103 / 126
93.さあ、やるぞ〜! はじまるぞ〜!
しおりを挟む
向かっているのは勿論領主館。メンバーはロクサーナとジルベルト、ウルサ達4人と屋台のおじさんのグラント。
「作戦も立てずに来たけど、この後どうすんだ? んで、ちびはどこに行ったんだ?」
歩いている途中で突然姿を消したロクサーナを心配したウルサが、ジルベルトの腕を掴んだ。
「隠蔽と気配遮断を使ったんです。ロクサーナが本気で姿を消したら、見つけられる人はいないから⋯⋯どの辺りにいるのかは分からないですね」
ジルベルトの言葉が終わると同時に、ウルサの後ろ頭に石がぶつけられた。
「痛え! 誰だ⋯⋯って、あれ?」
ウルサの後ろには誰もいないが、2個目の石が宙に浮いているのが見えた。
「ここにいるもーん。ジルベルト司祭が話をする間気配を消しておくつもりなんだけど、次にちびって言ったら眉間を撃ち抜くからね」
ふわふわと揺れていた石が、2つ3つと増えていく。
「という事で、行きましょう。あの時喧嘩したのはロクサーナと俺だったのに、探していたのはロクサーナだけだというのが気になります。まずは相手の出方を見て、情報を引き出します」
ロクサーナがいれば問答無用で、実力行使に出てくるかもしれない。
(そうなったら情報が引き出せなくなる。この件にレベッカ達が関与してるのかどうか、きっちり話させないとな)
「俺は喧嘩のきっかけを見てたから、デニスの野郎が因縁をつけてきたっていう証人になるぜ」
仕事を休んで同行しているイカ焼きおじさんのグラントが拳を握りしめた。
「この港町はちびすけに色々恩があるのに、手伝わねえわけにはいかねえってな」
領主館の入り口で門番らしき男を見つけて声をかけた。
「昨日から領兵が一人の少女を探していると聞いて来たのですが、その少女は私の連れのようで⋯⋯彼女を探している方との面会は可能でしょうか?」
「あ! ええと、勿論大丈夫だと。で、問題の女の子はどこに?」
「理由も分からず領兵に捕縛されては困りますから、先ずは話を伺いたいと思っております」
門番らしき男は納得がいかなそうな顔をしていたが、『ちょっとここで待っててください』と言い残して館に駆け込んで行った。
「さーて、どいつが出てくるのか楽しみだな」
ウルサ達がついて来たのは、領主の言動を確認する証人として。
横暴で欲深かった前領主よりはましだが、新しい領主は商人ギルドや漁業ギルドの顔色を伺っているばかりで、二転三転する政策に領民は右往左往せざるをえない。
『港の利用時間を制限し、大陸から来た商船を優先する』これは、船主達からの抗議で頓挫した。
『積荷は商人ギルド経由で取り扱い、他領の商人は取引不可』宿に泊まっていた商人達が一斉に引き上げ、生活必需品が手に入らなくなり、政策を取り下げた。
『屋台や店への魚介類等の販売は漁業ギルドが管理する』仲介手数料を払いたくない漁師達がストライキを起こして中止になった。
「海賊やらギルドやらに、いい顔をしたがるだけの領主ならいらねえ」
戻って来た男の案内で、ジルベルト達は館の2階にある広い部屋に連れてこられた。部屋に入った途端、武器を携帯した領兵が雪崩れ込み広い部屋の両端に待機した。
ドアが大きな音を立てて閉まり領兵が武器を構えると、別の扉から3人の男が現れてジルベルト達と対峙したが、余裕そうに踏ん反り返って腕を組む男と陰湿そうな顔の男の横で、ひとりだけ顔を引き攣らせている。
(腕を組んでいるのはあの時のおっさんで、その隣が商船の責任者。となるとビクビクしてるのが領主⋯⋯頼りなさすぎだな)
