121 / 130
緑の指を持つ娘 温泉湯けむり編
58
しおりを挟む
「ここに腰掛けて、足をつけてみてください」
次にナーランダに案内されたのは小川のよう温泉の水が走っている場所に水どめをして、板を貼って座る所を用意した足湯だ。
かつては海外の使節をもてなすために、アビーブの関所には足湯の場が用意されていたというが、王都に温泉広場が建設されてより、最近では滅多にお目にかかる事はない。
板の上には荒い藁で編まれた丸い座布団のようなゴザ編みが配置されていた。
ゴザの数を数えると、全部で10人はこの足湯に座れる様子だ。
(なるほど、ここであればナーランダもゆっくりと私と腹を割って話す事ができるというわけだな)
ナーランダに誘われるがままにゴザに腰をおろして足を浸すと、大きめの丸い石をぎっしりと底に入れているらしく、足の裏が石の感触で、適度に刺激されて心地よい。久しぶりの足湯にフェリクスの心も躍る。
足湯の周りには白く、ふんわり、こんもりとした可憐な花の群生が足湯をぐるりと囲んでいる。
この雑草に近い植物は温泉の成分を好む。
手のひらでこのこんもりとした冷たい花の小さな山を撫でてやると、くすぐったく冷たい肌触りに百合のような香りが立って、足元の暖かさと冷たい手元の感触で、実に心地よい。
ようやくじっくり話を聞こうとフェリクスが腰を落ち着けたときだ。
「うわ、きゃあ!!こそばい!な、ナナナなんだ??」
急に湯に浸けた足にツンツンとした刺激を感じ、フェリクスは乙女のように悲鳴をあげて驚いてしまった。
ナーランダは嬉しそうに、
「足の角質を食べてくれる肉食の小魚です。村の子供が悪戯で最初は入れていたのですが、案外にも気持ちが良いものだから、今では大事にしていますよ。私も最初にこの足湯に足を入れた時はびっくりしてしまって、みっともなく皆の前で湯の中にひっくり返ってしまいましたよ」
そうやってこの優雅なる貴人には珍しい事に、目のはじに涙を浮かべて笑いを噛み殺している。
「・・っプ、ププ。どうぞお気になさる事なく、足湯に初めてきたお方は皆フェリクス様と同じ反応をなさいますので」
フェリクスが湯の中を見ると、小さなメダカのような小魚がすいすい泳いでフェリクスの足の角質を好きに突っついている。
どうやら、魚入りの足湯に説明なしに案内して、びっくりさせるのは温泉新入りへの儀式だったらしい。
(ほ、ほう。遊び心があるのだなこの男)
完璧に優美で、知性あふれるこの美貌の男から、こういった冗談が出てくるなどとても新鮮だった。
「最近ではね、村人の中でも魚に人気の足と、そうではない足がある事がわかって、実に興味深いのですよ。ベスにはちっとも魚は寄ってこないのに、メイソンなどその影を見るだけで魚たちが群がってくるのです。殿下は・・普通と言った所ですね。私よりも魚達の人気はある様子ですが」
なんだか負けた気分です、とナーランダは笑う。
「あー!フェリクス様、やっと着いたんですね、遅かったですね!早くしないと混むんですよここ!」
遠くから声が聞こえた。
人一人入れるほどのツボの中で入浴しているらしいのは、オリビアだ。
「おおー! 殿下がお着きになりましたかの」
今度はメイソンの声が聞こえる。
(ん? メイソンは何をしてるんだ??)
