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第六章〜新たな世界〜
第53話 姫君の脱出劇
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近くの港町に停泊していた巨大な帆船は、ソウィエル城から転移してきたシンシアとアーミヤを乗せ、早々と港から出港していた。
「お父様…」
一人城に残った父、リルトリンのことをシンシアは心配しており、ソウィエル城がある方向を見つめる。
その時だった。
ドォォォォン!!!!
大きな爆発音が鳴り響いたと思ったら、ソウィエル城がある方向からキノコ雲が上るのが見える。
「…………ご立派です、お父様……」
リルトリンが魔王軍諸共自爆したと瞬時に分かったシンシアは、リルトリンのことを讃えながら、もう二度と優しかった父親が戻ってこないことを悟り、泣き崩れる。
「シンシア様…」
泣き崩れるシンシアに、アーミヤはそっと寄り添う。
乗組員達も気を使い、黙って船を逃亡先に進める。
船が揺れる中、シンシアの泣き声が辺りに響きわたり、それを聞いている全員、ただ黙っているしかできなかった。
〇
敵に襲われることなく、船はソウィエル王国の沖合に出ることが出来た。
沖合に出る頃にはシンシアも泣き止んでおり、今は気持ちを切り替えていた。
このまま何事もなく亡命先に辿り着く、誰もがそう思っていた矢先。
「…!飛竜…!魔王軍の飛竜がこちらに向かってきています!!」
当たりを監視していた乗組員が、上空に飛竜の群れが現れ、向かってきていることを叫びながら皆に知らせる。
「もう追手が…!船長!」
「アイアイ!」
追手が来ていることを望遠鏡で確認したアーミヤは、船長のモートルト・ガルンリートの方を見る。
「刻印魔法起動!逃げるぞ!!」
アーミヤの意図が分かったモートルトは、風の刻印魔法を発動させ、帆船の速度を上げる。
「姫様!安全な場所へ…!」
帆船が速度を上げる中、アーミヤは安全な場所へとシンシアを移動させる。
「アーミヤは…?」
「私は大丈夫です。必ず戻ってきますから」
心配するシンシアに安心するよう言葉をかけ、アーミヤは追手を迎撃するために、甲板へと戻って行った。
〇
南東の沖合、そこには東の大陸を支配する足がかりを作るために魔王軍の一部が、波に揺られながら大陸に向かっていた。
「ほう?あの悪魔が死亡したと…ざまぁねなぁ…!!」
船が波で揺れる中、マイノル死亡の報告を聞いた獣人は、腹を抱えて笑う。
獣人は、魔王軍の切り込み隊長、リルジャック。脳筋である彼は、頭脳派のマイノルを毛嫌いしており、死亡したことを聞いて喜んだ。
「これで、指揮は私が自由に執ることができる…!」
自分の思い通りに軍の指揮を執れることに、リルジャックが喜んでいると、
「リルジャック様、飛竜部隊から、珍しい船を見つけたとのことです」
部下の一人が飛竜が見つけた船のことを報告した。
「もしかしたら、ソウィエル城に姿がなかった、シンシアが乗っているかも知れません…ここで、その船を手に入れることが出来れば…」
「俺様の地位が高くなるということか」
「はい」
報告を受け、リルジャックの右腕、ガイエルは自分の考えをリルジャックに提案する。
「面白い!!者共、船を捕らえるぞよ !!」
ウオォーーーーー!!!!