部屋の正面にいるのはその3人だけだが、彼等の後ろに引かれたカーテンの陰に、レベッカ達の気配がある。
港に面した大きな窓の外にあるテラスは、奇しくもレベッカが『聖女の祈り』を捧げた場所で、この部屋は華やかなパーティーが行われた大広間だった。
「で、問題の小娘はどこにいるのですか? すぐに連れてくれば報奨金を出しましょう」
「ルイス・ジルベルトと申します。皆様のお名前を伺ってもよろしいでしょうか」
「わ、私は領主のトーマス・キリング。こちらの方はオルフェーヌ王国から来られたオラール貿易会社のニール・スミス様。その向こうにいるのはスミス様の商船で雇用されているデニスだ」
「冒険商人の方でいらっしゃいましたか。で、この町でデニス達のような破落戸を雇われたのですね」
「てめえは昨日、あのガキと一緒にいた奴じゃねえか! のこのこと俺様の前に顔を出して、タダで帰れると思うなよ!」
「まあ待ちなさい。問題の少女がいなくては話にもならないのですからね」
「その前にお聞きしたい。そこにいる破落戸が言うように、昨日の喧嘩には私もおりました。なぜ、少女だけを探しておられるのですか?」
「少女がデニスを無駄に煽ったのが、昨日の喧嘩のきっかけだからですよ。船乗りのような気の荒い奴等ですから、喧嘩を咎めることはしたくない⋯⋯何しろ毎日のように殴り合ってますからね。ただ、その原因を作った少女を見逃すわけにはいきません」
「私はこの港町で屋台を出している者でグラントと申します。昨日の喧嘩ですが⋯⋯私の屋台の前で、デニスが突然少女に絡んできたのがキッカケです。ボコボコにしてやると言い出し仲間を集めたのもデニス。
問題があるのは間違いなくデニスの方でございます」
以前ロクサーナがデニスを蹴り飛ばした時も、デニスからウルサとロクサーナに絡んできた。
「喧嘩の時も先に手を出したのはデニスの仲間だったと、見ていた者達が証言しています。正当防衛だったのではありませんか?」
「それに、ちびだけを捕まえようとする理由になってねえしな。喧嘩は両成敗、先に手を出した方が悪いってのは世界共通の理屈だろ? 法律でもそう決まってるしな。
新領主のキリング様は、そこんとこどう考えておられるんですかね」
「⋯⋯わ、私はその。オルフェーヌ王国やオラール貿易会社の顔に泥を塗った行為は慎んでもらいたいというか⋯⋯話し合いで解決してもらうのが、今後の貿易の為には⋯⋯領民の生活を守る為には、他国の少女を優先するわけにはいかない。
この件が片付けば、リューズべイとの交易品に係る関税も安くなるんだ。そ、そうなれば領民の生活の役に立つ。だから⋯⋯」
(ロクサーナを生贄に出せば関税を下げる⋯⋯情報は漏れた後のようだな)
レベッカ達がどこまで話したのかは分からないが、少なくともロクサーナが聖王国の聖女だと言うのは話しているだろう。
(かなり力があるとバラしている可能性もありそうだ)
「その少女がここにいたらどうされるつもりですか? オルフェーヌ王国の主要な輸出品は魔鉱石と銀で、輸入品は宝石や絹織物だと言われていますが、メインは略奪品の転売と奴隷の密輸。聖女・魔法士・魔導具。
この町ではどれを密輸しておられるのですか?」
「⋯⋯」
無言でジルベルトを睨みつけるスミスの後ろのカーテンが揺れ、レベッカ達が慌てている気配がした。
口先だけの美味しい話を聞かされてペラペラと喋ったのだと思うが⋯⋯レベッカ達は、聖女や魔法士の密輸という言葉に慌てふためいているのだろう。
(聖王国の教会に所属する事で、他国の脅威から守られていると知らないはずはないのに。教会の教育を見直した方が良いんじゃないか?)