確かフェリクスの目覚めに号泣して話すら聞けなかったはずのメイソンのはずだが、メイソンはオリビアの風呂の横に設置された砂場に体を埋めて、そこから気持ちよさそうに顔を出している。
ご丁寧な事に、何やら側には綺麗な色の冷たそうな飲み物まで用意して、満喫する気持ちマンマンだ。
メイソンは砂から出てきてフェリクスを出迎える様子すらもない。
ナーランダは笑って説明してやった。
「今オリビアが入っているのが炭酸泉の湯です。オリビアはおねだりが上手なので、上手に機嫌の良いエズラさまに炭酸泉も引いてほしいとお願いして、特別に引いてもらっていたんです。やはり女性は交渉が上手ですね」
「そういうわけであの湯だけは別の源泉を引いているんですよ。なんでも炭酸泉は肌に良いとかで、オリビアは毎日入ってますよ。私も一度入ってみましたが、確かに肌がすべすべになりましたね」
「ま、まてナーランダ。エズラ様とはやはり、あの大魔術師のエズラ老師か?招聘したのか?それでまさかうちのオリビアはあのエズラ様に、恐れ多くもわざわざ自分の風呂を作らせたのか??」
フェリクスは聞きたい事は山ほどあったのだが、まず目の前の大質問を片付ける事にする。
今頃深刻な顔をして、事の次第を報告してもらっているはずなのに、どうも目覚めてから今ひとつフェリクスの思い描いていた展開にならない上に、心臓に良くない知らせばかりが降ってくる。
「はい。先ほど殿下が尻に引いていたゴザもエズラ様の作品ですので、そうお気になさらず。まあ詳しい事はエズラ様からもお聞きになると良いでしょう」
口から心臓が出そうなフェリクスを尻目に、ナーランダは涼しい顔をして、続けた。
「ちなみに今メイソンが入っているのは砂蒸し風呂です。火山性のノーム達を、降灰がひどくなった時にベスが温室に招き入れたのですが、連中は土を掘っていないと気が済まない性分らしくて落ち着かなくてね。それならという事で、暇つぶしになれば、とベスが噴火の影響で熱くなってしまっている土壌の部分をノームに好きに世話を任せてみたんですよ。そしたら連中、なんと砂蒸し風呂を作ってくれて。妖精の考える事は本当に人の理解を超えますね、砂の蒸し風呂など聞いた事もない! 最初は恐る恐る入っていたのですが、連中は世話がとても細やかですし、メイソンなどはもう砂蒸し風呂に入り浸りですよ」
「・・・・・・・」
フェリクスは、もう、頭が殴られたように思考が停止状態だ。
この温室の中ではどんな命も等しく幸せだ。
動物も、植物も、皆それぞれ勝手気ままにとても幸せそうだ。
生の調和の中で、それぞれの気ままな命の喜びを謳歌している。
そしてそんな幸せな命と美しい緑のさざめく温室の中で、賎民とされる男も、この大陸の大賢者も、メイドも、家令も、健康な命も、不健康な命も、皆好き勝手に温泉を作っては、好き勝手にそれぞれの求める温泉の喜びを、それぞれの方法で楽しんでいる。
人や動物、植物だけではない。
今やこうして、人在らざるものまでも、なんの違和感もなくこの温室に幸せそうに好き勝手に遊びにきていて、好き勝手に風呂を作って、当然のような顔をして存在している。
(・・人と精霊は、決して共存する事はできない存在のはず)
だが、メイソンに熱い砂をかけてやったり掘ってやったりしているのは間違いなくノームであり、よく目を凝らして見ると、足湯にはトロール達が湯を汲みに小さなツボを手にしているし、口を半開きにして炭酸風呂を楽しんでいるオリビアの横には、蝶の妖精がヒラヒラと順番待ちしている。
(・・信じられん)
そして、フェリクスの停止した頭に、あの例の人外の温泉の光景が蘇ってきた。
鬼も、妖精も、動物も、皆静かにただ温泉の恵みを味わっているあの平和な場所。
