65 / 130
緑の指を持つ娘 温泉湯けむり編
2
しおりを挟む
「え、温泉旅行?ですか、ナーランダ様」
ベスの家のヒノキ風呂でひと風呂浴びてきたナーランダは、実に気持ちよさそうに絹の湯上がり用の衣装を纏って、ベスの出してくれたオレンジの果汁入りのミルクを飲んでいた。
「ああベス。本当に、君のお風呂は麻薬的だよ。昨日も入りにきたのに、また今日も入りにきてしまった」
ナーランダは少し恥ずかしそうに頬を染めた。
エロイースと違って、ナーランダには遠慮も常識も節度も備わっている。
だと言うのに、どうしてもベスの風呂の魅力に抗えずに、こうして足し繁く二人の家に通って風呂に入らせてもらっているのだ。
ナーランダも自宅にヒノキでできた風呂桶を導入してみたのだが、どうしてもベスの風呂ほど魅力的な風呂に、仕上がらないのだ。
風呂だけではなく、風呂の後にいつも丁度いい温度の、丁度その時飲みたかった飲み物をベスが出してくれるのがまたとても良い。
昨日ベスが出してくれたのは強い炭酸にしょうがのシロップを入れた飲み物で、その前は冷たいミント水。
ベスは魔法も使えないが、人の心と体に必要な小さなものを感じ取るのが得意だ。
ぷはー、とかなり貴人の行儀に反した音を立てて、ナーランダは満足そうに牛乳を飲み終えた。
「温泉旅行ではないよ。ベス。温泉のある国へ仕事に行くんだ。私はユージニア女王の名代で、隣国の王族との親睦の親善大使を仰せ使っているのだよ。先ほど正式に隣国への滞在が決定したのだけれども、ノエル様も連れて欲しいと、ユージニア様のご希望でね。君もよかったら一緒に来ないか?」
ナーランダは、末席ではあるが王族に籍を置いている。王族との親睦には、王族である必要がある。
ナーランダがいかに研究に没頭していたくとも、王族としての最低限の義務はやはり、発生する。
今回はそれだ。
「ノエル様も行くんですか?」
ノエルは同じく風呂上がりで、のんびりと、外の窓際のデッキに備え付けたブランコに体を投げて、こちらは冷たい白ワインを楽しんでいた。
ベスのおかげですっかり風呂にはまってしまったノエルは、風呂上がりに良い風を楽しみたいと、外のデッキ部分にわざわざ竹で編まれた、ブランコを設置したのだ。
おかげで風呂上がりには、デッキに出て、ブランコをゆらゆらとさせながら、外で最高に心地の良い魔術院の林からの緑の香りのする風に吹かれる。
デッキのブランコの足元にはベスの村から持ってきた、青竹を半分に割った足置きが置いてあり、座るのに飽きると良い香りのする青竹の上で足踏みしながらブランコを揺すったりできるのが、また心地よい。
ちなみにこの青竹は、ベスが田舎で暮らしていた頃から使っていた古いものだ。
つくりこそ贅沢なものの、内装は特に華やかなものに囲まれているわけでもないはずのこの館は、ベスの手によりこの国の貴人達にとってこの上もなく居心地の良いオアシスのような場所となっている。
ノエルは、ノエルを探しにトタトタと外のデッキまでやってきたベスをひょいと捕まえて、額に口づけを落とすと、膝の上に乗せて言った。
「ああ、ナーランダの親善大使についていくのは本当の事なんだけれど、先方は実は主に俺に用があるんだ。先方の王族に、病気の方がいてね」
「ご病気?あちらの国にもお医者様はおいででしょう?」
ベスは大人しくブランコに揺られながらキョトンとする。
ノエルは確かに治療魔法とポーションの作成においてはこの国で右に出るものはいないが、医師ではない。
「病気と言っても、いわゆる皮膚疾患で、命には別状はない。ただ、皮膚が爛れて実に痒くて、そして見目が良くない事から引きこもっておられる。どうやら魔力の生成器官に原因がある様子なんだが、原因がきちんとわからないから、対症療法ばかりで困っているとか」
「へえ、お気の毒ですね、私も一度体が痒くなる木を触ってしまって大変な目に遭いましたよ」
ベスはプルプルと頭を振って、その時の嫌な体験を思い出す。
洗っても洗っても痒さがとれず、結局おじいちゃんに街まで連れて行ってもらって湿布薬を貼ってなんとか治まったのだ。
「王族を診断できる立場の人間は限られているからね。あちらの国では外見の美というものの重さが相当重いらしく、お立場もあるので国内にあまり知られてくないとの事なんだ。そういう訳でこの国の王族のポーションを一手に引き受けているノエル様にお忍びで診察をしてもらって意見を求めたいとの事なんだよ」