「作戦も立てずに来たけど、この後どうすんだ? んで、ちびはどこに行ったんだ?」
歩いている途中で突然姿を消したロクサーナを心配したウルサが、ジルベルトの腕を掴んだ。
「隠蔽と気配遮断を使ったんです。ロクサーナが本気で姿を消したら、見つけられる人はいないから⋯⋯どの辺りにいるのかは分からないですね」
ジルベルトの言葉が終わると同時に、ウルサの後ろ頭に石がぶつけられた。
「痛え! 誰だ⋯⋯って、あれ?」
ウルサの後ろには誰もいないが、2個目の石が宙に浮いているのが見えた。
「ここにいるもーん。ジルベルト司祭が話をする間気配を消しておくつもりなんだけど、次にちびって言ったら眉間を撃ち抜くからね」
ふわふわと揺れていた石が、2つ3つと増えていく。
「という事で、行きましょう。あの時喧嘩したのはロクサーナと俺だったのに、探していたのはロクサーナだけだというのが気になります。まずは相手の出方を見て、情報を引き出します」
ロクサーナがいれば問答無用で、実力行使に出てくるかもしれない。
(そうなったら情報が引き出せなくなる。この件にレベッカ達が関与してるのかどうか、きっちり話させないとな)
「俺は喧嘩のきっかけを見てたから、デニスの野郎が因縁をつけてきたっていう証人になるぜ」
仕事を休んで同行しているイカ焼きおじさんのグラントが拳を握りしめた。
「この港町はちびすけに色々恩があるのに、手伝わねえわけにはいかねえってな」
領主館の入り口で門番らしき男を見つけて声をかけた。
「昨日から領兵が一人の少女を探していると聞いて来たのですが、その少女は私の連れのようで⋯⋯彼女を探している方との面会は可能でしょうか?」
「あ! ええと、勿論大丈夫だと。で、問題の女の子はどこに?」
「理由も分からず領兵に捕縛されては困りますから、先ずは話を伺いたいと思っております」
門番らしき男は納得がいかなそうな顔をしていたが、『ちょっとここで待っててください』と言い残して館に駆け込んで行った。
「さーて、どいつが出てくるのか楽しみだな」
ウルサ達がついて来たのは、領主の言動を確認する証人として。
横暴で欲深かった前領主よりはましだが、新しい領主は商人ギルドや漁業ギルドの顔色を伺っているばかりで、二転三転する政策に領民は右往左往せざるをえない。
『港の利用時間を制限し、大陸から来た商船を優先する』これは、船主達からの抗議で頓挫した。
『積荷は商人ギルド経由で取り扱い、他領の商人は取引不可』宿に泊まっていた商人達が一斉に引き上げ、生活必需品が手に入らなくなり、政策を取り下げた。
『屋台や店への魚介類等の販売は漁業ギルドが管理する』仲介手数料を払いたくない漁師達がストライキを起こして中止になった。
「海賊やらギルドやらに、いい顔をしたがるだけの領主ならいらねえ」
戻って来た男の案内で、ジルベルト達は館の2階にある広い部屋に連れてこられた。部屋に入った途端、武器を携帯した領兵が雪崩れ込み広い部屋の両端に待機した。
ドアが大きな音を立てて閉まり領兵が武器を構えると、別の扉から3人の男が現れてジルベルト達と対峙したが、余裕そうに踏ん反り返って腕を組む男と陰湿そうな顔の男の横で、ひとりだけ顔を引き攣らせている。
(腕を組んでいるのはあの時のおっさんで、その隣が商船の責任者。となるとビクビクしてるのが領主⋯⋯頼りなさすぎだな)
部屋の正面にいるのはその3人だけだが、彼等の後ろに引かれたカーテンの陰に、レベッカ達の気配がある。
港に面した大きな窓の外にあるテラスは、奇しくもレベッカが『聖女の祈り』を捧げた場所で、この部屋は華やかなパーティーが行われた大広間だった。
「で、問題の小娘はどこにいるのですか? すぐに連れてくれば報奨金を出しましょう」
「ルイス・ジルベルトと申します。皆様のお名前を伺ってもよろしいでしょうか」