(私の目の前にあるのは、まさにあの風景ではないか)
そしてあの温泉の風景を思い出していると、少しだけ機能し始めたフェリクスの頭にゆっくりと記憶が戻ってくる。
(私はジア殿下に誘われ、人外の温泉に招かれて、そうだ!!私は自分の姿が人ではなくなった。そして・・)
目まぐるしく記憶がその蓋を開けようとした時、懐かしい、愛おしい、誰よりもフェリクスが聴きたかったその声が遠くから聞こえてきた。
「フェリクス様? おはよう!さあ早く一緒にお風呂に入りましょう!」
次にナーランダに案内されたのは小川のよう温泉の水が走っている場所に水どめをして、板を貼って座る所を用意した足湯だ。
かつては海外の使節をもてなすために、アビーブの関所には足湯の場が用意されていたというが、王都に温泉広場が建設されてより、最近では滅多にお目にかかる事はない。
板の上には荒い藁で編まれた丸い座布団のようなゴザ編みが配置されていた。
ゴザの数を数えると、全部で10人はこの足湯に座れる様子だ。
(なるほど、ここであればナーランダもゆっくりと私と腹を割って話す事ができるというわけだな)
ナーランダに誘われるがままにゴザに腰をおろして足を浸すと、大きめの丸い石をぎっしりと底に入れているらしく、足の裏が石の感触で、適度に刺激されて心地よい。久しぶりの足湯にフェリクスの心も躍る。
足湯の周りには白く、ふんわり、こんもりとした可憐な花の群生が足湯をぐるりと囲んでいる。
この雑草に近い植物は温泉の成分を好む。
手のひらでこのこんもりとした冷たい花の小さな山を撫でてやると、くすぐったく冷たい肌触りに百合のような香りが立って、足元の暖かさと冷たい手元の感触で、実に心地よい。
ようやくじっくり話を聞こうとフェリクスが腰を落ち着けたときだ。
「うわ、きゃあ!!こそばい!な、ナナナなんだ??」
急に湯に浸けた足にツンツンとした刺激を感じ、フェリクスは乙女のように悲鳴をあげて驚いてしまった。
ナーランダは嬉しそうに、
「足の角質を食べてくれる肉食の小魚です。村の子供が悪戯で最初は入れていたのですが、案外にも気持ちが良いものだから、今では大事にしていますよ。私も最初にこの足湯に足を入れた時はびっくりしてしまって、みっともなく皆の前で湯の中にひっくり返ってしまいましたよ」
そうやってこの優雅なる貴人には珍しい事に、目のはじに涙を浮かべて笑いを噛み殺している。
「・・っプ、ププ。どうぞお気になさる事なく、足湯に初めてきたお方は皆フェリクス様と同じ反応をなさいますので」
フェリクスが湯の中を見ると、小さなメダカのような小魚がすいすい泳いでフェリクスの足の角質を好きに突っついている。
どうやら、魚入りの足湯に説明なしに案内して、びっくりさせるのは温泉新入りへの儀式だったらしい。
(ほ、ほう。遊び心があるのだなこの男)
完璧に優美で、知性あふれるこの美貌の男から、こういった冗談が出てくるなどとても新鮮だった。
「最近ではね、村人の中でも魚に人気の足と、そうではない足がある事がわかって、実に興味深いのですよ。ベスにはちっとも魚は寄ってこないのに、メイソンなどその影を見るだけで魚たちが群がってくるのです。殿下は・・普通と言った所ですね。私よりも魚達の人気はある様子ですが」
なんだか負けた気分です、とナーランダは笑う。
「あー!フェリクス様、やっと着いたんですね、遅かったですね!早くしないと混むんですよここ!」
遠くから声が聞こえた。
人一人入れるほどのツボの中で入浴しているらしいのは、オリビアだ。
「おおー! 殿下がお着きになりましたかの」
今度はメイソンの声が聞こえる。
(ん? メイソンは何をしてるんだ??)
