59 / 150
第六章〜新たな世界〜
第54話 新たな客人
しおりを挟む
日米輸送艦隊を受け入れから数日が経過した。陸軍軍人が合流したため、日丸国は新たに陸軍を設立。初代陸軍参謀長に、74式戦車の指導員として搭乗していた大日本帝国陸軍の永山 勇夫が務めることになった。
無論、マックスが参謀長を務める案も出たのだが、あの態度で印象が悪かったため、不採用となった。本人は差別だとほざいていたが、カイルによって黙らされた。
そんなことがありつつも、日丸国は平和を保っていた。
〇
「参ったなぁ~…」
新たに建設された参謀本部の執務室にて、丸坊主の男性が頭を掻きながら、一人悩んでいた。
彼こそが、日丸国陸軍参謀長に任命された永山勇夫である。
「どうしたのですか?永山参謀総長…?」
執務室に肌が焼けた一人の女性が入ってくる。
彼女の名は、深山 美子。勇夫同様大日本帝国陸軍の一人だった女性だ。
「竹田さんに、陸軍のことを任せもらったのはいいんだけど…兵や武器がなぁ…」
「あー…」
勇夫が悩んでいる理由を聞き、美子は納得する。
兵士不足は陸海両方とも言えるのだが、一番の問題は武器だ。海戦をメインに行っていた日丸国に、ライフルなどの武器は生産されていなかった。今は積荷として積載していた64式7.62mm小銃と、M16自動小銃をそれぞれ分解解析している状況で、生産体制が整うのは先だと言われている。
「戦車…特に74式に関しては、虎の子だからな…そう簡単にバラして、解析して量産させることは出来ない…」
溜息を吐きながら、勇夫は頭を掻く。
「一回、お茶にしません?息抜きも大切ですよ」
「そうだな…一度休むとするか」
美子に誘われ、勇夫は一度休むことにした。
「あれ?煙草は吸わないですか?」
普段ならば、休憩するときは必ずと言ってもいい程、毎回煙草を吸っている勇夫が煙草を吸おうとしないのを見て、美子は不思議そうに尋ねた。
「この世界で、煙草は貴重なんだ。一応葉巻やパイプとかはあるようだが、俺はいつもの煙草が良いからな…本当に吸いたいという時以外は、吸わないようにしたんだ」
お茶を二人分入れながら、勇夫は煙草を吸っていない理由を述べた。
二人が他愛もない会話をしていると、
ドンッ!!!
突如大きな音と揺れが発生する。
「な、なんだ!?」
「分かりませんが、外に出ましょう…!」
緊急事態だと察した二人は外に出て、状況を確認することにした。
〇
「これはまた…」
音と揺れを起こした物体を最初に見つけた光太郎は、その正体に帽子の唾を上げながら驚いた。
光太郎の目の前には、木々を薙ぎ倒し大破しているだろう帆船があった。
「異世界とは、考えられないことも起きるのだな…」
異世界の事象に納得しつつ、光太郎は連れて来た部下達と共に、空いていた穴から船内に入り、船内を調査することにした。
「亡くなっている者も居れば、息がある者も居るな…」
無惨にも亡くなってしまった者に、手を合わせ供養しつつ、光太郎は生存者を部下に安全な場所へ運ばせる。
「山本司令長官、来て貰ってもいいですか?」
「分かった」
部下に呼ばれ、光太郎は呼ばれた方に向かっていく。
「この方、明らか高貴な子なのですが…どう致しましょう…?」
呼ばれた場所に向かうと、そこには高そうな衣服を身にまとった少女が居た。
「…ふむ、明らか何処かの国のお姫様のようだな…」
「どう致しましょうか…」
「私が運ぼう。この子を連れていくついでに、報告をしようと思うからな」
「はっ!」
気を失っている高貴な少女は、光太郎が連れて行くことになり、光太郎はお姫様抱っこで少女を軽々と抱き上げ、後のことを部下達に任せて、街の方へと戻って行った。
「アー…ミ、ヤ……?」
街に向かっている最中、気がついた少女は、目を開けて寝ぼけながら光太郎のことを見つめる。
「アーミヤという者ではないが…君を助けた者とだけ言っておこう…もうしばらくおやすみ…姫君」
少女が目を開けたことに気がついた光太郎は、優しい声付きで少女に声をかけ、少女は安心したのかそのまま眠ってしまった。
無論、マックスが参謀長を務める案も出たのだが、あの態度で印象が悪かったため、不採用となった。本人は差別だとほざいていたが、カイルによって黙らされた。
そんなことがありつつも、日丸国は平和を保っていた。
〇
「参ったなぁ~…」
新たに建設された参謀本部の執務室にて、丸坊主の男性が頭を掻きながら、一人悩んでいた。
彼こそが、日丸国陸軍参謀長に任命された永山勇夫である。
「どうしたのですか?永山参謀総長…?」
執務室に肌が焼けた一人の女性が入ってくる。
彼女の名は、深山 美子。勇夫同様大日本帝国陸軍の一人だった女性だ。
「竹田さんに、陸軍のことを任せもらったのはいいんだけど…兵や武器がなぁ…」
「あー…」
勇夫が悩んでいる理由を聞き、美子は納得する。
兵士不足は陸海両方とも言えるのだが、一番の問題は武器だ。海戦をメインに行っていた日丸国に、ライフルなどの武器は生産されていなかった。今は積荷として積載していた64式7.62mm小銃と、M16自動小銃をそれぞれ分解解析している状況で、生産体制が整うのは先だと言われている。
「戦車…特に74式に関しては、虎の子だからな…そう簡単にバラして、解析して量産させることは出来ない…」
溜息を吐きながら、勇夫は頭を掻く。
「一回、お茶にしません?息抜きも大切ですよ」
「そうだな…一度休むとするか」
美子に誘われ、勇夫は一度休むことにした。
「あれ?煙草は吸わないですか?」
普段ならば、休憩するときは必ずと言ってもいい程、毎回煙草を吸っている勇夫が煙草を吸おうとしないのを見て、美子は不思議そうに尋ねた。
「この世界で、煙草は貴重なんだ。一応葉巻やパイプとかはあるようだが、俺はいつもの煙草が良いからな…本当に吸いたいという時以外は、吸わないようにしたんだ」
お茶を二人分入れながら、勇夫は煙草を吸っていない理由を述べた。
二人が他愛もない会話をしていると、
ドンッ!!!
突如大きな音と揺れが発生する。
「な、なんだ!?」
「分かりませんが、外に出ましょう…!」
緊急事態だと察した二人は外に出て、状況を確認することにした。
〇
「これはまた…」
音と揺れを起こした物体を最初に見つけた光太郎は、その正体に帽子の唾を上げながら驚いた。
光太郎の目の前には、木々を薙ぎ倒し大破しているだろう帆船があった。
「異世界とは、考えられないことも起きるのだな…」
異世界の事象に納得しつつ、光太郎は連れて来た部下達と共に、空いていた穴から船内に入り、船内を調査することにした。
「亡くなっている者も居れば、息がある者も居るな…」
無惨にも亡くなってしまった者に、手を合わせ供養しつつ、光太郎は生存者を部下に安全な場所へ運ばせる。
「山本司令長官、来て貰ってもいいですか?」
「分かった」
部下に呼ばれ、光太郎は呼ばれた方に向かっていく。
「この方、明らか高貴な子なのですが…どう致しましょう…?」
呼ばれた場所に向かうと、そこには高そうな衣服を身にまとった少女が居た。
「…ふむ、明らか何処かの国のお姫様のようだな…」
「どう致しましょうか…」
「私が運ぼう。この子を連れていくついでに、報告をしようと思うからな」
「はっ!」
気を失っている高貴な少女は、光太郎が連れて行くことになり、光太郎はお姫様抱っこで少女を軽々と抱き上げ、後のことを部下達に任せて、街の方へと戻って行った。
「アー…ミ、ヤ……?」
街に向かっている最中、気がついた少女は、目を開けて寝ぼけながら光太郎のことを見つめる。
「アーミヤという者ではないが…君を助けた者とだけ言っておこう…もうしばらくおやすみ…姫君」
少女が目を開けたことに気がついた光太郎は、優しい声付きで少女に声をかけ、少女は安心したのかそのまま眠ってしまった。
192
あなたにおすすめの小説
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる