポコ神。
「アイツはね、女の敵! ボッコボコにしないと許せん!」
グラウコスは青緑色の長い髪と長い髭、水色の腕と魚の尾を持った姿をしているが、傷ついた身体には貝殻や海藻、岩などが付着した醜い姿をしている。
グラウコスに執着されたスキュラは、大勢の男性が求婚を申し込むほどの美少女だったが、グラウコスの見た目に怯えて逃げ出した。
追いかけるグラウコスと逃げまわるスキュラ⋯⋯そこに出てくるのが魔女のキルケー。
『なあなあ、薬草や呪文の力で恋を成就させてほしいんだけど』
追いかけるのに疲れた執念深いグラウコスは、キルケーに言語道断なおねだりをした。
グラウコスを気に入ったキルケーが嫉妬に狂い、毒薬でスキュラを怪物に変えると、グラウコスはスキュラを放置してトンズラ。その後、恋人をガンガン作って男性もオッケーのオールラウンドプレーヤーになった。
スキュラからしたら『何あいつ、巫山戯んじゃないわよ!』だが、最後はメリケルテスを愛しすぎて海に身を投げた⋯⋯自己陶酔型の変質者。
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