確かフェリクスの目覚めに号泣して話すら聞けなかったはずのメイソンのはずだが、メイソンはオリビアの風呂の横に設置された砂場に体を埋めて、そこから気持ちよさそうに顔を出している。
ご丁寧な事に、何やら側には綺麗な色の冷たそうな飲み物まで用意して、満喫する気持ちマンマンだ。
メイソンは砂から出てきてフェリクスを出迎える様子すらもない。
ナーランダは笑って説明してやった。
「今オリビアが入っているのが炭酸泉の湯です。オリビアはおねだりが上手なので、上手に機嫌の良いエズラさまに炭酸泉も引いてほしいとお願いして、特別に引いてもらっていたんです。やはり女性は交渉が上手ですね」
「そういうわけであの湯だけは別の源泉を引いているんですよ。なんでも炭酸泉は肌に良いとかで、オリビアは毎日入ってますよ。私も一度入ってみましたが、確かに肌がすべすべになりましたね」
「ま、まてナーランダ。エズラ様とはやはり、あの大魔術師のエズラ老師か?招聘したのか?それでまさかうちのオリビアはあのエズラ様に、恐れ多くもわざわざ自分の風呂を作らせたのか??」
フェリクスは聞きたい事は山ほどあったのだが、まず目の前の大質問を片付ける事にする。
今頃深刻な顔をして、事の次第を報告してもらっているはずなのに、どうも目覚めてから今ひとつフェリクスの思い描いていた展開にならない上に、心臓に良くない知らせばかりが降ってくる。
「はい。先ほど殿下が尻に引いていたゴザもエズラ様の作品ですので、そうお気になさらず。まあ詳しい事はエズラ様からもお聞きになると良いでしょう」
口から心臓が出そうなフェリクスを尻目に、ナーランダは涼しい顔をして、続けた。
「ちなみに今メイソンが入っているのは砂蒸し風呂です。火山性のノーム達を、降灰がひどくなった時にベスが温室に招き入れたのですが、連中は土を掘っていないと気が済まない性分らしくて落ち着かなくてね。それならという事で、暇つぶしになれば、とベスが噴火の影響で熱くなってしまっている土壌の部分をノームに好きに世話を任せてみたんですよ。そしたら連中、なんと砂蒸し風呂を作ってくれて。妖精の考える事は本当に人の理解を超えますね、砂の蒸し風呂など聞いた事もない! 最初は恐る恐る入っていたのですが、連中は世話がとても細やかですし、メイソンなどはもう砂蒸し風呂に入り浸りですよ」
「・・・・・・・」
フェリクスは、もう、頭が殴られたように思考が停止状態だ。
この温室の中ではどんな命も等しく幸せだ。
動物も、植物も、皆それぞれ勝手気ままにとても幸せそうだ。
生の調和の中で、それぞれの気ままな命の喜びを謳歌している。
そしてそんな幸せな命と美しい緑のさざめく温室の中で、賎民とされる男も、この大陸の大賢者も、メイドも、家令も、健康な命も、不健康な命も、皆好き勝手に温泉を作っては、好き勝手にそれぞれの求める温泉の喜びを、それぞれの方法で楽しんでいる。
人や動物、植物だけではない。
今やこうして、人在らざるものまでも、なんの違和感もなくこの温室に幸せそうに好き勝手に遊びにきていて、好き勝手に風呂を作って、当然のような顔をして存在している。
(・・人と精霊は、決して共存する事はできない存在のはず)
だが、メイソンに熱い砂をかけてやったり掘ってやったりしているのは間違いなくノームであり、よく目を凝らして見ると、足湯にはトロール達が湯を汲みに小さなツボを手にしているし、口を半開きにして炭酸風呂を楽しんでいるオリビアの横には、蝶の妖精がヒラヒラと順番待ちしている。
(・・信じられん)
そして、フェリクスの停止した頭に、あの例の人外の温泉の光景が蘇ってきた。
鬼も、妖精も、動物も、皆静かにただ温泉の恵みを味わっているあの平和な場所。
(私の目の前にあるのは、まさにあの風景ではないか)
そしてあの温泉の風景を思い出していると、少しだけ機能し始めたフェリクスの頭にゆっくりと記憶が戻ってくる。
(私はジア殿下に誘われ、人外の温泉に招かれて、そうだ!!私は自分の姿が人ではなくなった。そして・・)
目まぐるしく記憶がその蓋を開けようとした時、懐かしい、愛おしい、誰よりもフェリクスが聴きたかったその声が遠くから聞こえてきた。
「フェリクス様? おはよう!さあ早く一緒にお風呂に入りましょう!」
559
あなたにおすすめの小説
冷酷侯爵と政略結婚したら、実家がざまぁされました
鍛高譚
恋愛
「この結婚は、家のため。ただの政略結婚よ」
そう言い聞かせ、愛のない結婚を受け入れた公爵令嬢リゼット。
しかし、挙式後すぐに父が「婚約破棄しろ」と命じてきた!?
だが、夫であるアレクシス・フォン・シュヴァルツ侯爵は冷たく言い放つ。
「彼女を渡すつもりはない」
冷酷無慈悲と噂される侯爵が、なぜかリゼットを溺愛し始める!?
毎日甘やかされ、守られ、気づけば逃げ場なし!
さらに、父の不正が明るみに出て、公爵家は失墜――
リゼットを道具として利用しようとした者たちに、ざまぁの鉄槌が下される!
政略結婚から始まる、甘々溺愛ラブストーリー!
「愛なんてないはずなのに……どうしてこんなに大切にされるの?」
『婚約破棄された令嬢ですが、王国は私抜きでは立てなかったようですね』
鷹 綾
恋愛
「愛しているのは彼女だ」
王太子ロネスにそう告げられ、婚約を破棄された侯爵令嬢エルゼリア・クローヴェル。
感情をぶつけることも、復讐を誓うこともなく、
彼女はただ――王宮を去った。
しかしその直後から、王国は静かに崩れ始める。
外交は滞り、判断は遅れ、市場は揺れ、
かつて「問題なく回っていた」はずの政務が、次々と行き詰まっていった。
一方、エルゼリアは帝国で新たな立場を得ていた。
帝国宰相ハインリヒ・ヴォルフの隣で、
彼女は再び“判断する側”として歩み始める。
やがて明らかになるのは、
王国が失ったのは「婚約者」ではなく、
判断を引き継ぐ仕組みそのものだったという事実。
謝罪も、復縁も、感情的なざまあもない。
それでも――
選ばれ、認められ、引き継がれていくのは、誰なのか。
これは、
捨てられた令嬢が声を荒げることなく、
世界のほうが彼女を必要としてしまった物語。
キズモノ転生令嬢は趣味を活かして幸せともふもふを手に入れる
藤 ゆみ子
恋愛
セレーナ・カーソンは前世、心臓が弱く手術と入退院を繰り返していた。
将来は好きな人と結婚して幸せな家庭を築きたい。そんな夢を持っていたが、胸元に大きな手術痕のある自分には無理だと諦めていた。
入院中、暇潰しのために始めた刺繍が唯一の楽しみだったが、その後十八歳で亡くなってしまう。
セレーナが八歳で前世の記憶を思い出したのは、前世と同じように胸元に大きな傷ができたときだった。
家族から虐げられ、キズモノになり、全てを諦めかけていたが、十八歳を過ぎた時家を出ることを決意する。
得意な裁縫を活かし、仕事をみつけるが、そこは秘密を抱えたもふもふたちの住みかだった。
【完】瓶底メガネの聖女様
らんか
恋愛
伯爵家の娘なのに、実母亡き後、後妻とその娘がやってきてから虐げられて育ったオリビア。
傷つけられ、生死の淵に立ったその時に、前世の記憶が蘇り、それと同時に魔力が発現した。
実家から事実上追い出された形で、家を出たオリビアは、偶然出会った人達の助けを借りて、今まで奪われ続けた、自分の大切なもの取り戻そうと奮闘する。
そんな自分にいつも寄り添ってくれるのは……。
【完結】令嬢憧れの騎士様に結婚を申し込まれました。でも利害一致の契約です。
稲垣桜
恋愛
「君と取引がしたい」
兄の上司である公爵家の嫡男が、私の前に座って開口一番そう告げた。
「取引……ですか?」
「ああ、私と結婚してほしい」
私の耳がおかしくなったのか、それとも幻聴だろうか……
ああ、そうだ。揶揄われているんだ。きっとそうだわ。
* * * * * * * * * * * *
青薔薇の騎士として有名なマクシミリアンから契約結婚を申し込まれた伯爵家令嬢のリディア。
最低限の役目をこなすことで自由な時間を得たリディアは、契約通り自由な生活を謳歌する。
リディアはマクシミリアンが契約結婚を申し出た理由を知っても気にしないと言い、逆にそれがマクシミリアンにとって棘のように胸に刺さり続け、ある夜会に参加してから二人の関係は変わっていく。
※ゆる〜い設定です。
※完結保証。
※エブリスタでは現代テーマの作品を公開してます。興味がある方は覗いてみてください。
成功条件は、まさかの婚約破棄!?