ガイエルの提案を気に入ったリルジャックは、シンシア達が乗っている船を捕らえるように部下に命じた。
リルジャックの命令が下ったことにより、飛竜は船への攻撃を開始する。
〇
「うわぁっ!」
「火を消せ火を!!」
飛竜に追いつかれた帆船は火球による攻撃を受け、慌てていた。
「雷よ、我が敵を薙ぎ払え!」
アーミヤは襲いかかってくる飛竜に向け、雷を落とし感電させ撃墜させる。
量が少なかったのもあり、攻撃を受けてから数分後には飛竜は全滅していた。
「消化活動を急いで、必ずまた追手が来ます!」
不安が拭いきれないアーミヤは、乗組員達に消化活動を急がせる。
火球により発生した炎を沈静化出来た時、アーミヤの不安が的中する。
「魔王軍だ、魔王軍の軍勢だァ!!」
魔王軍の艦隊が、こちらに向かって来ているのが分かり、その数に乗組員達は恐怖する。
「何怖気付いてんだテメェらァ!!」
モートルトは、魔王軍に怖気ついている乗組員達を怒鳴りつける。
「あんな若けぇ王女様は、親父の死を受け入れて、前に進もうとしてんだ!!そんな王女様が乗っているというのに、テメェら魔王軍如きにビビるんじゃねぇ!!海の男だろうが!!」
モートルトは声を大にして、乗組員達に喝を入れる。
その一方で、アーミヤは保険をかけていた。
「これで何とかなるはずだけど…」
保険をかけたアーミヤがそう呟いた瞬間、船体が大きく揺れる。
「何っ!?」
「砲弾です!奴ら砲弾を使用してきます!!」
船体が揺れた原因を乗組員は驚いた様子で伝える。
この世界の魔王軍は野蛮族とも言われており、魔法を使っても、人類の道具を使うことは出来ないと言われていた。そんな魔王軍が、大砲を使ってくれば、驚くのも無理は無い。
「打ち返したれ!!」
「アイアイ!!」
こちらも負けじと、帆船の舷側から砲弾が放たれる。
だが、
バゴンッ!ドゴンッ!!
魔王軍は臆することなく大砲を打ち続け、帆船に次々と砲弾が命中。浸水などによるダメージで、帆船の速度は低下し始める。
「……皆さん、何かに捕まってください!!」
これ以上ダメだと判断したアーミヤは、保険を発動させることにした。
「大転移!!」
砲弾が次々と降り注いでくる中、アーミヤは保険として予め用意しておいた転移魔法を発動させる。
転移魔法を発動した帆船は青白い光を放ち、乗組員達共々何処かへ消えて行ってしまった。
「お父様…」
一人城に残った父、リルトリンのことをシンシアは心配しており、ソウィエル城がある方向を見つめる。
その時だった。
ドォォォォン!!!!
大きな爆発音が鳴り響いたと思ったら、ソウィエル城がある方向からキノコ雲が上るのが見える。
「…………ご立派です、お父様……」
リルトリンが魔王軍諸共自爆したと瞬時に分かったシンシアは、リルトリンのことを讃えながら、もう二度と優しかった父親が戻ってこないことを悟り、泣き崩れる。
「シンシア様…」
泣き崩れるシンシアに、アーミヤはそっと寄り添う。
乗組員達も気を使い、黙って船を逃亡先に進める。
船が揺れる中、シンシアの泣き声が辺りに響きわたり、それを聞いている全員、ただ黙っているしかできなかった。
〇
敵に襲われることなく、船はソウィエル王国の沖合に出ることが出来た。
沖合に出る頃にはシンシアも泣き止んでおり、今は気持ちを切り替えていた。
このまま何事もなく亡命先に辿り着く、誰もがそう思っていた矢先。
「…!飛竜…!魔王軍の飛竜がこちらに向かってきています!!」
当たりを監視していた乗組員が、上空に飛竜の群れが現れ、向かってきていることを叫びながら皆に知らせる。
「もう追手が…!船長!」
「アイアイ!」
追手が来ていることを望遠鏡で確認したアーミヤは、船長のモートルト・ガルンリートの方を見る。
「刻印魔法起動!逃げるぞ!!」
アーミヤの意図が分かったモートルトは、風の刻印魔法を発動させ、帆船の速度を上げる。
「姫様!安全な場所へ…!」
帆船が速度を上げる中、アーミヤは安全な場所へとシンシアを移動させる。
「アーミヤは…?」
「私は大丈夫です。必ず戻ってきますから」
心配するシンシアに安心するよう言葉をかけ、アーミヤは追手を迎撃するために、甲板へと戻って行った。
〇
南東の沖合、そこには東の大陸を支配する足がかりを作るために魔王軍の一部が、波に揺られながら大陸に向かっていた。
「ほう?あの悪魔が死亡したと…ざまぁねなぁ…!!」
船が波で揺れる中、マイノル死亡の報告を聞いた獣人は、腹を抱えて笑う。
獣人は、魔王軍の切り込み隊長、リルジャック。脳筋である彼は、頭脳派のマイノルを毛嫌いしており、死亡したことを聞いて喜んだ。
「これで、指揮は私が自由に執ることができる…!」
自分の思い通りに軍の指揮を執れることに、リルジャックが喜んでいると、
「リルジャック様、飛竜部隊から、珍しい船を見つけたとのことです」
部下の一人が飛竜が見つけた船のことを報告した。
「もしかしたら、ソウィエル城に姿がなかった、シンシアが乗っているかも知れません…ここで、その船を手に入れることが出来れば…」
「俺様の地位が高くなるということか」
「はい」
報告を受け、リルジャックの右腕、ガイエルは自分の考えをリルジャックに提案する。
「面白い!!者共、船を捕らえるぞよ !!」
ウオォーーーーー!!!!
ガイエルの提案を気に入ったリルジャックは、シンシア達が乗っている船を捕らえるように部下に命じた。
リルジャックの命令が下ったことにより、飛竜は船への攻撃を開始する。
〇
「うわぁっ!」
「火を消せ火を!!」
飛竜に追いつかれた帆船は火球による攻撃を受け、慌てていた。
「雷よ、我が敵を薙ぎ払え!」
アーミヤは襲いかかってくる飛竜に向け、雷を落とし感電させ撃墜させる。
量が少なかったのもあり、攻撃を受けてから数分後には飛竜は全滅していた。
「消化活動を急いで、必ずまた追手が来ます!」
不安が拭いきれないアーミヤは、乗組員達に消化活動を急がせる。
火球により発生した炎を沈静化出来た時、アーミヤの不安が的中する。
「魔王軍だ、魔王軍の軍勢だァ!!」
魔王軍の艦隊が、こちらに向かって来ているのが分かり、その数に乗組員達は恐怖する。
「何怖気付いてんだテメェらァ!!」
モートルトは、魔王軍に怖気ついている乗組員達を怒鳴りつける。
「あんな若けぇ王女様は、親父の死を受け入れて、前に進もうとしてんだ!!そんな王女様が乗っているというのに、テメェら魔王軍如きにビビるんじゃねぇ!!海の男だろうが!!」
モートルトは声を大にして、乗組員達に喝を入れる。
その一方で、アーミヤは保険をかけていた。
「これで何とかなるはずだけど…」
保険をかけたアーミヤがそう呟いた瞬間、船体が大きく揺れる。
「何っ!?」
「砲弾です!奴ら砲弾を使用してきます!!」
船体が揺れた原因を乗組員は驚いた様子で伝える。
この世界の魔王軍は野蛮族とも言われており、魔法を使っても、人類の道具を使うことは出来ないと言われていた。そんな魔王軍が、大砲を使ってくれば、驚くのも無理は無い。
「打ち返したれ!!」
「アイアイ!!」
こちらも負けじと、帆船の舷側から砲弾が放たれる。
だが、
バゴンッ!ドゴンッ!!
魔王軍は臆することなく大砲を打ち続け、帆船に次々と砲弾が命中。浸水などによるダメージで、帆船の速度は低下し始める。
「……皆さん、何かに捕まってください!!」
これ以上ダメだと判断したアーミヤは、保険を発動させることにした。
「大転移!!」
砲弾が次々と降り注いでくる中、アーミヤは保険として予め用意しておいた転移魔法を発動させる。
転移魔法を発動した帆船は青白い光を放ち、乗組員達共々何処かへ消えて行ってしまった。
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