大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生

文字の大きさ
57 / 150
第六章〜新たな世界〜

第52話 別世界の王国滅亡

しおりを挟む
平行世界パラレルワールド。女性のみで編成された第九護衛艦隊がある春菜達の世界や光太郎や光佑などの史実とは全く違う歴史を辿っている世界など、ある世界から何らかの分岐し、それに並行して存在する別世界のことである。
平行世界には、歴史が史実と違うという世界だけではなく、現実世界の根本から違う世界も多くある。
ドラゴンや魔法など、創作上の物が実際にある世界。漫画やアニメなどでは、そう言った世界は、強い勇者などに世界が救われるという物が多いが、全ての世界に勇者のような者が現れるわけが無い。





ソウィエル王国。魔法などが当たり前の世界にある大国なのだが、勇者が現れなかったその世界では、魔王軍の力が強大となっており、魔王軍の攻撃を受け、ソウィエル王国は今滅びに瀕していた。
ソウィエル王国のソウィエル城、城内の玉座の間に初老の国王と金髪長髪の王女が1人居た。

「良いか、シンシア…君には悪いことをしたと思っている……」

涙ぐみながら、国王リルトリン・S・ソウィエルは、第二王女のシンシア・S・ソウィエルに謝る。
ソウィエル王国が滅亡すると判断したリルトリンは、自分の子達を他国に亡命させていたのだが、魔王軍の妨害などもあり、末っ子のシンシアの国外脱出が遅れていたのだ。
そして今、リルトリンは安全に国外脱出が出来た上の子達と違い、危険な状況で脱出させることになったシンシアに謝っているのだ。

「大丈夫ですお父様…」

シンシアは謝るリルトリンに抱きつき、最後のハグを行う。

「シンシア様、そろそろ…」

最後のハグを行っている二人に、シンシアの護衛を任されている王宮魔女、アーミヤ・アルデンテが、出発の時間が迫っていることを伝える。

「……お父様、行ってまいります…!」

シンシアはリルトリンから離れ、最後の別れの挨拶を告げた。

「うむ…気おつけて行くのだぞ…」

「……はい!」

リルトリンは笑みを浮かべながら、シンシアに最後の言葉をかけ、シンシアは泣くのを堪えて、元気のよい返事を返した。

「しっかりとお掴まり下さい……転移ワープ!」

シンシアがしっかりと自分に掴まったのを確認したアーミヤは、魔法で亡国用の船が待っている港へ、シンシアと共に転移した。

「……」

一人の残ったリルトリンは、玉座に堂々と座った。
彼は逃げるよう配下に言われたのだが、祖国に残り魔王軍と戦い続けてくれる兵士達に示しがつかんと言い、残ることにしたのだ。

ドンッ!!

大きな音ともに玉座の間に、魔王軍が流れ込む。

「お久しぶりですね、ソウィエル王…さあ…魔王様が欲しがっている、第一王女と第二王女の居場所を教えてもらいましょうか」

玉座の間に流れ込んだ魔物達を退かせながら、禍々しい角と尻尾を生やした男が、玉座の間に入ってくる。
男は、魔王軍の頭脳と呼ばれる悪魔、マイノル。
魔王は妃としてソウィエル王国の王女達を欲しがっており、脳筋が多い他の幹部達では、情報を聞き出す所か王女達を殺しかねんということで、ソウィエル王国への侵略と王女の捕獲を任されたのだ。
二人が顔見知りな理由は、侵略前にマイノルが、侵略を行わない代わりに、王女達を差し出せと脅迫しに来たからだ。

「大人しく王女達を差し出せば、こんなことにならなかったのですがね…」

マイノルは溜息を吐いて、リルトリンの決断を馬鹿にする。

「確かに、王としては英断とは言えんだろう…だが、差し出したところで、貴様らが侵略するのは目に見える…」

「さあ、どうでしょうか?」

リルトリンは恐れることなく反論をし、マイノルは不気味な笑みを浮かべ肯定も否定もしなかった。

「言っておくが、我が子達の居場所を吐くつもりはないからな?」

マイノルが言葉を喋る前に、リルトリンは王女達の居場所を言わないという意志をマイノルに伝える。

「…残念です」

リルトリンの意思が分かったマイノルは、そう呟いては姿を消す。

「貴方を殺し、記憶を読み取るとしましょう」

姿を消したマイノルは、一瞬にしてリルトリンの目の前に移動しており、禍々しい鉤爪をリルトリンに突きつける。

「馬鹿め」

「今なんとっ!!」

鉤爪を突きつけられたリルトリンは、小さな声でマイノルを馬鹿と呼び捨て、マイノルにしがみつく。

「は、離しなさい!!」

しがみつかれたマイノルは、何度もリルトリンを刺すが、リルトリンの力は決して弱まらない。

「たとえ…このソウィエル王国が滅んだとしても!その意思は、太陽の光ように永遠と受け継がれる…!…聞こえているのだろう魔王…!いつか必ず…!!貴様は、太陽に滅ぼされる!!!」

血を吐き、ボロボロになりながらリルトリンは、予言とも言える遺言を、部下を通じて見ているだろう魔王に伝える。
そして、リルトリンは一つの魔法を発動させる。

「大いなる爆発よ、我が敵を消し飛ばせ!」

その魔法は、リルトリンが王宮の魔術師達に頼み、城に予め仕込んでいた強力な爆裂魔法。
リルトリンが発動の呪文を唱えると、玉座の間全体に魔法陣が現れて光り輝く。

「やめろォーーーー!!!」

死にたくないマイノルは、必死にリルトリンを殺そうと鉤爪を刺しながら叫ぶ。
悪魔は魔法に対する耐性があるのだが、こんな至近距離で爆裂魔法を喰らえば、耐えることなぞ出来ない。
逃げることで頭いっぱいになっているマイノルは、転移で逃げるという手段が思いつかず、そして

ドォォォォン!!!!

マイノルは共に侵略してきた魔王軍諸共、リルトリンの悪足掻きである爆裂魔法に巻き込まれ吹き飛んだ。
ソウィエル城から発生した爆裂魔法は強力過ぎて、城下町をも吹き飛ばし、空にはキノコ雲が発生させた。
しおりを挟む
感想 19

あなたにおすすめの小説

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

処理中です...