たぬきち25番
恋愛
「アリエッタ、あなたとの婚約を破棄する……」
王太子のアルベルト殿下は、そう告げた。
王妃教育に懸命に取り組んでいたアリエッタだったが、
それを聞いた彼女は……?
※他サイト様にも公開始めました!
夫に顧みられない王妃は、人間をやめることにしました~もふもふ自由なセカンドライフを謳歌するつもりだったのに、何故かペットにされています!~
狭山ひびき
恋愛
もう耐えられない!
隣国から嫁いで五年。一度も国王である夫から関心を示されず白い結婚を続けていた王妃フィリエルはついに決断した。
わたし、もう王妃やめる!
政略結婚だから、ある程度の覚悟はしていた。けれども幼い日に淡い恋心を抱いて以来、ずっと片思いをしていた相手から冷たくされる日々に、フィリエルの心はもう限界に達していた。政略結婚である以上、王妃の意思で離婚はできない。しかしもうこれ以上、好きな人に無視される日々は送りたくないのだ。
離婚できないなら人間をやめるわ!
王妃で、そして隣国の王女であるフィリエルは、この先生きていてもきっと幸せにはなれないだろう。生まれた時から政治の駒。それがフィリエルの人生だ。ならばそんな「人生」を捨てて、人間以外として生きたほうがましだと、フィリエルは思った。
これからは自由気ままな「猫生」を送るのよ!
フィリエルは少し前に知り合いになった、「廃墟の塔の魔女」に頼み込み、猫の姿に変えてもらう。
よし!楽しいセカンドラウフのはじまりよ!――のはずが、何故か夫(国王)に拾われ、ペットにされてしまって……。
「ふふ、君はふわふわで可愛いなぁ」
やめてえ!そんなところ撫でないで~!
夫(人間)妻(猫)の奇妙な共同生活がはじまる――
婚約破棄された伯爵令嬢ですが、国の経済を掌握しました
鍛高譚
恋愛
「経済を握る者こそ、世界を動かす――」
前世、日本の証券会社で働いていた**瑞穂紗羅(みずほ さら)**は、異世界に転生し、サラ・レティシア伯爵令嬢として生まれ変わった。
貴族社会のしがらみや婚姻政策に巻き込まれながらも、彼女はひそかに動き始める。
「まずは資金を確保しなくちゃね」
異世界の為替市場(FX)を利用し、通貨の価値変動を読み、巨額の富を得るサラ。
次に狙うは株式投資――貴族の商会やギルドに出資し、国の経済に食い込んでいく。
気づけば彼女は、両替所ネットワークと金融システムを構築し、王国の経済を裏から支配する影の実力者となっていた。
そんな中、彼女に公爵令息との婚約話が舞い込む。
しかし、公爵令息は「格下の伯爵令嬢なんて興味がない」と、一方的に婚約破棄。
それを知った公爵は激怒する――
「お前は何も分かっていない……! あの女は、この国の経済を支配する者だぞ! 世界すら掌握しかねないのだ!」
サラの金融帝国の成長は止まらない。
貴族たちは彼女にひれ伏し、国王は頼り、王太子は取り込もうとし、帝国は彼女の影響力に戦慄する。
果たしてサラは、異世界経済の頂点に立ち、さらなる世界の覇権を握るのか――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる