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第八章〜統一戦争〜
第82話 統一戦争南部方面
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アーガス共和国とロレック王国の国境付近。そこには森が健在しており、その森が壁の役割をしていた。
そんな森の中を、大帝国の第六混成師団を編入した王国軍が、土嚢や鉄条網などを破壊するため戦車を先頭に、ミルバルに向けて侵攻していた。
「ジャガーがあれば、十分だと思うのだがな…」
歩兵と共に先頭を走っている300両の戦車を、後ろを走っている装甲車から眺めていた戦車大隊長ティニス・スパルサーは、煙草を吸いつつ、勝利を確信していた。
V号魔導戦車ジャガー。全長8.7m、主砲に70口径75mm砲を搭載した魔導戦車で、史実のV号戦車パンターと同レベルの性能を持っている。
「今回に関しては、戦車10両に一小隊で十分だろ…」
煙草の煙を吐きながら、ティニスはそう考えていた。
ジャガーは、帝国陸軍の主力戦車で、アルハバト戦争でも活躍した。そのため、乗組員達の練度はそれなりに上がっている。一方のアーガス共和国は、ミルバルしか都市を持っておらず、技術も大帝国より劣っているので、ティニス的には過剰戦力と考えているのだ。
ティニスが文句を述べる中突如、
バァン!
大きな爆発音が鳴り響き車が止まった。
「何事だ!?」
列が止まったことに、ティニスが驚いていると、
「大隊長!地雷です!対戦車地雷で先頭車のキャタピラが外れ、動かなくなったと!!」
「なんだと!?」
装甲車に乗せていた通信兵から、地雷によって戦車が動かなくなっているという報告を聞いたティニスは、更に驚いた。
「シャールス師団長に今すぐこのことを知らせろ!判断を仰ぐ!」
「はっ!!」
ティニスの命令で、通信兵は本隊に向けて通信を飛ばした。
〇
ミルバルの隣にあるロレック王国の都市ベネナス。そこにヨークの姿があった。
「進行不可能だと?」
作戦会議室にある椅子に座っていたヨークは、通信兵から戦場の状況を聞いていた。
「はい、どうやら対物地雷が仕込まれていたようで…それに引っかかって戦車が走行不可能に…あそこの道は狭いので、戦車が2、3両立ち往生してしまいますと、戦車や装甲車は通れなくなってしまいます」
「待て、対戦車地雷だと?そんなものが仕込まれているなぞ、聞いてないぞ?」
アーガス共和国に送り込んだスパイから、対戦車地雷のことを聞いていなかったヨークは、そのことを聞いた。
「はい、報告を受けてすぐ。連絡を取り問いただしましたが…一切知らなかったようです。恐らく、スパイの存在に気付き、内密に設置したのかもしれません…」
聞かれた兵士は、事前に送り込んだスパイから聞いた事をヨークに話した。
「ふむ…面倒だな……」
スパイからの話を聞いたヨークは呟きながら、両腕を組み思考を巡らせる。
「……仕方あるまい、地雷に気を付けて歩兵を向かわせろ。鉄条網などは爆弾で吹き飛ばすんだ、我々はあくまでも囮だからな…内部のスパイと共に、可能な限り敵兵を街の外へ誘き出せ!」
「イエッサー!」
考えた末ヨークは、歩兵だけで作戦を継続させることにした。
「ああ、それと…第五艦隊に艦砲射撃を要請しといてくれ、栄光ある帝国海軍ならば、これくらいできるだろう」
「イエッサー」
思い出したかのように、ヨークは部下に第五艦隊の出撃を要請するよう頼んだ。
〇
「ふざけるでない!!」
ロレック王国の港町に停泊している第五艦隊旗艦、ウンディーネ級航空母艦シルフィードの第一艦橋にて、艦隊司令長官デヴィッド・ビルメーラスは、ヨークから受けた報告に激昂した。
「桜花艦隊を殲滅しつつ、艦砲射撃を行えだと!?無茶なことを言うな!!」
ヨークから命令に、デヴィッドは怒り狂う。
その理由としては、デヴィッドはドラスからしっかりと桜花艦隊特に大和の危険性を知らされており、その危険性を知らないヨークからの楽観的な命令を一方的に伝えられたので、怒りを爆発させているのだ。
「どういたしましょう?命令通りに動きますか?」
「馬鹿者!あんな奴の命令を馬鹿正直に聞けば死ぬぞ!」
「申し訳ございません」
質問した部下に、デヴィッドは叱責する。
「陸上への支援は後回しにし、先に桜花艦隊に挑む!」
「しかし、それだと命令無視に…!」
「奴には、目先の脅威を排除しなければ、まともな火力支援は出来んと言っておけ!」
デヴィッドはヨークからの命令を無視し、最初に桜花艦隊に挑むことにした。
「第五艦隊、全艦出撃!!」
桜花艦隊に攻撃を仕掛けるため、デヴィッド率いる第五艦隊は、アーガス共和国に向けて動き出した。
そんな森の中を、大帝国の第六混成師団を編入した王国軍が、土嚢や鉄条網などを破壊するため戦車を先頭に、ミルバルに向けて侵攻していた。
「ジャガーがあれば、十分だと思うのだがな…」
歩兵と共に先頭を走っている300両の戦車を、後ろを走っている装甲車から眺めていた戦車大隊長ティニス・スパルサーは、煙草を吸いつつ、勝利を確信していた。
V号魔導戦車ジャガー。全長8.7m、主砲に70口径75mm砲を搭載した魔導戦車で、史実のV号戦車パンターと同レベルの性能を持っている。
「今回に関しては、戦車10両に一小隊で十分だろ…」
煙草の煙を吐きながら、ティニスはそう考えていた。
ジャガーは、帝国陸軍の主力戦車で、アルハバト戦争でも活躍した。そのため、乗組員達の練度はそれなりに上がっている。一方のアーガス共和国は、ミルバルしか都市を持っておらず、技術も大帝国より劣っているので、ティニス的には過剰戦力と考えているのだ。
ティニスが文句を述べる中突如、
バァン!
大きな爆発音が鳴り響き車が止まった。
「何事だ!?」
列が止まったことに、ティニスが驚いていると、
「大隊長!地雷です!対戦車地雷で先頭車のキャタピラが外れ、動かなくなったと!!」
「なんだと!?」
装甲車に乗せていた通信兵から、地雷によって戦車が動かなくなっているという報告を聞いたティニスは、更に驚いた。
「シャールス師団長に今すぐこのことを知らせろ!判断を仰ぐ!」
「はっ!!」
ティニスの命令で、通信兵は本隊に向けて通信を飛ばした。
〇
ミルバルの隣にあるロレック王国の都市ベネナス。そこにヨークの姿があった。
「進行不可能だと?」
作戦会議室にある椅子に座っていたヨークは、通信兵から戦場の状況を聞いていた。
「はい、どうやら対物地雷が仕込まれていたようで…それに引っかかって戦車が走行不可能に…あそこの道は狭いので、戦車が2、3両立ち往生してしまいますと、戦車や装甲車は通れなくなってしまいます」
「待て、対戦車地雷だと?そんなものが仕込まれているなぞ、聞いてないぞ?」
アーガス共和国に送り込んだスパイから、対戦車地雷のことを聞いていなかったヨークは、そのことを聞いた。
「はい、報告を受けてすぐ。連絡を取り問いただしましたが…一切知らなかったようです。恐らく、スパイの存在に気付き、内密に設置したのかもしれません…」
聞かれた兵士は、事前に送り込んだスパイから聞いた事をヨークに話した。
「ふむ…面倒だな……」
スパイからの話を聞いたヨークは呟きながら、両腕を組み思考を巡らせる。
「……仕方あるまい、地雷に気を付けて歩兵を向かわせろ。鉄条網などは爆弾で吹き飛ばすんだ、我々はあくまでも囮だからな…内部のスパイと共に、可能な限り敵兵を街の外へ誘き出せ!」
「イエッサー!」
考えた末ヨークは、歩兵だけで作戦を継続させることにした。
「ああ、それと…第五艦隊に艦砲射撃を要請しといてくれ、栄光ある帝国海軍ならば、これくらいできるだろう」
「イエッサー」
思い出したかのように、ヨークは部下に第五艦隊の出撃を要請するよう頼んだ。
〇
「ふざけるでない!!」
ロレック王国の港町に停泊している第五艦隊旗艦、ウンディーネ級航空母艦シルフィードの第一艦橋にて、艦隊司令長官デヴィッド・ビルメーラスは、ヨークから受けた報告に激昂した。
「桜花艦隊を殲滅しつつ、艦砲射撃を行えだと!?無茶なことを言うな!!」
ヨークから命令に、デヴィッドは怒り狂う。
その理由としては、デヴィッドはドラスからしっかりと桜花艦隊特に大和の危険性を知らされており、その危険性を知らないヨークからの楽観的な命令を一方的に伝えられたので、怒りを爆発させているのだ。
「どういたしましょう?命令通りに動きますか?」
「馬鹿者!あんな奴の命令を馬鹿正直に聞けば死ぬぞ!」
「申し訳ございません」
質問した部下に、デヴィッドは叱責する。
「陸上への支援は後回しにし、先に桜花艦隊に挑む!」
「しかし、それだと命令無視に…!」
「奴には、目先の脅威を排除しなければ、まともな火力支援は出来んと言っておけ!」
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「第五艦隊、全艦出撃!!」
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