確かに、親善大使のお付きの治癒魔術師が、親善のついでにその国の貴人に対して医療行為を行うのは、政治的にも大袈裟にならなくて良い方法だ。
「ええ、そうなんですね・・?」
どうも納得していない顔のベスを、ノエルは笑ってそして、愛おしそうに大事にその腕に抱え込むと、
「ベス、隣国には温泉があるんだ。一度お前を連れて行ってやりたいと思っていたんだが、国境を超えて隣国に行くには、かなりの手続きが必要だろう? ナーランダがベスを俺の助手として登録しても良いと許可を出してくれたんだ。どうだ、ベス。一緒に温泉に行かないか?」
偉そうにドヤ顔をするノエルは、目尻にたくさんシワを作って、ベスの一番大好きなクシャクシャの笑顔を見せてくれた。
怜悧な美貌で知られているノエルだが、このクシャクシャになったノエルの顔が一番美しいと、そう思う。
「ええ!!温泉って、地面からお湯が沸いてくるあれですよねノエル様!行きたいです!なんて素敵!ノエル様大好き!ナーランダ様ありがとう!」
友好国とはいえ、隣国との国境は厳しく管理されている。
手続きを踏めば観光旅行もいけない事はないのだが、手続きがややこしい上に許可が出るのに数年まちもザラなのだ。
ベスは筋金入りの田舎娘で、旅行などに行った事はない。よしよしとベスの頭を撫でてて、こちらは学会で何度も隣国に逗留した事のあるノエルは教えてやった。
「ベス、温泉も素晴らしいが、温泉町は本当に楽しいぞ、美味いものもたくさんある。くだらない土産屋を回るのも、ベスと一緒なら楽しいだろうな」
ベスは目をキラキラさせて大喜びだ。
「ノエル様、早くお仕事終わらせて、私と一緒に遊んでくださね!楽しみだわ!」
ベスの家のヒノキ風呂でひと風呂浴びてきたナーランダは、実に気持ちよさそうに絹の湯上がり用の衣装を纏って、ベスの出してくれたオレンジの果汁入りのミルクを飲んでいた。
「ああベス。本当に、君のお風呂は麻薬的だよ。昨日も入りにきたのに、また今日も入りにきてしまった」
ナーランダは少し恥ずかしそうに頬を染めた。
エロイースと違って、ナーランダには遠慮も常識も節度も備わっている。
だと言うのに、どうしてもベスの風呂の魅力に抗えずに、こうして足し繁く二人の家に通って風呂に入らせてもらっているのだ。
ナーランダも自宅にヒノキでできた風呂桶を導入してみたのだが、どうしてもベスの風呂ほど魅力的な風呂に、仕上がらないのだ。
風呂だけではなく、風呂の後にいつも丁度いい温度の、丁度その時飲みたかった飲み物をベスが出してくれるのがまたとても良い。
昨日ベスが出してくれたのは強い炭酸にしょうがのシロップを入れた飲み物で、その前は冷たいミント水。
ベスは魔法も使えないが、人の心と体に必要な小さなものを感じ取るのが得意だ。
ぷはー、とかなり貴人の行儀に反した音を立てて、ナーランダは満足そうに牛乳を飲み終えた。
「温泉旅行ではないよ。ベス。温泉のある国へ仕事に行くんだ。私はユージニア女王の名代で、隣国の王族との親睦の親善大使を仰せ使っているのだよ。先ほど正式に隣国への滞在が決定したのだけれども、ノエル様も連れて欲しいと、ユージニア様のご希望でね。君もよかったら一緒に来ないか?」
ナーランダは、末席ではあるが王族に籍を置いている。王族との親睦には、王族である必要がある。
ナーランダがいかに研究に没頭していたくとも、王族としての最低限の義務はやはり、発生する。
今回はそれだ。
「ノエル様も行くんですか?」
ノエルは同じく風呂上がりで、のんびりと、外の窓際のデッキに備え付けたブランコに体を投げて、こちらは冷たい白ワインを楽しんでいた。
ベスのおかげですっかり風呂にはまってしまったノエルは、風呂上がりに良い風を楽しみたいと、外のデッキ部分にわざわざ竹で編まれた、ブランコを設置したのだ。
おかげで風呂上がりには、デッキに出て、ブランコをゆらゆらとさせながら、外で最高に心地の良い魔術院の林からの緑の香りのする風に吹かれる。
デッキのブランコの足元にはベスの村から持ってきた、青竹を半分に割った足置きが置いてあり、座るのに飽きると良い香りのする青竹の上で足踏みしながらブランコを揺すったりできるのが、また心地よい。
