大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生

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第八章〜統一戦争〜

第83話 夜桜艦隊対第五艦隊

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大東洋南部。その海域に夜桜艦隊が深海で息を潜め獲物を待っていた。

「…出てきたな」

潜望鏡深度まで浮上している津軽にて、剛士は潜望鏡を通して、第五艦隊が王国艦隊と共に出てくる所を確認していた。

「これより、我が艦隊は敵艦隊殲滅作戦に移行する。第二戦速深度210、潜航開始!」

「よーそろ~」

夜桜艦隊は第五艦隊を殲滅するため、深度210まで潜水を開始、殲滅作戦に出ることにした。
旗艦の津軽を先頭に、夜桜艦隊は暗い海の中を進み始めた。

「佐渡に、貴艦は敵艦隊を後ろから追尾し、本隊に正確な位置情報を伝えと打電」

「了解しました」

敵の位置を把握するためにも剛士は、佐渡に第五艦隊の尾行を任せ、その命を受けた佐渡は第五艦隊の後ろに着くため、一隻艦隊を離れて行った。
そして

「司令長官、佐渡から打電。我、敵艦隊ノ最後尾二着ク、コレヨリ敵艦隊ノ尾行ヲ開始スルとのことです」

佐渡からの報告を受け、剛士は夜桜艦隊に、新たな命令を出すことにした。

「夜桜艦隊、全艦最大戦速!佐渡からの敵艦隊の位置情報を元に、先回りをする!」

新たな命令を受けた夜桜艦隊は、佐渡からの敵艦隊の位置情報を元に、先回りを行うため動き出す。
それから数時間後、第五艦隊はアーガス共和国の海域内の目前まで迫っていた。

「…今だな……これより攻撃を開始する!佐渡は今すぐ海域から離脱せよ!全艦、魚雷発射用意!!」

佐渡が退却を開始する中、夜桜艦隊は横一列に並び、各艦が魚雷装填を始める。

「佐渡、退避完了!」

「全門魚雷一斉発射!!」

剛士の命令により、40発にも及ぶ魚雷が、第五艦隊に向けて放たれ、魚雷は容赦なく第五艦隊と王国艦隊に着弾することになる。





戦艦3隻、空母5隻、重巡洋艦25隻、軽巡洋艦12隻駆逐艦45隻、フリゲート艦50隻、計140隻にも及ぶ、ロレック王国海軍と、第五艦隊を合わせた大艦隊は、密集隊形を維持したまま、アーガス共和国の海域に入ろうとしていた。

「ビルメーラス司令長官、間もなく桜花艦隊の予想展開位置に辿り着きます」

海図を見ていた乗組員はスパイの情報を元に桜花艦隊の展開位置をある程度予想しており、その位置に迫って来ていることを報告する。

「そうか、わかった…」

報告を受けたデヴィッドはマイクを手に取った。

「全艦に告ぐ!間もなく我が艦隊は桜花艦隊接敵する!敵艦隊は強大だ…しかし!我々は栄光ある帝国海軍ロイヤルマリンだ!!臆することなく、戦い抜き!必ず勝利を掴もうぞ!!」

デヴィッドは拡散機で全艦を鼓舞し、続けて命令を出すことにした。

「航空隊、全機はっ!」

空砲に搭載されている艦上機の発艦命令を出そうとしたその時、

ドーンドーンドーン!!!

大きな爆発音が何度も響き渡り、それと同時に水柱も立ち登る。

「何事だ!!」

「ら、雷撃です!大量の雷撃が!!」

「なんだと!?被害は!?」

突如起きた爆発が雷撃による物だと聞いたデヴィッドは驚きつつ、被害の確認を行う。

「戦艦コルブラント爆沈!アイムール級重巡洋艦5隻、シャルル級駆逐艦21隻、フリゲート艦8隻が撃沈もしくは大破とのことです!」

「そ、そんな…馬鹿な!!」

一瞬にしての被害に、デヴィッドは狼狽える。
そして更に魚雷が襲いかかってくる。

「どわっ!」

デヴィッドが乗艦するシルフィードにも魚雷が刺さり、船体が大きく揺れる。

「全艦魔導障壁展開!」

更なる被害が出る中、デヴィッドは遅れつつ魔導障壁を展開させる。

「被害報告!!」

「左舷艦尾に被弾、現在浸水中!」

「空母ネヴァン大破!航行不能!!」

「アイムール級重巡洋艦3隻、ヤグルシ級軽巡洋艦9隻、パラシュ級駆逐艦7隻、シャルル級駆逐艦7隻、フリゲート艦5隻大破もしくは中破!!」

デヴィッドの言葉を皮切りに、シルフィードの艦橋には次々と被害報告が入ってくる。

「……敵艦の姿は確認できたんだな!?」

甚大な被害が出ている中、デヴィッドは敵の位置を問いただした。

「それが、レーダーには一切反応がなく…」

「そんな馬鹿な話があるものか!!」

レーダーには反応がないと聞き、デヴィッドを声を荒らげる。

「一体全体何が起きているのだ!!」

得たのしれない恐怖を抑えつけようと、デヴィッドは自暴自棄気味に叫ぶ。

「魔導障壁展開中ならば、安全だ!その間に敵を捉えドカーーーン!!!!!!

敵を捉えるように命令を下したその時、シルフィードの前方を航行していた戦艦フロレントの魔導障壁が突き破られ、そのままフロレントは真っ二つに折れ沈んで行く。

「あ、あぁ…ああっ!!」

強力な魔導障壁が打ち破られ、沈んで行くフロレントを目の当たりにしたデヴィッドは腰を抜かし、床に座り込んだ。

「…………全艦回頭!迅速に撤退せよ!!」

床に座り込みながら、デヴィッドは第五艦隊と王国艦隊全艦に、撤退命令を出した。
乗組員達は、デヴィッドの撤退命令に歯向かうどころか、一目散に逃げ始めた。





紅宮から敵のスクリュー音がおかしいと聞いた剛士は、攻撃を辞めさせ潜望鏡深度まで浮上、第五艦隊の様子を確認していた。

「おっと…敵さん引いて行ってるな…」

潜望鏡で敵が撤退を始めているのを見た剛士は、皆に聞こえるように海上の様子を話した。

「追撃します?」

海上の様子を剛士から聞いた紅宮は追撃をするかどうかを尋ねた。

「いや、追撃はなしだ。こうして生存者を帰らせば、我々のことが噂で広まり、警戒すべき相手になる。潜水艦は居るか居ないか分からない故に、敵も無闇に艦隊を出すことが出来なくなるのだよ」

剛士は紅宮に、追撃をしないことと、その理由を述べた。

「なるほど、勉強になります!」

理由を聞いた紅宮は満面の笑みを浮かべながら、納得し、その様子を剛士は微笑ましく思った。

「よし、敵が完全に撤退したのを確認した後、我々は補給のために一時戦線を離脱する」
ハッ!!!

こうして、夜桜艦隊と第五艦隊の海戦は幕を閉じた。
この海戦で、第五艦隊は戦艦1、空母1、重巡洋艦3、軽巡洋艦8、駆逐艦9隻を失い、王国艦隊は唯一の戦艦、重巡洋艦6、軽巡洋艦2、駆逐艦31隻、フリゲート艦15という、保有海軍力の半分が失う大損害を被り、両国海軍は夜桜艦隊をunknownと名づけ、大和型戦艦に次いで、畏怖の対象としていくことになった。
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