「わ、私は領主のトーマス・キリング。こちらの方はオルフェーヌ王国から来られたオラール貿易会社のニール・スミス様。その向こうにいるのはスミス様の商船で雇用されているデニスだ」
「冒険商人の方でいらっしゃいましたか。で、この町でデニス達のような破落戸を雇われたのですね」
「てめえは昨日、あのガキと一緒にいた奴じゃねえか! のこのこと俺様の前に顔を出して、タダで帰れると思うなよ!」
「まあ待ちなさい。問題の少女がいなくては話にもならないのですからね」
「その前にお聞きしたい。そこにいる破落戸が言うように、昨日の喧嘩には私もおりました。なぜ、少女だけを探しておられるのですか?」
「少女がデニスを無駄に煽ったのが、昨日の喧嘩のきっかけだからですよ。船乗りのような気の荒い奴等ですから、喧嘩を咎めることはしたくない⋯⋯何しろ毎日のように殴り合ってますからね。ただ、その原因を作った少女を見逃すわけにはいきません」
「私はこの港町で屋台を出している者でグラントと申します。昨日の喧嘩ですが⋯⋯私の屋台の前で、デニスが突然少女に絡んできたのがキッカケです。ボコボコにしてやると言い出し仲間を集めたのもデニス。
問題があるのは間違いなくデニスの方でございます」
以前ロクサーナがデニスを蹴り飛ばした時も、デニスからウルサとロクサーナに絡んできた。
「喧嘩の時も先に手を出したのはデニスの仲間だったと、見ていた者達が証言しています。正当防衛だったのではありませんか?」
「それに、ちびだけを捕まえようとする理由になってねえしな。喧嘩は両成敗、先に手を出した方が悪いってのは世界共通の理屈だろ? 法律でもそう決まってるしな。
新領主のキリング様は、そこんとこどう考えておられるんですかね」
「⋯⋯わ、私はその。オルフェーヌ王国やオラール貿易会社の顔に泥を塗った行為は慎んでもらいたいというか⋯⋯話し合いで解決してもらうのが、今後の貿易の為には⋯⋯領民の生活を守る為には、他国の少女を優先するわけにはいかない。
この件が片付けば、リューズべイとの交易品に係る関税も安くなるんだ。そ、そうなれば領民の生活の役に立つ。だから⋯⋯」
(ロクサーナを生贄に出せば関税を下げる⋯⋯情報は漏れた後のようだな)
レベッカ達がどこまで話したのかは分からないが、少なくともロクサーナが聖王国の聖女だと言うのは話しているだろう。
(かなり力があるとバラしている可能性もありそうだ)
「その少女がここにいたらどうされるつもりですか? オルフェーヌ王国の主要な輸出品は魔鉱石と銀で、輸入品は宝石や絹織物だと言われていますが、メインは略奪品の転売と奴隷の密輸。聖女・魔法士・魔導具。
この町ではどれを密輸しておられるのですか?」
「⋯⋯」
無言でジルベルトを睨みつけるスミスの後ろのカーテンが揺れ、レベッカ達が慌てている気配がした。
口先だけの美味しい話を聞かされてペラペラと喋ったのだと思うが⋯⋯レベッカ達は、聖女や魔法士の密輸という言葉に慌てふためいているのだろう。
(聖王国の教会に所属する事で、他国の脅威から守られていると知らないはずはないのに。教会の教育を見直した方が良いんじゃないか?)
108
あなたにおすすめの小説
奪われる人生とはお別れします 婚約破棄の後は幸せな日々が待っていました
水空 葵
恋愛
婚約者だった王太子殿下は、最近聖女様にかかりっきりで私には見向きもしない。
それなのに妃教育と称して仕事を押し付けてくる。
しまいには建国パーティーの時に婚約解消を突き付けられてしまった。
王太子殿下、それから私の両親。今まで尽くしてきたのに、裏切るなんて許せません。
でも、これ以上奪われるのは嫌なので、さっさとお別れしましょう。
◇2024/2/5 HOTランキング1位に掲載されました。
◇第17回 恋愛小説大賞で6位&奨励賞を頂きました。
◇レジーナブックスより書籍発売中です!
本当にありがとうございます!
妹に全てを奪われた令嬢は第二の人生を満喫することにしました。
バナナマヨネーズ
恋愛
四大公爵家の一つ。アックァーノ公爵家に生まれたイシュミールは双子の妹であるイシュタルに慕われていたが、何故か両親と使用人たちに冷遇されていた。
瓜二つである妹のイシュタルは、それに比べて大切にされていた。
そんなある日、イシュミールは第三王子との婚約が決まった。
その時から、イシュミールの人生は最高の瞬間を経て、最悪な結末へと緩やかに向かうことになった。
そして……。
本編全79話
番外編全34話
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
聖女は記憶と共に姿を消した~婚約破棄を告げられた時、王国の運命が決まった~
キョウキョウ
恋愛
ある日、婚約相手のエリック王子から呼び出された聖女ノエラ。
パーティーが行われている会場の中央、貴族たちが注目する場所に立たされたノエラは、エリック王子から突然、婚約を破棄されてしまう。
最近、冷たい態度が続いていたとはいえ、公の場での宣言にノエラは言葉を失った。
さらにエリック王子は、ノエラが聖女には相応しくないと告げた後、一緒に居た美しい女神官エリーゼを真の聖女にすると宣言してしまう。彼女こそが本当の聖女であると言って、ノエラのことを偽物扱いする。
その瞬間、ノエラの心に浮かんだのは、万が一の時のために準備していた計画だった。
王国から、聖女ノエラに関する記憶を全て消し去るという計画を、今こそ実行に移す時だと決意した。
こうして聖女ノエラは人々の記憶から消え去り、ただのノエラとして新たな一歩を踏み出すのだった。
※過去に使用した設定や展開などを再利用しています。
※カクヨムにも掲載中です。
辺境は独自路線で進みます! ~見下され搾取され続けるのは御免なので~
紫月 由良
恋愛
辺境に領地を持つマリエ・オリオール伯爵令嬢は、貴族学院の食堂で婚約者であるジョルジュ・ミラボーから婚約破棄をつきつけられた。二人の仲は険悪で修復不可能だったこともあり、マリエは快諾すると学院を早退して婚約者の家に向かい、その日のうちに婚約が破棄された。辺境=田舎者という風潮によって居心地が悪くなっていたため、これを機に学院を退学して領地に引き籠ることにした。
魔法契約によりオリオール伯爵家やフォートレル辺境伯家は国から離反できないが、関わり合いを最低限にして独自路線を歩むことに――。
※小説家になろう、カクヨムにも投稿しています
二度目の人生は離脱を目指します
橋本彩里(Ayari)
恋愛
エレナは一度死に戻り、二度目の人生を生きることになった。
一度目は親友のマリアンヌにあらゆるものを奪われ、はめられた人生。
今回は関わらずにいこうと、マリアンヌとの初めての顔合わせで倒れたのを機に病弱と偽り王都から身を遠ざけることにする。
人生二度目だから自身が快適に過ごすために、マリアンヌと距離を取りながらあちこちに顔を出していたら、なぜかマリアンヌの取り巻き男性、死に戻り前は髪色で呼んでいた五人、特に黒いのがしつこっ、……男たちが懐いてきて。
一度目の人生は何が起っていたのか。
今度こそ平穏にいきたいエレナだがいつの間にか渦中に巻き込まれ――。
婚約辞退いたします。だってこの国、沈みますもの
鍛高譚
恋愛
「婚約はお断りいたします――この国は近い将来、崩壊しますので」
そう言い放ったのは、社交界でも目立たない子爵令嬢、マリン・アクアリウム。
ある日、とある舞踏会に突如現れた王太子ガイア殿下。
誰もが驚く中、なんと彼はマリンに婚約を申し出る。
周囲は騒然。「子爵令嬢が王太子妃!?」「断る理由などないはず!」
――だが、彼女は断った。「この国は、もうすぐ滅びます」――と。
そんな不吉な言葉を口にしたことで、彼女は“狂言癖のある嘘つき令嬢”と噂され、
家族にさえ見放され、ついには国外追放の身に。
だが、彼女の予言は本物だった――
数年後、王国に未曾有の大災厄が迫る。
国土が崩れ、海に沈む都市。人々が絶望する中、思い出されるのは、
あの舞踏会でただひとり“滅び”を告げた少女の名。
「彼女なら、この国を救えるかもしれない……」
皮肉にも“追放令嬢”マリンは、再び王都に呼び戻され、
滅びゆく国で最後の希望として担ぎ上げられる。
信じてもらえなかった過去。
それでも人々の命を守ろうと奔走するマリン。
そして、王子ガイアが差し伸べた、あの日と変わらぬ手。
――たとえ国が滅んでも、あなたとともに歩んでいきたい。
【完結】さようなら。毒親と毒姉に利用され、虐げられる人生はもう御免です 〜復讐として隣国の王家に嫁いだら、婚約者に溺愛されました〜
ゆうき
恋愛
父の一夜の過ちによって生を受け、聖女の力を持って生まれてしまったことで、姉に聖女の力を持って生まれてくることを望んでいた家族に虐げられて生きてきた王女セリアは、隣国との戦争を再び引き起こした大罪人として、処刑されてしまった。
しかし、それは現実で起こったことではなく、聖女の力による予知の力で見た、自分の破滅の未来だった。
生まれて初めてみた、自分の予知。しかも、予知を見てしまうと、もうその人の不幸は、内容が変えられても、不幸が起こることは変えられない。
それでも、このまま何もしなければ、身に覚えのないことで処刑されてしまう。日頃から、戦争で亡くなった母の元に早く行きたいと思っていたセリアだが、いざ破滅の未来を見たら、そんなのはまっぴら御免だと強く感じた。
幼い頃は、白馬に乗った王子様が助けに来てくれると夢見ていたが、未来は自分で勝ち取るものだと考えたセリアは、一つの疑問を口にする。
「……そもそも、どうして私がこんな仕打ちを受けなくちゃいけないの?」
初めて前向きになったセリアに浮かんだのは、疑問と――恨み。その瞬間、セリアは心に誓った。自分を虐げてきた家族と、母を奪った戦争の元凶である、隣国に復讐をしようと。
そんな彼女にとある情報が舞い込む。長年戦争をしていた隣国の王家が、友好の証として、王子の婚約者を探していると。
これは復讐に使えると思ったセリアは、その婚約者に立候補しようとするが……この時のセリアはまだ知らない。復讐をしようとしている隣国の王子が、運命の相手だということを。そして、彼に溺愛される未来が待っていることも。
これは、復讐を決意した一人の少女が、復讐と運命の相手との出会いを経て、幸せに至るまでの物語。
☆既に全話執筆、予約投稿済みです☆
【完結】聖女召喚に巻き込まれたバリキャリですが、追い出されそうになったのでお金と魔獣をもらって出て行きます!
チャらら森山
恋愛
二十七歳バリバリキャリアウーマンの鎌本博美(かまもとひろみ)が、交差点で後ろから背中を押された。死んだと思った博美だが、突如、異世界へ召喚される。召喚された博美が発した言葉を誤解したハロルド王子の前に、もうひとりの女性が現れた。博美の方が、聖女召喚に巻き込まれた一般人だと決めつけ、追い出されそうになる。しかし、バリキャリの博美は、そのまま追い出されることを拒否し、彼らに慰謝料を要求する。
お金を受け取るまで、博美は屋敷で暮らすことになり、数々の騒動に巻き込まれながら地下で暮らす魔獣と交流を深めていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる