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94.最後の最後で、ざまぁのレベルをせっせとあげるなんて超ウケる〜
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「冒険商人が海賊稼業の別名、立ち上げている会社の社長以下全員が犯罪者。国に認められている貿易会社が、略奪品の転売や奴隷の密輸をメインにしている事は有名な話です」
「⋯⋯」
「オルフェーヌ王国は今でも奴隷制が残っていて、捉えれられた魔法使い達は隷属の首輪を嵌められ、魔力のある限り使い潰される。役に立たなくなった男は鉱山行きか殺される、女は娼館行き。
よく似たやり方をしている国がこの近くにもありまして、『帝国』のやり方はご存知ですか? オルフェーヌ王国の話も結構有名ですよ」
「⋯⋯くだらん。全くもってくだらん噂話だよ。我々は国の許可証を持ち他国との貿易をしている。船員の中には海賊崩れもいるだろうが、そこまで管理はできんからな。
証拠もなくオラール貿易会社を犯罪者扱いし、オルフェーヌ王国に対して暴言を吐いた奴を見逃すわけにはいかん! 貴様ら全員、海の藻屑にしてやる。
領兵! コイツらを捕まえろ!」
壁際に並んで武器を構えていた領兵達が、ジルベルト達に向かって一歩足を踏み出した。
パキーン⋯⋯パリパリ⋯⋯バキン
領兵の足元が凍りつくと同時に、持っていた剣や槍が一斉に折れた。
「な、なんだ!」
「質問して宜しいでしょうか? 領主でもなくこの国の方でもないオラール商会の方が、なぜ領兵に指示できるのですか? そして、領兵達はなぜその指示に従ったのですか? それを黙認しておられるのは、リューズベイの領主としておかしくありませんか?
「新しい領主のキリング様、情けなくない?」
「だ、誰だ! ど、どこから話してる、顔を出しやがれ!」
「スミス様、商人の仮面が剥げちゃってるよ~。流石、現役の海賊だね。んで、レベッカ達は人の情報で甘い汁を吸おうとしてたのかな~、コソコソと隠れてても黄色いあんよ⋯⋯ゴホン⋯⋯黄色いドレスが見えてるよ。もうバレバレ~」
カラカラと音を立てて、カーテンが勝手に開いていく。
「ひいっ! ジ、ジルベルト司祭⋯⋯助けて、あたしらはこの人達に騙されたの!!」
「わたくしは今でも聖王国の所属ですわ! 助けてくださいませ」
「さっきの声、ロクサーナでしょ! 姿を消してないでアタシを助けなさいよ! アンタのせいでこんな事になってんだからね」
「いや~、清々しいまでのクズっぷり。聖女見習いとか魔法士とか魔法士見習いとしての力が激減した分、ゲスに落ちちゃった感じだね」
「ロクサーナの情報をネタにどんな約束をしたのか知らないが、教会所属の者達の情報については守秘義務がある。いくつ教会との契約を破れば気が済むのか⋯⋯呆れてものも言えないよ」
「アタシ達が喋ったって証拠は!? アンタの勝手な想像じゃん、ふざけんな!」
「今でもあたし達はロクサーナの友達だって思ってるから、何にも話してないもん」
「わたくしだって、ロクサーナの事を心配しておりましたの。早く会いたいって」
書類仕事をするジルベルトしか知らないレベッカ達は、彼は事務しかできない神官だと思っている。事務職の神官は、魔法士見習いにさえなれなかった落伍者と言われていて、教会内ではかなり冷遇されている。
(その上、ジルベルト司祭が担当しているのはロクサーナだけ⋯⋯一人を担当するので精一杯の、無能だと聞いたことがあるわ)
(魔法士や聖女見習いの自分達を、格下の事務職がどうこうできるはずがないもん)
(ジルベルト司祭じゃ役に立たないけど、ロクサーナがいるならアタシを助けてくれるはず)
むしろ助けないはずがないと思った。
(だって、大聖女候補の筆頭聖女なんだもの。困っている友達を放っておくなんてあり得ないわ)
(仲間を見捨てるはずはないよね、信じてるからね!)
(助けにきたのは後で褒めてあげる)
「「「奴隷なんて嫌! ロクサーナ、助けてぇぇ」」」
本心を隠して、ロクサーナに救いを求める声が重なった。
(お~、やっぱりこの3人は仲良しさんだ、ゲス仲間だもんね!)
「ではでは⋯⋯時を遡り、過去の映像をご覧ください」
パチパチと音がしたのは、姿を消したままのロクサーナが手を叩いているのだろう。テラスの前に黒く大きな円が広がり、天井から床まで届くと、別の部屋の映像が映し出された。
『ロクサーナっていう子はぁ、アタシほどじゃないけど魔法が使えるの。レベルはぁ、う~ん、そこそこって感じかなあ。聖女だって言って偉そうにしてるからぁ、オルフェーヌに連れて行って、ボッロボロになるまで使い潰してくれたら、レベッカすっご~く嬉しいなぁ。
だってだって、アイツにはめちゃめちゃ酷い目にあったからぁ、だ・か・ら⋯⋯仕返しして~。お願~い!
あ、魔力だけは多いってセシルが言ってたからぁ、身体だけは丈夫みたいよ~。ちびで貧相な身体つきだけどね~』
『え~、アタシがロクサーナを誘い出すの? 攻撃と拘束の魔導具を貸してくれるならいいけどぉ⋯⋯あの子って乱暴者だからぁ、一撃で潰せるくらいの、かなり強力な攻撃が出来るやつにしてね~。スミス様なら、どんな魔道具でも手に入るでしょ~。そのくらいのじゃないと、やり返されちゃいそうで怖いんだもん』
「な、な、何これ⋯⋯いつ見たの!? 聞いてたんなら、先に言いなさいよぉぉ」
『ロクサーナですか? 仕事はしてなかったですけど、聖女としての力はかなりあるって本人は言ってましたわね。
えっ? 王国に連れていかれるのですか? でしたら、隷属の首輪を嵌めておく事をお勧めしますわ。結構我儘な子ですから逃げ出さないようにしておきませんと、スミス様でも扱えないと思いますから。
わたくしは魔法士としてかなりの依頼をこなしてきましたから、ロクサーナのマスターになって使役して差し上げても構いませんわ。勿論、それなりの待遇を望みますけれどね。あの子の性格はよく分かっていますもの、わたくしなら最高の結果を出してご覧にいれますわ』
『例えばですか? そうですわね⋯⋯ロクサーナにできるのは付与とちょっとした回復ですの。魔法士が一番弱い分野ですから、わたくしの指示を聞くように躾けておけば、攻撃力が上がりますし、戦いの場で回復役を連れ歩くのはかなり有効でしょう?』
「こ、これは⋯⋯ほんの冗談なの。場を和ませようとして言っただけで。本気じゃないことくらい、ロクサーナなら分かるでしょう!」
『ロクサーナは薬草を弄ってばかりだったから、聖女としてじゃなくてポーション作りの方が役立つはずだよ~。
あたしと友達になりたがってたから、声をかけてあげてたからさ、あたしが頼めばホイホイ働くはず。
でね、あの子ったら生意気にも容量無制限の収納ポーチを持ってるんだ~。アレをくれるならロクサーナに首輪を嵌めて、スミス様の前に差し出したげるよ? えっ? レベッカに頼んだの? あー、レベッカには無理だと思う。それができるのは聖女仲間だったあたしだけだね。
光魔法のことならあたしが一番詳しいから、ロクサーナの使役方法はあたしにお任せあれ。報酬によったらめちゃめちゃ頑張って、ロクサーナを働かせてあげるからね~』
『収納ポーチの中身? 魔導具とかポーションとかがホイホイ出てくるからさぁ、結構溜め込んでるみたいだよ~。珍しい魔導具の転売で儲けてるから、金貨もいっぱい持ってると思うし。え、う、うん。収納ポーチをくれるなら、中身はスミス様に全部あげる』
「だ、だ、騙されてたんだって⋯⋯ホントのホントに、あたしがロクサーナを裏切るわけないじゃん。聖女仲間だもん。お願い、信じてぇぇ」
「⋯⋯」
「オルフェーヌ王国は今でも奴隷制が残っていて、捉えれられた魔法使い達は隷属の首輪を嵌められ、魔力のある限り使い潰される。役に立たなくなった男は鉱山行きか殺される、女は娼館行き。
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「⋯⋯くだらん。全くもってくだらん噂話だよ。我々は国の許可証を持ち他国との貿易をしている。船員の中には海賊崩れもいるだろうが、そこまで管理はできんからな。
証拠もなくオラール貿易会社を犯罪者扱いし、オルフェーヌ王国に対して暴言を吐いた奴を見逃すわけにはいかん! 貴様ら全員、海の藻屑にしてやる。
領兵! コイツらを捕まえろ!」
壁際に並んで武器を構えていた領兵達が、ジルベルト達に向かって一歩足を踏み出した。
パキーン⋯⋯パリパリ⋯⋯バキン
領兵の足元が凍りつくと同時に、持っていた剣や槍が一斉に折れた。
「な、なんだ!」
「質問して宜しいでしょうか? 領主でもなくこの国の方でもないオラール商会の方が、なぜ領兵に指示できるのですか? そして、領兵達はなぜその指示に従ったのですか? それを黙認しておられるのは、リューズベイの領主としておかしくありませんか?
「新しい領主のキリング様、情けなくない?」
「だ、誰だ! ど、どこから話してる、顔を出しやがれ!」
「スミス様、商人の仮面が剥げちゃってるよ~。流石、現役の海賊だね。んで、レベッカ達は人の情報で甘い汁を吸おうとしてたのかな~、コソコソと隠れてても黄色いあんよ⋯⋯ゴホン⋯⋯黄色いドレスが見えてるよ。もうバレバレ~」
カラカラと音を立てて、カーテンが勝手に開いていく。
「ひいっ! ジ、ジルベルト司祭⋯⋯助けて、あたしらはこの人達に騙されたの!!」
「わたくしは今でも聖王国の所属ですわ! 助けてくださいませ」
「さっきの声、ロクサーナでしょ! 姿を消してないでアタシを助けなさいよ! アンタのせいでこんな事になってんだからね」
「いや~、清々しいまでのクズっぷり。聖女見習いとか魔法士とか魔法士見習いとしての力が激減した分、ゲスに落ちちゃった感じだね」
「ロクサーナの情報をネタにどんな約束をしたのか知らないが、教会所属の者達の情報については守秘義務がある。いくつ教会との契約を破れば気が済むのか⋯⋯呆れてものも言えないよ」
「アタシ達が喋ったって証拠は!? アンタの勝手な想像じゃん、ふざけんな!」
「今でもあたし達はロクサーナの友達だって思ってるから、何にも話してないもん」
「わたくしだって、ロクサーナの事を心配しておりましたの。早く会いたいって」
書類仕事をするジルベルトしか知らないレベッカ達は、彼は事務しかできない神官だと思っている。事務職の神官は、魔法士見習いにさえなれなかった落伍者と言われていて、教会内ではかなり冷遇されている。
(その上、ジルベルト司祭が担当しているのはロクサーナだけ⋯⋯一人を担当するので精一杯の、無能だと聞いたことがあるわ)
(魔法士や聖女見習いの自分達を、格下の事務職がどうこうできるはずがないもん)
(ジルベルト司祭じゃ役に立たないけど、ロクサーナがいるならアタシを助けてくれるはず)
むしろ助けないはずがないと思った。
(だって、大聖女候補の筆頭聖女なんだもの。困っている友達を放っておくなんてあり得ないわ)
(仲間を見捨てるはずはないよね、信じてるからね!)
(助けにきたのは後で褒めてあげる)
「「「奴隷なんて嫌! ロクサーナ、助けてぇぇ」」」
本心を隠して、ロクサーナに救いを求める声が重なった。
(お~、やっぱりこの3人は仲良しさんだ、ゲス仲間だもんね!)
「ではでは⋯⋯時を遡り、過去の映像をご覧ください」
パチパチと音がしたのは、姿を消したままのロクサーナが手を叩いているのだろう。テラスの前に黒く大きな円が広がり、天井から床まで届くと、別の部屋の映像が映し出された。
『ロクサーナっていう子はぁ、アタシほどじゃないけど魔法が使えるの。レベルはぁ、う~ん、そこそこって感じかなあ。聖女だって言って偉そうにしてるからぁ、オルフェーヌに連れて行って、ボッロボロになるまで使い潰してくれたら、レベッカすっご~く嬉しいなぁ。
だってだって、アイツにはめちゃめちゃ酷い目にあったからぁ、だ・か・ら⋯⋯仕返しして~。お願~い!
あ、魔力だけは多いってセシルが言ってたからぁ、身体だけは丈夫みたいよ~。ちびで貧相な身体つきだけどね~』
『え~、アタシがロクサーナを誘い出すの? 攻撃と拘束の魔導具を貸してくれるならいいけどぉ⋯⋯あの子って乱暴者だからぁ、一撃で潰せるくらいの、かなり強力な攻撃が出来るやつにしてね~。スミス様なら、どんな魔道具でも手に入るでしょ~。そのくらいのじゃないと、やり返されちゃいそうで怖いんだもん』
「な、な、何これ⋯⋯いつ見たの!? 聞いてたんなら、先に言いなさいよぉぉ」
『ロクサーナですか? 仕事はしてなかったですけど、聖女としての力はかなりあるって本人は言ってましたわね。
えっ? 王国に連れていかれるのですか? でしたら、隷属の首輪を嵌めておく事をお勧めしますわ。結構我儘な子ですから逃げ出さないようにしておきませんと、スミス様でも扱えないと思いますから。
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光魔法のことならあたしが一番詳しいから、ロクサーナの使役方法はあたしにお任せあれ。報酬によったらめちゃめちゃ頑張って、ロクサーナを働かせてあげるからね~』
『収納ポーチの中身? 魔導具とかポーションとかがホイホイ出てくるからさぁ、結構溜め込んでるみたいだよ~。珍しい魔導具の転売で儲けてるから、金貨もいっぱい持ってると思うし。え、う、うん。収納ポーチをくれるなら、中身はスミス様に全部あげる』
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