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しおりを挟む「ジャンネ…」
ジャンネ様の婚約者はちょっと違うようで、悲しい顔をしてジャンネ様を見つめている。
ジャンネ様はその顔に小さく頷き、私達に耳打ちする。
「皆様、これは茶番です。耐えて頂けますか?」
やはり何か作戦があるようだ。リーファ様を支えながら私達も小さく頷いた。
そんなコソコソとしていた私達を見て、私の婚約者は馬鹿にしたように鼻をならす。茶番の元凶は、未だに私の婚約者の隣でプルプルと震えていた。
「ふん、言い訳も出来ないようだな。君たち全員がグルな事くらい分かっている。弁明の余地を与えてやろうか。そうだな…ちょうどいい、たった今、アイリーナが毒を盛られた。このグラスだ」
そう言って彼はグラスを高々と掲げた。
「盛ったのはリアナ、君だろう?」
「何を証拠に仰っておられるのでしょうか?」
「ハッ、あくまでシラを切るつもりだな。では、このグラスを飲め!」
その言葉にフィオリーナ様やジャンネ様、それに向こうにいるジャンネ様の婚約者と第二王子が動揺する。
なるほど、第二王子も演技をしてこの集団に紛れているという事か。
何か計画があるみたいだ。それに、動揺具合から、このグラスに関しては予定に無かった事なのだろう。
「これを飲めばよろしいのですね?」
「ああ、嫌だったら今直ぐアイリーナに謝れ」
私が毒を飲む事を嫌がって泣いて謝るとでも思っているのだろう。
しかし、私には心当たり1つない。
その言葉呆れ、グラスを一気に煽る。味は普通。これに毒が入っていたならば、もうすぐしたら苦しくなるのだろうか。
「そんな!リアナ様…!」
ジャンネが声を上げて青ざめる。こっち側らしい第二王子とジャンネ様の婚約者が急いで魔法使いを呼んでいるのが視界の端で見えた。
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