ちなみにこの青竹は、ベスが田舎で暮らしていた頃から使っていた古いものだ。
つくりこそ贅沢なものの、内装は特に華やかなものに囲まれているわけでもないはずのこの館は、ベスの手によりこの国の貴人達にとってこの上もなく居心地の良いオアシスのような場所となっている。
ノエルは、ノエルを探しにトタトタと外のデッキまでやってきたベスをひょいと捕まえて、額に口づけを落とすと、膝の上に乗せて言った。
「ああ、ナーランダの親善大使についていくのは本当の事なんだけれど、先方は実は主に俺に用があるんだ。先方の王族に、病気の方がいてね」
「ご病気?あちらの国にもお医者様はおいででしょう?」
ベスは大人しくブランコに揺られながらキョトンとする。
ノエルは確かに治療魔法とポーションの作成においてはこの国で右に出るものはいないが、医師ではない。
「病気と言っても、いわゆる皮膚疾患で、命には別状はない。ただ、皮膚が爛れて実に痒くて、そして見目が良くない事から引きこもっておられる。どうやら魔力の生成器官に原因がある様子なんだが、原因がきちんとわからないから、対症療法ばかりで困っているとか」
「へえ、お気の毒ですね、私も一度体が痒くなる木を触ってしまって大変な目に遭いましたよ」
ベスはプルプルと頭を振って、その時の嫌な体験を思い出す。
洗っても洗っても痒さがとれず、結局おじいちゃんに街まで連れて行ってもらって湿布薬を貼ってなんとか治まったのだ。
「王族を診断できる立場の人間は限られているからね。あちらの国では外見の美というものの重さが相当重いらしく、お立場もあるので国内にあまり知られてくないとの事なんだ。そういう訳でこの国の王族のポーションを一手に引き受けているノエル様にお忍びで診察をしてもらって意見を求めたいとの事なんだよ」
確かに、親善大使のお付きの治癒魔術師が、親善のついでにその国の貴人に対して医療行為を行うのは、政治的にも大袈裟にならなくて良い方法だ。
「ええ、そうなんですね・・?」
どうも納得していない顔のベスを、ノエルは笑ってそして、愛おしそうに大事にその腕に抱え込むと、
「ベス、隣国には温泉があるんだ。一度お前を連れて行ってやりたいと思っていたんだが、国境を超えて隣国に行くには、かなりの手続きが必要だろう? ナーランダがベスを俺の助手として登録しても良いと許可を出してくれたんだ。どうだ、ベス。一緒に温泉に行かないか?」
偉そうにドヤ顔をするノエルは、目尻にたくさんシワを作って、ベスの一番大好きなクシャクシャの笑顔を見せてくれた。
怜悧な美貌で知られているノエルだが、このクシャクシャになったノエルの顔が一番美しいと、そう思う。
「ええ!!温泉って、地面からお湯が沸いてくるあれですよねノエル様!行きたいです!なんて素敵!ノエル様大好き!ナーランダ様ありがとう!」
友好国とはいえ、隣国との国境は厳しく管理されている。
手続きを踏めば観光旅行もいけない事はないのだが、手続きがややこしい上に許可が出るのに数年まちもザラなのだ。
ベスは筋金入りの田舎娘で、旅行などに行った事はない。よしよしとベスの頭を撫でてて、こちらは学会で何度も隣国に逗留した事のあるノエルは教えてやった。
「ベス、温泉も素晴らしいが、温泉町は本当に楽しいぞ、美味いものもたくさんある。くだらない土産屋を回るのも、ベスと一緒なら楽しいだろうな」
ベスは目をキラキラさせて大喜びだ。
「ノエル様、早くお仕事終わらせて、私と一緒に遊んでくださね!楽しみだわ!」
621
あなたにおすすめの小説
【完結】旦那様、どうぞ王女様とお幸せに!~転生妻は離婚してもふもふライフをエンジョイしようと思います~
魯恒凛
恋愛
地味で気弱なクラリスは夫とは結婚して二年経つのにいまだに触れられることもなく、会話もない。伯爵夫人とは思えないほど使用人たちにいびられ冷遇される日々。魔獣騎士として人気の高い夫と国民の妹として愛される王女の仲を引き裂いたとして、巷では悪女クラリスへの風当たりがきついのだ。
ある日前世の記憶が甦ったクラリスは悟る。若いクラリスにこんな状況はもったいない。白い結婚を理由に円満離婚をして、夫には王女と幸せになってもらおうと決意する。そして、離婚後は田舎でもふもふカフェを開こうと……!
そのためにこっそり仕事を始めたものの、ひょんなことから夫と友達に!?
「好きな相手とどうやったらうまくいくか教えてほしい」
初恋だった夫。胸が痛むけど、お互いの幸せのために王女との仲を応援することに。
でもなんだか様子がおかしくて……?
不器用で一途な夫と前世の記憶が甦ったサバサバ妻の、すれ違い両片思いのラブコメディ。
※5/19〜5/21 HOTランキング1位!たくさんの方にお読みいただきありがとうございます
※他サイトでも公開しています。
【12月末日公開終了】有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
美人同僚のおまけとして異世界召喚された私、無能扱いされ王城から追い出される。私の才能を見出してくれた辺境伯様と一緒に田舎でのんびりスローライ
さくら
恋愛
美人な同僚の“おまけ”として異世界に召喚された私。けれど、無能だと笑われ王城から追い出されてしまう――。
絶望していた私を拾ってくれたのは、冷徹と噂される辺境伯様でした。
荒れ果てた村で彼の隣に立ちながら、料理を作り、子供たちに針仕事を教え、少しずつ居場所を見つけていく私。
優しい言葉をかけてくれる領民たち、そして、時折見せる辺境伯様の微笑みに、胸がときめいていく……。
華やかな王都で「無能」と追放された女が、辺境で自分の価値を見つけ、誰よりも大切に愛される――。
前世の記憶を取り戻した元クズ令嬢は毎日が楽しくてたまりません
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のソフィーナは、非常に我が儘で傲慢で、どしうようもないクズ令嬢だった。そんなソフィーナだったが、事故の影響で前世の記憶をとり戻す。
前世では体が弱く、やりたい事も何もできずに短い生涯を終えた彼女は、過去の自分の行いを恥、真面目に生きるとともに前世でできなかったと事を目いっぱい楽しもうと、新たな人生を歩み始めた。
外を出て美味しい空気を吸う、綺麗な花々を見る、些細な事でも幸せを感じるソフィーナは、険悪だった兄との関係もあっという間に改善させた。
もちろん、本人にはそんな自覚はない。ただ、今までの行いを詫びただけだ。そう、なぜか彼女には、人を魅了させる力を持っていたのだ。
そんな中、この国の王太子でもあるファラオ殿下の15歳のお誕生日パーティに参加する事になったソフィーナは…
どうしようもないクズだった令嬢が、前世の記憶を取り戻し、次々と周りを虜にしながら本当の幸せを掴むまでのお話しです。
カクヨムでも同時連載してます。
よろしくお願いします。
実は家事万能な伯爵令嬢、婚約破棄されても全く問題ありません ~追放された先で洗濯した男は、伝説の天使様でした~
空色蜻蛉
恋愛
「令嬢であるお前は、身の周りのことは従者なしに何もできまい」
氷薔薇姫の異名で知られるネーヴェは、王子に婚約破棄され、辺境の地モンタルチーノに追放された。
「私が何も出来ない箱入り娘だと、勘違いしているのね。私から見れば、聖女様の方がよっぽど箱入りだけど」
ネーヴェは自分で屋敷を掃除したり美味しい料理を作ったり、自由な生活を満喫する。
成り行きで、葡萄畑作りで泥だらけになっている男と仲良くなるが、実は彼の正体は伝説の・・であった。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
【完結】身を引いたつもりが逆効果でした
風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。
一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。
平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません!
というか、婚約者にされそうです!
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる